東海(とうかい)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)が、分割民営化後は東海旅客鉄道(JR東海)および東日本旅客鉄道(JR東日本)が東海道本線で運転していた列車である。列車種別は準急→急行→特別急行と変遷し、末期にはワイドビュー車両を使用していたことから「(ワイドビュー)東海」と案内されていた。
本項では、東海道本線の東京駅 - 名古屋駅間で運行された優等列車の沿革についても記述する。
「東海」は、1955年7月20日に東京駅 - 名古屋駅間で準急「東海」として運転を開始。1959年9月には「東海」の補完列車として、準急「新東海」が設定された。1961年10月に「新東海」を速達化して特急「おおとり」に変更し、「東海」は昼行6往復・夜行1往復の7往復体制で、このときが運転本数としては最盛期であった。
1966年3月に急行列車化され、1972年3月には全列車の運転区間を東京駅 - 静岡駅間に変更した。1996年3月には特急列車に格上げされ[1]、運転区間が東海道新幹線と並行する数少ない昼行特急列車として、東海道新幹線の補完輸送の役目を担い、新幹線が経由しない沿線主要駅に対し乗換不要のサービスを提供していたが、2007年3月に利用客の減少により運行を終了した。
廃止時点で、朝と夕方に1往復ずつ、計1日2往復運転されていた。列車番号は3XM(Xは号数)であった。
東京駅 - 三島駅間は同区間を走る「踊り子」の設定時間帯の前後を走り、「踊り子」が通過する平塚駅へも停車していたが、特急化当初は川崎駅と平塚駅は通過していた。
特急料金は、東京駅 - 熱海駅間の停車駅相互区間のみ利用の場合は「踊り子」と同様にJR東日本のB特急料金が、東京駅 - 熱海駅間の各駅と三島駅を利用する場合はJR東海のB特急料金が、そのほかの場合はA特急料金が適用されていた。ただし、三島駅・沼津駅 - 静岡駅間で自由席を利用する場合に限り、特定特急料金950円として、同区間の東海道新幹線自由席料金と同額に合わせていた。
東京駅 - 品川駅 - 川崎駅 - 横浜駅 - 大船駅 - 平塚駅 - 小田原駅 - 湯河原駅 - 熱海駅 - 三島駅 - 沼津駅 - 富士駅 - 清水駅 - 静岡駅
急行時の停車駅(列車・時期により異なる)
東京駅 - 新橋駅(上りのみ) - 品川駅 - 川崎駅 - 横浜駅 - 大船駅 - 藤沢駅 - 茅ケ崎駅 - 平塚駅 - 国府津駅 - 小田原駅 - 湯河原駅 - 熱海駅 - 函南駅 - 三島駅 - 沼津駅 - 吉原駅 - 富士駅 - 新蒲原駅 - 蒲原駅 - 清水駅 - 静岡駅
JR東海静岡車両区所属の373系6両編成(2編成併結)を使用し、指定席車を2両連結しているがグリーン車はなく、普通車のみのモノクラス編成であった。
1号車・2号車は座席指定席(1号車禁煙・2号車喫煙)で、それ以外(3号車 - 6号車)は自由席(5号車以外禁煙)となっていた。1号車・4号車以外の各車両には、大型テーブルを備えた固定ボックス席が2号車・5号車に4区画、3号車・6号車に2区画設けられ、同じ373系を使用する「ふじかわ」「伊那路」と異なり、自由席車に設置されている区画については自由席料金で利用が可能であった。
特急「東海」廃止以降も、東海道本線静岡地区において開催された各種イベントに対応するため、多数の臨時特急・臨時急行・臨時快速列車が設定されている。
使用車両は特記するものを除いて、すべて373系1編成(3両)で運転されている。
F11編成で運転
F1編成で運転
ヘッドマークは列車名にさわやかウォーキング号と付くものは用意された方向幕で、特別な列車名を冠する列車については特別デザインのものをステッカーで作成し貼付にて掲示する。2022年以降の列車ではセミコンパートメント区画を座席販売せず、イベント等に関する展示スペースとして使用。