東京都水道局(とうきょうとすいどうきょく、英: Tokyo Metropolitan Government Bureau of Waterworks)は、東京都の23区および多摩地域26市町に水道水を供給する[1]、東京都の地方公営企業。都営水道とも称する。
独自の井戸水源のため都の上水道給水区域に含まれない未統合自治体、武蔵野市、昭島市、羽村市へは暫定分水を行い(ただし武蔵野市は20%を都水道の水源に頼っており、羽村と昭島については井戸渇水時の緊急供給ラインという位置づけ)、また檜原村は秋川水系の村営水道および簡易水道を供しているため都水道からは未分水である。
およそ1239平方キロメートルの区域、1304万人の都民に水道水を供給し[1]、世界的に見ても大規模な水道事業者[2]。東京都の保有する水源量は日量 630 万m3、浄水場の施設能力は日量 686 万m3、配水管の延長は 26,490km (平成25年3月末現在)、平成 24 年度における年間総配水量は、1,523,190,000m3、一日最大配水量は4,590,000m3 となっている[1]。漏水率は3%で際立って低い[2]。
なお、下水道事業は1962年(昭和37年)に分離され東京都下水道局が行っている。
東京都地方公営企業の設置等に関する条例、東京都公営企業組織条例に基づき交通局、下水道局とともに設置され、東京都給水条例に基づく上水道事業、東京都工業用水道条例に基づく工業用水道事業を行っている。主な監理団体として東京水道株式会社がある。PFI事業としては特別目的会社(SPC)である朝霞・三園ユーティリティサービス株式会社(AMUS)から電力・蒸気の供給を受けてコージェネレーションシステムを稼動している。
以下は河川水源であり、この他に、自治体ごとに山間部の源流水源や地下水源に隣接して浄水所を設置し付近の地区へ水道供給している場合がある。これは青梅市や八王子市など山間部の多い自治体では主たる取水場所よりはるか上流域で高海抜の地区があるためであり(一例として、羽村市の小作取水堰から青梅市の御岳浄水場までの道路距離と獲得標高)、また昔から地区ごとに取水してきた設備を更新したものが多いためでもある。東京都の部局であるが、埼玉県にある朝霞・三郷の両浄水場などのように他の県にも施設を保有している。
(参考)都営水道ではない浄水場
武蔵野市営の浄水場で、深井戸から取水した原水を浄化処理しており、これで総供給量の80%をまかない、都水道を混ぜてから配水している。市内にある境浄水場からの給水は受けておらず、総供給量の20%を占める都水道給水分は利根川水系が大半である。
羽村市羽中にある、市内の深井戸から取水した原水を高度浄化処理する施設。なお昭島市も深井戸取水であるが、水質が良好のため塩素添加のみで浄化処理はしていないため浄水設備もない。
1956年(昭和31年)の工業用水法、1958年(昭和33年)の工業用水事業法の制定に伴って、主に江東、城北地域での地盤沈下抑制のため、地下水汲み上げの制限による代替水の供給を主な目的として事業計画を開始した。1964年(昭和39年)の高度成長期に工業地帯へ給水していたが、オイルショック翌年の1974年度を需要のピークとして工場の縮小や廃止移転の増加、企業側の自主的な公害対応として排水のリサイクル利用が進み、工業用水は大幅に余剰するようになり事業は縮小へ向かった。1960年後半頃からたびたび発生した都内の上水道の渇水の対応として、1980年代に利根川水系の工業用水利用は廃し、当時から汚染がひどくなっていた多摩川水系から送水することとしている。2018年(平成30年)、地盤沈下防止という所期の目的は達成したが、経営状況が厳しく、施設の大規模更新時期の到来が間近に迫る一方、今後も需要の増加が見通せないことから廃止すべきと決定され、2023年(令和5年)をもって工業用水道は事業廃止された[3]。
浄水場は河川水を浄化しているのに対し、浄水所は河川水のほかに地下水も原水として浄化している。以下の都内の浄水所では災害時には給水所や配水所、公園などとともに給水拠点となる。
地方公営企業等の労働関係に関する法律第5条に基づき上記に示す労働組合が存在する。現在、全水道東京水道労働組合(全水道東水労)と東京水道労働組合の2組合に分裂した状態が続いている。前者は日本労働組合総連合会(連合)系の全日本水道労働組合(全水道)に属しており政治的には旧日本社会党系であるが、一部に社青同解放派(労対グループ)の影響が残る。職員の9割は全水道東京水道労働組合に加入している。後者は全国労働組合総連合(全労連)系の日本自治体労働組合総連合(自治労連)に加盟しており政治的に日本共産党系である。全水道東水労は全労連系東水労を区別するために、設立当時の委員長名から、東水労(秋山)と呼称している。
2006年から2009年までの超長期に渡り、本人申告で72回以上の遅刻を繰り返した副参事の男は、部下に命令して出勤記録の公文書を改竄した[13]。
安全でおいしい水プロジェクトのPRの一環として販売されている。500mlのペットボトルに高度浄水処理をした水道水をつめたものである[16]。 都庁本庁舎売店、恩賜上野動物園東園食堂、上野恩賜公園パークス上野、東京体育館スポーツ&カフェファースト、東京国際展示場会議棟2階エントランスホールサービスコーナーネイヴルなどで販売されている[17]。
水道水源の約2割を多摩川水系から求めているため、上流の奥多摩町や甲州市内にかけて約2万2000ヘクタールの山林(水源林)を所有している[18]。水質の向上と水量の安定を図るため2014年までの4年計画でさらに4000ヘクタールに及ぶ民有林の買収に乗り出すことが2010年4月に発表された[18]。
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