似鳥 鶏(にたどり けい、1981年3月20日[1] -)は、日本の小説家・推理作家。千葉県生まれ、在住[2]。千葉大学教育学部卒業[1]。北海道大学法科大学院在学中に小説家デビュー[1]。
2006年、『理由(わけ)あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選し[3][4]、2007年に同作品で小説家デビュー。2014年、『昨日まで不思議の校舎』で2014大学読書人大賞の最終候補作となる[5]。
2022年度選考からノベル大賞(集英社オレンジ文庫・コバルト文庫)の審査員をする事が決まっている。
エピソード
理由あって冬に出る
第16回鮎川哲也賞佳作入選作。
- あらすじ
―某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい。妙な噂のせいで、部員が練習に来なくなってしまった。責任感の強い吹奏楽部の高島部長は、幽霊の噂を否定すべく、意を決して部員の秋野麻衣、そして本編語り手、《僕》こと葉山を伴って夜の芸術棟に張る。しかし予想に反して、幽霊は出た―。同じ日に部室に泥棒に入られた演劇部部長の柳瀬、文芸部部長、博識の三年生伊神先輩を巻き込んで、にわか高校生探偵団が結成される。コミカルな青春ミステリ。
- 鮎川哲也賞応募時、この作品の時代設定は作者の高校生時代と同じ頃(つまり今から十数年前)であり、母校の校舎が解体されると聞いた主人公が当時を回想するという形になっていたが、同賞の選考委員の意見もあり、現在の話に変更された。筆者は実際に母校の校舎が解体されると聞き、それへの哀悼の意を込めたかったのだという。
- toi8の装画による表紙では、主人公とおぼしき少年とともに眼鏡をかけた少女が立っているが、主な登場人物の中に、眼鏡に関する特徴の記述のある者が見あたらないため、一部で論議を呼んでいる。以降の巻の表紙にもこの少女は存在し、次巻である『さよならの次にくる〈卒業式編〉』の表紙において「手紙」を持っている。その次の『さよならの次にくる〈新学期編〉』では、表紙にこの少女が存在するだけでなく、作品中に眼鏡をかけた少女が主要人物として登場し重要な役割を果たしている。なおけーしんによるキャラクターデザインではヒロインの柳瀬沙織は明確に眼鏡をかけていない。
作品リスト
単著
にわか高校生探偵団の事件簿(市立高校)シリーズ
装画:toi8[注 1] → けーしん[注 2]
楓ヶ丘動物園シリーズ
装画:スカイエマ
戦力外捜査官シリーズ
装画:烏羽雨
難事件カフェシリーズ
御子柴シリーズ
装画:丹地陽子
育休刑事シリーズ
その他
アンソロジー
「」内が似鳥鶏の作品
エッセイ・その他
単著未収録短編
- 筋肉事件/四人目の(KADOKAWA『ダ・ヴィンチ』2014年3月号)
- このトリックの問題点(新潮社『小説新潮』2017年7月号)
- 神の両側で猫を飼う(講談社「Mephisto Readers Club」2022年4月18日)
- 吾輩は犯人である(東京創元社『紙魚の手帖』vol.05 JUNE 2022)
- 僕の体には呼べない一部がある(光文社『ジャーロ』No.85 2022 NOVEMBER)
映像化作品
- テレビドラマ
メディア出演
朗読化作品
- 理由(わけ)あって冬に出る(2007年10月 創元推理文庫)が株式会社アールアールジェイにより朗読化されている。朗読者は別府なるみ。
「kikubon(キクボン)」にて現在配信中である。
脚注
注釈
- ^ 『昨日まで不思議の校舎』まで担当。
- ^ 『家庭用事件』刊行時より担当。それまでの既刊分も全て新カバーが書き下ろされ差し替えられた。[7]。
出典
- ^ a b c 会員名簿 似鳥鶏|日本推理作家協会
- ^ 無窓鶏舎
- ^ 第16回 鮎川哲也賞 | 東京創元社
- ^ 『ダ・ヴィンチ』2017年7月号. KADOKAWA. pp. 32.
- ^ 「大学読書人大賞」―大学読書人大賞―大学文芸部イチオシの本
- ^ 東京創元社|Webミステリーズ!(似鳥鶏)
- ^ “似鳥鶏〈市立高校〉シリーズ 人気イラストレーター・けーしんが描く新カバーで登場。主要登場人物紹介[2016年4月]”. Webミステリーズ!. 東京創元社 (2016年4月4日). 2021年9月7日閲覧。
- ^ エンターテインメント 宮崎美子のすずらん本屋堂 | BS11
外部リンク
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 |
- 第30回 千田理緒『五色の殺人者』 / 弥生小夜子『風よ僕らの前髪を』(優秀賞)
- 第31回 受賞作なし
- 第32回 真紀涼介『勿忘草をさがして』(優秀賞)
- 第33回 岡本好貴『帆船軍艦の殺人』
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