今月の少女(こんげつのしょうじょ、朝: 이달의 소녀、イダレソニョ、英: LOONA、ルーナ、中: 本月少女、様式化: LOOΠΔ)は、韓国の11人組ガールズグループである。
BlockBerry Creativeに所属していた。グループ名の英語表記「LOONA」は、ハングル表記の「이달의소녀」の文字の最初の子音(ㅇㄷㅇㅅㄴ)を並べ替えると、アルファベットの「LOONA」の文字に似た「ㄴㅇㅇㄷㅅ」[注 1]になることに由来する[3]。日本のマスコミ報道では「今月の少女 (LOONA)」と表記されることが多い。
ファンクラブ名は「Orbit(オービット、朝: 오빛)」である[4][5]。
メンバー構成は、韓国人11人、香港人1人である。2016年9月から原則として毎月1人ずつのペースで新しいメンバーを公開し、各メンバーによるソロ活動や2~4人前後のグループ内ユニットでの活動を経て、2018年8月にミニアルバム「[+ +]」のタイトル曲「Hi High」で12人全員の完全体としてデビューした。プレデビュー期間中では、各メンバーの名前をタイトルに冠したシングルCDが計12作品、グループ内ユニット「今月の少女(LOONA)1/3」「今月の少女(LOONA)ODD EYE CIRCLE」「今月の少女(LOONA)yyxy」 のミニアルバムが計5作品(このうちリパッケージアルバムは2作品)発表された[6][7][8]。通常のアイドルグループは、「グループ→ユニット→ソロ」の順でデビューするが、今月の少女は「ソロ→ユニット→グループ」の順で登場した逆発想戦略である[9]。
グループのコンセプトを立案したのは、チョン・ビョンギ(朝: 정병기、別名:ジェイデン・ジョン、英: Jaden Jeong、朝: 제이든정)である[10]。チョンは10代の頃は趣味でブロガーとして音楽評論を書き、2000年頃から、アーティストの発掘や育成、アルバム企画・制作・曲目管理などを指揮する「A&R」(Artists and Repertoire)として活動してきた。BROWN EYED SOUL、神話を皮切りに、数多くの人気グループに関わってきた。JYPエンターテインメント在籍時にはWonder Girls、2PM、2AM、Miss Aなどを手がけた。その後Woollimエンターテインメントの理事としてINFINITE、LOVELYZなどのプロデュースを手がけた後、2015年にはWoollimを離れ、今月の少女に関わった。2018年からはソニーミュージック・コリアの常務も務めている。今月の少女におけるミュージックビデオでは、“Creative Director”“Music Producer”の肩書を名乗っていた[11]。
チョンは「メンバーを順次一人ずつ公開し、3つのユニットで活動したのは、立体的なチームを作ろうとしたためだった」「今月の少女のプロジェクトは以前から計画しており、この企画案を実現できる事務所との出会いを待っていた」と語った[10]。チョンは、このアイデアを三十数社の企画会社に持ち込んでいた[12]。
チョンによると、グループの世界観「LOONAverse」を45のパートとして構想したが、Blockberry Creativeの経営陣と対立し、2019年に発表予定だったバラードアルバムの構想は破棄され、同年8月にグループのプロデュースから去った。「LOONAユニバースに戻ることを期待している」と彼は語り、女性グループを日本市場に持ち込むための会話が進行中であると、2019年11月に配信されたインタビュー記事で述べていた[13] 。
2020年2月に発表された2ndミニアルバム「[#]」では、SMエンタテインメント創業者の李秀満が、音楽プロデューサーとして参加した。他の事務所の歌手のアルバムに参加したことは異例のことだった。今月の少女が、SM所属グループであるNCT 127の曲『Cherry Bomb』のダンスカバーを2019年5月に発表し[14]、この動画を見て可能性があると判断したのがきっかけとされていた[15]。しかし、その後に判明した所属事務所の経営悪化から推測すれば、グループ活動継続のための資金調達を李秀満に頼った可能性が高い。
今月の少女は、デビュー時の制作予算として99億ウォン(約10億円、公称)を投入し、各メンバーのデビュー時におけるソロ曲、ユニット曲のミュージックビデオでは、韓国トップクラスの映像集団Dejipediを起用し、フランス、イギリス、日本、アイスランド、香港、オーストラリアなど世界各地でロケを実施した[16]。所属事務所であるブロックベリー・クリエイティブ を指揮している会社「リバイトユナイテッド」のイ・ジョンミョン代表によると、活動資金の調達では、アメリカ、日本、韓国の企業からの投資もあった[17]。全体制作費用のうち50%以上は外部からの投資で、日本のIT企業Donuts[18]も投資に参加した[9]。
YouTubeの公式チャンネルでは、デビュー当初から「今月の少女探求(朝: 이달의소녀탐구、LOONA TV)」と題したシリーズの動画で、ミュージックビデオにおける撮影の舞台裏や、各メンバーのトークなどを数多く公開している。
2018年5月には、イベントプロモーション会社であるライブ・ネイションとの提携が発表され、韓国内や海外ツアーなどのライブにおける運営を委託した[19]。
韓国のテレビ音楽番組では、Mnetで2020年3月12日に放送された音楽番組「M COUNTDOWN」で、初めて1位を獲得した(活動曲は、ミニアルバム「[#](ハッシュ)」のタイトル曲「So What」)[20]。
韓国企業評判研究所が発表している「ガールズグループブランド評判」ランキングでは、2020年3月に初めて1位を獲得した[21]。
2023年に全員がBlockberry Creativeとの契約を終了してからは[22]、それぞれヒジン、ハスル、キムリップ、ジンソル、チェリはMODHAUS[23]、ヒョンジン、ヨジン、ビビ、ゴウォン、オリビアヘはCTD ENM[24]、イヴは無所属後、2024年3月にPAIX PER MILに所属[25][26]、チュウはATRPへ所属することとなった[27]。
グループ内ユニット「今月の少女(LOONA)ODD EYE CIRCLE」が2017年9月に発表したミニアルバム「Mix & Match」は、アメリカではiTunesのK-POPアルバムチャートで2位。同アルバム収録の英語詞楽曲「LOONATIC」は、同じくiTunesのK-POP音源チャートで3位を獲得した[28]。
2018年8月発表の、完全体としてのデビューミニアルバム「[+ +]」は、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、シンガポール、フィリピンの計6ヶ国のiTunes K-POPアルバムチャートで1位を獲得[29]、また。アメリカのビルボード・ワールドアルバムチャートでは4位にランクインした[30](いずれも最高順位)。リードシングル「favOriTe」のミュージックビデオは、YouTubeでの再生回数を国別に分析すると、アメリカ、韓国、ブラジルの順で多かった[17]。
2019年2月発表のリパッケージアルバム「[× ×]」は、アメリカ、オーストリア、スペイン、フランスなど26ヶ国で、iTunesアルバムチャートで1位に。 アメリカ、カナダなど5ヶ国のiTunes Kポップチャートで1位を獲得した[31]。同年10月18日には、アメリカのiTunesメインチャートで1位を獲得した。同チャートで韓国の女性グループが1位を獲得したのは、TWICE、Red Velvetに続いて史上3組目だった[32][注 2] 。
2019年12月2日付の、アメリカ・iTunesのK-POPソングスチャートでは、クリスマスソングである「THE CAROL」(2016年、歌:ヒジン、ヒョンジン、ハスル)が1位になった[33] 。
2019年12月発表のリードシングル「365」は、アメリカを含む22ヶ国のiTunesチャートで1位を記録した。これにより、アメリカのiTunesでは、シングル、アルバム両チャートで1位を記録したことになる。この記録は、K-POPグループの中ではBTSに次ぐ2番目だった[34]。アメリカ・ビルボードワールドデジタルソングセールスチャートでは1位を獲得した[35]。
2020年2月発表のミニアルバム「[#]」は、56ヶ国のiTunesアルバムチャートで1位になった。ビルボードワールドアルバムチャートで4位、リード曲「So What」は、ワールドデジタルセールスソングチャートで4位になった[36]。
2020年4月に発表された、メンバーのジンソルによるソロ曲「As Time Goes」は、トルコ、シンガポール、フィンランド、アルゼンチン、タイ、メキシコなど30ヶ国・地域のiTunesチャートで首位を獲得した[37]。アメリカ・ビルボードワールドデジタルソングセールスチャートでは2位を獲得した[38]。
2020年8月1日には、アメリカ公式サイトがオープンした[39]。
2020年10月発売のミニアルバム「[12:00]」は、アメリカ・ビルボードのメインチャート「ビルボード200」に、112位でランクインした。ビルボード200へのランクインは、BoA、少女時代、2NE1、TWICE、BLACKPINKに続く、K-POP女性アーティストとしては6番目の記録で、中小事務所所属のガールズグループとしては初だった[40]。ビルボードでは、8つのチャートに登場した。アルバム発売3日で、iTunesのアルバムチャート51カ国1位、iTunesのアルバムチャートワールドワイド3日連続1位、米国ローリングストーン「トップ200」チャート2週連続ランクイン、イギリスオフィシャルチャートであるオフィシャルアルバムダウンロードチャートのトップ100入りなどを記録した[41]。
アメリカのラジオネットワーク「i Heart Radio(アイハートラジオ)」が主催する年末音楽祭「Jingle Ball(ジングルボール)」の事前公演である「Jingle Ball Village(ジングルボール・ビレッジ)」2020年12月11日放送に出演した。事前に収録したライブとコメントが放送された[42]。
「다녀가요 (Around You)」(2016年、歌:ヒョンジン)と「I'll Be There」(2016年、歌:ヒジン、ヒョンジン)のミュージックビデオは、東京で撮影された。
2019年5月末には、メンバーのヒジン、チュウが、tvN D ENT制作のインターネット番組「チュクネツアー(朝: 죽네투어)」の撮影が東京で実施された[140][141][142] 。
イ・ジョンミョン代表は、2019年2月のインタビューで、日本では同年夏の活動の準備を進めていて、ユニバーサル ミュージックとの契約締結を用意していると述べていた[143]。
2019年8月初頭にはメンバー全員が来日し、1日にはアマゾンジャパン[144] 、2日にはスポティファイジャパンのオフィスを訪問した[145]。
千葉市の幕張メッセで開催される「KCON 2020 JAPAN」では、4月5日に出演予定だったが[146]、新型コロナウイルスの影響で中止された。
2020年5月24日には、日本向けオフィシャルファンクラブ「Orbit Japan」が設立された。
2021年6月27日、9月15日にユニバーサルミュージック内レーベル「EMI Records」より日本デビューすることを発表[注 3][2]。
日本1stシングル『HULA HOOP/ StarSeed 〜カクセイ〜』収録の「HULA HOOP」作詞はAKIRA、編曲はRyan S. Jhunが担当し[111]、「StarSeed 〜カクセイ〜」の作詞はSILENT SIRENのすぅ、編曲は、SILENT SIRENのサウンドプロデューサーのクボナオキが担当している[147]。
2022年9月28日、日本2ndシングル「LUMINOUS」をリリース。
2023年3月3日、前年ビザの許可申請がおりなかったことによって無期限延期状態になっていた初の日本単独公演「LOONA 1st Live“LOONATHEWORLD in TOKYO”」を開催した[123][148][131]。
各ユニットの設定では、以下のような世界観を持っている[17]。
なお、前述した3つのユニットでは、最年少メンバーであるヨジンは参加しなかった。また、各メンバーのソロシングルにおけるカップリング楽曲では、曲ごとに2~3人のメンバーが一緒に歌唱した楽曲もある。
Loossemble(ルッセンブル、朝: 루셈블)は2023年にCTD ENMに所属する今月の少女出身のメンバー5人で構成されたユニット。ヒョンジン、ヨジン、ビビ、ゴウォン、ヘジュ(オリビアヘ)が在籍しており、アルバムのリリースやアメリカでの公演などを行った[266]。
ARTMS(アルテミス、朝: 아르테미스)は2023年にMODHAUSに所属する今月の少女出身のメンバー5人で構成されたユニット。ヒジン、ハスル、キムリップ、ジンソル、チェリが在籍しておりこれまでにODD EYE CIRCLEとしてのアルバムリリースとヨーロッパ公演を行い[267]、ヒジンのソロ曲を2023年内に控えている[268]。
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