この記事は検証可能 な参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方 ) 出典検索? : "乗法" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2015年10月 )
1袋3つのビー玉 が入った袋が4袋あると全部でビー玉は12個になる。3×4=12
掛け算は拡大・縮小を表す。3を2倍すると6になる。2×3=6
縦が4、横が5の長方形 の面積は20となる。4×5=20
乗法 (じょうほう、英 : multiplication )は、算術 の四則演算 と呼ばれるものの一つで、整数 では、一方の数 (被乗数 、ひじょうすう、英 : multiplicand ) に対して他方の数 (乗数 、じょうすう、英 : multiplier ) の回数だけ繰り返し加えていく(これを掛ける または乗じる という)ことにより定義できる二項演算 である。掛け算 (かけざん)、乗算 (じょうざん)とも呼ばれる。代数学においは、変数の前の乗数(例えば 3y の 3)は係数 (けいすう、英 : coefficient )と呼ばれる。
逆の演算として除法 をもつ。乗法の結果を積 (せき、英 : product ) と呼ぶ。
乗法は、有理数、実数、複素数に対しても拡張定義される。また、抽象代数学 においては、一般に可換とは限らない二項演算に対して、それを乗法、積などと呼称する(演算が可換である場合はしばしば加法 、和などと呼ぶ)。
定義
(いずれも 0 でない)自然数 m (被乗数)と n (乗数)に対して、m を n 個分加えた数
m
+
m
+
⋯ ⋯ -->
+
m
⏞ ⏞ -->
n
個
{\displaystyle \overbrace {m+m+\cdots +m} ^{n{\text{個}}}}
を
m × n , m · n , mn
などのように書いて m に n を掛けた 数や m に n を乗じた 数や m と n の積、m 掛ける n などという。言語によってはその自然な語順から、同じく m を n 個分加えた数を
n × m , n · m , nm
などのように上と逆順に記す場合もある(たとえば英語では n × m を普通 n times m すなわち n 回の m と読む。n multiplied by m 、すなわち、m を乗じた n と読むこともある。)。
カメラのレンズ倍率やCDの倍速表示などは、英語のtimes表記である。言語の表記の都合による、こういった順序であるが、数値の乗算においては、この演算について交換法則 が成り立つ(後述)という性質によって、どちらも同一視する[要出典 ] 。
n = 0 のときは、n × m = 0 × m は 0 であると約束する。
さらに整数同士の乗法は、負の整数を掛けるという事を以下のように定める: 整数 m と自然数 n に対して
m × (−n ) := (−m ) × n
すなわち、「負の整数 −n を掛ける」ということを、「対応する正の整数 n の数だけ符号を反転した整数(ここでは −m )を加える」という演算として定義する。
表記
乗法記号 × (HTML entity is × )
算術 において、乗法はしばしば、記号 "× " を項の間に用いることで書かれる。すなわち、中置記法 である。例えば、
2
× × -->
3
=
6
{\displaystyle 2\times 3=6}
(2かける3は6、2かける3いこーる6、にさんがろく、等と読む)
3
× × -->
4
=
12
{\displaystyle 3\times 4=12}
2
× × -->
3
× × -->
5
=
6
× × -->
5
=
30
{\displaystyle 2\times 3\times 5=6\times 5=30}
2
× × -->
2
× × -->
2
× × -->
2
× × -->
2
=
32
{\displaystyle 2\times 2\times 2\times 2\times 2=32}
この記号は Unicode で U+00D7 × multiplication sign (HTML: ×
×
) でエンコードされている。
乗法には他の数学的表記 (英語版 ) もある。
5
⋅ ⋅ -->
2
or
5
.
2
{\displaystyle 5\cdot 2\quad {\text{or}}\quad 5\,.\,2}
ミドルドットの記法は、Unicode では U+22C5 ⋅ dot operator としてエンコードされていて、日本やアメリカ 、イギリス では標準的であり、ピリオドが小数点 として用いられるその他の国々でも標準的である。ドット演算子の文字が利用可能でない時は、中黒 (·) が用いられる。小数点としてコンマ を用いるフランス等の国々では、ピリオドもミドルドットも乗法に用いられる[要出典 ] 。
代数学 において、変数 を含む乗法はしばしば並置 として書かれる(例えば、x 掛ける y の意味で xy や、5 掛ける x の意味で 5x など)。この表記はかっこ で囲まれた量に対して用いることもできる(例えば、5 掛ける 2 の意味で、5(2) あるいは (5)(2) など)。乗法の記号を省略することは、その部分の変数が他の変数の名前と一致してしまうときや、かっこの前の変数名が関数名と混同されるとき、あるいは演算の優先順位 の正しい決定において、曖昧さを引き起こすことがある。
ベクトル の乗法においては、クロス記号とドット記号の間には明確な違いがある。クロス記号は一般に2つのベクトル の外積 を表し、その演算結果はベクトルであるが、ドット記号は、2つのベクトルの内積 を表し、演算結果はスカラー である。
コンピュータープログラミング においては、(5*2
のように)アスタリスク を用いて書くのが最も一般的である。これは歴史的事情によるもので、多くのコンピュータは(ASCII や EBCDIC のように)文字集合 が小さく制限されていて(•
や ×
のような)乗法記号を持っておらず、しかしアスタリスクはすべてのキーボードに存在した。この使用法の起源はFORTRAN プログラミング言語である。
(有限あるいは無限)数列の積は、ギリシャ文字パイの大文字Πを用いて書かれる。詳細は総乗 を参照。
性質
n と m が自然数であるとき、n を m 個加えたものと m を n 個加えたものは同じ数である。すなわち
が成り立つ。また、回帰的に複数回の乗法を行ったものは積をとる順序によらない。すなわち
結合法則 : (n × m ) × l = n × (m × l )
が成り立つ。3 つの数の積は
n × m × l := (n × m ) × l = n × (m × l )
とする(4 つ以上の数の積も同様である)。ただし無限個の数の積についてはこの限りではない(詳細は総乗 の項を参照されたい)。
積と和の間には次の法則が成り立つ:
分配法則 : n × (m + l ) = n × m + n × l
この性質は、乗法の一般化において重要な手がかりとなる。
乗法の一般化
分数
掛け算は割り算を統合する。すなわち、「q で割る」という除法の計算を「q の逆数 1/q を掛ける」という操作とみなす。
x × (p / q ) := (x × p ) ÷ q .
p
q
× × -->
r
s
:=
p
× × -->
r
q
× × -->
s
{\displaystyle {\frac {p}{q}}\times {\frac {r}{s}}:={\frac {p\times r}{q\times s}}}
この定義は、割合 の計算を考えることにより意味づけすることができる。
多項式
分配法則が成り立つものとして多項式 同士の積が定義できる。
アーベル群
自然数や整数における上記の積の定義を再考すれば、加えられる対象である m は自然数や整数に限らずともよいことがわかる。実際、x として有理数や実数など和が定義できるものを考えれば、x を繰り返し加えることとして自然数を掛けることができる。また整数を掛けるためには、数 x は加法的逆元(マイナスの数)が定義できるものであれば何でも良い。すなわち x をあるアーベル群 の元とするとき、n が整数であれば
n
x
=
{
x
+
x
+
⋯ ⋯ -->
+
x
⏞ ⏞ -->
n
t
i
m
e
s
n
>
0
0
n
=
0
(
− − -->
x
)
+
(
− − -->
x
)
+
⋯ ⋯ -->
+
(
− − -->
x
)
⏟ ⏟ -->
|
n
|
t
i
m
e
s
n
<
0
{\displaystyle nx={\begin{cases}\overbrace {x+x+\cdots +x} ^{n{\rm {\ times}}}&n>0\\0&n=0\\\underbrace {(-x)+(-x)+\cdots +(-x)} _{|n|{\rm {\ times}}}&n<0\end{cases}}}
として n を掛ける操作を定義できる。このことを「整数全体の集合はアーベル群に自然に作用する」と言い表す。
乗算アルゴリズム
アバカス
紀元前2700年 から紀元前2300年 にかけてのシュメール でアバカス が使われ、楔形文字 で記された粘土板 の乗算表が発見されている。紀元前2世紀には算盤 が中国に伝えられた。算盤には乗法を素早く計算する技法が発達していた。
日本の記録では『日本風土記』(1570年代)に「そおはん」という呼称で出てくるのが初出である。珠算における乗法 では、古くは頭乗法、尾乗法、中乗法などの方法が使われ、現在の標準的な方法は新頭乗法と両落としとなっている。
エジプト数学
日本の算術
対数
ジョン・ネイピア は、科学で必要な計算を簡単にするべく計算技術として対数 の概念を導入し、対数表 (英語版 ) (1598年 )を発表した。古くから
A
B
=
e
log
-->
A
+
log
-->
B
{\displaystyle AB=\mathrm {e} ^{\log {}A+\log {}B}}
という等式を利用する乗算の方法が知られており、対数表によって積の計算を和の計算に置き換えて近似値 を求めることが出来るようになった。対数の導入によって、ヨハネス・ケプラー の天体軌道計算などの科学計算が可能となり、科学の急激な発展をもたらした。
エドマンド・ガンター が対数尺 (1620年 )を、ウィリアム・オートレッド が2つの対数尺を組み合わせた計算尺 (1632年 )を発明し、電卓 が普及する1980年 代まで使用された。
機械式計算機
科学の急激な発展と共に、より精度の高い対数表に対する需要が大きくなった。
マルティン・ヴィーベリ は、1875年 に対数表を作成することが出来る階差機関 に似た機構を持つ機械を発明した。
アナログ乗算器でも対数 を用いた
A
B
=
e
log
-->
A
+
log
-->
B
{\displaystyle AB=\mathrm {e} ^{\log {}A+\log {}B}}
という等式を利用する方法が用いられていた。
コンピュータ
符号付整数
ENIAC の開発において、アーサー・バークス が初めてデジタル乗算器 を開発した。
デジタル乗算器では、ブースの乗算アルゴリズム と呼ばれる方法が開発された。加算よりも高速なビット演算 の算術シフトを使って高速化している。
多倍長乗算
行列
0から9までの乗算(10進法)
九九の表では、一般に0の段・列は省略される。
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
2
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
3
0
3
6
9
12
15
18
21
24
27
4
0
4
8
12
16
20
24
28
32
36
5
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
6
0
6
12
18
24
30
36
42
48
54
7
0
7
14
21
28
35
42
49
56
63
8
0
8
16
24
32
40
48
56
64
72
9
0
9
18
27
36
45
54
63
72
81
関連項目
参考文献
外部リンク