ヤンガービス・アルフレド・ソラーテ(Yangervis Alfredo Solarte[1], 1987年7月3日 - )は、ベネズエラのカラボボ州バレンシア出身のプロ野球選手(内野手、外野手)。右投両打。
愛称は「セクシータイム(Sexy time)」[2]。
経歴
プロ入りとツインズ傘下時代
2005年、ミネソタ・ツインズと契約してプロ入り。
2006年に傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・ツインズでプロデビュー。53試合に出場して打率.278、2本塁打、29打点、2盗塁を記録した。
2007年はルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ツインズでプレーし、52試合に出場して打率.303、1本塁打、33打点、7盗塁を記録した。
2008年はまずA+級フォートマイヤーズ・ミラクルでプレーし、42試合に出場して打率.238、3本塁打、16打点、2盗塁を記録した。7月からA級ベロイト・スナッパーズ(英語版)でプレー。41試合に出場して打率.218、17打点、7盗塁を記録した。
2009年はA+級フォートマイヤーズで開幕を迎え、8月からルーキー級ガルフ・コーストリーグでプレー。9月にAA級ニューブリテン・ロックキャッツへ昇格し、3試合に出場した。
2010年はA+級フォートマイヤーズでプレーし、45試合に出場して打率.320、2本塁打、15打点、3盗塁を記録した。夏期にはルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ツインズでプレーした。
2011年はAA級ニューブリテンでプレーし、121試合に出場して打率.329、7本塁打、49打点、5盗塁を記録した。オフにFAとなった。
レンジャーズ傘下時代
2011年12月2日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結んだ。
2012年は傘下のAAA級ラウンドロック・エクスプレスでプレーし、130試合に出場して打率.288、11本塁打、54打点、3盗塁を記録した。オフの11月28日にレンジャーズとマイナー契約で再契約した[3]。
2013年もAAA級ラウンドロックでプレーし、133試合に出場して打率.276、12本塁打、75打点、3盗塁を記録した。オフにFAとなった。
ヤンキース時代
ニューヨーク ・ヤンキース時代
(2014年7月11日)
2014年1月12日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結び、4月2日にヤンキースとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[4]。メジャーデビューとなった同日のヒューストン・アストロズ戦では代打として出場し、2打数無安打に終わった[5]。4日の同カードではブレット・オーバーホルツァーからメジャー初安打を記録[6]。4月17日のタンパベイ・レイズ戦では、グラント・バルフォアからメジャー初本塁打を放った[7]。シーズン序盤は3割台を維持していたが、6月から不振に陥り打率は.260まで落ち込んだため、7月3日に傘下のAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースへ降格[8]。降格後は5試合に出場し、20打数12安打5打点、打率は.600を記録。7月10日にカルロス・ベルトランが故障で離脱したため、メジャーへ再昇格した[9]。ヤンキースでは75試合に出場して打率.254、6本塁打、31打点を記録した。
パドレス時代
2014年7月22日にチェイス・ヘッドリーとのトレードで、ラファエル・デポーラと共にサンディエゴ・パドレスへ移籍した[10]。移籍後はヘッドリーの移籍で空いた三塁を主に守り、56試合に出場。打率.336、4本塁打、17打点を記録した。
2015年は開幕ロースター入りを果たしたが、ウィル・ミドルブルックスの加入により三塁の定位置を奪われため、序盤は内野のユーティリティーとして起用され、レギュラー確保には至らなかった。5月に入ると、一塁手のヨンダー・アロンソが故障者リスト入りしたため、一塁のレギュラーに抜擢。アロンソは6月に復帰したが、ミドルブルックスの不調により、7月に三塁の定位置を奪取した。その後はシーズン終了まで三塁のポジションを確保し、三塁手としてはチームトップの92試合に出場した(ミドルブルックスは69試合)。この年は152試合に出場して打率.286、14本塁打、63打点、1盗塁を記録した。
2016年も開幕ロースター入りし、開幕から正三塁手として先発起用されていたが、4月9日のコロラド・ロッキーズ戦で右ハムストリングを痛め、翌10日に15日間の故障者リスト入りした[11]。5月21日に復帰[12]。復帰後は右投手に対して左打者のブレット・ウォレスを三塁手に起用し、ソラーテを二塁手に起用することをアンディ・グリーン監督が明言した[12]が、ウォレスの打撃不調により7月から三塁に固定された。この年は故障の影響で109試合の出場に減少したが、打率.286、15本塁打、71打点、1盗塁と前年の成績を上回った。また、難病や逆境を克服した選手に贈られるトニー・コニグリアロ賞を受賞した[13][14]。
2017年開幕前の2月8日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のベネズエラ代表に選出された[15]。シーズンでは128試合に出場して打率.255、18本塁打、64打点、3盗塁を記録した。
ブルージェイズ時代
2018年1月6日にエドワード・オリバレス、ジャレッド・カークフとのトレードで、トロント・ブルージェイズへ移籍した[16]。この年は122試合に出場して打率.226、17本塁打、54打点、1盗塁を記録した。オフの11月30日にノンテンダーFAとなった[17]。
ジャイアンツ時代
2019年2月17日にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[18]。3月28日にメジャー契約を結んで40人枠入りしたが、5月7日にDFAとなった[19]。10日にFAとなった[20]。
マーリンズ傘下時代
2019年6月7日にマイアミ・マーリンズとマイナー契約を結び[21]、13日に傘下のA+級ジュピター・ハンマーヘッズへ配属された[20]。その後AAA級ニューオーリンズ・ベビーケークスに昇格すると、15試合に出場して打率.314の成績を残していた[22]。
阪神時代
2019年7月7日、NPB・阪神タイガースとの契約締結が発表された[23]。シーズン終了までの単年契約で年俸は5000万円(推定)[24]、背番号は42[25]。登録名は「ヤンハービス・ソラーテ」となった。同21日に来日すると、二軍練習試合を経て26日に一軍登録[26][27]。同日の対読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)で「2番・遊撃手」として先発出場し、7回表に田口麗斗から決勝の2点本塁打を放って来日初安打・初打点を記録した[28]。阪神の外国人選手が「2番・遊撃手」で先発出場するのは1963年のフランク・ヤシック以来56年ぶり。また同月30日の対中日ドラゴンズ戦(甲子園球場)では岡田俊哉から左翼ポール直撃の逆転サヨナラ2点本塁打を放つ(この試合では5回裏にも2リーグ制前の阪神球団通算8000号となる2点本塁打を放っている)などデビュー直後は派手な活躍を見せていた。しかし、その後は不調が続きわずか20試合で一軍登録を抹消された[29]。その後、9月6日に一軍に招集され、鳴尾浜から試合が行われるMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島まで移動してきていたものの、監督の矢野燿大に対して「モチベーションが上がらない」などと訴え、ベンチ入りを拒否した。このため昇格は見送られ、当日はベンチ入りメンバーを1人欠く形で試合を行った。球団はこの行為をチームの規律を乱す問題行動と捉え、ソラーテを即刻解雇することを決定し[30]、契約解除ののち9月9日に帰国した[31]。
ブレーブス傘下時代
2020年1月にアトランタ・ブレーブスとマイナー契約(昇格なら年俸100万ドル)を結んだ[32]。8月27日にFAとなった[20]。
メキシカンリーグ時代
2021年はメキシカンリーグのティフアナ・ブルズのキャンプとオープン戦に参加したが[33]、開幕前に退団し、5月26日にメキシコシティ・レッドデビルズに入団した[20]。
2022年1月19日にラグナ・ユニオン・コットンファーマーズと契約を結んだ[34]。
選手としての特徴
高い技術とパワーを持ち合わせるスイッチヒッター[22][35]。右左関係なくパワフルな打撃を持ち味とし[36]、全身を使ったスイングで逆方向にも長打を放つ[36][37]。
守備では本職の三塁を始めとする内野全ポジションに加え、左翼の守備経験も持つユーティリティープレイヤー[36]。
MLB時代は日本人投手との対戦を得意としており、特に前田健太からは打率.353(17打数6安打)・1本塁打[35]、松坂大輔からは2打数で1本塁打[38]、和田毅からは3打数3安打を記録している[35]。
人物
ニューヨーク・メッツなどでプレーした外野手のロジャー・セデーニョは叔父にあたる。
2021年に歌手デビューを発表。自身のインスタグラム、YouTubeチャンネルにてデビュー曲「IRANI」を公開した[39]。
詳細情報
年度別打撃成績
年
度 |
球
団 |
試
合 |
打
席 |
打
数 |
得
点 |
安
打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁
打 |
打
点 |
盗
塁 |
盗 塁 死 |
犠
打 |
犠
飛 |
四
球 |
敬
遠 |
死
球 |
三
振 |
併 殺 打 |
打
率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S
|
2014
|
NYY
|
75 |
289 |
252 |
26 |
64 |
14 |
0 |
6 |
96 |
31 |
0 |
1 |
1 |
3 |
30 |
0 |
3 |
34 |
8 |
.254 |
.337 |
.381 |
.718
|
SD
|
56 |
246 |
217 |
30 |
58 |
5 |
1 |
4 |
77 |
17 |
0 |
0 |
2 |
3 |
23 |
1 |
1 |
24 |
5 |
.267 |
.336 |
.355 |
.691
|
'14計
|
136 |
535 |
469 |
56 |
122 |
19 |
1 |
10 |
173 |
48 |
0 |
1 |
3 |
6 |
53 |
1 |
4 |
58 |
13 |
.260 |
.336 |
.369 |
.705
|
2015
|
152 |
571 |
526 |
63 |
142 |
33 |
4 |
14 |
225 |
63 |
1 |
0 |
2 |
3 |
34 |
0 |
6 |
56 |
15 |
.270 |
.320 |
.428 |
.748
|
2016
|
109 |
443 |
405 |
55 |
116 |
26 |
1 |
15 |
189 |
71 |
1 |
1 |
0 |
3 |
30 |
1 |
5 |
63 |
7 |
.286 |
.341 |
.467 |
.808
|
2017
|
128 |
512 |
466 |
49 |
119 |
21 |
0 |
18 |
194 |
64 |
3 |
0 |
0 |
4 |
37 |
4 |
5 |
61 |
18 |
.255 |
.314 |
.416 |
.731
|
2018
|
TOR
|
122 |
506 |
468 |
50 |
106 |
20 |
0 |
17 |
177 |
54 |
1 |
3 |
1 |
3 |
31 |
1 |
3 |
72 |
21 |
.226 |
.277 |
.378 |
.655
|
2019
|
SF
|
28 |
78 |
73 |
9 |
15 |
5 |
0 |
1 |
23 |
7 |
0 |
0 |
1 |
0 |
4 |
1 |
0 |
16 |
4 |
.205 |
.247 |
.315 |
.562
|
阪神
|
20 |
80 |
69 |
6 |
13 |
3 |
0 |
4 |
28 |
9 |
0 |
0 |
0 |
2 |
9 |
0 |
0 |
13 |
4 |
.188 |
.275 |
.406 |
.681
|
MLB:6年
|
662 |
2645 |
2407 |
282 |
620 |
124 |
6 |
75 |
981 |
307 |
6 |
5 |
7 |
19 |
189 |
8 |
23 |
326 |
78 |
.258 |
.315 |
.408 |
.723
|
NPB:1年
|
20 |
80 |
69 |
6 |
13 |
3 |
0 |
4 |
28 |
9 |
0 |
0 |
0 |
2 |
9 |
0 |
0 |
13 |
4 |
.188 |
.275 |
.406 |
.681
|
年度別守備成績
- 内野守備
年 度 |
球 団 |
一塁(1B) |
二塁(2B) |
三塁(3B) |
遊撃(SS)
|
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率
|
2014
|
NYY
|
- |
17 |
16 |
27 |
1 |
6 |
.977 |
66 |
38 |
105 |
8 |
9 |
.947 |
5 |
1 |
5 |
0 |
0 |
1.000
|
SD
|
- |
10 |
19 |
16 |
1 |
3 |
.972 |
45 |
23 |
50 |
4 |
10 |
.948 |
3 |
1 |
1 |
0 |
0 |
1.000
|
'14計
|
- |
27 |
35 |
43 |
2 |
9 |
.975 |
111 |
61 |
155 |
12 |
19 |
.947 |
8 |
2 |
6 |
0 |
0 |
1.000
|
2015
|
28 |
180 |
16 |
4 |
21 |
.980 |
19 |
23 |
34 |
1 |
4 |
.983 |
92 |
44 |
130 |
6 |
11 |
.967 |
-
|
2016
|
2 |
23 |
1 |
0 |
5 |
1.000 |
15 |
20 |
34 |
2 |
8 |
.964 |
95 |
59 |
190 |
9 |
19 |
.965 |
-
|
2017
|
8 |
47 |
2 |
0 |
8 |
1.000 |
79 |
93 |
187 |
3 |
53 |
.989 |
22 |
16 |
38 |
3 |
5 |
.947 |
28 |
32 |
55 |
4 |
18 |
.956
|
2018
|
TOR
|
4 |
5 |
1 |
0 |
0 |
1.000 |
28 |
47 |
59 |
1 |
12 |
.991 |
83 |
50 |
137 |
7 |
15 |
.964 |
7 |
7 |
14 |
0 |
3 |
1.000
|
2019
|
SF
|
- |
10 |
21 |
19 |
0 |
10 |
1.000 |
2 |
0 |
3 |
0 |
0 |
1.000 |
4 |
4 |
5 |
1 |
2 |
.900
|
阪神
|
1 |
3 |
0 |
0 |
0 |
1.000 |
16 |
16 |
26 |
2 |
5 |
.955 |
- |
3 |
4 |
4 |
2 |
3 |
.800
|
MLB
|
42 |
255 |
20 |
4 |
34 |
.986 |
178 |
239 |
376 |
9 |
96 |
.986 |
405 |
230 |
653 |
37 |
69 |
.960 |
47 |
45 |
80 |
5 |
23 |
.962
|
NPB
|
1 |
3 |
0 |
0 |
0 |
1.000 |
16 |
16 |
26 |
2 |
5 |
.955 |
- |
3 |
4 |
4 |
2 |
3 |
.800
|
- 外野守備
年 度 |
球 団 |
左翼(LF) |
外野
|
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率
|
2014
|
SD
|
7 |
6 |
0 |
1 |
0 |
.857 |
-
|
2019
|
SF
|
9 |
13 |
0 |
0 |
0 |
1.000 |
-
|
阪神
|
- |
3 |
6 |
0 |
0 |
0 |
1.000
|
MLB
|
16 |
19 |
0 |
1 |
0 |
.950 |
-
|
NPB
|
- |
3 |
6 |
0 |
0 |
0 |
1.000
|
表彰
- MLB
- NPB
記録
- NPB初記録
- 初出場・初先発出場:2019年7月26日、対読売ジャイアンツ14回戦(東京ドーム)、2番・遊撃手で先発出場
- 初打席:同上、1回表に菅野智之から四球
- 初安打・初本塁打・初打点:同上、7回表に田口麗斗から左越決勝2ラン
- NPBその他の記録
背番号
- 26(2014年 - 同年途中、2015年 - 2019年5月6日)
- 27(2014年途中 - 同年終了)
- 42(2019年7月12日 - 同年終了)
登場曲
- 「Sexy and I Know It」LMFAO(2019年)
代表歴
脚注
関連項目
外部リンク