『原神』(げんしん、中国語: 原神; 拼音: Yuánshén、英語: Genshin Impact)は、miHoYoが開発したオープンワールド・アクションロールプレイングゲーム。2020年にAndroid、iOS、Windows、PlayStation 4で、2021年にPlayStation 5でリリースされた。テイワットと呼ばれる大陸を舞台に、プレイヤーは旅人となって双子の片割れを探す旅を行う。本作は基本プレイ無料であり、プレイヤーは課金を通じてゲーム内通貨を入手する。また、Games as a Serviceモデルを取っており、6週間ごとにバージョンが更新される。
『原神』は蔡浩宇をプロデューサーとして2017年に開発が始まった。ゲームエンジンにはUnityが用いられ、開発・広報費には1億米ドル以上が費やされた。本作は2019年のE3 2019において発表された。2020年9月にAndroid、iOS、Windows、PlayStation 4で、2021年にPlayStation 5でリリースされた。2024年にはXbox Series X/Sでのリリースが予定されている。また、Nintendo Switchでのリリースも計画されている。
『原神』はThe Game AwardsのBest Mobile GameやPlayer's Voiceなどの賞を受賞している。本作はリリースから12日間で1億米ドルの収益を得て開発費を回収したといわれ、初月の売上はモバイルゲームとしては過去最大級だった。
ゲームシステム
『原神』は、オープンワールドのアクションロールプレイングゲームである[6]。プレイヤーは最大で4人のプレイアブルキャラクターを1つのパーティーに入れて操作することができる[7]。本作には「水」「炎」「雷」「岩」「草」「氷」「風」の7つから成る「元素」が存在し、プレイアブルキャラクターや敵キャラクターは元素による攻撃を行うことができる[7]。プレイアブルキャラクターは1人につき元素と武器の種類が1種類ずつ割り当てられ、1つの武器と5つの「聖遺物」と呼ばれるアクセサリーを装備することができる[7]。プレイヤーは「祈願」と呼ばれるガチャでキャラクターや武器を入手する[8]。
PlayStation4/5ではHDR10、Xbox Series X/SではドルビービジョンとHDR10両方に対応する。サラウンド音源への切り替えも可能(ドルビーアトモスは非対応)。
あらすじ
チャプター[9]
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登場国
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序章「風を捕まえる異邦人」
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モンド
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第一章「久遠の体との別れ」
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璃月
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第二章「千手百眼の浮世」
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稲妻
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第三章「虚空劫灰のプラーナ」
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スメール
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第四章「罪人の円舞曲」
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フォンテーヌ
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第五章「灼熱の反魂の詩」
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ナタ
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第六章「神に愛されぬ雪国」
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スネージナヤ
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第?章「まだ見ぬ夢」
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カーンルイア
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主人公である双子の兄妹、空と蛍は、多くの世界を渡り歩く旅人である。テイワットを訪れた際、謎の神である天理の調停者と戦いになり敗れ、双子の片割れを連れ去られる。目覚めた主人公は、行方不明になった双子の片割れを探すため、テイワットに存在する7つの国を順にめぐる旅に出る。主人公は双子の片割れの手掛かりを探しながら、各国の問題に巻き込まれる[11]。
設定
本作はテイワットと呼ばれる幻想世界が舞台である。テイワットは7人の神が統治する7つの国で構成されており、それぞれの国はその国を統治する神の特色を反映している。かつてテイワットにはカーンルイアと呼ばれる国があったが、神によって滅ぼされた。
登場キャラクター・国
旅人
本作の主人公である双子の兄妹。プレイヤーは空、蛍のどちらかを選ぶこととなり、もう片方を探すためテイワット大陸を旅する。
モンド
モンドは、テイワット大陸の北東部に位置し、風神であるバルバトスが治める国。プレイヤーが最初に訪れる場所である。自由の都であるモンド城があり、防衛組織である西風騎士団が守っている。モンドはヨーロッパ風に描かれている[6]。
璃月
璃月(リーユエ)は、テイワット大陸の東部に位置し、岩神であるモラクスが治める国。テイワット最大の貿易港である璃月港があり、璃月七星と呼ばれる実力者集団が守っている。古代の中国をモチーフとしている。
稲妻
稲妻は、テイワット大陸の東方に位置する島国で、雷神であるバアルゼブルが治める国。江戸時代の日本をモチーフとしている。
名前
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神の目 |
声 |
説明
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日本語 |
中国語 |
英語 |
韓国語
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荒瀧一斗 |
岩 |
西川貴教 |
劉照坤[15] |
Max Mittelman[16] |
ソン・ジュンソク(英語版)[17] |
鬼の末裔で、荒瀧派を名乗る集団の親分。豪快な性格をした熱血漢。
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楓原万葉 |
風 |
島﨑信長 |
斑馬[15] |
Mark Whitten[16] |
Kim Shin-woo[17] |
没落した刀鍛冶の名家の出の浪人。友人の死を経て南十字船隊と行動を共にしている。
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神里綾華 |
氷 |
早見沙織 |
小N[15] |
エリカ・メンデス[16] |
イ・ユリ[17] |
社奉行である神里家の令嬢。綾人の妹。誠実で優しく、「白鷺の姫君」として人々から慕われている。
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神里綾人 |
水 |
石田彰 |
赵路[15] |
Chris Hackney[16] |
チャン・ミンヒョク(英語版) |
社奉行である神里家の当主。綾華の兄。
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綺良々 |
草 |
鈴代紗弓[42] |
孙艳琦 |
Julia Gu[16] |
Kang Eun-ae |
稲妻の配達会社「狛荷屋」の配達員[43]。仕事を愛し、人間社会に憧れている「猫又」[43]。
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久岐忍 |
雷 |
水橋かおり |
楊凝[15] |
Kira Buckland[16] |
Kim Yool |
荒瀧派を裏からサポートする二番手。かつて璃月に留学していた。
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九条裟羅 |
雷 |
瀬戸麻沙美 |
楊梦露[15] |
Jeannie Tirado[16] |
Mun Ji-yeong[17] |
天領奉行の大将。雷電将軍に忠誠を捧げている。
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ゴロー |
岩 |
畠中祐 |
楊昕燃[15] |
Cory Yee[16] |
Lee Sae-byeok[17] |
珊瑚宮心海の右腕。八重神子が運営する出版社「八重堂」の編集者。
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早柚 |
風 |
洲崎綾 |
Sakula小舞[15] |
リリィピチュー[16] |
Lee Ji-hyeon[17] |
終末番の忍。睡眠と身長に対して執着心を見せる。
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珊瑚宮心海 |
水 |
三森すずこ |
亀娘[15] |
Risa Mei[16] |
Yeo Yun-mi[17] |
目狩り令に反対する抵抗軍の指導者で、海祇島の最高位である「現人神の巫女」。
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鹿野院平蔵 |
風 |
井口祐一 |
林景[44] |
Kieran Regan[16] |
Jeong-Ui-jin |
天領奉行の探偵。鋭い洞察力と明晰な頭脳を持つ。
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トーマ |
炎 |
森田成一 |
張沛[15] |
Christian Banas[16] |
Ryu Seung-gon[17] |
神里家の家司。優しく親しみやすい性格で、責任感が強い。
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八重神子 |
雷 |
佐倉綾音 |
杜冥鸦[15] |
Ratana[16] |
Moon Yoo-jeong |
鳴神大社の大巫女で、雷神である雷電将軍の眷属かつ親友。出版社「八重堂」の編集長。
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宵宮 |
炎 |
植田佳奈 |
金娜[15] |
Jenny Yokobori[16] |
Bak Sin-hee[17] |
長野原花火屋の店主で「夏祭りの女王」の異名を持つ花火職人。
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雷電将軍 |
雷 |
沢城みゆき |
菊花花[15] |
Anne Yatco[16] |
Park Ji-yoon[17] |
稲妻幕府の将軍にして雷神バアルゼブル。
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スメール
スメールは、テイワット大陸の中西部に位置する国で、草神であるブエルが治める国。
フォンテーヌ
フォンテーヌは、スメールの砂漠の北東に位置する国で、水神であるフォカロルスが治める国[66]。
ナタ
ナタは、スメールの砂漠地域の西に位置する国で、炎神であるハボリムが治める国[76]。
非プレイアブルキャラクター
名前 |
声 |
説明
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日本語 |
中国語 |
英語 |
韓国語
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「淑女」シニョーラ |
庄子裕衣 |
子音 |
非公開 |
Yang Jeong-hwa |
ファトゥスの序列第8位。本名はロザリン・クルーズチカ・ローエファルタ。
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ダインスレイヴ |
津田健次郎 |
Ye Sun |
ユーリ・ローエンタール[23] |
Choi Han |
カーンルイアの宮廷親衛隊長だった人物。アビス教団を追って各地を旅する。
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パイモン |
古賀葵 |
多多poi[15] |
Corina Boettger[16] |
Kim Ga-ryeong |
旅人の相棒[90]。
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「博士」ドットーレ |
関俊彦 |
吴磊 |
Mick Wingert |
Park Seong-tae |
ファトゥスの序列第2位。
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「隊長」カピターノ
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成田剣
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王玮[91]
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Chris Tergliafera[16]
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Min Eung-sik[92]
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ファトゥスの序列第1位。
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開発
『原神』を開発したmiHoYoは2012年に設立された。2012年には2D横スクロールゲーム『Zombiegal Kawaii』と『崩壊学園』をリリースし、2016年には3Dアクションゲーム『崩壊3rd』をリリースした。この『崩壊3rd』がヒットしmiHoYoは大きく成長した[93]。そのような中で2017年に『原神』の開発が始まった[6]。プロデューサーである蔡浩宇によると『崩壊3rd』などからの経験を活かしつつ、よりユーザーフレンドリーな作品を制作したいと考えた[94]。『原神』は当初からクロスプラットフォームのゲームとして制作されることが決まっており、ゲームエンジンは汎用性があるUnityが用いられた[95]。『原神』の開発・広報費には1億米ドル以上が費やされた[96]。
本作の制作にあたって影響を受けた作品のひとつには『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が挙げられた[6]。本作はその他の作品からも影響を受けており、ボスである「無相元素」は『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する使徒ラミエルや『トランスフォーマー/ロストエイジ』のガルバトロンにインスピレーションを受けたという[97]。
蔡浩宇は視覚的に完成度が高い世界観を持つ作品にしたいという考えを持っており、文化の多様性に満ちたファンタジー世界を作るということが基本コンセプトだった[94]。本作の舞台であるテイワットのデザインにあたっては、テイワットに存在する7つの国がそれぞれ異なる雰囲気を持つように制作された[99]。序章で登場するモンドはヨーロッパ風に描かれ[6]、モンドの地域である「ドラゴンスパイン」はマッターホルンなどのアルプス山脈の山がモデルとなった[100]。また、第1章で登場する璃月は中国をモチーフとして、東洋のファンタジー風に制作された[99]。
元素や元素反応といったゲームシステムは、プレイヤーがゲーム内のコンテンツにより多く触れることが出来るようにしたいという考えが始まりだった。基本的な仕組みかつ「喉が乾いたら水を飲む」といったような自然なものにデザインしたいという発想のもと、自然界において広く知られている基本的な概念に着目し、化学の考え方に近しい元素反応のシステムが誕生した。
音楽
『原神』の音楽は陳宇鵬をプロデューサーとして、miHoYoの音楽スタジオであるHOYO-MiXによって制作された[6][102]。陳とHOYO-MiXのプロデューサーであるZoeによると、『原神』の音楽はプレイヤーの感情を誘導することに重きが置かれ、演出を盛り上げる要素としてではなく、世界観やストーリー、テイワットの歴史を理解する助けとして機能するように制作したという[102]。制作にあたってはオーケストラを基礎として世界各地の音楽が要素として加えられた[102]。
しかし、2023年9月に陳は自身のWeiboにて、会社と何度かやり取りしたのち音楽の夢を追うためmiHoYoとHOYO-MiXチームから脱退することを発表した。HOYO-MiXの人々が成長しているのを実感しているとして、フォンテーヌの音楽を称賛している。稲妻エリアまではほぼ全ての曲にクレジットがある一方で、スメール以降では、そうした体制に変化が見られ、陳氏の作曲クレジット数が減少していた[103]。
なお、各国のテーマ曲についてHOYO-MiXは、次の楽団との合同で収録を行った。
キャラクター
『原神』に登場するキャラクターはアートディレクターやクリエイティブディレクターが主導するのではなく、グループによって制作された[94]。キャラクターが制作される際には、まずキャラクターの核となる設定が決められた。これは他のキャラクターとの違いを分け、キャラクターを印象付ける意図が持たれた。キャラクターの基礎が決まったら文化的背景などが練り上げられた[109]。キャラクターの動きはモーションキャプチャーで収録され、再現が難しい動きはアニメーターの手によって調整された[109]。こうした調整を経て、ゲームのデザインとキャラクターのデザイン、アクションデザインなどが統合された[94]。
キャラクターの戦闘スキルに関しては、キャラクターの役割が重複しないことが意識されたほか、戦闘スキルのデザインとキャラクターの設定に統一感があるか戦闘システムを手掛けるバトルシステムチームと世界観やシナリオ作りを担当するIPチームとの間で確認がとられた。
リリース
リリースに先駆けて行われた事前登録では中国国内で1600万人、中国国外で530万人が登録した[96]。『原神』は2020年9月28日にAndroid、iOS、Windows、PlayStation 4でリリースされた[7]。2021年4月28日にはPlayStation 5でもリリースされた[111]。また、6月9日にはEpic Gamesストアでの配信が開始された[112]。Nintendo Switchでのリリースも計画されているが、時期は未定となっている[113]。
『原神』は6週間ごとにバージョンアップが行われる[114]。ただし、バージョン3.0から3.2にかけては5週間ごとのアップデートとなった[115]。バージョンアップのたびに新規コンテンツの追加やゲーム内イベントの実施、ゲームプレイやキャラクターの調整や修正が行われる[114]。
評価
『原神』はMetacriticのレビュアーからPC、PS4、iOSのいずれにおいても「generally favorable」という評価を受けた[117][118][116]。『ファミ通』のクロスレビューでは40点中35点を獲得し、プラチナ殿堂入りとなった[127]。
ストーリーについて、ワシントン・ポストのGene Parkは、ストーリーは分かりやすいうえに肉付けされており、また、専門用語で圧倒されるようなことがないと評価している[128]。その一方でIGNのTravis Northropは、ストーリーは本作の最大の弱点であり、「キャラクターはちんぷんかんぷんの専門用語を何度もしつこく説明し、しゃべるためにお金をもらっているのではないかという気すらする」と評している[7]。また、NPRのKaity Klineは、基本プレイ無料ゲームでありながら長いメインストーリーがあることを評価しつつも、ストーリーテリングは印象深いものではなかったとしている[129]。
ゲームプレイについて、IGNのTravis Northropは、戦闘や探索要素、オープンワールドの世界を評価し、10点中9点の評価を付けた[7]。また、NPRのKaity Klineは本作の戦闘は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より楽しいものになっていると評価し、それが両作品の最も大きな違いであるとしている[129]。
世界観について、IGNのTravis Northropは、他の作品から影響を受けていることは明らかで、ゲームプレイと比べるとオリジナリティは薄いとしつつも、魅力的であると評している[7]。
受賞
年 |
賞 |
部門 |
結果 |
出典
|
2020年 |
App Store Best of 2020 |
Best Game |
受賞 |
[130]
|
Golden Joystick Awards |
Ultimate Game of the Year |
ノミネート |
[131]
|
Google Play Best Game 2020 |
Best Game |
受賞 |
[130]
|
The Game Awards |
Best Mobile Game |
ノミネート |
[132]
|
Best Role Playing Game |
ノミネート |
[132]
|
2021年 |
The Game Awards |
Best Mobile Game |
受賞 |
[133]
|
Best Ongoing Game |
ノミネート
|
2022年 |
The Game Awards |
Best Ongoing Game |
ノミネート |
[134]
|
Best Mobile Game |
ノミネート
|
Player's Voice |
受賞
|
商業的評価
『原神』はリリースしてから12日間で1億ドルの収益を得て開発費を回収したと推定されている[135]。初月の売り上げは2億4500万ドルにのぼり、モバイルゲームのローンチとしては過去最大級の売り上げとなった[136]。配信5か月では売り上げは約8億7400万ドルとなり[137]、2021年の年間売り上げでは18億ドルとなった[138]。一部のキャラクターは『原神』の売上を牽引する存在になっている[139]。中国のApple App Storeのデータによると、「ナヒーダ」が登場した際には1日でおよそ525万ドル、5日間でおよそ2263万ドルを売り上げた[139]。
批判・議論
『原神』が発表されると、ユーザーインターフェースなどが『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と類似しており、同作のコピーであるという批判が生じた[140][141]。中国では抗議として自らのPlayStation 4を破壊する『ゼルダの伝説』のファンも現れた[141]。
『原神』は課金を通じてゲーム内通貨を得て「祈願」と呼ばれるガチャを行うことで新たなキャラクターや武器を入手する[141]。この仕組みに対しては欧米のプレイヤーを中心に、プレイヤーに対する搾取であるという批判が生じた[142]。これに対しては、アジアではガチャを用いたビジネスモデルは広く許容されている一方で、欧米のプレイヤーの間ではこのビジネスモデルが浸透しておらず、アジアと欧米の間でガチャに対しての価値観の違いがあると指摘されている[142]。
キャラクター
実在の先住民族の資料が敵キャラクターであるヒルチャールの制作に利用されている可能性が生じ、『原神』のボイコットを呼びかける動きが英語圏のユーザーの間で広まった[143]。また、この動きに派生して、肌が黒く描かれている「辛炎」や「ガイア」といったキャラクターについても、「辛炎」が気が強いため他のキャラクターから怖がられている点や、「ガイア」の英語版の紹介文が「exotic apperance」とされている点が人種差別を助長しているという批判が上がった[143]。
ユーザーからはキャラクターの性能に対しての批判も生じている。「鍾離」が登場した際には性能が低いとユーザーから批判の対象となり、その後、このキャラクターは大幅な強化を受けた[144]。2022年2月に「八重神子」が登場すると、翌月には性能が修正された。これが弱体化であるという批判が生じ、その翌月には再び元の状態に戻された。この背景にはユーザーが「鍾離」の強化で成功体験を得ていたことが挙げられた一方で、HoYoverseの情報提示の方法や態度にも問題があることが指摘された[144]。2023年に「ディシア」が登場すると、性能が極端に低いと一部のユーザーから批判が生じた[145]。
中国国内での規制
2021年9月、同月に北京で行われた中国政府主導のイベントである北京国際ゲームイノベーション会議の内部文書とされる「ゲーム出版コンテンツレビューの要点と分析」が流出した[146]。文書では不適切なコンテンツとして「女性的に見える男性」が挙げられ、代表例として「ウェンティ」が挙げられるとともに『原神』に登場する男性キャラクターの多くが女性的に描かれているとされた[146]。
2022年1月には女性キャラクター「アンバー」「ジン」「モナ」「ロサリア」の4人について、肌の露出を抑えたコスチュームが発表された[147]。日本語版や英語版向けの発表では従来のコスチュームもそのまま使用できるとされた一方で、中国語版向けの発表では強制的にコスチュームが変更されると示唆された。この背景には2021年9月に発表された中国国内の自主規制ガイドラインがあると考えられている[147]。
セキュリティ上の懸念
『原神』がリリースされた2020年9月28日当日には同作のアンチチートプログラムであるmhyprot2がゲーム終了後やアンインストール後にも動作していること、利用規約に「個人情報の完全なる保護を約束することはできません」という文章があったことに対し、スパイウェアではないかという疑惑が広まった[148]。また、iOS版においてクリップボードの情報を自動的に読み取る挙動が見られ、クリップボードの情報を不正に取得しているという疑惑も広まった[149]。これらはいずれも発覚の直後に修正・調査報告の発表が行われた[149]。
2022年8月24日にトレンドマイクロは「mhyprot2」がサイバー攻撃に利用されていると発表している[150]。これを受けマイクロソフトの脆弱性のあるドライバー一覧に「mhyprot」および類似ファイルを登録している[151]。
コラボレーションでの騒動
2021年3月には中国において『原神』とKFCのコラボレーションが行われた[152]。コラボレーションでは限定のグッズが設けられ、これを求めてファンがKFCに長蛇の列を作った。これに対してCovid-19対策の基準が守られていないという批判が集まり、コラボレーションは中止された[152]。2022年には日本においてスイーツパラダイスとのコラボレーションが行われた。この際にはグッズを目当てに大量に注文し、料理には手を付けずにグッズだけ持って帰る客がいたことに対して批判が集まった[153]。同時に、メニューを注文するごとにランダムでグッズを配布するというコラボレーションの仕組みに対しても、食べ残しを生みやすい仕組みになっていることが指摘された[153]。
七聖召喚
七聖召喚とは、原神のゲーム内にVer.3.3にて実装され、その後常設コンテンツとなり、毎バージョン更新がされているカードゲームである[154][155]。解放条件は、冒険ランク32以上かつ魔神任務 序章 第三幕「龍と自由の歌」をクリアしていること。カードは、キャラカード、装備カード、支援カード、イベントカードの4種類に分類され、それぞれのカードの効果や元素反応を駆使して戦う。マルチプレイ中のプレイヤーと対戦でき、原神では唯一となるランダムマッチングの対人対戦も実装されている。また、HoYoverseが認可し、Genshin Impact Tavernコミュニティが主催する大会「アストラカーニバル:リトルプリンス杯」などの公認大会も存在している[156]。「アストラカーニバル:リトルプリンス杯」において、決勝戦はオフラインで開かれるほか、大会賞金も用意されている。
関連メディア
漫画
リリースに先駆けた2018年12月から2020年にかけては『原神セレベンツ』が配信された[157][158]。本作はゲーム本編の前日譚となっており、プレイヤーが最初に訪れる国であるモンドを舞台に、最初にプレイアブル化するキャラクターであるアンバーを主人公として、ガイアやウェンティといった初期に登場するキャラクターの背景などが描かれる[158]。本作は全16話であり、13話までは英語を含め様々な言語に翻訳されて配信されているが、最後の3話は日本語、韓国語、簡体中国語でのみ配信されている[158]。
アニメ
2022年9月に日本のアニメスタジオであるufotableとの長期コラボレーションプロジェクトの始動が発表され、コンセプトビデオが公開された[159]。2022年10月にはデンマークのアニメーションスタジオであるSun Creature Studioが制作したアニメトレーラーが公開された[160]。
ラジオ
2021年11月から音泉と『原神』日本語版のYouTubeチャンネルにおいてWebラジオ『テイワット放送局』が配信されている[161]。パーソナリティは空役の堀江瞬、パイモン役の古賀葵、鍾離役の前野智昭が入れ替わりで担当している[161]。2023年6月からはウェンティ役の村瀬歩もパーソナリティを担当するようになった[162]。
脚注
出典
参考文献
- PASH! 編集部 編『原神ファンブック』主婦と生活社、2023年。
- 「『原神』2周年記念特集」『週刊ファミ通』第1765号、KADOKAWA Game Linkage、2022年、12-57頁。
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
原神に関連するカテゴリがあります。
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劇場アニメ | |
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Webアニメ | |
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その他のアニメ | |
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ゲーム | |
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テレビ番組 | |
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実写映画 | |
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漫画作品 | |
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新聞連載作品 | |
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関連イベント | |
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関連項目 | |
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関連人物 | |
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