カムリ (CAMRY )は、トヨタ自動車 が製造している中型高級乗用車 である。かつては日本国内で販売されていたが、現在は海外でのみ販売を行っている。
当記事ではトヨタ自動車公式の分類[1] に倣い、前身のセリカ・カムリ (CELICA CAMRY )を初代とする。また、以下のモデルについても記述する。
カムリ・プロミネント
カムリ・グラシア (CAMRY GRACIA )
カムリ・グラシア ワゴン (CAMRY GRACIA WAGON )
カムリ・ハイブリッド (CAMRY HYBRID )
概要
ゆったりした直進安定性と居住性を鑑み、ロングクルージングを意識して開発された高級セダンである。全世界100か国で累計1,800万台以上(2016年12月時点)を販売しているベストセラー カーであり、同じセダンのカローラ と共にトヨタ自動車の屋台骨を支える世界戦略車 でもある。2017年のトヨタ車の中での世界販売台数はRAV4 、ヤリス に次ぐ第5位となっている[2] 。
海外における人気は絶大であり、特に北米 市場では乗用車部門で16年連続で販売台数トップの実績を誇っている。2016年は北米で39万台近くが売れており、これは毎日1,000台以上が売れている計算になる。またオセアニア ・東南アジア ・インド 地域での人気も高い。
このため6代目以降は海外での販売を主眼に置いた開発がなされ、車幅は日本国内販売を主とするマークX や上位車種のクラウン よりも広く設計されている。Eセグメント のBMW・5シリーズ やメルセデス・ベンツ・Eクラス と同格寸法で、より大きな室内空間を意識した設計となっている。かつてはV型6気筒 を搭載する上級グレードが販売されていたが、7代目以降の日本国内仕様、および海外専売となった11代目以降は直列4気筒 のみとなっている。
2000年代 半ばからはマークXと同車格 として扱われ(姉妹車 ではない)、機敏なドライブフィールを重視する後輪駆動 のマークXと、後席居住性を重視したカムリとで販売チャネルおよび客層が分けられていた。
初代のみは小型車であるFR時代のセリカ /カリーナ との姉妹車 で[注釈 1] 、「セリカカムリ 」を名乗っていた。
2代目でFF(前輪駆動 )化されるとともに「セリカ」の名が取れてカムリの単独ネームとなり、クラウンより広い室内寸法を誇る中型車として、姉妹車となる初代ビスタ とともにカローラ店におけるカローラの上位車種という位置づけとなった。続く3代目ではアメリカ 、オーストラリア [注釈 2] での現地生産を開始し、本格的な世界戦略車としての道を歩み始めた。
2006年 (平成 18年)1月のフルモデルチェンジでウィンダム と統合され[注釈 3] 、カローラ店専売車では最上級車種となっていた。車名を変えた後継車種の案も出たが、世界戦略車としてのネームバリューを国内で向上するという思惑と、「カムリ」という従来からのイメージ打破を目指し、車名を継続した。
2011年 (平成23年)発売の9代目より日本国内向けはハイブリッド 専用車種となった。他のトヨタのハイブリッド専用車種は全てのトヨタ販売店にて販売されているが、カムリは従来通りカローラ店のみの販売となっていた[注釈 4] 。なお、ハイブリッド専用車となってコンセプトが明確になったことと、ラージサイズのハイブリッドセダンにしては価格設定が割安なことが受け、9代目のAVV50型は日本国内での売れ行きも好調であった。
2013年 (平成25年)7月2日 、米国トヨタ自動車販売 はアメリカにおけるカムリの累計販売台数が1,000万台に到達したことを発表した。カムリは1983年 に米国市場に投入され、初年は52,651台を販売した(2012年 の販売台数は404,886台である)。それから30年での記録達成となった[3] [4] 。
2017年 (平成29年)7月10日、日本で10代目にフルモデルチェンジしたタイミングで販売チャネルを拡大し、従前から取り扱っているカローラ店に加え、トヨペット店 とネッツ店 、加えて東京地区のトヨタ店 での取り扱いを開始した。特にネッツ店に関しては、前身の販売チャネルのひとつである旧トヨタビスタ店 で販売されていた初代セリカカムリ以来、約35年間のブランクを経ての投入となり、ラージサイズのセダンとしても2005年 (平成17年)8月に販売を終了したアリスト 以来となる。日本国内仕様の生産は堤工場が担当し、2020年 5月時点で、トヨタモビリティ東京 、および東京地区を除く全てのトヨタディーラー(トヨタカローラ店 (以下、カローラ店)、トヨタ店 、トヨペット店 、ネッツ店 )各店で扱った[注釈 5] 。
2023年の11代目へのフルモデルチェンジをもって、再び日本国内での販売は終了。加えて北米向け仕様の日本工場での製造も終了(オーストラリア向けは継続[5] )となり、以降は再び海外専売車となる。
初代 A4#/5#型(1980年 - 1982年)
1980年 1月発売。セリカ のセダン 版として「セリカ・カムリ 」(CELICA CAMRY)を名乗り[6] 、2代目セリカ/カリーナ の姉妹車 であった(元来セリカのセダン版がカリーナにあたる)。同年3月のクレスタ 発売と同時にトヨタビスタ店 (現ネッツ店 )がオープンすると、クレスタの下級車種としてビスタ店でも併売された。歴代カムリでは唯一の後輪駆動 車である。
当時のトヨタでは、2代目カムリ/初代ビスタ をカローラ店/ビスタ店で発売すべく開発中であったが、当時のカローラ店取扱のセダン系車種はカローラが最高級であり、それ以上のクラスはカローラ店の顧客には馴染みがなかった。そのため、できるだけコストをかけず(新たにデザインされたのはリア周りのみでフロント側は輸出用カリーナの流用だった)に市場を開拓すべく急遽市場へ投入されたモデルであり、販売期間は2年2か月(1982年 3月販売終了)と短命であった。
型式・グレード
1600 - 「TA41」・1600LT、1600XT
1800 - 「TA46」・1800LT、1800XT、1800XTスーパーエディション
1980年8月 - 1800SX・2000SE・2000GTを追加。この3車種にはカリーナのセダンとの違いに4輪独立懸架(4輪独立懸架車は型式が1800SXはTA51、2000SEはRA52、2000GTはRA51となる。フロントはマクファーソン・ストラット式コイルスプリング、リアはセミトレーリングアーム式コイルスプリング)、4輪ディスクブレーキを装備。
2代目 V1#型(1982年 - 1986年)
1982年 3月登場。キャッチコピーは「大きなカムリ 」。トヨタでは初となる横置きエンジン による前輪駆動 を採用[注釈 7] し、セリカのサブネームが外れる。同時にビスタ店専売となる姉妹車のビスタが登場し、カムリはカローラ店専売車種となった。前輪駆動化によって「(当時の)クラウンより広い」と評された室内空間が売りであった。
このモデルからコロナ に代わってトヨタを代表するミドルセダンとなり、米国をはじめ世界各地へ輸出されるようになる[注釈 8] 。日本国内向けは4ドアセダンのみであったが、輸出仕様はビスタにあった5ドアリフトバック もラインナップされた。なお、米国仕様は法規制のため、SAE規格 の角型4灯式ヘッドライトを採用していた。
1982年
3月 - 発売。当初は1.8L(1S-LU)の5速MT車のみ。
7月 - OD付き4速AT車が追加設定。
8月 - 2.0L(2S-ELU)車が追加。
1983年
4月 - ドアミラー を設定。
8月 - 1.8Lのターボディーゼル(1C-T)車を追加。
1984年 6月 - マイナーチェンジ。フェイスリフトと同時にドアミラーを可倒式に変更。2000ツインカム16(3S-GELU)車を追加[注釈 9] 。1.8Lガソリン車(1S)は電子制御セントラルインジェクション化(Ci 1S-iLU)。特別仕様のXTサルーンはカタログモデル化され、従来のSEと特別仕様車SEサルーンはXEに統一。一方、従来最上級のZXには標準であった後席3点式シートベルトが2点式に変更され、クロームメッキの装飾が増えた。米国仕様も後期型から異型2灯式ヘッドランプとなる。
1985年 8月 - ターボディーゼル車のエンジンは2.0Lの2C-T型に変更。
1983年4月以降のCMには俳優の田中邦衛 を起用し、V30型こと4代目にフルモデルチェンジする前の1990年7月まで続いた。
セダン(1984年改良型)
ハッチバック(北米仕様)
3代目 V2#型(1986年 - 1990年)
1986年 8月登場。キャッチコピーは「新しきセダンの象徴。」。市場での人気が高いとはいえなかった先代の反省を踏まえ、車格感の向上を主眼としたモデルチェンジとなった。エンジン は、2.0Lのみトヨタ初となるハイメカツインカム (3S-FE型)エンジンが搭載された。ほかに1.8L(1S-i型)と2.0Lターボディーゼル(2C-T型)、さらに先代から引き続き2.0Lスポーツツインカム(3S-GE型、2.0GTのみ)が用意された。
スタイリングはやや丸みを帯びたものとなり、上級車種のマークII に代表される、当時流行していたハイソカー の要素を取り入れた豪華なインテリアや装備が特徴となった。その一方でフロントウインドウの傾斜はきつくなり、先代のような圧倒的な室内の広さは実感できなくなり、初の前輪駆動中型車として実験的な色彩が感じられた先代とは違う、トヨタ車としてごく普通の車となった。先代の国外仕様に存在していた5ドアは欧州ではそれなりの需要があったものの、メイン市場である米国で人気を得られなかったため廃止された。これに代えてステーションワゴン がラインナップされ、欧州向け5ドアモデルはコロナ などの他車種で対応することとなった[注釈 10] 。なお、国外仕様はフロントグリルがビスタと同様のものとなっている。
1987年 - トヨタ・オーストラリアがビクトリア州 ポート・メルボルン にて現地生産を開始する[7] 。これがカムリ初の日本国外生産である。
1987年4月 - 新開発された1VZ-FE型2.0LV6 エンジンを搭載した『プロミネント 』(VZV20型)が登場。このエンジンのカムはフォーカム とも呼ばれた。バンパーが大型化(北米仕様と同タイプ)され、フロントグリルの形状が異なり、装備がさらに追加される点などが4気筒モデルとの違いであった。プロミネントのエンジンは2.0L V型6気筒DOHCの1VZ-FE 型で、最高出力は103kW(140PS)/6,000rpm・最大トルクは174Nm(17.7kg・m)/4,600rpmを発揮。
1987年10月 - 直列4気筒 2.0L(3S-FE型)モデルにはセンターデフ+ビスカスカップリング方式のフルタイム四輪駆動 も追加され、バリエーションが豊富になった。
1988年 - トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキーがケンタッキー州 ジョージタウン にて現地生産を始める。
1988年8月 - マイナーチェンジ。プロミネントシリーズにのみ、ビスタと共通ボディの4ドアハードトップ が追加。また、1.8Lもハイメカツインカム化された(1S-i型OHCエンジンから4S-Fi型DOHCエンジンに換装)ほか、2.0L 四輪駆動車にATが追加された。ハードトップのプロミネントは、北米でレクサス が発足した当初、ES250 として販売された[注釈 11] 。
1989年 8月 - トヨタ・オーストラリアが、GMホールデン にホールデン・アポロ としてOEM供給開始[7] 。
1990年 6月[8] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
1990年 7月 -4代目と入れ替わって販売終了。
カムリ(日本仕様 1986年販売型)
カムリプロミネント/ハードトップ
セダン(北米仕様)
ステーションワゴン(輸出仕様)
ステーションワゴン (北米仕様)
4代目 V3#型(1990年 - 1994年)
1990年 7月登場。キャッチコピーは「ゆーゆー」「華麗なるクルージング・サルーン」。このモデルより日本仕様 と海外仕様が明確に差別化され、海外仕様は3ナンバーボディを持つXV10型として独自の進化を遂げた(日本でも「セプター 」として販売)。セダンはプレスドアを採用し、丸みが強調され、初代セルシオ のデザインを5ナンバーサイズに縮小したような張りのあるボディとなった。セダンには1.8L(4S-FE型)、2.0L直列4気筒ハイメカツインカムガソリンエンジン(3S-FE型)、ハイオク 化されたツインカム3S-GE型と2.0Lディーゼルターボ(2C-T型)が用意された。駆動方式は前輪駆動とフルタイム四輪駆動の2種類。前輪駆動には4WS設定モデルも存在した。バブル 期に開発されたモデルであるため装備品や内外装の質感は高い。このモデルでもV6搭載モデルの「プロミネント」は存在した。ボディは4ドアハードトップのみ[注釈 12] 。エンジンは当初は従来型と同じV6・2.0Lのみだった。
1991年 5月 - プロミネントにV6・2.5Lモデルを追加。同時にV6・2.0Lモデルは「プロミネントEタイプ」のみとなる。
1992年 6月 - マイナーチェンジ。キャッチコピーは「新しい大人の表情」。フロントグリルが大型化されエアコンはオートタイプを全車に標準装備した上に代替フロン 仕様となった。同時に、スポーツツインカムの3S-GE搭載のGTとV6・2.0Lモデルの「プロミネントEタイプ」は廃止され、GTの代わりにZXツーリングパッケージが登場、プロミネントはV6・2.5Lに一本化。
1994年 6月[9] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
1994年 7月 - 5代目と入れ替わって販売終了。カムリプロミネントはこの代を最後に廃止され、ウィンダム に引き継がれた。
1990年販売型(前部)
1990年販売型(後部)
5代目 V4#型(1994年 - 1998年)
1994年 7月登場。キャッチコピーは「LIFE」(前期型)、および「妻子あるカムリ」(後期型)。当初は、北米カムリとの部品の共通化率を高めた3ナンバーモデルとして計画されていたが、バブル崩壊に伴う乗用車市場の冷え込みもあり、設計途中で5ナンバーサイズへと変更された。トヨタでは他にビスタアルデオ の全高を試作途中に150mmも高めた例もあるが、このような開発末期の大きな設計変更は、全てのメーカーができるものではなく、資金力に勝るトヨタならではのエピソードとなっている。前述のとおりモデルチェンジ の時期がバブル崩壊 とも重なり、走行性能や耐久性などを維持しつつ大幅なコストダウンを強いられたために装備やドア内張り、天井、各パネル類などインテリアが先代と比較してかなり簡素なものになり[注釈 13] 、特に前期型にはフロントグリルのエンブレムがないという、徹底したものであった。ラインナップも削減され、ハードトップは廃止されてセダンのみの設定になった。排気量はガソリンエンジンが、1.8L(4S-FE型)と、2.0L(3S-FE型) 、ディーゼルターボエンジンは2.2L(3C-T型) に拡大された。当初はガソリン2.0Lモデルにのみフルタイム四輪駆動の設定があったが、後に2.2Lディーゼルターボにも設定された。
1996年 6月にマイナーチェンジを実施。CMキャラクターに篠ひろ子 を起用。ヘッドランプがマルチリフレクター式に変更された。また、フロントグリルにはカムリのエンブレムが復活している。ABS とデュアルSRSエアバッグ は全車標準装備。
1996年 12月、XV20型カムリグラシアが登場するが、クラスが異なる(カムリはCDセグメント、カムリグラシアはDセグメント)こともあり従来のV40型カムリも併売される。
1998年 7月、カムリグラシアに統合され販売終了。日本国内専用のカムリはこの代をもって消滅した。なお、姉妹車のビスタはV40型カムリ/ビスタを受け継ぐV50型として、独自のフルモデルチェンジを行っている[注釈 14] 。
6代目 XV2#型(1996年 - 2001年)
1996年 12月 - 日本国内専用のV40型カムリと並行する形で、北米市場向けのXV20型カムリを「カムリ・グラシア 」(CAMRY GRACIA)の名で日本市場に投入。セプター の後継車種としての役割も担う。3ナンバーサイズとなり、エンジンもセプターと同じ直列4気筒の2.2L(5S-FE)とプロミネント以来のV6エンジン搭載車でもある2.5L(2MZ-FE )を搭載する。この代をもって、フロントにあったカムリ専用エンブレムが廃止される。4年連続北米乗用車販売台数1位。100カ国以上で販売された(日本向けのV6エンジン搭載車はこの代が最後)。ボディタイプはセダンとステーションワゴン の2種類[注釈 16] 。日本仕様はこの代からAT車のみとなった。カムリグラシアワゴンにはトヨペット店 向けの姉妹車としてマークIIクオリス が発売された。その間、特別仕様車も設定され、「REMIX」(セダンのみ)は北米仕様のバンパーとドアモールを装備した特別仕様、「アメリカンビレットバージョン」(こちらはセダン・ワゴンともに設定された)はエスティマ や8代目(E100G型)カローラツーリングワゴン 同様、ビレットグリルを内蔵した大型バンパー/フロントグリル等でドレスアップされた特別仕様だった。
1999年 8月 - マイナーチェンジ。CMキャラクターに西田敏行 を起用。セダンは前年7月にV40型カムリの生産が終了したため、「グラシア」のサブネームが取れて「カムリ」の単独名に回帰。ワゴンのみが「カムリグラシア」と呼ばれるようになる。フロントのヘッドランプ類がやや大型化された(セダンはリヤコンビネーションランプも大型化)。一方、ワゴンのリヤコンビネーションランプもクリア部分が若干アンバーに着色され、フロントグリルの中央はCIマークから「GRACIA」のエンブレムに差し替えられた。共通の内容としては、バンパーデザインの変更、内装の質感向上などが挙げられる。なお、このモデルよりセダンがダイハツ工業 へ「アルティス 」として2000年 3月 からOEM供給され、7代目・および8代目途中の2010年 2月まで10年間供給のあと一時途絶えていたが、2012年 5月より9代目のOEM供給が開始された(後述)。
同年、オーストラリア、アメリカに続いてタイ ・チャチューンサオ県 での生産が開始された。これにより従来オーストラリアから供給していた東南アジア市場向けのカムリはタイ生産車に置き換えられた。なおオーストラリアの生産拠点は1994年にポートメルボルンからアルトナに移動している。
2001年 8月[10] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
同年9月 - 7代目とバトンタッチして販売終了。
ワゴン 1996年販売型
ワゴン 1996年販売型
1999年改良型
1999年改良型
ワゴン 1999年改良型(豪州仕様)
7代目 XV3#型(2001年 - 2006年)
2001年 9月27日 登場。このモデルからはセダンのみとなる。日本仕様はV6エンジン搭載車が廃止され、直列4気筒2.4L(2AZ-FE )のみとなった。ウィンダム と共通の新プラットフォーム を使用する。型式は本来はXV30型であるが、トヨタの型式命名規則では X +Z(この場合はエンジン型式の中のZ)= C となるため、ACV30、MCV30(北米向けV6仕様)となる。このフルモデルチェンジを機にブラックインナー処理のヘッドランプユニットやスポイラーなどを装備したスポーツグレード「Touring」がラインナップに加わった。
2004年 7月6日 - 一部改良(プレマイナーチェンジ)。内外装を変更。北米仕様のV6エンジンは3.3Lの3MZ-FEが追加され、5速ATが組み合わされた。
海外生産はさらに広がり、このモデルから従来の生産地に加え、フィリピン 、マレーシア 、インドネシア 、台湾 でも行われている。
2005年 12月[11] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
2006年 1月 - 8代目と入れ替わり販売終了。
2001年販売型
2004年改良型 ツーリング フロント
2004年改良型 ツーリング リア
東南アジア仕様
東南アジア仕様(リア)
8代目 XV4#型(2006年 - 2011年)
2006年 1月30日 に登場。目標月間販売台数は国内では1,000台、北米では30,000台。
エクステリアデザインは、今までのカムリのイメージを覆すスタイリッシュでアグレッシブなものとなる。2006年2月をもって生産終了されたウィンダム を統合する役目もあるため、今回のモデルではさらに上質感に磨きをかけた。そのひとつとして日本仕様には本皮革シートや専用鍍金グリル、HDDナビゲーションを標準装備した「G ディグニスエディション」を新たに設定。ウィンダムの代替需要にも応えられる内容とした。日本仕様はベージュ内装でエアロパーツの設定もないが、北米仕様にはSE、オセアニア仕様にはスポルティーボと呼ばれるスポーティなモデルが存在しており、3本スポークステアリングを装備し、内装色もブラックである。また、横幅がセルシオ 並みに拡大され、エンジンは従来と同じ直列4気筒2.4Lだが、馬力が159馬力から167馬力となった。北米仕様にはV型6気筒3.5L仕様やハイブリッド 仕様も設定されたが、日本では販売されなかった。シフトは5速AT(四輪駆動車は4速AT)。北米仕様のV6モデルには6速AT(シーケンシャルシフト付き)が採用されているほか、中近東、オセアニア仕様などには5速MTも設定されている。オセアニア仕様は日本同様、直列4気筒エンジンのみの設定である。ただし、カムリをベースに前後デザインを変更した上級車種がオーリオン (Aurion)として発表されており、こちらはV6のみの設定となる。また、アジア仕様(中国、台湾、東南アジア諸国に投入)のデザインもオーリオンにほぼ準じたものとなっており、日米版カムリとは大きく異なる。なお、車名エンブレムは「CAMRY 」から「CAMR y 」となり、北米向けのトヨタ車のリアエンブレムは、1989年 にトヨタが現在のトヨタマークを導入した以降も、これまではトヨタマークと「TOYOTA」のローマ字 が併用されてきたが、この8代目カムリ以降のピックアップトラック やSUV を除くトヨタ車からは、「TOYOTA」のエンブレムが外され、日本仕様同様にトヨタマークのみとなった。直4エンジンの形式は7代目と同様の理由でACV40となるが、V6仕様はGRエンジン のため、R+X=SとなるためGSV40となる。
2007年 4月より北米にあるSUBARU の保有する工場の生産ラインを使用し、北米向けカムリの生産が行われている[12] 。
2007年7月に外装色ラインナップと内部インパネまわりの色調が変更された。
2007年12月 - ロシア サンクトペテルブルク 郊外のShusharyに建設されたトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ロシアの工場でもカムリの生産が開始された。
2009年 1月13日 - マイナーチェンジ。
フロント周り(グリル・バンパー・ヘッドランプなど)を一新するとともに、フォグランプ・リアガーニッシュなどにはメッキ加飾を施したほか、ボディカラーにはベージュメタリックとダークグリーンマイカを追加。
内装ではオーディオ・ヒーターコントロールパネルの色調をホワイトに変更し、シートデザインも変更。また、新デザインのサイドターンランプ付ドアミラー(トヨタ・iQ と同一型番のものを流用)やVSC・TRC(四輪駆動車を除く)が標準装備化されたほか、自動防眩インナーミラー(一部グレード)やバックモニターも新たに採用され安全性も向上されたが、一部グレードでは助手席用のパワーシートが手動式になる等の装備の簡素化も行われた。
2009年10月20日 - 韓国トヨタ自動車 を介して韓国 での発売を開始。ラインナップは2.4Lと同ハイブリッドの2種。
2010年 2月 ー 姉妹車 のダイハツ・アルティス の販売終了に伴いダイハツ工業 へのOEM供給を一時終了。
2011年 9月 [13] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
2011年 10月 - 9代目と入れ替わる形で販売終了。
車内
スポルティーボ
8代目カムリ 2006年販売型 後部
カムリハイブリッド 北米仕様 前部
カムリハイブリッド 北米仕様 後部
アジア仕様 前部
アジア仕様 後部
オーストラリア製カムリ・ハイブリッド
トヨタ・オーストラリアは2009年12月、同国ビクトリア州のアルトナ工場において、カムリ・ハイブリッドの生産を開始した。同モデルはオーストラリアにおいて2010年2月から販売開始される。生産は年間10,000台が予定され、うち300台はニュージーランド へ輸出される計画である[14] 。フロントグリル、テールランプなどが独自意匠となっている[15] 。
9代目 XV5#型(2011年 - 2017年)
2011年
6月30日 - 社長の豊田章男 自らが出演するティーザー動画をネット上で公開。この中で新型カムリを2011年秋に北米市場に投入することを明言[16] 。
8月23日 - 北米市場向けカムリをフルモデルチェンジ。同年10月より発売すると発表。2.5L直4と3.5LV6、2.5Lハイブリッド(直4+モーター)の3種のエンジンを用意。ガソリンエンジン車には6速AT、ハイブリッドにはCVTが組み合わされる。生産は先代同様にTMMKもしくはSIA 。
8月25日 -トヨタ・ウクライナが国際版カムリを公開。北米版とは異なる前後デザインが与えられている[17] 。
9月5日 - 日本国内向けカムリをフルモデルチェンジ。日本市場では元来地味な印象の強いカムリを、世界市場のベストセラーとして日本市場で引き立たせるため、日本市場では3代目プリウス (ZVW30型 )の大ヒット以降急速に普及が進んでいるハイブリッド車 のみの設定とした[注釈 17] 上で価格設定を抑えた。エクステリアはグリルや日本仕様専用のフロントバンパーのデザインを除いて国際版カムリに準ずる。
パワートレーンは新開発のミラーサイクル エンジン・2AR-FXE 型を採用したリダクション機構付THS-IIを搭載。グレードはベースとなる「ハイブリッド」、17インチアルミホイールや本皮革ステアリング、運転席パワーシート等を追加した「ハイブリッド"Gパッケージ"」、さらにこれらにHDDナビゲーションシステムや本皮革シート&助手席パワーシート、クルーズコントロール等を追加した「ハイブリッド"レザーパッケージ"」の3種を用意。トランスミッション はTHS-IIのため電気式無段変速機 のみ。
本来ならばトヨタのハイブリッド専用モデルは全てのトヨタの販売店で販売される方針ではあるが、セグメントは1つ上ではあるものの車体寸法が近くハイブリッド車の設定があるクラウン や、逆に同一セグメントでハイブリッド車の設定がないマークX との競合を避けるためにあえて投入されていないという見方もある。また、国際版にガソリン車もある関係上、トヨタのハイブリッド専用車でありながら、シフトレバー はアクア と同じ通常のゲート式フロアシフトとなる。
Cd値を0.28としたことで空力性能を向上させるとともに、車体も先代比で約100kgの軽量化、ハイブリッド化に伴う重量増を考慮しても約40kgの増加に抑えられている[18] [注釈 18] 。結果、JC08モード 燃費でアッパークラスのセダンで最高値となる23.4km/Lを実現し、「平成27年度燃費基準+20%」を達成。同時に「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」の認定も取得している。
Kプラットフォーム は先代からのキャリーオーバーで、ボディサイズも先代とほとんど変わらないが(ホイールベースに至っては同寸)、内外装は居住性や空力性能を保ちつつ、高級感や存在感のあるセダンスタイルを追求したデザインとなり、ハイブリッドシステムの圧倒的な静粛性に加え、風切音を低減した高遮音性ウィンドシールドガラスを採用するなど、走行中でも会話がしやすい静粛性能を実現。なお、先代で設定のあった四輪駆動車とプリクラッシュセーフティシステムは廃止されている(後者はのちに後期型で復活)。
10月 - 香港 およびマカオ でハイブリッド車とガソリン2.5L車を導入開始。
11月8日 - 中国にて広汽トヨタが新型カムリ(凱美瑞)を発表。中国仕様は無印(標準仕様)、よりスポーティーなSEの2グレードがラインナップされる。パワートレーンは直4 2.0L+パドルシフト付き4ATもしくは直4 2.5L+パドルシフト付き6ATとなる。また、カムリHEV も併せて発表された。日本仕様とはフロントバンパーのデザインが異なる[19] 。なお、発表に先立ち10月から2.5L車に搭載される2AR-FEおよび2AR-FXEエンジンの生産が広汽トヨタエンジンにて開始された[20] 。
12月7日 - オーストラリアにて新型カムリ発表。北米版カムリをベースに現地市場に合わせてサスペンションのセッティングなどが変更されている。エンジンは直4 2.5Lのみでハイブリッド仕様も設定される[21] 。
2012年
1月 - 北米生産車を韓国 に輸出することを発表(同月18日、韓国で発表・発売)。これは円高対策と米韓FTA 発効に伴う措置で、アメリカで生産される自動車は「アメリカ製日本車」でも関税が低減(将来的に撤廃)されることを活用したものである[22] 。
2月 - 台湾の国瑞汽車 は従来の2.0Lと2.5Lに加え、ハイブリッド車も生産開始することを発表。同月15日より生産を開始した[23] 。
3月15日 - タイ王国にて新型カムリ発売。ゲートウェイ工場で生産が行われ、ASEAN域内にも輸出が行われる[24] 。エンジンは直4 2.0L、2.5L、2.5Lハイブリッドの3種類が設定される。
4月4日 - インドネシアにて新型カムリ発売。2.5Lおよび2.5Lハイブリッドのラインナップとなる。
4月17日 - オーストラリアにてカムリの上級車種となる新型オーリオン を発表。こちらは国際版カムリをベースとし、前後の意匠はロシア・ウクライナ仕様と共通。エンジンはV6 3.5Lのみとなる[25] 。
5月10日 - ダイハツ工業 にアルティス としてOEM供給を開始。約2年ぶりにOEM供給を再開することとなり、ダイハツ初の乗用ハイブリッドカーとなる。
8月24日 - インド で発売。エンジンは北米仕様と共通の2.5L・2AR-FEのみでエクステリアは国際版を採用。ベンガルール 近郊のビダディにあるトヨタ・キルロスカ・モーター (TKM) 第2工場にて生産される[26] 。
9月3日 - 一部改良。
「ハイブリッド」を除く全グレードでリアサイドとバックガラスにUVカット機能付ソフトプライバシーガラスを標準装備し、ミリ波レーダーで隣の車線を走行する車を検知し、ミラーの死角に入っているとLEDインジゲーターで知らせるブラインドスポットモニターをオプション設定した。また、クルーズコントロールが「ハイブリッド"Gパッケージ"」にも標準装備されたほか、ボディカラーには新色としてレッドマイカメタリックが追加され、全8色となった[27] 。
2013年
1月21日 - 韓国カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、総合で最高点を獲得し、大賞に選ばれた[28] 。
8月28日 - インドでカムリハイブリッドが発売。生産はカムリ同様TKM第2工場にて行われる。カムリハイブリッドはインドで量産が行われる最初のハイブリッド車となり、インドはトヨタがハイブリッド車の生産を行う9番目の国となる[29] 。
9月2日 - 一部改良[30] 。
ボディカラーはオリーブマイカメタリックと入れ替えでダークブルーマイカを、「ハイブリッド"レザーパッケージ"」の内装色にはシェルをそれぞれ追加。さらに、安全性に配慮するため、リア左右席ELR付3点式シートベルトにプリテンショナー&フォースリミッター機能を追加した。
「ハイブリッド」ベースの特別仕様車 「ハイブリッド"Gパッケージ・PREMIUM BLACK"」を発売。「Gパッケージ」の装備(クルーズコントロール、運転席パワーシート、本皮革ステアリング、17インチアルミなど)に加え、シリーズ初となるLEDヘッドランプ(スモーク調エクステンション)&LEDフロントフォグランプを装備するとともに、自動防眩インナーミラー、アルミホイールのクロムメタリック塗装化、ファブリック&合成皮革コンビシート、インパネ・ステアリングホイール・パワーウィンドゥスイッチベースなどに木目調(ダークブラウン)加飾を、ドアトリムオーナメント&ドアアームレストに合成皮革を採用した。
2014年
4月16日 - ニューヨークにおいて北米仕様の2015年モデルを発表。ルーフを除く他のパーツを全面変更。その変更規模は総数3万点の部品のうち約2,000点に及ぶ。車の骨格から全面的に見直し、エクステリアを87%変更するなど、ほぼフルモデルチェンジに近い内容であった。さらにスポーツグレードとして「XSE」を設定した。
9月9日 - 日本・香港・マカオ仕様のハイブリッド車をマイナーチェンジ[31] 。日本仕様のCMキャラクターとして松田聖子 を起用。
フロントデザインはヘッドランプ・フロントバンパー・ラジエーターグリルを変更し、LED クリアランスランプを装備。リアデザインはコンビネーションランプ・バンパー・ガーニッシュを変更し、リフレクターを下端に配するなど外観の変更は比較的大規模だが、北米仕様に比べ変更規模は標準的。なおこのマイナーチェンジモデルからはフロントバンパーは国際版カムリと共通のバンパーとなる。
内装ではウィンカー・ハザードの電子音の音色をクラウン と同一の音色に変更。また瞬間燃費やエコドライブ レベルなど様々な情報を表示する4.2インチTFTカラーのマルチインフォーメーションディスプレイを新たに装備したほか、スイッチ形状(オーディオ・ヒーターコントロールパネル)やヒーターコントロールパネルの液晶表示を変更。ステアリングホイールは新デザインの3本スポークとなり、不評だったファブリックの内装材も変更した。「ハイブリッド"レザーパッケージ"」・「ハイブリッド"Gパッケージ"」には、ミリ波 レーダー 方式のプリクラッシュセーフティシステム 、ブレーキ制御機能付レーダークルーズコントロール 、レーンディパーチャーアラート(LDA)、オートマチックハイビームの4点のセットオプションを新たに設定したほか、「トヨタスマートセンター」と通信し、「エージェント」・「Apps(アップス)」・「オンラインケア」を提供するT-Connect SDナビゲーションシステムを「ハイブリッド"レザーパッケージ"」に標準装備、「ハイブリッド"Gパッケージ"」にメーカーオプション設定した。
足回りにチューニングを施し、高速安定性や路面からの振動低減を実現したほか、ドアに防音材を追加し、カーペットの改良を行うことで静粛性を向上した。また、「ハイブリッド」にメーカーオプション設定の16インチアルミホイール(センターオーナメント付)を装着した場合、JC08モード燃費を2.0km/L向上(25.4km/L)した。
2015年
5月12日 - 特別仕様車「ハイブリッド"Gパッケージ・PREMIUM BLACK"」を発売[32] 。「ハイブリッド」をベースに、「Gパッケージ」の装備内容に加え、LEDのヘッドランプやフロントフォグランプ、スーパークロムメタリック塗装を施した17インチアルミホイールを特別装備。内装はファブリック&合成皮革コンビネーションの専用シート表皮やソフトレザードアトリムオーナメントを採用し、インパネや本革巻き3本スポークステアリングホイールなどにダークブラウンの木目調加飾を施した。併せて、ベース車も一部改良を行い、装備内容の見直しを行った。
10月6日 - 一部改良[33] 。リアバンパーにメッキモール加飾を施し、エアコンレジスターの加飾やシフトノブを意匠変更。さらに、ウインドシールドガラスとフロントドアガラスにIR(赤外線)カット機能を採用したほか、サンバイザーにチケットホルダーを追加した。
2017年
5月8日 - 台湾仕様(ガソリン、ハイブリッド共)を改良。日本仕様とは少々異なるフロントマスクを採用[34] 。
7月 - 10代目の登場により日本での生産・販売終了。
10月3日 - トヨタ・オーストラリアの完成車製造事業撤退に伴い、オーストラリアにおける製造が終了。同時に1963年のティアラ 生産開始から54年続いたトヨタにおけるオーストラリア現地生産は幕を下ろした。トヨタ・オーストラリアが生産した車種では、3代目から通算して最多となる約216万8000台が製造された[7] 。
ロシアや一部のアジア地域では2018年まで製造販売された。
10代目 XV7#型(2017年 - 2024年)
トヨタ・カムリ(10代目)AXVA7#/ASV7#/GSV7#/AXVH7#型
2017年7月販売型 X 前部
2017年7月販売型 G 後部
2017年7月販売型 X 室内
概要 別名
ダイハツ・アルティス (5代目) 製造国
日本 販売期間
2017年 7月10日 -2024年 設計統括
勝又正人 ボディ 乗車定員
5名 ボディタイプ
4ドアセダン エンジン位置
フロント 駆動方式
前輪駆動 E-Four プラットフォーム
GA-Kプラットフォーム パワートレイン エンジン
A25A-FXS 型: 2,487cc 直列4気筒 直噴 DOHC モーター
3NM 型:交流同期電動機 最高出力
エンジン: 131kW (178PS)/5,700rpm モーター: 88kW (120PS) システム最高出力: 155kW (211PS) 最大トルク
エンジン: 221N・m (22.5kgf・m)/ 3,600-5,200rpm モーター: 202N・m(20.6kgf・m) 変速機
電気式無段変速機 (Direct Shift-CVT ) サスペンション 前
マクファーソンストラット式 後
ダブルウィッシュボーン式 車両寸法 ホイールベース
2,825mm 全長
4,885mm(X、G)(2017年7月- ) 4,910mm(WS)(2018年8月- ) 全幅
1,840mm 全高
1,445mm 車両重量
1,540-1,630㎏ その他 ブレーキ
前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク 系譜 後継
クラウン とプリウス に統合予定(日本) テンプレートを表示
日本仕様は2017年7月10日にフルモデルチェンジを実施。「TNGA 」に基づき、プラットフォームやパワートレーンなどを完全新開発した点が大きな特徴である。取扱店は従前からのカローラ店に加え、トヨペット店とネッツ店でも併売されることとなった。
デザイン
エクステリアは、TNGAに基づきエンジンおよび乗員レイアウトを下げることで低重心シルエット化。大人しい印象だった9代目モデルとは一転し、躍動感にあふれ、スポーティな印象を与えるデザインを採用した[35] 。フロントは、トヨタ車独自のフロントフェイスである「キーンルック」を進化させ、アッパーグリルはスリム化。立体的なロアグリルと対比させるデザインとした。また、LEDヘッドランプは3層に重なったLEDクリアランスランプを備えたBi-Beam LEDヘッドランプとなった。サイドは低重心感を表現するためフードとフェンダーを低く構え、ベルトラインも低い位置に設定。ルーフの後端が延長され、サイドウインドウをコンパクトな形状に変更した。リアは9代目では左側に配置していた車名ロゴをバックドアガーニッシュ上に移動している。
ボディサイズは先代モデルと比較して全長は+35mm、全幅は+15mm拡大。一方、全高は25mm低くなっている。また、ホイールベースは50mm延長され2,825mmとなっている。
インテリアは、TNGAに基づき部品の小型化やレイアウトの見直しを行い、インストルメントパネルの張り出しを抑えるとともに、エンジンフード・カウル・ベルトラインを下げて視界を改善している。また、センタークラスターパネルはナビゲーション(「G"レザーパッケージ"」に標準装備)とヒーターコントロールパネルを一体化し、段差や見切りが限りなく少なく面一に近い仕様の「フラッシュサーフェス」デザインを採用した。パーキングブレーキ にはカムリ史上初となる電動式を採用。
メカニズム
トヨタ車では初となる液体封入式のエンジンマウントを4点すべてに採用して最適配置。サスペンションはフロントに新開発のマクファーソンストラット式を、リアにはダブルウィッシュボーン式 を採用。パワーステアリングにはラック平行式電動パワーステアリングを採用したほか、ステアリングコラムを新開発し、剛性を高め、操舵感を向上している。
パワートレインは、TNGAを導入した完全新設計の次世代エンジン「ダイナミックフォースエンジン 」と、改良を加えたハイブリッドシステム「THS II 」を組み合わせて搭載。エンジンは全く新しい形式名を与えられた「A25A-FXS 」型。また、モーターも新開発の「2NM」型が搭載された。世界トップクラスの熱効率41%を達成し、動力性能・燃費は大きく向上。システム最高出力は先代比で4kW(6PS)向上し155kW(211PS)を発生する。また、海外市場向けに搭載されるV型6気筒3.5Lエンジン「2GR-FKS 」型は301HPの出力を発生する(北米仕様の数値)。2019年には日本でも北米仕様のXSEグレードをベースにトムス からC35の名前でV6エンジン搭載車が日本国内でも発売される。またトランスミッションは電気式無段変速機を継続採用するが、新たに6速シーケンシャルシフトマチックを備えた。(Direct Shift-CVT )
ハイブリッド用バッテリーをリアシート背面から床下へ移動したことでトランク容量が先代の440Lから525Lへ拡大され、国内仕様においては7代目以来となる全面トランクスルー機構が復活した。
日本国内仕様のハイブリッド用バッテリーはリチウムイオン電池のみとなる[注釈 19] 。
安全性
衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P 」を全車に標準装備するとともに、後退時の死角に左右後方から接近する車両を検知して自動的にブレーキ制御を行う「リヤクロストラフィックオートブレーキ」をトヨタ車として初採用した。
年表
2017年
1月10日 - 北米国際自動車ショー で新型カムリ(米国仕様)を世界初披露[36] 。
同時に、日本では全国のトヨタカローラ店に加え、トヨペット店およびネッツ店(東京地区は東京トヨタでも販売)を通じ、2017年夏頃の発売を予定、と発表。
7月10日 - フルモデルチェンジ[37] 。
グレード構成は、「X」、「G」、「G"レザーパッケージ"」の3タイプ。「X」は、16インチタイヤ&スチールホイール(樹脂フルキャップ[シルバー塗装+ダークグレー塗装]付)、UVカットグリーンガラス(リアドア・バックウインドゥ)、運転席6ウェイ(前後スライド+リクライニング+シート上下)マニュアルフロントシートなどを装備し、JC08モード燃費で33.4km/Lの低燃費を実現した標準グレード。「G」は、17インチタイヤ&アルミホイール(シルバー塗装/センターオーナメント付)、マフラーカッター、LEDリアコンビネーションランプ、UVカット機能付ソフトプライバシーガラス(リアドア・バックウインドゥ)、運転席8ウェイ(前後スライド+リクライニング+シート上下+チルトアジャスター)パワーフロントシート、充電用USB端子(2個/コンソールボックス後部)などを装備した上級グレードとなる。最上級仕様の「G"レザーパッケージ"」は「G」をベースに、シート表皮をパーフォレーション付の本革に、ドアトリム・アームレスト(ドア・リアセンター)・コンソールボックス表皮をソフトレザーにそれぞれ変更するとともに、18インチタイヤ&アルミホイール(切削光輝+シルバー塗装/センターオーナメント付)、カラーヘッドアップディスプレイ、シートヒーター(運転席・助手席)、T-Connect SDナビゲーションシステムを追加している。
ボディカラーは、先代から継続設定される「シルバーメタリック」、「アティチュードブラックマイカ」、「ダークブルーマイカメタリック」、新設定の「エモーショナルレッド」(メーカーオプション)、「スティールブロンドメタリック」、に加え、新規開発色の「プラチナホワイトパールマイカ」(メーカーオプション)、「グラファイトメタリック」の全7色を設定した。
2018年
4月 - 衝突回避支援パッケージの名称を「Toyota Safety Sense P」から、「Toyota Safety Sense 」に変更[38] (公式発表無し)。
8月1日 - 一部改良[39] 。併せて、新グレード「WS」が追加設定された。
「WS」はW orldwide&S portyの頭文字をとったもので、スポーティなデザインと上質感を両立させた新グレード。「WS」と「WS"レザーパッケージ"」が設定される。
エクステリアでは、フロントアッパーグリル、フロントロアグリル、フロント/リヤバンパー、サイドマッドガードを専用デザインに変更するほか、カラードアウトサイドドアハンドル、リヤスポイラー、左側2本出しのマフラーカッターを装備。また、「WS"レザーパッケージ"」には、切削光輝+ブラック塗装のアルミホイールも追加される(「WS」はメーカーオプションにて装備可能)。フロント/リヤバンパーのデザイン変更に伴い、既存グレードに対して全長が25mm延長された。
インテリアでは、パドルシフトと専用シートを装備。シート表皮は、「WS」が合成皮革×ファブリック、「WS"レザーパッケージ"」は本革(デザインパーフォレーション付)を採用する。また、インストルメントパネルオーナメントには専用の金属調パネル(テクスチャーメタル調)を装備。
走行性能では、より応答性の高い操舵フィーリングとフラットな走りを追求したサスペンションチューニングを実施。
ボディカラーは「WS」系専用色として、「アティチュードブラックマイカ×プラチナホワイトパールマイカ」、「アティチュードブラックマイカ×エモーショナルレッドII」、「アティチュードブラックマイカ×ダークブルーマイカメタリック」の3種類の専用ツートーンカラーを設定(いずれもメーカーオプション)。
既存グレードの一部改良では、ドアミラーがオート電動格納式となったほか、インテリジェントクリアランスソナー は「G」、「G"レザーパッケージ"」では標準装備化(「WS」系も標準装備)。また、新たに「X」でもメーカーオプションで選択可能となった。また、「X」以外の全グレードにJBL プレミアムサウンドシステム(9スピーカー)がメーカーオプションとして新規設定された。また、ボディカラーの設定を変更。「エモーショナルレッド」に替わり、新色「エモーショナルレッドII」を追加(いずれもメーカーオプション)。
2019年 9月30日 - 一部改良並びにE-Four搭載車を追加設定(一部改良モデルは10月1日発売、E-Four搭載車は12月16日発売)[40] 。
新たにディスプレイオーディオ(DA)及びDCM(車載通信機)が全車に標準装備された。これにより、スマートフォン との連携(SmartDeviceLink・Apple CarPlay ・Android Auto 対応)やコネクティッドサービスの利用が可能となった。さらに、「G」と「WS」の「レザーパッケージ」にはT-Connectナビキットも標準装備され、ナビゲーション操作も可能なほか、「X」・「G」・「WS」はエントリーナビキット又はT-Connectナビキットのどちらかを選択(いずれも販売店装着オプション)することが可能である。安全面では、「G」と「WS」の「レザーパッケージ」に、ブラインドスポットモニターとリアクロストラフィックオートブレーキ(パーキングサポートブレーキ[後方接近車両])が標準装備された。
E-Four搭載車は電気式4WDシステムを用い「レザーパッケージ」を含むすべてのグレードに設定される。4WD車の設定はカムリでは8代目以来、ハイブリッド専用車になってからは初設定。WLTCモードによる燃料消費率 (JC08モード による数値も併記)並びに排出ガスに対応し、「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得したほか、「G」と「WS」(「レザーパッケージ」を含む)は「2020年度燃費基準+50%」、「X」は「同+40%」を達成している。
2020年
5月1日 - 東京都 を除く全て地域での全車種併売化に伴い、トヨタ店 での取扱が開始された(前述のとおり、東京都では発売当初より東京トヨタでも販売されており、2019年4月の直営ディーラーの統合によりトヨタモビリティ東京 の取扱となっている)。
8月5日 - 一部改良および特別仕様車「WS"Black Edition"」を発売[41] 。
インテリジェントクリアランスソナーを従来メーカーオプション設定だった「X」にも標準装備化されたことで全車標準装備となり、ブラインドスポットモニターとリアクロストラフィックオートブレーキを「G」と「WS」にも標準装備して安全面が強化された。
今回の一部改良で2WD車もWLTCモードによる燃料消費率並びに排出ガスに対応し、「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得したが、WLTCモードへの移行に伴い、「G」と「WS」の2WD車(「レザーパッケージ」を含む)は「2020年度燃費基準+40%」達成となった。
特別仕様車「WS"Black Edition"」は、前身のセリカ カムリが誕生してから40周年の記念仕様。「WS」をベースに、パーフォレーション 加工を施したレッド(ブラックの設定も可能)の本革シートを採用するとともに、ブラック塗装の18インチアルミホイール、スモーク調のフロントロアグリルモールディング、スモークエクステンション加飾が施されたヘッドランプやリアコンビネーションランプを特別装備した。さらに、フロント席にシートヒーターを追加し、助手席には4ウェイ(前後スライド+リクライニング)のパワーシートが装備された。ボディカラーは全色オプションとなり、モノトーンはプラチナホワイトパールマイカ、エモーショナルレッドIIに、特別設定色のプレシャスブラックパールを追加した3色、ツートーンはアディチュードブラックマイカと組み合わせたプラチナホワイトパールマイカとエモーショナルレッドIIの2色が設定される。
2021年 2月1日 - 一部改良[42] 。
フロント周り(バンパー・ロアグリル・ヘッドランプ)やリアコンビネーションランプ加飾、アルミホイールなどのデザインが変更(一部グレードを除く)され、インストルメントパネルの加飾も変更。標準装備のディスプレイオーディオを8インチから9インチにサイズアップされた。
ボディカラーはシルバーメタリックを廃止する替わりに新規設定色となるプレシャスメタル(メーカーオプション)を追加。ダークブルーマイカメタリックは「WS」(「レザーパッケージ」を含む)専用色に移行するとともに、「WS」(「レザーパッケージ」を含む)専用のツートーン(メーカーオプション)はアティチュードブラックマイカ×ダークブルーマイカメタリックが廃止され、2色に整理された。
予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」は機能が向上され、レーントレーシングアシストの追加やドライバー異常時対応システムが採用されるとともに、レーダー クルーズコントロール にカーブ速度抑制機能が追加され、プリクラッシュセーフティには夜間の歩行者と昼間の自転車 運転者を検知対象に加え、交差点 右折時の対向直進車・右左折時の対向方向から来る歩行者検知機能、緊急時操舵支援機能、低速時加速抑制機能等が追加された。また、「G」と「WS」(各グレードの「レザーパッケージ」を含む)には、パノラミックビューモニターのオプション設定が追加された。
2022年 8月1日 - 一部改良[43] 。
ボディカラーのうち、赤系(メーカーオプション)のエモーショナルレッドIIをエモーショナルレッドIIIに差し替え(「WS」(「レザーパッケージ」を含む)専用でメーカーオプション設定されているアディチュードブラックマイカ×エモーショナルレッドIIも同様にアディチュードブラックマイカ×エモーショナルレッドIIIへ差し替え)。「G"レザーパッケージ"」は内装色にオーカーを新設定した(注文時の指定が必要)。
「G」・「WS」(それぞれの「レザーパッケージ」を含む)に装備されている充電用USB端子をType AからType Cに変更された。
2023年 4月10日 - 同年12月下旬をもって日本国内モデル、および、日本国内で生産した香港 ・マカオ 向けの輸出用モデルの製造終了が発表された[44] 。次期型は海外専売車となる[45] 。日本国内における後継車はなく、クラウン やプリウス に統合される予定。一方、香港・マカオ向けは2023年4月現在の時点においてカムリ以外、セダン型乗用車が存在しておらずカムリの販売終了後は事実上、現地におけるトヨタブランドのセダン型乗用車からそのまま完全撤退することとなる。
2017年7月販売型 G "レザーパッケージ"
2018年8月販売型 WS "レザーパッケージ" 前部
2018年8月販売型 WS "レザーパッケージ" 後部
TRD
中国仕様 HEV
中国仕様 Sportivo
2017年7月販売型 ダイハツ・アルティス
2021年2月改良型 G"Leather Package" 前部
2021年2月改良型 G"Leather Package" 後部
2021年2月改良型 X 前部
2021年2月改良型 X 後部
2021年2月改良型 WS"Leather Package"E-Four 前部
2021年2月改良型 WS"Leather Package"E-Four 後部
11代目 XV8#型(2024年 - )
2023年11月14日にアメリカで発表、この代よりガソリン車はなくなり、全車ハイブリッド車のみとなる[46] 。(一部、中国向けには2000ccガソリン車の設定あり)また日本では販売されない。
エクステリアでは、この数年でデビューした5代目プリウスやクラウンシリーズなどと同様、「ハンマーヘッド」のフロントマスクを採用。
エンジンは2.5L4気筒エンジンと第5世代ハイブリッドシステムを組み合わせたパワートレインを搭載。従来型と比べ、モーターはより軽量・コンパクトとなり、システム出力を強化している。低速域ではエンジンの回転数を低く抑えるとともに、多くのパワーをハイブリッドシステムから引き出すことで、加速力と燃費性能を両立させた。駆動方式はFFと全輪駆動(AWD)で、最高出力はFFモデルでは225ps、AWDモデルでは232psとされた。サスペンションのチューニングも刷新され、レスポンスやスタビリティ、ハンドリング性能を改善。運転者に安心感を抱かせるとともに、快適性を高めた。基本的にはハイブリッド専用車となるが、中国では2.0リッターの純ガソリン車もラインナップされる。
先進安全機能面では、歩行者検知機能付きのプリクラッシュセーフティシステムや車線逸脱防止システム、オートハイビームなどの予防安全装備のほか、全車速追従機能付レーダークルーズコントロールといった運転支援機能も含まれたToyota Safety Sense 3.0を搭載する。
モータースポーツ
NASCAR
2017年型NASCARカップ戦仕様
2007年型NASCARカップ戦仕様
2007年 から、北米で最も人気のある自動車レース・NASCAR の最高峰クラスであるモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ (カップ戦)と、その直下のエクスフィニティ・シリーズ にカムリ[注釈 20] で参戦している。規則により駆動形式はFR 、エンジンはV型8気筒自然吸気となっている。
2008年3月9日 のスプリントカップシリーズ第4戦ジョージア州 アトランタ・モーター・スピードウェイ で、ジョー・ギブス・レーシング のカイル・ブッシュ のドライブで、外国車メーカーとしては1954年 のジャガー 以来、日本車メーカーとしては史上初となる優勝を達成した。
2009年にはネイションワイド・シリーズ (現・エクスフィニティ・シリーズ)で、ジョー・ギブスのブッシュがトヨタとして初のドライバーズ・マニュファクチャラーズチャンピオンを獲得している。
2011年にはF1王者のキミ・ライコネン が、カムリでネイションワイド・シリーズにスポット参戦した。
2015年にはカイル・ブッシュ が骨折による欠場という苦境を跳ね返し、トヨタと自身にとって初のドライバーズチャンピオンを獲得。続く2016年にはデニー・ハムリン がトヨタ初のデイトナ500 制覇をもたらし、同年マニュファクチャラーズチャンピオンも獲得(アメリカ以外の自動車メーカーとして初)。またエクスフィニティでもダニエル・スアレス がチャンピオンとなっている。
2017年にはマーティン・トゥーレックス・ジュニア が圧倒的な速さでドライバーズチャンピオンとなり、マニュファクチャラーズチャンピオンも連覇した。
2018年にはエクスフィニティ・シリーズでカムリでの参戦が終了。後継はGRスープラ となった。
2019年のカップ戦は、最終ラウンドに進んだ4台中3台をカムリが占める圧倒的な速さをみせた。最終戦ラウンド前には3度目のマニュファクチャラーズ制覇を決めた上、ブッシュが2度目の戴冠を果たしている。
2017年のデトロイトモーターショー でのXV70型カムリのワールドプレミアでは、トヨタ自動車社長の豊田章男 のあいさつ中に、ブッシュとハムリンが登場するサプライズがあった[47] 。また同年のSEMAショー ではカイル、ハムリン、トゥーレックス・ジュニア、スアレスの4人がそれぞれカスタマイズした4種類のカムリを披露した[48] 。
オフィシャルカーとしても活躍しており、2009年にはNASCAR史上初めてのハイブリッドカーのペースカーとしてカムリ・ハイブリッドが登場。また2012年 のデイトナ500 ではフルモデルチェンジしたカムリがペースカー として使用されている[49] 。
その他
アルゼンチンのツーリングカー レースである『トップレースV6 』や『ツーリスモ・カルッテラ』では、カムリがベース車両として用いられている。
1990年代スーパーツーリング 規定下の南アフリカ ツーリングカー選手権では、3S-G(直列4気筒ターボ)のカムリが参戦していたが、これは日本ではセプター の名で発売されていた車種である[50] 。トヨタのワークスドライバーだった関谷正徳 は、1995年にキャラミ で行われたレースにこのマシンでゲスト参戦している[51] 。
ドラッグカーとしても使用され、2015年にTRD USA の開発したカムリのファニーカーがNHRAでタイトルを獲得している。
また、ワークス活動ではないが中東 地区ではドリフト 仕様のベース車として、XV30型、XV40型を中心に日本でいうところのAE86 レビン /トレノ 同様人気がある[注釈 21] 。
車名の由来
カムリ - 日本語 「かんむり」(冠 ) の異なる語形「かむり」から[注釈 22] 。
プロミネント - 英語 で「卓越した」「傑出した」の意味。
グラシア - スペイン語 で「魅力」の意味。
脚注
注釈
^ カムリを含め、エンジンやシャシ は3車種とも共通で、カムリの車体はカリーナセダンの流用(バッジエンジニアリング )であった。
^ トヨタ・モーター・コーポレーション・オーストラリア(TMCA)が車両とエンジンの生産を中止したため、ハイブリッド車は2017年9月、ガソリン車は同年10月3日に生産を終了した。
^ ウィンダムに相当するモデルは海外でレクサス・ES として販売されているが、日本のレクサス店 への投入は2018年(平成30年)10月 までなかった。
^ 他のトヨタブランド販売店のDセグメント ・Eセグメント 車はトヨタ店 にクラウン、トヨペット店 にはマークXがあり、その棲み分けを図る意味があるとも考えられていた。
^ 9代目まではカローラ店の専売だった。初代モデルに限り、全国のトヨタビスタ店 でも取り扱っていた。また、愛知県では登場時から1988年12月まで名古屋トヨタディーゼル でも取り扱っていた。
^ 3T-EU型・21R-U型・18R-GEU型エンジン搭載車はセミトレーリングアーム式
^ トヨタ初の前輪駆動車であるターセル /コルサ は縦置きエンジン 。
^ カムリに代わってコロナがセリカ/カリーナの兄弟車種になり、ポジションが入れ替わった。
^ なお、スポーツツインカムで知られる3S-GE (LU)型DOHC16バルブエンジンがトヨタ製の乗用車で初めて搭載した。また、日本車初の横置きエンジンDOHCエンジン搭載車もこのV10型カムリである。
^ ワゴンは日本市場向けラインナップに追加されることはなかった。日本向けへのワゴン投入は6代目(グラシアワゴン)が唯一である。
^ フロントグリルなどが同時に登場したLS400 (初代セルシオ )に似せた造形になっている点が国内仕様との違いであった。また、ES250のエンジンは2.5L V型6気筒DOHCの2VZ-FE型で、最高出力は116kW(158PS)/5,800rpm・最大トルクは206Nm(21kg・m)/4,600rpmを発揮。
^ 1996年12月のカムリグラシアが久々のセダンのV6エンジン搭載車になる。
^ 例えばカーオーディオを交換するためにオーディオ周りのフロントパネルを外す時に先代は複数の隠しネジを外す必要があったが、本モデルはオーディオ周りのフロントパネルがツメで留まっているタイプのものであり、内張り剥がしやマイナスドライバーを使えば簡単に外すことができた。
^ V50型ビスタと同時期に、カローラ店向けのC - Dセグメント車の代替としてトールワゴンのナディア が投入され、更に2000年8月に登場した9代目(E120型)カローラセダン の最上位グレード「1.8 LUXEL」もV40型以前のカムリを代替する位置付けとなった。
^ 日本国内向けはATのみ。
^ 日本国内向けのカムリとしては歴代唯一のステーションワゴンであった。
^ 日本国内向けはハイブリッド車のみとなったことから、この代から法人か個人 かは問わずタクシー で使われることが増えた。
^ 100kgについては先代の海外仕様に設定されていた「カムリハイブリッド」との比較で、40kgについては先代「2.4G」との比較。
^ 北米仕様はLEグレードのみリチウムイオン電池、SE及びXLEはニッケル水素電池となる。
^ 実際はカムリの外見を模した純レーシングカーであり、市販車との共通パーツはほとんどない。
^ なお、この中東でのドリフトでカムリ以外にしばしば目にする車両は同じく大型前輪駆動セダンのホンダ・アコード /インスパイア 、ヒュンダイ・ソナタ (EF型後期/NF型)が代表的である。またこの中東でのドリフトのことをドバイドリフト・サウジドリフト・アラブドリフトなどという。
^ トヨタには他にもクラウン (王冠)やカローラ (花冠)、コロナ (太陽冠。元々は「冠」を意味するラテン語 のcorona)といったネーミングの車種が既に発売されており、これらの流れを汲んだ命名であるとされる。
出典
関連項目
参考文献
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
トヨタ・カムリ に関連するカテゴリがあります。