「SAND BEIGE -砂漠へ-」(サンド・ベージュ さばくへ)は、日本の歌手である中森明菜の楽曲。この楽曲は中森の12枚目のシングルとして、1985年6月19日にワーナー・パイオニアのリプリーズ・レコードレーベルよりリリースされた (EP: L-1669)。
「SAND BEIGE -砂漠へ-」は、1985年6月19日にシングルレコード (EP: L-1669)で発売された[6][7]。この楽曲は都志見隆による作曲先行で、許瑛子が作詞した[8]。アレンジは井上鑑が手掛けた[7]。許にとっては本曲がシングルデビュー作となった[8]。
「SAND BEIGE」の″SAND″は英語で、″BEIGE″がフランス語である[8]。許は、写真集や旅行ガイドブックといった資料を集め、別れの旅をテーマに掲げ、いくつかのディレクター注文の末に完成された詞であったと明かしている[8]。
サビの歌詞中にあるカタカナ表記部分 ″アナ アーウィズ アローホ″ は、アラビア語エジプト方言[9]で、″私は~に行きたい(أنا عاوز أروح, ana ʿāwiz arūḥ, アナ・アーウィズ・アルーフ)[10]を取り入れた部分となっている。
ジャケット写真はマニラで撮影された。
本作のライナーノーツには、本曲の楽譜に加え、同言語の訳詞も掲載されている[6]。この楽曲は後の作品でも新録されており、2002年12月にリリースしたベスト・アルバム『Akina Nakamori〜歌姫ダブル・ディケイド』に収録された[11][6]。
シングル盤「SAND BEIGE -砂漠へ-」のB面として発表された「椿姫ジュリアーナ」は、松本一起の作詞に佐藤隆が作曲を手掛け、「SAND BEIGE -砂漠へ-」に続いて井上が編曲を務めた楽曲である[6]。
『CDジャーナル』は「SAND BEIGE -砂漠へ-」について、サハラ砂漠を題材とした実験的な試みの見られる楽曲であり、異国的な情緒と中森の個性が調和していると指摘し、「何を歌っても様になってしまうのがすごい」と批評した[12]。『別冊ザテレビジョン ザ・ベストテン 〜蘇る!80'sポップスHITヒストリー〜』は、この楽曲の音楽性について、″中近東風″と指摘している[13]。
この楽曲は、オリコン週間シングルチャートでは、1985年7月1日付で初登場・最高順位ともに1位を記録した[7]。同チャートの100位以内においては、計16週に渡ってランクインしている[7]。また、1985年度のオリコン年間シングルチャートでは、7位を記録した[7]。TBS系の音楽番組『ザ・ベストテン』では、1985年7月11日から1985年8月8日放送の5週連続で最高順位2位を記録し、1985年度の年間総合ベストテンでは、第8位を記録した[13]。
「SAND BEIGE -砂漠へ-」は、1985年7月から開催されたコンサート・ツアーBITTER & SWEETで披露された[14]。以降、2001年6月より開催のコンサート・ツアーALL ABOUT AKINA 20th Anniversary IT'S BRAND NEW DAYや、2004年5月から開催されたコンサート・ツアーAKINA NAKAMORI A-1 tour 2004などでも披露された[15][16][2]。音楽番組では、TBS系の『ザ・ベストテン』やフジテレビ系の『夜のヒットスタジオDELUXE』などで披露され、砂漠やアラブ風のセットの中で中森は本曲を歌唱した[13][17]。1985年8月1日放送の『ザ・ベストテン』では、スーダン出身の民族音楽家ハムザ・エル=ディーンをゲストに迎え、この楽曲の歌詞解説に加え、ウードによる前奏も披露された[9]。
「椿姫ジュリアーナ」は、BITTER & SWEETツアーでの披露はじめ、音楽番組では1985年9月11日放送の『夜のヒットスタジオDELUXE』などで歌唱した[14][17]。