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3DダンジョンRPG(スリーディーダンジョンアールピージー)は、コンピュータゲームのジャンルのひとつ。
英語圏でDungeon crawl(ダンジョンクロール)、もしくはDungeon crawler(ダンジョンクローラー)と呼ばれていたものに該当する。
ロールプレイングゲーム(コンピュータRPG)の中でも『ウィザードリィ』に代表されるような3D(主観)視点で、ダンジョンに潜りつつ戦闘を繰り返して探索を行い、武器や防具などの装備品を整え、より深く潜りつつボスを倒すタイプのゲームである[1]。ダンジョンRPG、DRPG[2]と略されるほか、Wizardry-likeな作品はWizLikeと呼ばれる[1]。
概要
1980年代初期に発生した古典的ジャンルの作品である。『ウィザードリィ』発祥の地であるアメリカ合衆国では徐々に発売されなくなり、2011年ごろには「時代遅れ」と評価する記事もあった[3]。一方、日本では30年以上経った2018年においても新作が発売され続け、週刊ファミ通では特集記事が掲載されるなど根強い人気を持つ。
特徴
マップがマス目で構成されており、プレイヤーは一歩一歩、ダンジョンを歩きまわりながら、目的を達成して行く。初期の頃は、プレイヤー自身が方眼紙を用意してマップを作っていた。「オートマッピング」が導入されたことで、プレイヤーが歩いたところがそのままマップとしてゲーム中に表示されるようになった。
ただし、ダンジョン内には様々な罠が設置されており、一筋縄では行かない。
代表的なトラップ
- 落とし穴
- ダメージを受けるだけのものもあるが、『女神転生』など下のフロアに落とされるものもある。
- 回転床
- プレイヤーの方向をランダムに変えてしまう。北に進んでいたのに、いつの間にか南に逆戻りしていた、ということもある。
- ワープゾーン
- 別の場所に飛ばされてしまう。
- 一方通行の扉
- 通常の扉は双方向に行き来が可能だが、一方通行の扉は進んでしまうと戻れない。場所によってはスタート地点に戻され、探索をやり直すこともある。
- ダークゾーン
- 真っ暗で周囲が見えなくなっているエリア。作品によっては、オートマップが見えないというものもある。
- 鍵のかかった扉
- 特定の鍵を手に入れることで中に入れるようになる扉。重要なアイテムやボスとの戦闘、次のフロアへの階段といったゲーム進行において、重要なものが待ち構えていることが多い。
歴史
3DダンジョンRPGの誕生
起原については諸説あるとされているが、1981年にアップルIIで発売された『ウィザードリィ』(サーテック)がこのジャンルを確立した作品として広く知られている[4]。キャラクターメイキングやパーティー、ジョブシステム、コマンド戦闘など後の様々なゲームに影響を与えた[5][6]。セーブデータを継承可能な続編の『ウィザードリィII ダイヤモンドの騎士』、『ウィザードリィIII リルガミンの遺産』も発売された。
3DダンジョンRPGの多様化
1984年にはPC-88用として初の日本製3DダンジョンRPG『ザ・ブラックオニキス』が発売された。ウィザードリィの複雑な要素をよりシンプルにしたことでユーザーに受け入れられ、日本国内のコンピュータRPGとしては長くランキングに残り続け[7]、続編の『ザ・ファイアクリスタル』も発売された。また、剣と魔法の世界だけでなく、SFテイストの『クルーズチェイサー ブラスティー』や幽霊屋敷を探検する『ラプラスの魔』など多様な世界感を持った作品が生まれて行った。
1982年に発売されたファミコンは当初はメモリ容量の少なさや記録媒体が無いといったことからRPGが発売されなかった。しかしハードの進化に伴い、1986年にはファミコンで2DタイプのRPG『ドラゴンクエスト』が発売され大ヒットし、RPGブームが巻き起こる。そして、同年ファミコン初のオリジナル3DダンジョンRPG作品として、『ディープダンジョン』が発売された。『ウィザードリィ』もファミコンに移植されヒットし、後に日本オリジナルの作品も発売されるようになる。
ストーリー性やキャラクター性の強化
当初はダンジョン探索と戦闘の面白さから人気を得た3DダンジョンRPGだが、1980年代後半からはストーリーを重視した作品も生まれるようになる。1987年には同名の小説・アニメとのメディアミックス企画『デジタル・デビル物語 女神転生』が発売された[8]。出現するモンスター(作中では「悪魔」と称される)を仲魔にし、さらにはそれらを合体させることで強化していくというシステムが画期的で話題を呼ぶ[9]。同作は現代を舞台にし、高校生の男女が魔王や邪神と戦うという壮大なストーリーが人気を得て、後にシリーズ化される。女神転生シリーズは3DダンジョンRPGの中ではウィザードリィと並ぶ人気シリーズとなる。
また、リアルでシリアスな絵柄の作品が多かった中で1988年の『魔導物語』は可愛い女の子を主人公にしている。後に世界観がパズルゲーム『ぷよぷよ』に転用され有名になるが、魔導物語もその後様々なハードでリリースされる。
ポリゴンハードの誕生
1991年にPC用として発売された『ダンジョンマスター』は戦闘中にも敵が攻撃してくるリアルタイム戦闘を導入。『ウルティマ アンダーワールド』『キングスフィールド』といった3DアクションRPGの元祖とも言える存在[10]。この3DアクションRPGはPlayStation、セガサターン、PlayStation 2、といったポリゴン描画能力を持つハードの出現・進化に伴い独自の進化を遂げる。
1996年にPlayStation用として発売された『女神異聞録ペルソナ』は女神転生シリーズの外伝的作品として発売され、本編を上回る大ヒット作になる。ただし、2作目『ペルソナ2』以降は主人公が画面上に登場する客観視点となり「3DダンジョンRPG」ではなくなる。デビルサマナーシリーズもアクションRPGになるなど、ハードの進化に伴い、女神転生シリーズは3DダンジョンRPGではない作品をリリースするようになる。
ウィザードリィシリーズの多様化
1990年代末から2000年代にかけてはウィザードリィの版権を契約した様々なメーカーから3DダンジョンRPGが発売されるようになる。『ウィザードリィ エンパイア』シリーズ、『BUSIN Wizardry Alternative』シリーズ、『ウィザードリィ サマナー』、『ウィザードリィ エクス』シリーズ、『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』など、各メーカー独自のウィザードリィが展開されるようになった。
さらに、2009年からは「ウィザードリィルネサンス」と銘打たれた複数の作品がリリースされるようになる。
携帯ゲーム機市場の拡大とDRPGの復権
2007年にニンテンドーDS用ソフトとして発売された『世界樹の迷宮』はタッチパネルを利用し、手書きマップを作成できるようにした。携帯ゲーム機の手軽さもありヒットし、同ジャンルの人気が再燃した[11]。しかし、ウィザードリィの版権を扱った作品は気軽に作れないといったことから[3]、流れを組みつつもオリジナルタイトルの作品が発売されるようになる[12]。DSと同時期に発売されたPlayStation Portableといった携帯ゲーム機市場の拡大に伴い、『エルミナージュ 〜闇の巫女と神々の指輪〜』、『剣と魔法と学園モノ。』、『デモンゲイズ』、『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』といった作品がリリースされ、ヒットした[13]。この流れはニンテンドー3DSやPlayStation Vitaといった後継ハードにも受け継がれる。
- 凡例
- PC=パーソナルコンピュータ、FC=ファミリーコンピュータ、Mk-III=セガ・マークIII、PCE=PCエンジン、GB=ゲームボーイ、MD=メガドライブ、SFC=スーパーファミコン、SS=セガサターン、PS=PlayStation、GBC=ゲームボーイカラー、PS2=PlayStation 2、GBA=ゲームボーイアドバンス、携帯=携帯電話、DS=ニンテンドーDS、PSP=PlayStation Portable、3DS=ニンテンドー3DS、PS3=PlayStation 3、XB360=xbox 360、Vita=PlayStation Vita、PS4=PlayStation 4、NS=Nintendo Switch
出典
関連項目
- ローグライクゲーム - 同じくダンジョンに潜るタイプのRPGだが、俯瞰視点で、ダンジョンマップがランダム生成されるという相違点がある。
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