2006-2007シーズンのNBAは、NBAの61回目のシーズンである。2006年10月31日から始まり、2007年6月14日には全日程が終了した。
シーズン前
ドラフト
ヨーロッパ出身選手としては初のドラフト1位指名となるイタリア人のアンドレア・バルニャーニがトロント・ラプターズから全体1位指名を受けた。ラマーカス・オルドリッジ(2位)、ブランドン・ロイ(6位)、ラジョン・ロンド(21位)、カイル・ラウリー(24位)、ポール・ミルサップ(47位)ら5人のオールスターを輩出した他、アダム・モリソン(3位)、タイラス・トーマス(4位)、シェルデン・ウィリアムズ(6位)、ランディ・フォイ(7位)、ルディ・ゲイ(8位)、J・J・レディック(11位)、ヒルトン・アームストロング(12位)、ターボ・セフォロシャ(13位)、ロニー・ブリュワー(14位)、ショーン・ウィリアムス(17位)、レナルド・バークマン(20位)、マーカス・ウィリアムズ(22位)、ジョシュ・ブーン(23位)、シャノン・ブラウン(25位)、ジョーダン・ファーマー(26位)、セルヒオ・ロドリゲス(27位)、スティーブ・ノヴァック(32位)、ソロモン・ジョーンズ(33位)、P・J・タッカー(35位)、クレイグ・スミス(36位)、ダニエル・ギブソン(42位)、レオン・ポウ(49位)、ライアン・ホリンズ(50位)などがNBA入りを果たした。
ドラフト外選手にはルー・アマンドソン、ホセ・バレア、クリス・コープランド、タレンス・キンジー、クリス・クイン、C・J・ワトソンなどがいる。
主な移籍
その他
日本で開催されたバスケットボール世界選手権に、アメリカ代表はドウェイン・ウェイド、レブロン・ジェームズ、カーメロ・アンソニーらを派遣するも、銅メダルに終わる。
シーズン前に協会は試合に使用される公式ボールを変更したが、選手の猛反発にあい、シーズン中の1月に以前のボールに戻された。
前年のウェスタン・カンファレンスのプレーオフで勝率1位のスパーズと2位のマーベリックスが同じディビジョンに所属しているため、第1シードと第4シードとなり、プレーオフ2回戦で対戦したことが論争を呼び、このシーズンより各カンファレンスの勝率上位2チームはカンファレンス・ファイナルまで対戦しないようにルール変更が行われた[1]。
レギュラーシーズン
オールスター
2007年のNBAオールスターゲームはラスベガスで開催され、153-132でウェストチームが勝利した。MVPはコービー・ブライアントが選ばれた[2]。
シーズン中の主な移籍
イースタン・カンファレンス
- オフに大きく動いたことが功を奏したラプターズは、4シーズンぶりにプレーオフに進出すると共に、チーム史上初となる地区優勝を果たした。またドワイト・ハワードを中心に再建中だったマジックも、3シーズンぶりにプレーオフに進出した。
- 2004年に発生した乱闘事件以降不振にあえぐペイサーズは、ついに9シーズンぶりにプレーオフ進出を逃した。
- 低迷中のセルティックスはチーム記録となる18連敗を記録。
ウェスタン・カンファレンス
- 前シーズン遂にファイナルに進出したマーベリックスが、このシーズンも好調を維持し、シーズン中には12連勝以上を3回記録、さらにチーム記録となる17連勝を達成した。67勝15敗はチーム記録であると共に、NBA歴代でも6位タイ。
- 前シーズンをほぼ全休したアマレ・スタウダマイアーが復活したサンズも、シーズン中に12連勝以上を2回記録。
- 2000年代前半にリーグ有数の強豪チームだったキングスは、8シーズンぶりにプレーオフ進出を逃す。また世界選手権でMVPを獲得しながらも骨折してしまったパウ・ガソルを欠いたグリズリーズも4シーズン連続のプレーオフ進出はならず、オフに大幅な補強を行ったホーネッツも怪我人が続出したため満足のいく結果を残せなかった。
- ドン・ネルソンのHC就任、シーズン中の大型トレードを経たウォリアーズは、シーズン終盤に驚異的な追い上げを見せ、レギュラーシーズン最終戦にて実に12シーズンぶりとなるプレーオフ進出を決めた。
その他
個人スタッツリーダー
- コービー・ブライアントは2シーズン連続、ケビン・ガーネットは4シーズン連続、スティーブ・ナッシュは3年連続の栄冠。
- ジェイソン・カポノの3P成功率51.43%は歴代5位の記録。
個人タイトル
※シャキール・オニールが12シーズン続いていたオールNBAチームを逃す。アマレ・スタウダマイアーは初のファーストチーム入り。クリス・ボッシュ、ドワイト・ハワードは初のオールNBAチーム入り。
※オールNBAチーム、ディフェンシブチーム共に、ファーストチームは全てウェスタンカンファレンスの選手が占めた。
プレーオフ
イースタン・カンファレンス
- 前シーズンチャンピオンのヒートがファーストラウンドでスイープされるという歴史的屈辱を味わう。その他にも4ブロックのうち3ブロックでスイープが発生。ブルズは9年ぶりに1回戦を突破。
- 下位シードながら2回戦まで進出したネッツは、ジェイソン・キッドがプレーオフ期間中の平均トリプルダブルを達成。
- カンファレンス決勝は、第5戦でレブロン・ジェームズが48得点(オーバータイムではチームの全得点)をあげるというプレーオフ史上に残る活躍を見せるなど奮闘。伏兵ダニエル・ギブソンの援護射撃もあって、キャバリアーズがチーム史上初となるファイナル進出を果たした。ピストンズは2シーズン連続でカンファレンス決勝敗退となった。
ウェスタン・カンファレンス
- 歴代6位タイの勝率を収めた優勝候補筆頭のマーベリックスが、シーズン最終戦で12シーズンぶりのプレーオフ進出を決めたウォーリアーズに敗れるという大事件が発生する。第1シードのチームが第8シードのチームに敗れるのは史上3度目、7戦形式となってからは初めて[4]。
- 事実上のファイナルと言われたサンズ対スパーズのシリーズでは、第4戦で起きた騒動によりサンズはアマレ・スタウダマイアーとボリス・ディアウ、スパーズはロバート・オーリーが出場停止処分を受けた。荒れに荒れたシリーズを制したスパーズは、8シーズンぶりにカンファレンス決勝に勝ち進んだジャズを退け、ファイナルに進出した。
ファイナル
スパーズが圧倒的な力でキャバリアーズをスイープ。カンファレンス決勝で大活躍したレブロン・ジェームズも、スパーズの強固なディフェンスの前には為す術が無かった。ファイナルMVPは平均24.5得点をあげたフランス人のトニー・パーカーが獲得。パーカーはヨーロッパ出身選手として初のファイナルMVP獲得者となり、このシーズンはレギュラーシーズンMVPとファイナルMVPをヨーロッパ出身の選手が独占した[5]。
詳細は2007年のNBAファイナルを参照
ラストシーズン
脚注
- ^ “NBA announces postseason seeding format change”. ESPN (2006年8月3日). 2020年7月28日閲覧。
- ^ NBA All-Star Game, nba.com/allstar2007, accessed April 25, 2007.
- ^ Miller, Smith go to Sixers in deal for Iverson, sports.espn.go.com, December 20, 2006, accessed April 25, 2007.
- ^ Warriors Make History, Close Out Mavs, nba.com, May 7, 2007, accessed November 16, 2007.
- ^ Parker, Spurs Close Out Cavs for Fourth Title, nba.com, June 15, 2007, accessed June 15, 2007.
外部リンク