片品村(かたしなむら)は、群馬県の北北東に位置し、利根郡に属する村。東京から約180キロメートルの北に位置する。国道120号が村のほぼ中央を通っている。1889年(明治22年)の市町村制施行で発足して以来、合併や村名の変更がない。
関東地方有数の豪雪地帯として知られ、毎年冬になるとスキーを中心とした多くの観光客で賑わう。
2007年8月30日に尾瀬国立公園が日光国立公園から分離され、誕生したが、その尾瀬の群馬県側の麓である。尾瀬国立公園誕生を記念して、尾瀬の郷片品村は恵まれた自然をいつくしみ感謝する日として「尾瀬の日」を条例で定め、8月30日を尾瀬の日とした。
地理
隣接している自治体
気候
片品村は関東地方で唯一、豪雪地帯対策特別措置法における特別豪雪地帯に指定された地域である。片品アメダス(標高861m)では降水量のみが観測されている。冬季[注 1]の降水量や降水日数は周囲と比べて多くなく、降水量は利根郡みなかみ町藤原の約3分の1、降水日数は約2分の1であり、吾妻郡草津町の観測地点よりも少ない。
片品の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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降水量 mm (inch)
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63.2 (2.488)
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57.3 (2.256)
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69.0 (2.717)
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70.2 (2.764)
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94.2 (3.709)
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124.7 (4.909)
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183.8 (7.236)
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162.8 (6.409)
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169.8 (6.685)
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119.9 (4.72)
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56.6 (2.228)
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62.8 (2.472)
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1,234.2 (48.591)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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10.6
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10.1
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11.0
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10.2
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10.9
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13.1
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15.2
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12.6
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11.8
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9.9
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7.6
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9.6
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132.7
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出典1:理科年表
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出典2:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1977年-現在)[1]<ref>
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歴史
沿革
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い摺渕村、須賀川村、築地村、菅沼村、御座入村、下平村、針山新田、花咲村、幡谷村、東小川村、戸倉村、塚本村、土出村の13か村から片品村が誕生。以降合併や改称は行われていない。役場は須賀川に置かれた。
- 1901年(明治34年) - 片品村役場が東小川磯下に新築落成。
- 1933年(昭和8年) - 村役場改築。
- 1963年(昭和38年) - 片品村史編纂委員会『片品村史』が発刊される。
- 1978年(昭和53年)11月 - 役場庁舎竣工。
- 1989年(平成元年)10月1日 - 村制100周年を記念し村章を改訂。
- 2010年(平成22年) - 片品村制120周年記念『広報「かたしな」縮刷版』(第2巻、第3巻)が発刊される。
- 2014年(平成26年) - 片品村誌編纂委員会『片品村誌』が発刊される。
人口
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片品村と全国の年齢別人口分布(2005年)
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片品村の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 片品村 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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片品村(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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6,754人
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1975年(昭和50年)
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6,228人
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1980年(昭和55年)
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6,134人
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1985年(昭和60年)
|
6,132人
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1990年(平成2年)
|
6,109人
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1995年(平成7年)
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6,106人
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2000年(平成12年)
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5,929人
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2005年(平成17年)
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5,478人
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2010年(平成22年)
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4,904人
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2015年(平成27年)
|
4,390人
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2020年(令和2年)
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3,993人
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総務省統計局 国勢調査より
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行政・立法
村長
代
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氏名
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就任
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退任
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初
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星野勇吉
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明治22年5月26日
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明治24年3月31日
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2
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星野佐五郎
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明治24年4月1日
|
明治26年3月31日
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3
|
千明森蔵
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明治26年4月1日
|
明治27年3月31日
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4
|
星野源治郎
|
明治27年4月1日
|
明治28年7月2日
|
5
|
萩原美造
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明治28年7月20日
|
明治30年6月19日
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6
|
笠原権六
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明治30年6月30日
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明治32年9月8日
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7
|
千明森蔵
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明治32年9月9日
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明治35年11月30日
|
8
|
星野勇吉
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明治35年12月1日
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明治36年8月7日
|
9
|
千明森蔵
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明治36年9月10日
|
明治36年11月30日
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10
|
峰岸半蔵
|
明治36年12月1日
|
明治38年3月31日
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11
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林曾市郎
|
明治38年8月1日
|
明治40年2月18日
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12
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萩原佐吉
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明治40年3月2日
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大正3年12月15日
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13
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星野猪吉
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大正4年1月8日
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大正8年1月7日
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14
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田辺要次郎
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大正9年9月20日
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昭和3年9月30日
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15
|
梅澤錦作
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昭和4年4月25日
|
昭和5年11月7日
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16
|
星野祐一
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昭和6年2月23日
|
昭和14年2月22日
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17
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千明和三郎
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昭和14年3月8日
|
昭和18年3月7日
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18
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吉野律治郎
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昭和18年5月19日
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昭和21年11月30日
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19
|
星野祐一
|
昭和22年4月8日
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昭和26年3月30日
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20
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入澤百蔵
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昭和26年4月24日
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昭和30年4月29日
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21
|
笠原開殖
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昭和30年4月30日
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昭和34年4月30日
|
22
|
吉野律治郎
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昭和34年5月1日
|
昭和38年4月30日
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23
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星野晴
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昭和38年5月1日
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昭和41年6月1日
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24
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大竹竜蔵
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昭和41年7月20日
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昭和49年7月19日
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25
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星野秀邦
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昭和49年7月20日
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昭和57年7月19日
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26
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星野成一
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昭和57年7月20日
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平成6年7月19日
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27
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星野明男
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平成6年7月20日
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平成7年9月25日
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28
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梅澤羊太
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平成7年11月12日
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平成15年11月11日
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29
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星野賢二
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平成15年11月12日
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平成17年9月23日
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30
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千明金造
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平成17年11月13日
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平成29年11月12日
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31
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梅澤志洋
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平成29年11月13日[8]
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現職
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県議会
- 選挙区:利根郡選挙区
- 定数:1名
- 任期:2023年(令和5年)4月30日 - 2027年(令和9年)4月29日[9]
衆議院
- 任期 : 2024年(令和6年)10月27日 - 2028年(令和10年)10月26日(「第50回衆議院議員総選挙」参照)
経済
産業
地の利を生かしたスキーを中心とした観光(ならびにその関連産業)と農業が主である。高原野菜や果物の栽培が盛んであり、中でも、ハウス栽培のトマトがかつて主力だった大根に代わって群を抜いた片品農産品ブランドとなっている。
地域
警察
消防
教育
- 片品村立片品中学校
- 片品村立片品小学校
- 群馬県立尾瀬高等学校
- 廃校
- 片品村立片品北小学校(2014年3月閉校)
- 片品村立片品南小学校(2016年3月閉校)
- 片品村立武尊根小学校(2016年3月閉校)
- 片品北小学校は2014年(平成26年)度より片品小学校に統合[10]。さらに残る2小学校とも2016年(平成28年)度より統合され[11]、村内の小学校は1校のみとなった。
- 群馬県立武尊高等学校
- 群馬県立武尊高等学校は1996年(平成8年)より群馬県立尾瀬高等学校に改称された。
交通
鉄道
村内を鉄道路線は走っていない。最寄り駅は、JR東日本上越線沼田駅。
道路
バス
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
出身有名人
ゆかりのある人物
脚注
注釈
- ^ ここでは12〜2月の期間。
- ^ 初年度2017-2018シーズンは、東京駅八重洲通り - 片品村鎌田(関越交通鎌田営業所)間の運行であった。
- ^ シャトルバスは各スキー場の独自運行であり関越交通の運行ではない。
- ^ バス停としてスキー場を選択することでシャトルバスの予約も行える。
出典
参考文献
- 片品村誌編纂委員会、片品村教育委員会『片品村誌』片品村、2014年12月22日。
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
片品村に関連するカテゴリがあります。