熊野市(くまのし)は、三重県南部にある市。熊野灘に面しており、吉野熊野国立公園に含まれている。旧南牟婁郡。東紀州を代表するビーチリゾート地である。
概要
七里御浜の東端に位置し、中心市街地は古くからの中心である木本、かつては沼地であったが近年新しく開発された井戸であり、この2つの市街地は連続している。かつて木本は奥熊野代官所が置かれ、熊野地方一帯の行政の中心であった。それゆえ廃藩置県で三重県に編入された時には支庁がおかれ、現在も三重県の熊野地方を管轄する官公庁が多く存在する。
2005年(平成17年)11月1日、(旧)熊野市と南牟婁郡紀和町が新設合併し、(新)熊野市が発足した。
なお、熊野とは元々三重県南部から和歌山県南部に跨る地域名であることから、1954年(昭和29年)に熊野市の市名が決定した際には新宮市など和歌山県側から多くの反対があったという[1]。
地理
隣接している自治体
気候
熊野新鹿(2002年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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21.4 (70.5)
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24.7 (76.5)
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26.8 (80.2)
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32.2 (90)
|
31.3 (88.3)
|
36.4 (97.5)
|
37.7 (99.9)
|
38.6 (101.5)
|
36.4 (97.5)
|
31.0 (87.8)
|
25.2 (77.4)
|
25.1 (77.2)
|
38.6 (101.5)
|
平均最高気温 °C (°F)
|
11.3 (52.3)
|
12.5 (54.5)
|
15.3 (59.5)
|
19.6 (67.3)
|
23.3 (73.9)
|
25.9 (78.6)
|
29.6 (85.3)
|
31.1 (88)
|
28.3 (82.9)
|
23.6 (74.5)
|
18.8 (65.8)
|
13.8 (56.8)
|
21.1 (70)
|
日平均気温 °C (°F)
|
6.8 (44.2)
|
8.0 (46.4)
|
10.7 (51.3)
|
15.1 (59.2)
|
19.0 (66.2)
|
22.1 (71.8)
|
25.7 (78.3)
|
27.0 (80.6)
|
24.2 (75.6)
|
19.5 (67.1)
|
14.4 (57.9)
|
9.2 (48.6)
|
16.8 (62.2)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
2.8 (37)
|
3.8 (38.8)
|
6.2 (43.2)
|
10.8 (51.4)
|
15.1 (59.2)
|
18.9 (66)
|
22.7 (72.9)
|
23.8 (74.8)
|
21.2 (70.2)
|
16.3 (61.3)
|
10.7 (51.3)
|
5.4 (41.7)
|
13.2 (55.8)
|
最低気温記録 °C (°F)
|
−3.4 (25.9)
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−2.9 (26.8)
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−1.9 (28.6)
|
2.5 (36.5)
|
8.2 (46.8)
|
13.2 (55.8)
|
18.3 (64.9)
|
16.6 (61.9)
|
14.4 (57.9)
|
7.4 (45.3)
|
1.3 (34.3)
|
−1.7 (28.9)
|
−3.4 (25.9)
|
降水量 mm (inch)
|
92.6 (3.646)
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121.6 (4.787)
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208.4 (8.205)
|
270.1 (10.634)
|
273.6 (10.772)
|
388.9 (15.311)
|
356.9 (14.051)
|
265.4 (10.449)
|
476.1 (18.744)
|
383.7 (15.106)
|
164.1 (6.461)
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109.8 (4.323)
|
3,111.2 (122.488)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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5.6
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7.0
|
9.5
|
9.8
|
11.1
|
14.2
|
12.5
|
11.5
|
13.6
|
11.8
|
8.0
|
6.0
|
120.7
|
平均月間日照時間
|
194.6
|
176.0
|
204.2
|
199.3
|
196.5
|
134.1
|
168.0
|
205.7
|
147.6
|
143.5
|
167.7
|
187.1
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2,124.3
|
出典1:Japan Meteorological Agency
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出典2:気象庁[3]
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人口
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熊野市と全国の年齢別人口分布(2005年)
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熊野市の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 熊野市 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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熊野市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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32,909人
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1975年(昭和50年)
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30,640人
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1980年(昭和55年)
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28,720人
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1985年(昭和60年)
|
27,474人
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1990年(平成2年)
|
25,783人
|
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1995年(平成7年)
|
24,067人
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2000年(平成12年)
|
22,640人
|
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2005年(平成17年)
|
21,230人
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2010年(平成22年)
|
19,662人
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2015年(平成27年)
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17,322人
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2020年(令和2年)
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15,965人
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総務省統計局 国勢調査より
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地区
熊野市は市内を19の町に分けており、町の境界の標識が存在する所もある。
普通、市の下に来る○○町のローマ字表記は「○○-cho」が一般的[誰?]だが、熊野市内の町の標識では「○○-town」と表示されることが多い。
- 須野町(すの)
- 尾鷲市と接する市内で最も人口の少ない町。人口8人、面積2.34km2
- 甫母町(ほぼ)
- 名勝楯ヶ崎のある漁村。人口177人、面積2.40km2
- 二木島里町(にぎしまさと)
- 二木島湾内の漁村。市内で最も面積が小さい。人口85人、面積0.25km2
- 二木島町(にぎしま)
- 二木島湾内の漁村で旧荒坂村の中心。JR二木島駅がある。人口336人、面積7.65km2
- 遊木町(ゆき)
- 新鹿湾に面する漁村。サンマの水揚げで有名で遊木城跡がある。人口475人、面積4.04km2
- 新鹿町(あたしか)
- 新鹿湾に面する町。日本の快水浴場百選に選ばれた新鹿海水浴場やあたしか温泉がある。JR新鹿駅があって夏季には特急列車も停車したことがある。人口945人、面積18.80km2
- 波田須町(はだす)
- 熊野灘に面し徐福伝説が残る農村。JR波田須駅がある。人口211人、面積3.51km2
- 磯崎町(いそざき)
- 熊野灘に面しダイビングリゾートや熊野文化圏専門学校がある漁村。人口269人、面積2.50km2
- 大泊町(おおどまり)
- 大泊海水浴場がある町。JR大泊駅がある。人口231人、面積8.20km2
- 木本町(きのもと)
- 熊野市の中心市街地の一角をなす町。古くから栄え、三重県立木本高校や熊野市民会館などがある。名勝鬼ヶ城で有名。人口2406人、面積3.90km2
- 井戸町(いど)
- 熊野市の中心市街地の一角をなす町。熊野市役所、熊野警察署、裁判所、熊野郵便局、JR熊野市駅などがあり行政の中心。中央を井戸川が流れ、上流には瀬戸集落がある。名勝獅子岩で有名。人口3628人、面積18.12km2
- 有馬町(ありま)
- 熊野市の七里御浜沿いにある市内でもっとも人口が多い町。熊野高専跡地、熊野市郷土資料館、花の窟神社等がある。中心となる駅はJR有井駅。人口5058人、面積14.30km2
- 久生屋町(くしや)
- 熊野市で最も人口密度の高い町。熊野病院がある。人口1609人、面積1.60km2
- 金山町(かなやま)
- 熊野市の中山間部にある町。金山パイロットファームがある。人口620人、面積8.14km2
- 飛鳥町(あすか)
- 国道42号線沿いの農村で道の駅がある。市内で2番目に広い町。「飛鳥町」を冠する6つの大字がある。人口1475人、面積62.72km2
- 五郷町(いさと)
- 大又川が流れるホタルの里として有名な山間部の農村。「五郷町」を冠する5つの大字があり、中心集落は桃崎。人口930人、面積39.74km2
- 神川町(かみかわ)
- 和歌山県北山村や奈良県下北山村と接する農村。「神川町」を冠する4つの大字がある、中心集落は神上で那智黒石の産地。人口403人、面積33.11km2
- 育生町(いくせい)
- 北山村と接する山間部の農村。「育生町」を冠する5つの大字があり、中心集落は尾川。名勝大丹倉がある。人口270人、面積28.64km2:大井地区は北山川 対岸に北山村 役場がある
- 紀和町(きわ)
- 合併前の旧紀和町域に相当し市内で最も面積の広い町。「紀和町」を冠する18の大字がある。丸山千枚田、紀州鉱山、湯ノ口温泉、瀞峡、布引の滝といった観光資源に恵まれている。人口1542人、面積113.67km2
(町の人口は2008年10月のもの)
歴史
行政
- 市長:河上敢二
- 任期:2021年(令和3年)11月13日 -
歴代市長
- 熊野市(第1次)
代 |
氏名 |
就任 |
退任 |
備考
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初 |
小林清栄 |
1954年12月 |
1958年12月 |
|
2-9 |
坪田誠 |
1958年12月 |
1990年12月 |
|
10-11 |
西地茂樹 |
1990年12月 |
1998年11月 |
|
12-13 |
河上敢二 |
1998年11月 |
2005年10月31日 |
|
- 熊野市(第2次)
代 |
氏名 |
就任年月日 |
退任年月日 |
備考
|
初-4 |
河上敢二 |
2005年11月1日 |
現職 |
|
議会
- 議員定数:14名
- 任期:2018年(平成30年)5月1日 - 2022年(令和4年)4月30日
- 議長:濱重明
- 副議長:川口朋
※2019年5月17日現在
施設
- 農林水産省
- 厚生労働省
- 法務省
- 国土交通省
- 防衛省
- 事業団
- 都道府県機関
- 警察機関
- 消防機関
経済
産業
特産品
主な企業
- 製造業
金融機関
日本郵政グループ
(2012年12月現在)
- 熊野郵便局(井戸町) - 集配局。
- 五郷(いさと)郵便局(五郷町桃崎) - 集配局。
- 熊野本町郵便局(木本町)
- 飛鳥郵便局(飛鳥町小阪)
- 二木島(にぎしま)郵便局(二木島町)
- 神川郵便局(神川町神上(こうのうえ))
- 新鹿(あたしか)郵便局(新鹿町)
- 熊野磯崎郵便局(磯崎町)
- 熊野有馬郵便局(有馬町)
- 入鹿(いるか)郵便局(紀和町板屋) - 集配局。
- 西山郵便局(紀和町長尾)
- 和気(わけ)郵便局(紀和町和気)
- 尾川(おがわ)簡易郵便局(育生町尾川)
- 寺谷(てらだに)簡易郵便局(五郷町寺谷)
- 神山(こうのやま)簡易郵便局(飛鳥町佐渡(さわたり))
- 遊木(ゆき)簡易郵便局(遊木町)
- 大又簡易郵便局(飛鳥町大又)
※西山郵便局および簡易郵便局5箇所を除く各郵便局にゆうちょ銀行のATMが設置されており、熊野・入鹿の各郵便局ではホリデーサービスを実施。
※熊野市内の郵便番号は以下の通り。
- 「519-42xx」「519-43xx」「519-44xx」「519-45xx」=合併前からの熊野市域(五郷地区を除く)。熊野郵便局の集配担当。
- 「519-46xx」=五郷地区。五郷郵便局の集配担当。
- 「519-54xx」=旧南牟婁郡紀和町域(後述の地域を除く)。入鹿郵便局の集配担当。
- 「647-13xx」=紀和町花井(けい)・紀和町小船・紀和町楊枝川(ようじがわ)・紀和町和気・紀和町楊枝。日足(ひたり)郵便局(和歌山県新宮市熊野川町日足)の集配担当。この地域のみ東海支社ではなく近畿支社の管轄である。
メディア
新聞
全国紙は朝日新聞、毎日新聞は伊賀市や名張市と同様、大阪市の大阪本社発行版(それ以外の地域は名古屋市で発行)が販売されている。読売新聞は熊野市でも名古屋市の読売新聞中部支社
(東京本社直轄)で発行版が販売されている。
放送
地上波以外は割愛する。
※チャンネル番号(リモコンキーID)・周波数および出力など詳細は、各中継局記事を参照。
テレビ
当市を網羅する中継局は、熊野中継局である。対象区域は当市および御浜町・紀宝町の一部となっており、放送区域内世帯数は約12,000世帯である。地上デジタルテレビ放送については2007年3月5日、総務省東海総合通信局が中京広域圏を放送対象地域とする各局および県域放送局の三重テレビ放送に対し熊野中継局に関する免許を交付し、その後本放送が開始された。
地上アナログテレビ放送については、全ての放送が2011年7月24日をもって終了した。なお、熊野中継局のアナログテレビ放送はVHFを親局とするNHK名古屋Eテレと在名民放は名古屋親局と同じチャンネル番号[4]であった。
ラジオ
ケーブルテレビ
姉妹都市・提携都市
国内
- 友好都市
海外
- 姉妹都市
宗教・娯楽施設等
キリスト教教会
諸教宗教施設
神道宗教施設
神社・仏閣
寺院
- 熊野西国三十三箇所霊場
神社
娯楽施設
- 熊野東映(木本町) - 映画館(閉館)。
- 新明治座(木本町) - 映画館(閉館)。
- 丸山映画劇場(木本町) - 映画館(閉館)。
- 新鹿劇場(新鹿町) - 映画館(閉館)。
教育
保育所
幼稚園
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
社会教育施設
その他
- みえ子育て支援緊急サポートネットワーク東紀州地域センター
- 熊野文化圏専門学校
- 休園・休校中の教育施設
2013年5月1日現在[5]
- 熊野市立井戸幼稚園
- 熊野市立有馬保育所
- 熊野市立神川保育所
- 熊野市立荒坂小学校甫母分校
- 熊野市立遊木小学校
- 熊野市立新鹿小学校波田須分校
- 熊野市立育生小学校赤倉分校
- 熊野市立神上小学校青柳分校
- 熊野市立上川小学校
- 熊野市立入鹿小学校西山分校
- 熊野市立矢ノ川小学校
- 熊野市立上川中学校
- 熊野市立西山中学校
- 熊野市立荒坂中学校
- 熊野市立神上小学校
- 熊野市立神上中学校
- 熊野市立五郷中学校
移転した教育施設
交通
鉄道
中心となる駅:熊野市駅
- 東海旅客鉄道(JR東海)
路線バス
- 高速バス
- 一般路線バス
- タクシー
道路
- 自動車専用道路
- 一般国道
- 県道
道の駅
港湾
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
世界遺産
名所
-
七里御浜
-
湯ノ口温泉
-
紀州鉱山建屋跡
-
丸山千枚田
-
新鹿海水浴場
-
奥瀞
城郭
祭事
出身有名人
その他
熊野市を舞台とした作品
電力
松本峠を境として管轄の送配電事業会社が分かれており、木本町までは関西電力送配電、大泊町からは中部電力パワーグリッドがそれぞれ管轄している。
- 中部電力パワーグリッド尾鷲営業所管轄:新鹿町、磯崎町、大泊町、須野町、二木島里町、二木島町、波田須町、甫母町、遊木町
- 関西電力送配電新宮営業所管轄:上記以外
市外局番
市外局番は市域の大半で0597を使っているが、紀和町の一部は0735である。
脚注
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
熊野市に関連するカテゴリがあります。
- 行政
- 観光
- その他