新発田駅(しばたえき)は、新潟県新発田市諏訪町(すわちょう)一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である[1]。
羽越本線を所属線として[4]、当駅を終点とする白新線を加えた2路線が乗り入れる1925年(大正14年)から1984年(昭和59年)まで、赤谷線も乗り入れていた。
後述のように改札口が正面口側にしかなく、駅裏側からは利用しにくい構造となっていたうえ、駅構内はエレベーターが未設置であり、バリアフリー対応が長らく課題となっていた。こうした状況を受けて2000年代、市では橋上駅舎への改築も含め、駅舎の改修・改良について議論が進められていた。
その結果、橋上駅舎への改築が一旦決まったものの、2010年(平成22年)11月の新発田市長選挙では橋上化計画の中止を掲げた二階堂馨が当選[新聞 3]。JR東日本新潟支社に対し計画の撤回を報告するとともに駅構内のバリアフリー化を検討するよう要請した。これを受けてJR新潟支社は駅構内の地下通路(駅舎および0・1番線側、2・3番線側の2か所)にエレベーターを新設する計画を立案・着工し、2015年(平成27年)2月27日より供用を開始した[6]。
単式ホーム1面1線(1番線)とその新潟寄りに設けられた切り欠き式ホーム1線(0番線)、島式ホーム1面2線(2・3番線)を持つ地上駅[1]。両ホームは地下通路で連絡している[1]。
直営駅で、駅舎はみどりの窓口、自動改札機(SuicaなどのICカード対応)、自動券売機、指定席券売機、待合室、デイリーヤマザキJR新発田駅店(Suicaショッピングサービス利用可)などがある。
かつては構内で、キヨスク・新発田三新軒が運営する駅弁売店や立食いそば店が、デイリーヤマザキ部分にはJR東日本系のコンビニ「JC」を経て[要出典]イートインコーナーを備えた山崎製パン系のパン屋が存在した。現在は立食いそば店のあったところに新発田市コミュニティバス・新発田市市街地循環バスの共通回数券などを販売している観光案内所とコインロッカーが設置されている。
駅舎は正面口にのみあり、改札口から直接東口へ出ることはできない。駅の東側へは駅舎外、右手にある地下自由通路を経由する。
かつては駅からレンタサイクルの取り扱い駅であったが、2020年(令和2年)のサービス終了[7]以降は駅前のイクネスしばたMINTO館において、観光情報センターによるレンタサイクルの貸出しが行われている[8]。
現在、JR貨物の駅は臨時車扱貨物の取り扱い駅となっており、貨物列車の発着がなくなっている。
かつては、3番線外側にある側線から駅の東にある電気化学工業新発田サービスステーションへ至る専用線が分岐していた。そのため、当駅には青海駅からセメントが到着していたが、2002年(平成14年)3月ごろに廃止された。
また駅舎北側の線路に沿った場所には、有蓋車用の貨物ホームが1980年代まで置かれていた。
その他、以下の専用線が存在していた。
当駅で駅弁の販売は行っていない。
かつては新発田三新軒が駅弁「えびすし」・「すき焼き弁当」などを製造・販売していたが、1995年(平成7年)に当駅での駅弁販売を取りやめた。
新発田三新軒はその後、駅構内の区画整理のため新潟駅に移転、さらに1999年(平成11年)には系列の三新軒と共同で新津駅東口近くに事務所・調理場を設けた。新発田三新軒としては新潟駅のみで駅弁の販売を行っている。
JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は3,226人である[利用客数 1]。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
新発田市は元々新発田城を中心として中心市街地が形成された城下町で[1]、明治時代以降はこの新発田駅西側を軸に市街地が広がった。また大正時代に入り、1918年(大正7年)には駅そばで大倉製糸新発田工場が操業を開始したこともあいまって、人的・物的交流がさらに盛んになった。しかし、高度成長期を境にモータリゼーションが急速に進捗し、また、1981年(昭和56年)に大倉製糸が新発田工場を閉鎖して撤退したのを境に、旧市街地は急速に衰退。市郊外にはその後、新発田バイパスや新発田南バイパスなどの幹線道路の周辺にロードサイド型店舗やコモタウン、イオン新発田ショッピングセンターなど大型ショッピングセンターが相次いで出店した一方で、この間に旧市街地は、地元デパートのハヤカワ本店をはじめ、ダイエーカネダイ新発田店、ジャスコ新発田店などの大型店が相次いで閉店したのに加え、商店街の店舗も閉店が相次ぎ休日はシャッター通りとなり、さらに大倉製糸撤退後の遊休地も具体的な活用策が長年決まらないなど、徐々に空洞化が進んでいた。また、急速な宅地化によって住宅が密集するなどして防災上の問題が生じたのに加え、駅周辺も駐車場が不足して交通量の増加に対応しきれなくなるなどといった状況に陥りつつあった。
こうした中、老朽化が進んでいた新潟県立新発田病院(当時中央町の新発田郵便局の前に立地、2006年〈平成18年〉11月1日に現在地へ移転)の旧大倉製糸工場跡への移転・新築が決まったのに合わせ、新発田市では駅前周辺地区の大規模な区画整理を行う再開発事業に着手[10]。新発田駅と県立病院の予定地を中心とした地区で、老朽化が進み密集していた店舗・住宅を撤去し、区画を整理して道路を増設した他、駅前広場の拡張などが行われた。新発田駅ではこの間、同年6月にロータリーを一旦駅舎北側(村上寄り、旧貨物ホーム跡)へ仮移設。駅正面の広場にロータリーを設け、バス停留所やタクシープールを新設するなどして、8月から順次供用を再開した。
駅前は新発田市の中心街。駅舎正面から北西へ真っ直ぐ伸びる県道32号(駅前通り)を中心とした商業地は、新発田駅前通り商店街となっている。
駅東側へは駅舎横の地下通路で連絡している。東口側にはロータリーが設けられており、周辺には新興住宅地が広がる。
駅前ロータリー内には路線バスと高速バスのバス停が設けられている。
かつて新発田駅前には一部のバス路線が乗り入れるのみだったが、2007年(平成19年)8月1日にロータリー内にバス停留所が集約され、また新発田市中心部を発着する全路線がこのロータリー内を経由するようになったことから、相互乗り換えが容易になった。また、2006年(平成18年)10月1日より、加治川・菅谷方面の一部路線が新潟交通北(当時)から、住民組織によるNPO法人七葉が運行する新発田市コミュニティバスに移管された。なお、イオン新発田ショッピングセンターへの無料シャトルバスも運転されていたが、こちらは新発田市が運行する市街地循環バス(あやめバス)に移管されている。
2025年(令和7年)4月現在の運行路線は次の通りである[bus 1]。