政宗 一成(まさむね いっせい、1948年12月2日[1][2][3] - )は、日本の元男性声優、元俳優、元ナレーター。株式会社夢吽空(むんく)主宰[3]。広島県呉市出身。
来歴
1948年、井上家の長男として広島県で誕生[5]。3〜4才の時に両親が様々な事情で離婚し、広島県呉市の酒・醤油・味噌問屋の父方の岡田家の養子となる[5]。
幼少期は父が太平洋戦争で中国支那で患った結核の影響で擬似結核に感染、病院生活を余儀なくされ、幼稚園も小学1年生も経験しなかった[5]。1年生の時に父を亡くし、遺言で小学2年生に進級したが、「イ・ロ・ハ」のイの字も書けず、小学6年生まで常に成績はビリだったという[5]。
中学1年生より後、養母で父の姉に進められ広島から上京し、1日15時間の勉強の一方、月給4,000円の新聞配達3年を経て、超進学高等学校に進学[5]。
数学、物理、化学が全く出来なかったため、東京大学の受験に失敗し、早稲田大学、上智大学、青山学院大学を受験し、青山学院大学経済学部に進学[5]。放送研究部部長を務めていたが、安保闘争の拠点が青山学院大学に移転したことでそれに巻き込まれていたという[5]。
その後、養母を亡くし、遺産当時2,000万円全てを受け継ぐが4年間で使い果たしたため、親戚には全て縁を切られてしまったという[5]。
青山学院大学経済学部卒業[3]後、讀賣新聞編集局、編成部軟派(社会面)担当[5]。
当時の前述の安保のころで、社会的な問題も多く、閉塞感、無力感がただよっており、政治部、社会部に配属された記者が、学生時代に描いていた理想とのギャップ、会社との軋轢などに悩み自殺していく姿を政宗は何人も見ていた[6]。その時に「一体自分に何ができるんだろう」と考えていたという[6]。
新聞の14版の締切を終えて家に帰る時、ラジオ『JET STREAM』から流れる城達也のナレーションに魅了され、「ナレーターになってやろう」と思い、俳協養成所に中途入所(1期生)[5][6]。当時は、ナレーター専門の養成所はなく、養成所で俳優の勉強を始めていたところ、20代のうちから声優としての仕事が入り、その後はナレーターに転身[5][6]。師は城達也、小林恭治、千田是也、滝沢修、木下順二、宇野重吉、山本安英等。
養成所時代は日本舞踊、ダンスなどもしていたが、講師に 「なんでこんなことをしなくちゃいけないんだ」と文句を言っていたという[6]。
養成所時代は腹式呼吸を教えてもらったが、丹田呼吸が正しいと考えており、ラグビー、柔道など体育会系を経験し、丹田呼吸を知っていたため、そう思ったという[6]。
東京俳優生活協同組合(俳協)理事を経て[5]、シグマ・セブン[4]の立ち上げ7名の中心の1人。シグマ・セブン監査役8年。その後、声優の中でも「言霊」という言葉に魂を宿らせることができる人物は、少なく、そういう感性、技術を教えられる人物は少なく、「こんな現状ではいけない」と思い、1997年に独立して夢吽空を設立[3][5][7]。代表取締役・主宰[3][5][7]。
2018年12月2日をもって、日本俳優連合を離脱、テレビ、ラジオ業界から撤退した。現在は書籍、朗読CDなどの制作・販売や、インターネット配信などを主として活動している。
人物
正宗 一成の表記もある。本名および旧芸名は岡田 道郎(おかだ みちろう)[1][2]。1978年に政宗一成に改名[3][5]。芸名の名付け親は占い師の王麗華[5]。出生名は井上 道郎(いのうえ みちろう)[5]。東映の岡田茂は母の従兄弟、岡田裕介は本人のはとこにあたる[5]。
声種はローバリトン[3]。
テレビ、CMなどのナレーションで幅広く活躍している[3]。
テレビ番組のナレーターとしての活動が多い[8]。
政宗は感性で文章を読むことしかできないが、「ぜひ政宗さんにお願いします」、「これは政宗さんでなくてはできません」というような依頼をくれるようになったという[9]。
そのおかげで通常のテレビのナレーションなどとはかなり違うタイプの仕事もたくさんくれるようになったという[9]。
出演
太字はメインキャラクター。
テレビアニメ
- 1976年
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- 1977年
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- 1978年
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- 1979年
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- 1980年
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- 1981年
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- 1983年
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- 1987年
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- 1996年
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- 1999年
-
- 2008年
-
劇場アニメ
OVA
ゲーム
- 1989年
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- 1992年
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- 雀偵物語2 宇宙探偵ディバン出勤編(ナレーター[2])
- 1994年
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- 1997年
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- 1998年
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- 1999年
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- 2000年
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- 2001年
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- 2002年
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- 2004年
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- 2005年
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- 2006年
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- 2007年
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- 2008年
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- 2012年
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- 2013年
-
- 2014年
-
- 2019年
-
吹き替え
映画
ドラマ
アニメ
特撮
- 1976年
-
- 1978年
-
- 1979年
-
- バトルフィーバーJ(ゴースト怪人の声、クラゲウニ怪人の声、ドクロキノコ怪人の声、ゴロンゴ怪人の声、大盗賊怪人の声)
- 1982年
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- 1983年
-
- 1987年
-
- 1988年
-
- 1990年
-
- 2001年
-
テレビドラマ
テレビ番組
映画
舞台
CD・DVD・カセット・VHS
ラジオ番組
ラジオドラマ
CM
その他コンテンツ
- 黄金バット 紙芝居版(黄金バット、ナレーション)
- トランスフォーマーシリーズ
- エキサイティング!!トランスフォーマー(ナレーション)
- 戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー 受注会用映像(ナレーション)
- トランスフォーマー テレフォン(サウンドウェーブ、ナレーション)
- トランスフォーマー 店頭用LDゲーム(ナレーション)
- トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ パイロット版(ナレーション)
著書
- 言霊 光太郎智恵子(2004年、夢吽空、第一版)
- 言霊 智恵子光太郎(2004年、新風舎、2008年、文芸社)
脚注
シリーズ一覧
- ^ 『F』(2000年)、『F.I.F』(2001年)、『PORTABLE』(2006年)
出典
外部リンク