変成器(へんせいき)は、電磁誘導を利用して電気エネルギーの伝達を行う電子部品の総称[1]。トランスとも呼ばれる。
変成器のうち、電圧の変換を目的としたものを変圧器、電流の変換を目的としたものを変流器という。この他にもインピーダンスの変換や一次側と二次側の絶縁などに用いられる変成器があるほか、コンデンサと組み合わせて周波数フィルタとして用いるものもある。
基本的な変成器は、磁気的に結合した2つの巻線によって構成される。エネルギー保存則により一次側巻線と二次側巻線の電力は等しくなるが、電力は電圧と電流の積によって求まるため、その巻線の巻数の違いによって電圧や電流の大きさを変化させることができる。 すなわち、一次側の巻数をN1、一次側の電圧をV1、一次側の電流をI1、一次側のインピーダンスをZ1、二次側の巻数をN2、二次側の電圧をV2、一次側の電流をI2、二次側のインピーダンスをZ2とすると次の式が成り立つ。
N 2 N 1 = V 2 V 1 = I 1 I 2 = Z 2 Z 1 {\displaystyle {\frac {N_{2}}{N_{1}}}={\frac {V_{2}}{V_{1}}}={\frac {I_{1}}{I_{2}}}={\sqrt {\frac {Z_{2}}{Z_{1}}}}}
電圧を変換することを変圧といい、変圧を目的とした変成器を変圧器という。
電流を変換することを変流といい、変流を目的とした変成器を変流器という。
電気エネルギーを損失なく伝達させるためには、それぞれの回路のインピーダンスを整合する必要がある。そこで用いられるのがインピーダンス変換トランスである。
トランジスタなどの増幅回路に用いるトランスには、用途別に入力トランス、段間トランス、出力トランスの3種類があるが、これらの分類はインピーダンスの公称値に対してメーカーが推奨する用途を定めたものであるため、耐電力などの条件を満たせば転用も可能である。トランジスタ用の小型トランスは山水電気のST-○○(2桁の数字)が定番と言えるもので、他社製のトランスもこれに準ずる型番を付けている製品が多い。
変成器の中には、一次側と二次側は磁気的に結合しているものの電気的には絶縁されているものも存在する。 これによって電灯線からの電気雑音や直流電流が出力側に入ることを防ぐことができるほか、逆に出力側の電気雑音や直流電流が電灯線に入ることを防ぐことができる。
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