八部郡(やたべぐん)は、兵庫県(摂津国)にあった郡。
1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、おおむね下記の区域にあたる[注釈 1]。
『摂津』[1]P7「郡名異同一覧」には、矢田部・八田部・八部と、時代あるいは書物によって異なる表記が用いられてきたことが記されている。
雄伴郡は、淳和天皇の時代(在位823年 - 833年)、天皇の諱である「大伴」(おおとも)に発音が近いことから、八部郡(やたべぐん)と改名された。仁徳天皇の妃八田皇女の名代が付近にあったためともいわれている[2]。『摂津』[1]P538 第三章 氏族 第十三節矢田部郡の「八田部」の項に、「古事記仁徳段に八田皇女の御名代(みなしろ)として八田部を定める」と引用する。矢田部郡及び八部郡の地名(矢田部郡は八部郡の別表記)は、御名代八田部の名に由来するとする[1]。改名当初は八田部郡と書いた[3][4][5]。
八部郡の範囲は定かではない。時代によっても異なると考えられる[6][7]。和名類聚抄(承平年間(931年 - 938年)編纂)には、摂津国八田部郡として、生田・宇治・神戸・八部(やたべ)・長田の5つの郷が記されている[8]。
『延喜式』神名帳に記される郡内の式内社。
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