佐賀城公園(さがじょうこうえん)は、佐賀県佐賀市城内にある佐賀城跡を中心とした県立の都市公園(総合公園)である[1]。佐賀県庁など行政の中心部近くにあり、三方を濠に囲まれた公園は市民の憩いの場となっている。1989年(平成元年)7月28日には日本の都市公園100選に、2007年(平成19年)2月5日には日本の歴史公園100選の一つに選定された。
佐賀城公園は佐賀市城内のうち、佐賀城本丸歴史館や鯱の門周辺、県立博物館・美術館周辺、県立図書館周辺、万部島、北・西・南の各濠とその周辺を公園区域とする。計画面積は約31.8ha。濠の周辺は桜の名所として知られ、花見の季節には多くの花見客でにぎわう。濠の周辺には樹齢300年を超える大楠が多くみられ、「佐賀城趾の楠群」として県の天然記念物に指定されている。また、南濠は過去は一面蓮に覆われ、美しい花が市民の目を楽しませていたが、ミシシッピアカミミガメが原因とみられる食害で全滅し、現在再生に向けた取り組みが行われている。
濠をめぐる様に周回園路が整備され、市民の散策路、コミュニケーションの場として親しまれている。
濠周辺に多くみられる楠は、平城である佐賀城で、敵から城内が見通されることのないよう植えられたものである。佐賀城は有事の際には主要部以外を水没させて敵軍の侵攻を防ぐ機構があることで、別名「沈み城」とも言われているが、一説には他の城が城下から離れると天守が高々とそびえて見えるのに対して、佐賀城では逆に楠などに隠れて見えなくなるためだともいわれている。
終戦直後、納税に困った旧藩主の鍋島家が楠を売却しようとしたが、佐賀県早津江村(現:佐賀市川副町)の女子教育者で後に佐賀県初の女性県議会議員となる福田ヨシが中心となった保存運動で守られた。1980年(昭和55年)には公園内にヨシの功績をたたえる顕彰碑が建立されている。また、1998年(平成10年)に北濠を渡る「くすの栄橋」が架橋された際には、建設地にあった推定樹齢350年の大楠を橋の南東に移植している[4]。
佐賀城公園は1961年(昭和36年)の事業開始より様々な計画が進んでいるが、2004年(平成16年)の佐賀城本丸歴史館開館に伴い、佐賀市の観光拠点として周辺地域と一体感のある整備を進める「佐賀城下再生百年構想」が2007年(平成19年)3月に制定され、これに基づく整備が現在進められている。計画では鍋島氏より寄付を受けた佐賀市が1933年(昭和8年)に埋め立てた東濠の復元整備が盛り込まれており、2011年(平成23年)5月9日より復元工事がNHK佐賀放送局東側で始まっている[5]。またそのNHK佐賀放送局も佐賀市白山に移転が決まった佐賀商工会館の跡地(佐賀市松原・佐賀県庁北側)に移転することが決定した[6]。
このほか、公園に近接する西城内と佐賀市水道局跡地の2か所で進行していたマンション建設用地を市や県が購入し、中止させている。
県を代表する都市公園であり、歴史建築物や文教施設が設置されている。
佐賀駅バスセンターより、市営バスで「佐賀城跡」、「博物館前」などで下車。