三菱重工横浜ビル(みつびしじゅうこうよこはまビル)は、神奈川県横浜市西区みなとみらいにある超高層ビル。東京都千代田区の丸の内二重橋ビルと共に三菱重工業の本社機能を有していた。
概要
みなとみらい地区南部の37街区(南区画)に位置し、南東は横浜ランドマークタワー、北東は横浜美術館に隣接する。かつての三菱重工横浜造船所の跡地で、横浜博覧会会期中はYESホールが設置されていた土地に1992年着工、1994年に竣工した。当ビルは地上33階建て(高さ151.9m)の超高層ビルであり、建設に当たってはタワークレーンを用いず全天候屋根下でジャッキアップにより作業を行う、大成建設によるT-UP工法が採られている[5]。完成後はオフィスのほか、1階〜3階にかけて三菱みなとみらい技術館、コンビニエンスストア(生活彩家)、飲食店などが入居している。
当ビルはビル名に冠す通り三菱重工業の所有であったが、2017年3月30日付でヒューリックに売却(譲渡)されており、のちにケネディクスグループが組成するファンド等に組み入れられている。また、隣接地の敷地(同街区の北区画、後節参照)についても同日付でケネディクスが組成する特別目的会社・KRF48に売却されている[2][3][4][6][7][8][9][10][注 1]。売却後も三菱重工グループは賃借により当ビルへの入居を継続している[12][13][注 2][注 3]。
三菱重工は本社機能の拠点を横浜から撤退し、東京都内に集約するため2024年8月に事業部門とコーポレート部門が田町タワーに移転。三菱造船や三菱重工交通・建設エンジニアリングなどのグループ会社も移転した。なお、三菱みなとみらい技術館は引き続き営業する[19]。
併設施設
三菱みなとみらい技術館
- 当ビル内にある科学館で、1994年6月に三菱重工業が設立し、運営を行っている。展示内容、開館日時、入館料等の詳細は公式ホームページ(外部サイト)を参照のこと。
- 営業時間
- 平日:10:00 - 15:00(最終入館14:30)
- 土日祝 10:00 - 16:00(最終入館15:30)
- 休館日:毎週火・水曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始、その他特定休館日
- 入館料:大人500円(65歳以上は証明書により無料)/中・高校生300円/小学生200円
フロア構成
- 館内は以下のゾーン・コーナーで構成されている(※は有料エリア外にある)。
- 展示・施設情報 : 1階(外部サイト)
- 1: 空・宇宙ゾーン
- 2: 海ゾーン
- 3: MHIフューチャーゲート
- 4: 企画展示コーナー
- 展示・施設情報 : 2階(外部サイト)
- 陸ゾーン (LAND)
- バーチャルツアーステーション(当日予約制)
- MMスタジオ
- MM配信ブース(オンラインイベントなど)
- 事務局
- テクノ君が握っている双葉(フタバ)には、子供たちが持っている科学技術の“発想の芽”が未来に向かって広がってほしいという願いが込められている。館内の展示やイベントにも時々登場する。
アクセス
交通アクセス(外部サイト)
その他
隣接地における計画
- 二期棟計画
三菱重工業の37街区オフィスビル計画として、元々は当ビルの他にもう一棟の本社機能を有するビルを建設してツインタワーとする計画であった[20]が、1990年代後半の景気後退の影響により2棟目(二期棟)の建設計画は延期されていた[10](その後、品川エリア〈港区港南〉に本社機能を有する三菱重工ビル〈現・NBF品川タワー〉が建設されている)。このため、グループ会社の菱重エステート(旧・関東菱重興産、現在のMHIファシリティーサービス)が当ビル隣接地に当たる二期棟計画用地(37街区北区画)にて暫定施設の住宅展示場「横浜ホームコレクション」を開設(当ビル竣工翌年の1995年3月オープン)し、以来約20年にわたり運営されてきた経緯がある[10][注 4]。
その後、三菱重工業を主体として日立製作所との火力発電システム事業における合併会社(三菱日立パワーシステムズ〈現・三菱パワー〉)を2014年1月に設立することとなり執務スペースの確保が必要になったことなどから、1棟目の竣工から20年近く経過した2013年9月になって「みなとみらい21中央地区37街区II期棟計画(仮称)」として計画を再始動することが発表された。計画では新たに建設されるビルに前述の合併新会社の本社が入居し[28][注 5]、ビルの規模は地上32階・地下2階、塔屋1階、高さ約165m、延床面積約108,000m2(一期棟より高さ、延床面積は少し拡大)で、2015年着工、2017年度の竣工を目指していた[29][30][31]が、竣工予定年の2017年になっても未着工のまま計画の進展が見られない状況となっていた。
- 隣接地の他社への売却(KRF48による計画)
2017年3月30日には前述の通り、二期棟計画用地(37街区北区画、この時点で住宅展示場「横浜ホームコレクション」があった)の敷地がケネディクスによる特別目的会社・KRF48に売却(譲渡)された(このため、当ビルの二期棟計画は事実上中止となっている)。ケネディクスでは同地の活用について、みなとみらい地区全体やIR法案等の状況を見据えた上で開発パートナーを選定し、開発(新規プロジェクト)を検討していくとしていた[2][6][10]。
その後、同社の2017年12月期(第3四半期)決算説明資料において、同年内にも開発プロジェクトをスタートさせるため準備中であることが記載されていた[4]が、同年11月24日には合同会社KRF48にパナソニックホームズ(旧・パナホーム)と鹿島建設の2社が新たに共同出資(出資比率はパナソニックホームズ 40%、鹿島建設株式会社 30%、ケネディクス 30%)し、開発プロジェクトにも参画することが明らかとなった[10][32]。さらに2018年5月には「みなとみらい21中央地区37街区開発計画/MM37タワー(仮称)」として、KRF48によるオフィス・ホテル・店舗などからなる地上28階建て(高さ約150m〈当ビルと同規模〉)の超高層複合ビルの計画が公表されており、2020年4月に着工した。2022年10月には同ビルの名称が「横浜コネクトスクエア」に決定[33]、2023年1月に無事竣工を迎えている[34][35][36]。
脚注
注釈
- ^ 三菱重工横浜ビルの敷地と隣接地の敷地はいずれも敷地面積約10,000m2である[1]が、同年5月には三菱重工業がみなとみらいに所有する土地1,432m2についても売却が行われている[11]。
- ^ なお、同社はかつて本社ビルの一つであった三菱重工ビル(東京都港区、現・NBF品川タワー)についても2011年の売却以降、賃貸による入居を継続してきた経緯があり、当ビルのようなケースは今回が初めてではない[14]。
- ^ 同社の本社機能と事業部門(事業推進機能およびサポート機能)は当ビルと三菱重工ビル(東京都港区、現・NBF品川タワー)等に長年分散していたが、今後は同社の首都圏オフィスを再構築する計画に基づき、本社機能は丸の内地区に、事業部門は田町地区(第一田町ビルと周辺を再開発し、2023年度に竣工予定のオフィスビル「田町タワー」)に移転集約する方針である[15][16][17]。なお、丸の内地区における本社機能の集約については、三菱重工ビル(現・NBF品川タワー)の「グローバル本社」機能を2018年10月に竣工した複合オフィスビル「丸の内二重橋ビル」(事業主:三菱地所)に移転している[15][16][18]が、当面は当ビルの機能についても併存させる方針となっている[18]。
- ^ かつては菱重エステート(旧・関東菱重興産、現在のMHIファシリティーサービス)が主催し、エイトノットアンドカンパニーが企画・運営を担っていた[21]が、2016年には一時的に三菱重工業が主催となった[22][23]のち、2017年時点では主催および企画運営の全てをエイトノットアンドカンパニーが行っており[10][24]、三菱重工グループの手からは離れている。なお、後述の再開発のため「横浜ホームコレクション」は2019年7月をもって閉鎖されている[25]が、その翌年の2020年3月にはアルカエフ跡地の一画(44街区北区画)における10年間の暫定土地利用者(土地賃貸契約)として、エイトノットアンドカンパニーJVが選ばれており[26]、2023年9月に住宅展示場も含む暮らし提案型暫定施設「LIVINGTOWN みなとみらい」を開業している[27]。
- ^ ビルの完成までは一期棟の当ビルに本社を置くとしていた(なお、2017年5月時点では当ビルに同社本社が入居している)。
出典
関連項目
外部リンク
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オフィスビル・業務関連施設 | |
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公園・緑地・遊歩道 |
- ※この他、3つの歩行者動線「クイーン軸」、「グランモール軸」、「キング軸」が整備されている(参照)。
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関連項目 | |
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