三池鉄道(みいけてつどう)は、かつて福岡県大牟田市および熊本県荒尾市で運行されていた専用鉄道(一時期地方鉄道)の通称である。
三井三池炭鉱から採掘された石炭を輸送するために敷設され、永らく従業員輸送にも使用された。地元での通称は「炭鉱電車」。
保有者は三井鉱山から三井三池港務所、再び三井鉱山、三井石炭鉱業と移った。最後まで残っていた一部区間が三井化学大牟田工場の専用鉄道として使用されていたが[1]、2020年5月7日を以て運行を終了した[2]。末期の運営は三池港物流の鉄道課が行っていた。
先に廃止された三池本線の三池港駅から県道大牟田植木線の旧早鐘踏切(宮浦駅より三池港駅方面へ約1.5km)までは、明治期の石炭輸送の様子を残した遺構「旧三池炭鉱専用鉄道敷」として世界文化遺産・明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業の構成資産となっている。
地方鉄道に変更された1964年(昭和39年)8月11日時点のもの。
地方鉄道に変更時のもの。
1982年頃には、機関車、貨車あわせて783両が在籍[3]していた。
廃止時の2020年5月、22t級機関車の9・11・12号と、45t級機関車の18・19号が稼働中であり、45t級機関車の20号と22t級機関車の2・4号が部品取り用として留置中であった。なお、工場内では引火性の強い物質を扱う区域があり、その区域内では専用鉄道はパンタグラフからのスパークを避けるため非電化とし、電源車から電気機関車へ電力を供給して走行していた。そのための電源車として、デ1・3・4が9・11・12号と連結の上で使用されていた。
使用されていた電気機関車のうち、5号機(GE製15t B形)、1号機(シーメンス製20t B形)、5、11、12号機(三菱製20t B形)、17、18、19号機(東芝製45t B-B形)両が保存されている。このうち{5号機(GE製)1号(シーメンス製)5号(三菱製)17号(東芝製)の4両は 大牟田市内の工場敷地で保管され、毎年11月3日に大牟田市が開催する近代化遺産一斉公開の日に限り公開されていたが、2015年9月1日からガバメントクラウドファンディング(GCF)により資金を集め[4]、2016年8月22日に三川坑跡に移設[5]、同年10月15日より土日祝日に限り一般公開されている[6]。18号と12号が荒尾市に2022年1月に移設、現在は12号機が動態保存され、12号がデ3と連結の上、万田鉱跡地にて同時期に敷設された線路を定期的に走行している。12号機は日本で一番古い動態保存の機関車である。11、19号機は個人によって買い取られ、12号、18号と同じく2022年に移設され、公開日には19号機がTMC200に牽引されて走行する。追加料金を払うことで走行中の19号機の運転室に乗車することができる[7]。
延べ26両が在籍。以下、主なものを挙げる。
従業員輸送列車は1946年(昭和21年)より始められ、三池港 - 平井間、三池港 - 万田間で朝5時から深夜1時まで運転されていたが、1984年(昭和59年)時点で社宅の集約とマイカー通勤により利用が激減し、乗客ゼロの列車もあり、一日300人程度となっていた。
この項目は、鉄道に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:鉄道/PJ鉄道)。