マーストリヒチアン(英:Maastrichtian)は、約7,210万年前(誤差20万年前後)から約6,600万年前[1]までにあたる白亜紀最後(中生代最後でもある)[2]の地質時代の一つ。
呼称
名称はモササウルスの骨格化石などのこの時期の遺物が大量に発見されたオランダのマーストリヒト(Maastricht、オランダ語)に由来する。
日本語では「マストリヒシアン」「マーストリヒティアン」「マーストリヒチアン」「マーストリヒト期」など、多数の別称がある。 英語では「マストリクシャン」のように発音する。
なお、「マーストリヒト階」という名称があるが、時代を示すものではない。「階」は地層に対して当てられる単位(層序名)であり、層序名「マーストリヒト階」と時代名「マーストリヒト期」は対を成す関係である。詳しくは「累代」を参照のこと。
概説
この時代の終焉期には、非常に大きな環境変動とそれに伴う生物の大量絶滅、生態系の大規模な刷新が起こった。この変化によって白亜紀および中生代に幕が下ろされ、次の新生代古第三紀へ移行している。
地球科学等にとって重要性の高いこの時期は、中生代白亜紀(略号:K)と新生代古第三紀(略号:Pg)の境目にあたる事から、地質学では「K-Pg境界」と言う[3]。
K-Pg境界の時期には、現生鳥類につながる種を除くほとんど全ての恐竜[4]と翼竜および主要な海棲爬虫類を含む、おびただしい種数の生物種群が絶滅に追いやられた。一方で、生き残った種には膨大なニッチ(生態的地位)が明け渡され、その後の劇的な適応放散の切っ掛けとなった。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク