バレミアン(英語: Barremian)は、1億2940万年前から1億2500万年前にあたる前期白亜紀の地質時代名の一つ[1]。
なお、「バレム階」「バレミアン階」という名称があるが、これらは時代を示すものではない。「階」は地層に対して当てられる単位(層序名)であり、層序名「バレム階」「バレミアン階」と時代名「バレム期」「バレミアン期」は対を成す関係である。詳しくは「累代」を参照のこと。
気候
氷成堆積物が確認されていることから、ベリアシアンからバレミアンにかけては冷涼な気候であり、現代のように両極に氷冠が存在したとされる。白亜紀のバレミアン以降の時代では両極に氷河は存在しなかった[2]。
出来事
中央太平洋南部のマニヒキ海台(英語版)に分布する、バレミアン階からアプチアン階の地層から産出した緑黒色ワックス質火山砕屑岩は、全有機炭素が28.7%に達する。当初この有機炭素の量は海洋循環の弱化によるものと説明されていたが、後に、世界の海洋で酸素極小帯の発達すなわち海洋無酸素事変の結果であると考えられるようになった[2]。
日本において
日本のバレミアン階からはティタノサウルス形類の歯や骨が報告されている。具体的には三重県鳥羽市(バレミアン階含む)から大腿骨や歯が産出しており、歯だけであれば石川県白山市(アプチアン階含む)、徳島県勝浦町(オーテリビアン階とバレミアン階を含む)、群馬県神流町から産出した[3]。また、高知県の高知盆地の長柴層と和田層からは、バレミアン階からアプチアン階にかけてのアンモナイトが多産する。長柴層から産出した2種のアンモナイトは、バレミアンにあたる群馬県山中層群石堂層と徳島県物部川層群羽ノ浦層のアンモナイトと種レベルで一致した[4]。
出典