ジョーイ・メネセス・ラミレス(Joey Meneses Ramírez[3]; 1992年5月6日 - )は、メキシコ合衆国シナロア州クリアカン出身[1]のプロ野球選手(指名打者)[4]
。右投右打。MLBのニューヨーク・メッツ傘下所属。
経歴
プロ入り前
メキシコ西部に位置するシナロア州最大の都市クリアカンで、3人兄弟の末っ子として生まれた。兄の影響から5歳で野球を始め、高校生時代は三塁手を務めていた。また中高生時代にはバレーボールも掛け持ちしていた[5]。
ブレーブス傘下時代
2011年にアトランタ・ブレーブスと契約し、傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・ブレーブスでプロキャリアをスタートさせた[6][7]。その後、ルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ブレーブス(2012・14)、A級ローム・ブレーブス(2013・14)、A+級カロライナ・マドキャッツ(2015 - 16)、AA級ミシシッピ・ブレーブス(2016 - 17)と、ブレーブス傘下で徐々に昇格を果たしていった[6]。2017年11月6日にFAとなった[8]。
フィリーズ傘下時代
2018年2月1日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結び[8]、傘下AAA級のリーハイバレー・アイアンピッグスに所属[9]。130試合出場で打率.311・23本塁打・82打点の成績を残し、インターナショナルリーグ本塁打王・打点王の2冠を獲得すると共に、リーグMVPを受賞した[10][11]。
オリックス時代
2018年10月29日に、NPBのオリックス・バファローズがメネセスの獲得を発表した[12]。1年契約で、年俸は契約金込みで1億1,000万円(推定)。背番号は33に決定し[7]、2019年1月28日に日本で入団会見を行った[13]。
2019年はシーズン開幕前の3月9日と3月10日に行われた日本代表との強化試合「侍ジャパンシリーズ2019」のメキシコ代表に選出された[14]。2試合とも4番として出場し、合計で二塁打4本を含む8打数5安打と大爆発し[15]、開幕からの活躍を予感させた。
レギュラーシーズンは一軍でスタート。開幕戦からスタメン出場を続けていたが、5月4日の対福岡ソフトバンクホークス戦で右手首を負傷し翌5月5日に登録抹消されるまで、29試合の出場で打率.206、4本塁打という成績にとどまっていた。
ドーピングの発覚による退団
その後二軍で調整を続けていたが、2019年4月に受けた日本野球機構(NPB)のドーピング検査で、NPBが筋肉増強作用があるとして禁止薬物に指定しているスタノゾロールに陽性反応を示したことが6月27日に判明。同日から2020年6月26日まで1年間の公式戦出場停止処分が出されたため、同日付でオリックスを解雇され[16]、自由契約選手として公示された。
レッドソックス傘下時代
2020年1月23日にボストン・レッドソックスとマイナー契約を結んだ[8]。
2021年も引き続きレッドソックス傘下に所属。シーズン途中の7月から8月には東京オリンピックのメキシコ代表に選出された。同大会では日本戦で本塁打を記録するなどの活躍を見せたが、メキシコはオープニングラウンドから3連敗を喫し6位に終わった。オフにFAとなった。
ナショナルズ時代
2022年1月13日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ[17]。8月2日にAAA級ロチェスター・レッドウイングスから昇格し、同日のニューヨーク・メッツ戦の先発出場でメジャーデビューを果たし、7回にはメジャー初本塁打を放った。
2023年開幕前にWBCメキシコ代表に選出された。
2024年オフの11月4日にFAとなった。
メッツ傘下時代
2024年11月21日にニューヨーク・メッツとマイナー契約を結んで[18]、2025年のスプリングトレーニングにナショナルズでも同僚だったホビー・ハリス(英語版)とともに招待選手として参加することになった。
選手としての特徴
逆らわず広角に打ち分ける打撃が持ち味で、逆方向にも強く伸びのある打球を飛ばすことができる[19][20]。打撃フォームは、憧れの選手であるデレク・ジーターを参考にしていると語る[5]。
人物
少年時代から、日本のテレビアニメ『ドラゴンボール』の大ファンであり、オリックスでの入団会見において「マイヒーローは孫悟空だ。野球を辞めたらスーパーサイヤ人になりたい」と語ったほどである[21]。メキシコで視聴可能な作品は全て見たという[5]。
詳細情報
年度別打撃成績
年
度 |
球
団 |
試
合 |
打
席 |
打
数 |
得
点 |
安
打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁
打 |
打
点 |
盗
塁 |
盗 塁 死 |
犠
打 |
犠
飛 |
四
球 |
敬
遠 |
死
球 |
三
振 |
併 殺 打 |
打
率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S
|
2019
|
オリックス
|
29 |
118 |
102 |
7 |
21 |
4 |
0 |
4 |
37 |
14 |
0 |
1 |
0 |
3 |
13 |
0 |
0 |
28 |
3 |
.206 |
.288 |
.363 |
.651
|
2022
|
WSH
|
56 |
240 |
222 |
33 |
72 |
14 |
0 |
13 |
125 |
34 |
1 |
0 |
0 |
2 |
15 |
2 |
1 |
52 |
13 |
.324 |
.367 |
.563 |
.930
|
2023
|
154 |
657 |
611 |
71 |
168 |
36 |
1 |
13 |
245 |
89 |
0 |
0 |
0 |
3 |
38 |
0 |
5 |
130 |
15 |
.275 |
.321 |
.401 |
.722
|
2024
|
76 |
313 |
281 |
19 |
65 |
11 |
0 |
3 |
85 |
42 |
2 |
0 |
0 |
6 |
21 |
1 |
5 |
63 |
9 |
.231 |
.291 |
.302 |
.593
|
MLB:3年
|
286 |
1210 |
1114 |
123 |
305 |
61 |
1 |
29 |
455 |
165 |
3 |
0 |
0 |
11 |
74 |
3 |
11 |
245 |
37 |
.274 |
.322 |
.408 |
.730
|
NPB:1年
|
29 |
118 |
102 |
7 |
21 |
4 |
0 |
4 |
37 |
14 |
0 |
1 |
0 |
3 |
13 |
0 |
0 |
28 |
3 |
.206 |
.288 |
.363 |
.651
|
オリンピックでの打撃成績
年
度 |
代
表 |
試
合 |
打
席 |
打
数 |
得
点 |
安
打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁
打 |
打
点 |
盗
塁 |
盗 塁 死 |
犠
打 |
犠
飛 |
四
球 |
敬
遠 |
死
球 |
三
振 |
併 殺 打 |
打
率 |
出 塁 率 |
長 打 率
|
2021
|
メキシコ
|
3 |
12 |
12 |
2 |
6 |
1 |
0 |
1 |
10 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
.500 |
.500 |
.833
|
WBCでの打撃成績
年
度 |
代
表 |
試
合 |
打
席 |
打
数 |
得
点 |
安
打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁
打 |
打
点 |
盗
塁 |
盗 塁 死 |
犠
打 |
犠
飛 |
四
球 |
敬
遠 |
死
球 |
三
振 |
併 殺 打 |
打
率 |
出 塁 率 |
長 打 率
|
2023[22]
|
メキシコ
|
6 |
27 |
27 |
5 |
10 |
0 |
0 |
2 |
16 |
6 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
.370 |
.370 |
.593
|
年度別守備成績
年 度 |
球 団 |
一塁(1B) |
外野 |
左翼(LF) |
右翼(RF)
|
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率
|
2019
|
オリックス
|
23 |
184 |
10 |
1 |
15 |
.995 |
3 |
5 |
0 |
0 |
0 |
1.000 |
- |
-
|
2022
|
WSH
|
40 |
259 |
13 |
1 |
24 |
.996 |
- |
3 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1.000 |
22 |
50 |
1 |
3 |
1 |
.944
|
2023
|
19 |
118 |
9 |
0 |
12 |
1.000 |
- |
- |
1 |
3 |
0 |
0 |
0 |
1.000
|
NPB
|
23 |
184 |
10 |
1 |
15 |
.995 |
3 |
5 |
0 |
0 |
0 |
1.000 |
- |
-
|
MLB
|
59 |
377 |
22 |
1 |
36 |
.998 |
- |
3 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1.000 |
23 |
53 |
1 |
3 |
1 |
.947
|
記録
NPB
背番号
- 33 (2019年 - 2019途中)
- 45 (2022年8月 - 2024年)
登場曲
代表歴
脚注
- ^ a b “Joey Meneses”. Baseball-Reference. 2019年2月8日閲覧。
- ^ “Joey Meneses” (英語). Spotrac. 2023年7月8日閲覧。
- ^ Menesesの英語発音: /meɪˈneɪsɛs/, /meɪˈneɪseɪs/, /miˈneɪsɛs/, /məˈneɪsɛs/, /miˈneɪsis/, /məˈneɪsəs/ メイネイセス, メイネイセイス, ミネイセス, マネイセス, ミネイスィス, マネイサス
- ^ “Joey Meneses” (英語). Mlb. 2023年7月28日閲覧。
- ^ a b c “オリックス・メネセス、マイヒーローはドラゴンボールの悟空 つかもうぜ4番の座”. デイリースポーツ (2019年2月19日). 2019年3月10日閲覧。
- ^ a b “Joey Meneses”. The Baseball Cube. 2019年2月8日閲覧。
- ^ a b “4番候補のオリ新助っ人・メネセスが15発!ランチ特打で34スイング”. サンケイスポーツ (2019年2月3日). 2019年2月8日閲覧。
- ^ a b c MLB公式プロフィール参照。2021年6月19日閲覧。
- ^ “Joey Meneses 38 1B Lehigh Valley IronPigs”. MiLB.COM. 2019年2月8日閲覧。
- ^ “オリ、新外国人メネセス獲得 今季3Aで打点、本塁打の2冠”. サンケイスポーツ (2018年10月29日). 2019年2月8日閲覧。
- ^ “3AでMVPの強打者メネセスが「日本球界入り合意間近」 地元メディアが報じる”. full-Count (2018年10月20日). 2019年2月8日閲覧。
- ^ “新外国人選手獲得のお知らせ”. オリックス・バファローズ (2018年10月29日). 2019年2月8日閲覧。
- ^ “ジョーイ・メネセス選手 入団発表記者会見”. オリックス・バファローズ (2019年1月28日). 2019年2月8日閲覧。
- ^ “メキシコ代表にメネセスら=侍ジャパン・強化試合”. 時事通信 (2019年2月28日). 2019年3月10日閲覧。
- ^ “オリ新助っ人メネセスまた打った! 同僚山本から右中間二塁打、2試合で二塁打4本”. full-Count (2019年3月10日). 2019年3月10日閲覧。
- ^ オリックス・メネセスが契約解除「結果にショック」 日刊スポーツ、2019年6月27日。
- ^ “Joey Meneses - Washington Nationals - news and analysis, statistics, game logs, depth charts, contracts, injuries” (英語). www.nbcsportsedge.com. 2022年4月20日閲覧。
- ^ “Mets Agree To Minor League Deals With Joey Meneses, Hobie Harris” (英語). MLB Trade Rumors. 2024年11月24日閲覧。
- ^ “【オリックス】メネセス、34スイングで15発!他球団007驚がく”. スポーツ報知 (2019年2月3日). 2019年3月10日閲覧。
- ^ “メキシコの4番・メネセスまた打った!今季からオリックスでプレー 侍メンバーも脱帽のコメント”. スポーツニッポン (2019年3月10日). 2019年3月10日閲覧。
- ^ “オッス!オラ「メネセス」 オリの新助っ人、ドラゴンボール・孫悟空に憧れ来日”. サンケイスポーツ (2019年1月29日). 2019年3月10日閲覧。
- ^ 2023 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年3月27日閲覧
関連項目
外部リンク