第86回東京優駿(だいはちじゅうろっかいとうきょうゆうしゅん)は、2019年5月26日に東京競馬場で施行された競馬の競走である[1]。浜中俊が騎乗したロジャーバローズが優勝した。
出走馬の状況
第79回皐月賞 GI
- 中山・芝2000mで施行[2]。
- 5着以内に優先出走権が与えられ、アドマイヤマーズを除く4頭が出走(アドマイヤマーズはNHKマイルカップへ)。
第26回青葉賞 GII
- 東京・芝2400mで施行。[3]
- 2着以内に優先出走権が与えられ、いずれも出走。
プリンシパルステークス L
- 東京・芝2000mで施行。天候不順による打ち切りの為、1週順延[4]。
- 1着馬に優先出走権が与えられたが、出走を回避した。
着順
|
競走馬名
|
性齢
|
騎手
|
タイム
|
着差
|
1着
|
ザダル
|
牡3
|
石橋脩
|
1:58.3
|
|
2着
|
エングレーバー
|
牡3
|
川田将雅
|
1:58.3
|
クビ
|
3着
|
ヒシゲッコウ
|
牡3
|
D.レーン
|
1:58.6
|
2馬身
|
その他の主な前哨戦の結果
第67回京都新聞杯 GII[5]
レース前の大方の予想では、ホープフルステークスと皐月賞を勝利しデビュー以来無敗のサートゥルナーリアが「無敗の二冠馬」の称号を手にするものと思われていた[6]。しかし、皐月賞で同馬の鞍上を務めていたクリストフ・ルメールがグランアレグリアに騎乗し出走したNHKマイルカップでの斜行により、3週間の騎乗停止処分を科され、東京優駿での騎乗が不可能となる。代役として短期騎手免許で来日していたダミアン・レーンが起用された[7]。レーンは2017年に地元オーストラリアで開催されているオーストラリアンダービーを制しているが、日本ダービーは今回が初騎乗。更に「ダービーは乗り替わりでは勝てない[8]」というジンクス[9]や、皐月賞2着でライバル筆頭と目されるヴェロックスの追い切りでの好調ぶり[10]がしきりに取り沙汰されるなど、一気に混戦ムードが漂い始めた。
それでも、蓋を開けてみればサートゥルナーリアは単勝オッズ1.6倍と抜けた1番人気に推され、以下、ヴェロックス、共同通信杯勝ち馬のダノンキングリーが単勝オッズ1桁の支持を得た。その他、2018年のホープフルステークス2着のアドマイヤジャスタ、青葉賞勝ち馬リオンリオン、京都新聞杯を勝ったレッドジェニアルらも出走した。
出走馬と枠順
- 2019年5月26日 第2回東京競馬第12日目 第11競走
- 天気:晴、馬場状態:良、発走時刻:15時40分
抽選の結果、収得賞金900万円の競走馬5頭(ヴィント、トーラスジェミニ、ヒルノダカール、ヒーリングマインド、マイネルサーパス)の中からヴィント、マイネルサーパスの2頭が出走可能となった。
パドック
-
1:ロジャーバローズ
-
2:ヴィント
-
3:エメラルファイト
-
4:サトノルークス
-
5:マイネルサーパス
-
6:サートゥルナーリア
-
7:ダノンキングリー
-
8:メイショウテンゲン
-
9:ニシノデイジー
-
10:クラージュゲリエ
-
11:レッドジェニアル
-
12:アドマイヤジャスタ
-
13:ヴェロックス
-
14:ランフォザローゼス
-
15:リオンリオン
-
16:タガノディアマンテ
-
17:ナイママ
-
18:シュヴァルツリーゼ
レース結果
レース内容
スタートは6番のサートゥルナーリアがスタートの出が良くなく、後方からの競馬に。一方で好スタートを切ったのは、ロジャーバローズ、エメラルファイト。ヴェロックス、クラージュゲリエもなかなかのスタートを切った。
押して先頭に立ったのはリオンリオン。2番手にはロジャーバローズがつけた。人気のサートゥルナーリア、ヴェロックス、ダノンキングリーは中団あたりに位置をとった。
向正面では前から4番手にダノンキングリー、中団やや前にヴェロックス、その後ろ3馬身にサートゥルナーリアといった展開になった。
先頭リオンリオンの大逃げは前半1000m57.8秒で通過した。第3コーナーにかけても、依然としてリオンリオンが先頭のままレースは進んだ。
そして迎えた最後の直線。リオンリオンが前で粘るが、残り400mロジャーバローズが早めにそれをかわし先頭に立った。その後ろにダノンキングリーが位置し、大外から二冠を狙うサートゥルナーリアとヴェロックスもやってきた。残り200mでは内からニシノデイジーとランフォザローゼス、クラージュゲリエが迫り、サートゥルナーリアとヴェロックスも伸びず、勝負は完全に内のロジャーバローズとダノンキングリーの2頭の争いとなった。両者一歩も譲らない激しい叩き合いが続き、並んだままほぼ同時にゴールした。
写真判定の末、内のロジャーバローズに軍配が上がった。
一方、無敗で二冠を目指したサートゥルナーリアは、前の2頭の後方で4着に敗れた。
レース着順
着順
|
枠番
|
馬番
|
競走馬名
|
タイム
|
上がり3ハロン
|
着差
|
1
|
1
|
1
|
ロジャーバローズ
|
2:22.6
|
35.1
|
|
2
|
4
|
7
|
ダノンキングリー
|
2:22.6
|
34.5
|
クビ
|
3
|
7
|
13
|
ヴェロックス
|
2:23.0
|
34.3
|
2馬身1/2
|
4
|
3
|
6
|
サートゥルナーリア
|
2:23.1
|
34.1
|
1/2馬身
|
5
|
5
|
9
|
ニシノデイジー
|
2:23.1
|
34.3
|
アタマ
|
6
|
5
|
10
|
クラージュゲリエ
|
2:23.2
|
34.7
|
クビ
|
7
|
7
|
14
|
ランフォザローゼス
|
2:23.2
|
34.4
|
クビ
|
8
|
6
|
11
|
レッドジェニアル
|
2:23.4
|
34.2
|
1馬身1/4
|
9
|
8
|
16
|
タガノディアマンテ
|
2:23.8
|
34.6
|
2馬身1/2
|
10
|
4
|
8
|
メイショウテンゲン
|
2:24.0
|
34.4
|
1馬身
|
11
|
2
|
5
|
マイネルサーパス
|
2:24.2
|
35.8
|
1馬身1/4
|
12
|
2
|
3
|
エメラルファイト
|
2:24.3
|
36.0
|
3/4馬身
|
13
|
8
|
17
|
ナイママ
|
2:24.5
|
35.3
|
1馬身1/4
|
14
|
1
|
2
|
ヴィント
|
2:24.5
|
35.0
|
アタマ
|
15
|
7
|
15
|
リオンリオン
|
2:25.0
|
38.3
|
3馬身
|
16
|
8
|
18
|
シュヴァルツリーゼ
|
2:25.0
|
36.1
|
ハナ
|
17
|
2
|
4
|
サトノルークス
|
2:25.8
|
37.6
|
5馬身
|
18
|
6
|
12
|
アドマイヤジャスタ
|
2:26.9
|
37.4
|
7馬身
|
データ
ハロンタイム
|
12.7-10.7-11.4-11.4-11.6-12.0 12.3-12.4-12.2-12.0-11.9-12.0
|
1000m通過タイム
|
57秒8(リオンリオン)
|
上がり4ハロン
|
48秒1
|
上がり3ハロン
|
35秒9
|
優勝馬上がり3ハロン
|
35秒1(ロジャーバローズ)
|
上がり3ハロン最速
|
34秒1(サートゥルナーリア)
|
払戻
|
馬番/枠番
|
人気
|
金額(円)
|
単勝
|
1
|
12
|
9,310
|
複勝
|
1
|
12
|
930
|
7
|
3
|
210
|
13
|
2
|
190
|
枠連
|
1 - 4
|
18
|
7,150
|
馬連
|
1 - 7
|
23
|
11,200
|
馬単
|
1 → 7
|
66
|
47,090
|
ワイド
|
1 - 7
|
18
|
1,990
|
1 - 13
|
19
|
2,280
|
7 - 13
|
3
|
380
|
3連複
|
1 - 7 - 13
|
30
|
12,050
|
3連単
|
1 → 7 → 13
|
355
|
199,060
|
当日のWIN5
WIN5の発売票数は667万1893票、発売金額は6億6718万9300円であった[11]。
対象順
|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
競走順
|
東京第9競走
|
京都第9競走
|
東京第10競走
|
京都第10競走
|
東京第11競走
|
競走名
|
薫風ステークス
|
御池特別
|
むらさき賞
|
安土城ステークス (L)
|
東京優駿(日本ダービー)(GI)
|
条件
|
ダート1600 m 1600万円以下
|
芝1200 m 1000万円以下
|
芝1800 m 1600万円以下
|
芝外1400 m OP
|
芝2400 m OP
|
単勝人気
|
2番人気
|
9番人気
|
1番人気
|
1番人気
|
12番人気
|
勝利馬 (鞍上)
|
レピアーウィット (ダミアン・レーン)
|
ダイシンバルカン (松若風馬)
|
フランツ (ミルコ・デムーロ)
|
ダイアトニック (北村友一)
|
ロジャーバローズ (浜中俊)
|
馬番
|
10
|
13
|
2
|
7
|
1
|
投票数
|
124万1828票
|
2万7548票
|
7425票
|
2073票
|
16票
|
的中馬番は「10-13-2-7-1」の組み合わせで、的中は16票。配当は2918万9530円[11]。
エピソード
競走にまつわるエピソード
その他
- 当日の来場者数は117,538人、馬券売り上げは2018年と比べて3.7%減の253億759万8300円だった[15]。
テレビ・ラジオ中継
- 本レースのテレビ・ラジオ放送の実況担当者は、以下の通り。
※このうちNHK大坂敏久局員は、この年に名古屋拠点放送局へ異動になった為、本レースが異動前最後の競馬実況となり、中野雷太アナも本レースが最後の日本ダービー実況となった(翌年の第87回は、それぞれ高木修平・小塚歩が担当)。
達成された記録
関連項目
脚注
注釈
出典
- ^
2019年日本ダービーの結果・払戻 netkeibaより 2019年5月28日閲覧。
- ^ 2019年皐月賞の結果・払戻 netkeibaより 2019年5月28日閲覧
- ^ “第26回青葉賞の結果”. netkeiba. 2019年5月28日閲覧。
- ^ “プリンシバルステークス結果”. netkeiba. 2019年5月28日閲覧。
- ^ “京都新聞杯結果”. netkeiba. 2019年5月28日閲覧。
- ^ “【ダービー】サートゥルナーリア、無敗2冠へ”. サンスポZBAT!競馬 (2019年5月20日). 2020年7月24日閲覧。
- ^ “ルメール騎乗停止でダービー、オークスはレーン代役|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 2020年7月24日閲覧。
- ^ 最後に乗り替わりで優勝したのは1985年のシリウスシンボリであり、岡部幸雄から主戦の加藤和宏に戻った格好であった
- ^ 【日本ダービー】乗り替わりでは勝てない! サートゥルナーリア&リオンリオンはこのジンクス破れるか 東京スポーツ、2019年5月22日
- ^ 【東西現場記者走る】ヴェロックス、逆転Vへ攻め抜いた! サンケイスポーツ、2019年5月23日
- ^ a b “【JRA・WIN5】ダービーデーのWIN5は的中16票、配当2918万9530円 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年7月24日閲覧。
- ^ 【ダービー】リオンリオン鞍上・横山武史「プレッシャーない」 - サンスポ 2019年5月22日
- ^ “ダービー馬ロジャーバローズが右前浅屈腱炎で引退、種牡馬入り”. netkeiba.com (2019年8月6日). 2019年8月6日閲覧。
- ^ “netkeibaによるツイート”. Twitter. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “売り上げは3.7%減=日本ダービー”. 時事通信. 2019年5月28日閲覧。
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1930年代 | |
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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