中内田 充正(なかうちだ みつまさ、1978年12月18日 - )は、日本中央競馬会(JRA)・栗東トレーニングセンターに所属する調教師。滋賀県出身。
来歴
実家は滋賀県甲賀市の競走馬育成牧場「信楽牧場」[1][2]
16歳でアイルランドに渡り、J.J.レノン(J.J. Lennon)調教師の下で本格的に競走馬に携わるようになる。それから約10年間、イギリス、フランス、アメリカ合衆国を渡り歩いて調教について学んだ。イギリス時代にはウェストオックスフォードシャーカレッジ(West Oxfordshire College)[注 1]で馬学と経済学を専攻する。同カレッジ在学中にフランスにも渡航し、クリスティア・ヘッド(Christanne Head)調教師の下で研修を積んだ。
卒業後はアメリカに渡り、名門ロバート・フランケル厩舎の調教助手となる。そこで、エンパイアメーカー、メダグリアドーロ、アルデバランといった名馬の背中を知る[7]。
日本で調教師になるために帰国し、2006年9月にJRA競馬学校厩務員過程に入学[8]。卒業後は橋田満厩舎で攻馬専業の調教助手を務め[7]、2011年に調教師試験に合格した[9]。合格後は藤原英昭厩舎、角居勝彦厩舎で厩舎経営について学び、2014年に厩舎を開業した。当時から「異色の国際派」として注目され、「世界の舞台で戦える調教師になりたい」と目標を述べていた[10]。同年4月26日、福島9レースでキクノラフィカが1着となり、JRA初勝利を挙げた[11]。
2016年8月28日の新潟2歳ステークスをヴゼットジョリーで制し、重賞初制覇を飾る[12]。2017年10月15日、京都5レースでフォックスクリークが1着となり、JRA通算100勝を達成。開業から3年7ヶ月15日での通算100勝は、須貝尚介が保持していた3年7ヶ月21日を上回るJRA史上最速記録であった[13]。同年12月17日の朝日杯フューチュリティステークスをダノンプレミアムで制し、開業4年目でGI初制覇を果たした[14]。
2021年には54勝を挙げて初の全国リーディングに輝いた[15]。
2022年2月6日、東京6Rをロールアップで勝利し、JRA通算300勝を達成した。開業から7年11ヶ月6日は池江泰寿の8年2ヶ月27日を上回る現役最速での達成であった[16]。
2023年、リバティアイランドにて牝馬三冠(桜花賞、優駿牝馬、秋華賞)を達成した[17]。
調教師成績
概要
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日付 |
競馬場・開催 |
競走名 |
馬名 |
頭数 |
人気 |
着順
|
初出走 |
2014年3月9日 |
1回阪神4日12R |
4歳上1000万下 |
エスジーブルーム |
16頭 |
5 |
15着
|
初勝利 |
2014年4月26日 |
1回福島5日9R |
4歳上500万下 |
キクノラフィカ |
13頭 |
4 |
1着
|
重賞初出走 |
2014年9月20日 |
4回阪神3日8R |
阪神ジャンプS |
スリーマーゴーン |
13頭 |
7 |
中止
|
重賞初勝利 |
2016年8月28日 |
2回新潟10日11R |
新潟2歳S |
ヴゼットジョリー |
15頭 |
3 |
1着
|
GI初出走 |
2016年10月16日 |
4回京都5日11R |
秋華賞 |
パールコード |
18頭 |
4 |
2着
|
GI初勝利 |
2017年12月17日 |
5回阪神6日11R |
朝日杯FS |
ダノンプレミアム |
16頭 |
1 |
1着
|
年度別成績
中内田充正の年度別成績(netkeiba.com)を参照
表彰歴
主な管理馬
GI級競走優勝馬
※括弧内は当該馬の優勝重賞競走、太字はGI級競走。
グレード制重賞優勝馬
その他
主な厩舎スタッフ
- 大久保秀信(調教助手)
- 猿橋照彦(調教助手)
- 片山裕也(調教助手)
不祥事
2018年3月24日の阪神5レースで3着となった中内田の管理馬ノーブルスピリットから、規制薬物の「デキサメタゾン」が検出された。同薬物は消炎効果を目的とした治療薬であり、馬の福祉および事故防止のために影響下にある馬の出走が禁止されているもので、競走能力向上を目的としたものではない。しかし、日本中央競馬会競馬施行規定第147条第14号に該当するため、過怠金30万円の処分を受けた[24]。
注釈
- ^ 現在の名称はAbingdon and Witney College。中等教育終了後の継続教育(further education)機関であり、高等教育(higher education)機関である大学とは区別される[3][4]。かつて、中内田はマスメディア上で「ウエストオックスフォード大学」出身を公言し、自身の公式サイトにも記載していた。しかし、実際にはそのような名称の大学は存在せず[5]、馬学専攻コースを有する「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」も前述の通り継続教育機関であって大学ではないことから、「学歴詐称」疑惑が持ち上がった。この件に関する週刊アサヒ芸能からの質問状に対し、中内田は「ご指摘ありがとうございます。今後は混乱を招きますので、海外の学歴等に関しましては全カタカナ表記を使うようにします」と回答した。その後、公式サイトの記載も「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」に改められた[6]。
出典
関連項目
外部リンク
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1980年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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三冠 |
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牝馬三冠 |
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★印は三冠競走を単年度で全勝した経験を持つ者(調教師の国枝栄は複数回達成) |