『突撃!パッパラ隊』(とつげき!パッパラたい)は、松沢夏樹による日本の漫画作品。『月刊少年ガンガン』(エニックス)にて、1991年4月号から2000年8月号まで全144話が連載された。単行本はエニックスより全18巻、一迅社より新装版全18巻が刊行されている。
本項目では、1998年に制作された本作品のテレビアニメ、並びに本作品の続編である『逆襲!パッパラ隊』(ぎゃくしゅう!パッパラたい)についても、併せて詳述するものとする。
概要
突撃!パッパラ隊
鉄砲で撃たれても死ぬことのない不死身の主人公・水島は、「死神」と呼ばれ恐れられていた。そんな彼は、最も死に近いとされている「地の果て最前線」「地獄の最強部隊」こと「パッパラ隊」に配属になった。だがその部隊の正体は、実は遊んでばかりのオキラク部隊であった。生真面目な性分からこの隊を嫌う水島だったが、ランコやとびかげ等との出会いもあり、少しずつ現状が変わって行く…訳も無く、今日も彼はランコ達にイジられるのであった。
物語はOPERATION:1からOPERATION:38までが『第1部』、OPERATION:39からOPERATION:108までが『第2部(シュバルツ・ラント編、作者曰く疾風怒濤編)』、OPERATION:109からOPERATION:125までが『第3部(パッパラアカデミー編)』、OPERATION:126からFINAL OPERATIONまでが『第4部(未来編)』と大別され、時期によってギャグの質などにも変化がある。
しっとマスクや少女漫画家志望の隊長など、インパクトのあるキャラクターが続出し、作者自身もスイカ頭のカレー好きとして作中に登場する。
コミックスの冒頭には、「これまでの戦禍!?」として前巻までのあらすじが描かれるが、パッパラ隊が地形が変わるくらいの破壊を巻き起こすため、毎巻違う地形が描かれている。
逆襲!パッパラ隊
一迅社刊『月刊ComicREX』にて、2006年7月号から2011年3月号まで全62+1話が連載された。単行本は全8巻が刊行されている。
前作からはキャラも舞台も一新という体裁を取っている一方、作者の公式サイトでは『突撃!パッパラ隊』の続編であると記載している。時代設定は前作から約200年後であり、同作品におけるパッパラ隊は、スットン強帝国への反乱軍として位置づけられている。前作から引き続き登場するキャラクターは、2009年11月現時点ではとびかげ・しっとマスク・桜花のみだが、メインキャラには前作のキャラと同じ名字の者も多い。
同作品の第6話に登場した、「ほんのおちゃっぴい」から革命闘争によりスットン強帝国を打ち建てた「5人の姉妹」は、前作の最終回に登場した水島とランコの娘達に酷似しているが、その詳細については作中では言及されていない。水島とランコの娘達については、前作終了後にも作者インタビューにおいて、「今後、この続編を描く予定は?」という質問に対して、「もう十分描いたので、もし、描くとしても、パラレルワールドとかですかね。『第2部』からのパラレルワールドで、本編とは違い恋心を抱いてないマーテルが、ミラルカを裏切り、発明品を駆使して、後光院家を乗っ取る話とか描いてみたいですね。あ!そのパラレルワールドの未来とかでもいいですね。女装した水島に惚れて、本編でも使用していた相手を惚れさせる装置で、水島と両思いとなって、本編でも使用していた性別を逆転する薬で、完全に女にした上で、結ばれるとか…ダメですかね?」との構想がある旨を明かしているが、その構想との関連についても2021年現在公式な言及はなされていない。
登場人物
テレビアニメ
1998年10月3日から1999年3月27日まで、テレビ東京系列各局にて、毎週土曜8:00 - 8:30(JST)に全25話が放送された。本来、銃撃戦や過激なノリのギャグが売りの本作品であるが、アニメ化に際してはキー局のテレビ東京の規制との兼ね合いや放送時間帯などを考慮し、内容にも大幅な修正が加えられている。
テレビ東京系列の土曜8時台前半は、1990年代中頃よりテレビ愛知の制作枠として定着していたが、同作品においても引き続き番組制作に参加。同作品終了後も2021年現在に至るまで、同時間帯が子供向け番組枠として位置付けられる契機ともなった。
声の出演
スタッフ
- 原作・キャラクター原案 - 松沢夏樹(エニックス「ガンガンコミックス」刊)
- 監督 - 前島健一
- 監修 - 出崎哲
- シリーズ構成 - 小出一巳、末永光代
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 小林ゆかり
- メカデザイン - うみこなみ
- 美術監督 - 脇威志
- 美術設定 - 佐藤正浩
- 色彩設定 - 小林恵
- 撮影監督 - 神山茂男
- 編集 - 船見康恵、伊東東平
- 音響監督 -肝付兼太、藤山房伸(第1話〜第5話)、山田太平(第6話〜)
- 音響演出 - 藤山房伸(第21話)
- 選曲 - 東上別符精
- 音響プロデューサー - 山田太平
- 音響制作 - ムービーテレビジョン(現・ブロードメディア)
- 音楽 - 増田隆宣
- 音楽プロデューサー - 宮住俊介
- 企画:柳沢隆行、谷田貝亘介
- 企画協力:日本経済広告社
- プロデューサー - 沖本行克、出崎哲、菅野哲夫
- アニメーション制作プロデューサー - 松崎義之
- 制作 - テレビ愛知、SOFTX、マジックバス
主題歌
- オープニングテーマ「ギザギザMAKE A MOTION」
- 作詞・作曲 - 永井真人 / 編曲 - 増田隆宣 / 歌 - Misty(ソニーレコード)
- エンディングテーマ「Wanna Wanna」
- 作詞 - 藤林聖子 / 作曲・編曲 - 永井真人 / 歌 - Misty(ソニーレコード)
各話リスト
話 |
放送日 |
サブタイトル |
脚本 |
絵コンテ |
演出 |
作画監督 |
収録VHS
|
1 |
1998年 10月3日 |
不死身のアイツにダイナマイトでおちゃっぴー♡ |
小出一巳 末永光代 |
前島健一 |
真野玲 |
小林ゆかり |
VOL.1
|
2 |
10月10日 |
スットン・マフィアに愛のトラップを♡ |
市川卓 |
青木雄三 |
伊達勇登 |
阿部和彦
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3 |
10月17日 |
なまいき女隊長は恋のライバル♡ |
小出一巳 末永光代 |
前島健一 |
酒井伸次 |
森中正春
|
4 |
10月24日 |
渚のハイカラ将軍は美女がお好き♡ |
土屋理敬 |
御厨恭輔 |
李鐘玄
|
5 |
10月31日 |
セーラー美少女は十万馬力の恋がたき♡ |
岡嶋国敏 |
下坂英男 |
VOL.2
|
6 |
11月7日 |
乙女の戦い! 花の都で大決戦♡ |
植田浩二 |
四分一節子 |
熨斗谷充孝 |
竹上貴雄
|
7 |
11月14日 |
非情の罠! ドラグネットは破滅の使者♡ |
日色如夏 |
八凪哲
|
8 |
11月21日 |
美人お姉さんは恐怖の訪問者♡ |
末永光代 |
えがみきよし |
酒井伸次 |
森中正春
|
9 |
11月28日 |
とびかげちゃんは秘密がいっぱいデンジャラス♡ + 白鳥沢の野望 |
近藤真智子 |
高橋滋春 |
花井信也 |
VOL.3
|
10 |
12月5日 |
ランコちゃんのキケンでパニック里帰り♡ |
末永光代 |
岡嶋国敏 |
小田仁
|
11 |
12月12日 |
ドラグネットの逆襲! パッパラ祭は嵐の予感!? |
市川卓 |
えがみきよし |
土屋浩幸 |
大坪雪麿
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12 |
12月19日 |
クリスマスの秘密指令はハッピー・デート♡ |
土屋理敬 |
青木雄三 |
熨斗谷充孝 |
鈴木伸一
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13 |
12月26日 |
水島クンはキュートで華麗なプリティ・ウーマン♡ |
市川卓 |
小田原男 |
高橋滋春 |
森中正春 |
VOL.4
|
14 |
1999年 1月9日 |
気まぐれお嬢様は宇宙よりの使者♡ |
植田浩二 |
富永恒雄 |
花井信也
|
15 |
1月16日 |
トライアングル・デートはWanna Wanna[ワナワナ]ジェラシー・エモーション♡ |
日色如夏 |
八凪哲
|
16 |
1月23日 |
真冬の怪談!? ホラー・ハウスでスリルな一夜を♡ |
土屋理敬 |
岡嶋国敏 |
小田仁
|
17 |
1月30日 |
ドラグネット最終指令! 狙われた花嫁♡ |
市川卓 |
えがみきよし |
土屋浩幸 |
大坪幸麿 |
VOL.5
|
18 |
2月6日 |
恋のラビリンスはクラッシュハートなデンジャーゾーン♡ |
植田浩二 |
高橋滋春 |
鈴木伸一
|
19 |
2月13日 |
愛のカウントダウン! バレンタインは危機100発♡ |
市川卓 |
日色如夏 |
八凪哲
|
20 |
2月20日 |
神秘の海でみんなで人魚でおちゃっぴー♡ |
土屋理敬 |
青木雄三 |
花井信也 |
森中正春
|
21 |
2月27日 |
乙女の戦いPART2 海の孤島で灼熱バトル♡ |
植田浩二 |
えがみきよし |
熨斗谷充孝 |
小林ゆかり |
VOL.6
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22 |
3月6日 |
さよならマイちゃん!? ウイルスバスターズでミクロの大追跡♡ |
土屋理敬 |
小田原男 |
前島健一 |
小柴さくら 山本径子
|
23 |
3月13日 |
湯けむり美人いずみちゃんキッスで温泉バトル♡ |
市川卓 |
岡嶋国敏 |
土屋浩幸 |
柳瀬雄之
|
24 |
3月20日 |
ランコVS水島 愛と哀しみの最終決戦ラスト・バトル!? |
植田浩二 |
高橋滋春 |
八凪哲
|
25 |
3月27日 |
地球消滅!? 愛と別れのカウントダウン! |
土屋理敬 |
前島健一 |
小林ゆかり
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ドラマCD
- スタッフ
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- 原作 - 松沢夏樹
- 脚本 - 山下久仁明
- 演出 - 早瀬博雪
- 音楽 - 水野久興
- 声の出演
-
ゲームソフト
- 突撃!パッパラ隊
- J・ウイングより2000年3月9日に発売されたゲームボーイ用ソフト。シューティングゲームのミニゲーム集となっている。
- 原作では構成や独特の間で評価を受けていたギャグは、同作品ではゲーム内に安易な転載をされたため真価が発揮できておらず、自キャラが大きすぎて敵弾を避けづらいなど大味なゲームバランスとなっている。さらに笑っている表情で怒ったセリフが出されるなど、セリフと表情がシンクできていない。以上の問題点から「ダメキャラゲー」という評価を受けている[1]。
脚注
- ^ 株式会社QBQ編 『ゲームボーイクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2017年。ISBN 9784865117790 p46