東新宿駅 (ひがししんじゅくえき)は、東京都 新宿区 新宿 七丁目にある、東京都交通局 (都営地下鉄 )・東京地下鉄 (東京メトロ)の駅 である。
概要
都営地下鉄の大江戸線 と、東京メトロの副都心線 が乗り入れ、接続駅となっている。駅番号 は、大江戸線がE 02 、副都心線がF 12 。
2000年 (平成 12年)12月に大江戸線の駅として開設。駅の機構はほとんどが新宿七丁目に含まれるが、一部は新宿六丁目(駅東南)、大久保 一丁目(駅北西)、歌舞伎町 二丁目(駅南西)にもまたがる。もともと駅周辺は地盤の良い地域でもあり、駅開設後、新宿七丁目を中心にマンション の造成が進み、閑静な住宅地が形成されるにつれて駅の利用者数が増加し、2008年 (平成20年)6月の副都心線開通後も高い利用者増加率を見せ続けている。
その後三菱地所 による「新宿イーストサイド」再開発計画により、2012年 (平成24年)4月には商業・ビジネス複合型のオフィスビル「新宿イーストサイドスクエア 」が駅直結で建設され[2] 、外構空間も40%が緑化され[3] 、周辺地域と一体化した回遊性の高いランドスケープを形成している。イーストサイド南側には、地上32階・地下1階・高さ111.7m・総戸数761戸のタワーマンションなど、複数のマンションも建設されている。
また、住宅街の広がる駅東側の新宿七丁目では、2011年 (平成23年)に「新宿ここ・から広場」が整備され新宿区民の生活交流施設が集積し[4] 、2014年 (平成26年)には新宿区と新宿区医師会が連携した保健医療施設である東新宿保健センター・新宿区医師会区民健康センター(災害医療救護支援センター)が開設されるなど[5] 、区民向けのインフラも整備されている。
歴史
開業前の仮名称は都営大江戸線の駅が「西大久保」であった[注 1] 、副都心線は「新宿七丁目」であった[6] 。
駅構造
副都心線1番線(現2番線)ホーム(2008年6月)
副都心線2番線(現4番線)ホーム(2009年6月)
駅は武蔵野台地 の東端、豊島台に位置し、上位から関東ローム層 、段丘礫層、東京層、上層層群に覆われており、粘性土は硬く、砂質土も極めて締まった状態である[11] 。駅周辺の表層地盤増幅率 も低い[注 2] 。
都営地下鉄
島式ホーム 1面2線を有する地下3層(一部2層)の地下駅 。新宿七丁目交差点を中心に、職安通り・抜弁天通り の直下に位置する。ホーム長137m、幅8m、深さは18.3mで大江戸線平均 (22.3m) よりも浅く[12] 、開削工法で築造された[13] 。
大江戸線は、公募プロポーザル方式により各駅で異なる建築家が設計しており[14] 、東新宿駅はマナベ建築設計事務所が手がけている。駅のデザインのキーワードは「光」と「斜光」で、地下空間に地上の自然光を演出している。「ゆとりの空間」には、渡辺豊重 作の「あすをあなたに (TOMORROW FOR YOU)」が置かれている。
のりば
(出典:都営地下鉄:駅構内図 )
東京メトロ
明治通り の直下、新宿七丁目交差点と大久保二丁目交差点の間に位置する。上下2層式、各層に島式ホーム1面2線を有する2面4線の構造である。ホームの位置は上層(地下5階)が渋谷方面、下層(地下6階)が池袋方面となる。上下2層に分けられた理由は、同一階層で2面4線の構造にすると明治通りの道幅に収まらなくなるためである[11] 。新たに建設された副都心線の池袋 - 渋谷間では最も深い駅に該当する[16] 。駅中心部における地表からレール面までの深さはB線(池袋方面)は35.4m 、A線(渋谷方面)は29.2 mとなり、東京メトロ全駅では4番目に深い駅(B線ホーム)に該当する[16] 。
駅の北側(大久保通り との交差部分)は、電力などのライフラインが多く埋設されていることから非開削(パイプルーフ工法)で建設されており、そのため地上への出入口が駅の中央と南側(新宿七丁目側)に位置しており、駅北端の大久保通り 沿いにはエレベーターのみが設置されている[17] 。大江戸線との連絡通路も駅南端に位置する[17] 。
駅のデザイン・コンセプトは「つつじ 」と「アクティブ」であり、ステーションカラーにはつつじの薄紅が採用され、ホームの壁面やベンチのデザインにもつつじの花が使われている[18] 。かつて駅にほど近い地区が「つつじの里」(鉄炮組百人隊の武士 たちが内職でつつじを栽培していた)として知られており、現在は、「商業地域であると同時に、住宅地でもあり、多種多様な地域性が融合し、活気に満ちている(アクティブ)地域性」[19] から、設定されたものである。地下4階では中山ダイスケ の作品「新宿躑躅」を見ることができる[20] 。
当駅では優等列車 の追い抜きが行われており、当初は、ホームドア が待避線側にのみ設置され、通過線側には壁が設置されていた。よって、優等列車の待避の有無に関係なく、当駅に停車する列車はすべて待避線側に入線していた。ただし、通過線側の壁は一部が開閉可能な構造になっており、異常時には通過線側からも乗客がホームに脱出できる構造とされていた[21] 。この通過線側の壁は、平成27年度事業計画で、交互発着 機能の付加により遅延対策を図るとされ[22] 、2015年5月末までに撤去され、現在のホームドアが設置された。2015年5月30日より、通過線側のホームも供用開始されたことで、各方面とも1面だったホームが各2面に拡大し、スムーズな運行による安定輸送の向上が図られることになった[10] 。
のりば
(出典:東京メトロ:構内図 )
8両編成の列車は、各ホームとも進行方向前寄りに停車する。
1・3番線が主本線、2・4番線が待避線である。主本線は両線とも進行方向左側(車両の右側のドアが開く)、待避線は同右側(左側のドアが開く)にあり、そのためA線では東から1番線・2番線となっているのに対し、B線では東から4番線・3番線となっている。
発車メロディ
開業当初からスイッチ 制作の発車メロディ (発車サイン音)を使用している[24] [25] 。
利用状況
開業以来、利用者数は増加を続けており、副都心線開通後も、都営地下鉄・東京メトロともに利用者数の大幅な増加が続いている。
都営地下鉄 - 2022年度の1日平均乗降人員 は31,429人 (乗車人員 :15,848人、降車人員 :15,581人)である[都交 1] 。
開業当初の乗車人員の見込みは18,000人であったが[26] 、1日平均乗降人員は2008年度が18,231人、副都心線開通で乗換駅となった2009年度が19,550人に増加しているなど、近年は増加傾向にある。
東京メトロ - 2023年度の1日平均乗降人員は39,476人 である[メトロ 1] 。
東京メトロ全130駅中88位。そして、東京メトロにおける1日平均乗降人員も2009年度は16,152人(前年度比19.8% 増)、2010年度は18,375人(前年度比13.8%増)となり、東京メトロ全駅で最も高い増加率を見せている。ただし、副都心線内で地下鉄同士の接続のある駅の中では最少。
年度別1日平均乗降人員
開業以降の1日平均乗降 人員は下表の通りである。
年度別1日平均乗降人員[乗降データ 1] [乗降データ 2]
年度
都営地下鉄
東京メトロ
1日平均 乗降人員
増加率
1日平均 乗降人員
増加率
2003年(平成15年)
12,761
5.3%
未開業
2004年(平成16年)
13,323
4.4%
2005年(平成17年)
13,892
4.3%
2006年(平成18年)
14,523
4.5%
2007年(平成19年)
15,915
9.6%
2008年(平成20年)
18,231
14.6%
13,485
2009年(平成21年)
19,550
7.2%
16,160
19.8%
2010年(平成22年)
20,631
5.5%
18,381
13.8%
2011年(平成23年)
21,552
4.5%
20,188
9.8%
2012年(平成24年)
25,063
16.3%
23,763
17.7%
2013年(平成25年)
29,922
19.4%
29,764
25.3%
2014年(平成26年)
34,887
16.6%
34,871
17.2%
2015年(平成27年)
38,055
9.1%
37,948
8.8%
2016年(平成28年)
39,820
4.6%
39,657
4.5%
2017年(平成29年)
41,560
4.4%
41,695
5.1%
2018年(平成30年)
42,629
2.6%
43,497
4.3%
2019年(令和元年)
42,014
−1.4%
43,747
0.6%
2020年(令和0 2年)
[都交 2] 27,925
−33.5%
[メトロ 2] 29,092
−33.5%
2021年(令和0 3年)
[都交 3] 28,280
1.3%
[メトロ 3] 30,139
3.6%
2022年(令和0 4年)
[都交 1] 31,429
11.%
[メトロ 4] 35,204
16.8%
2023年(令和0 5年)
[メトロ 1] 39,476
12.1%
年度別1日平均乗車人員
開業以降の1日平均乗車 人員 は下表の通りである。
年度別1日平均乗車人員[乗降データ 2]
年度
都営地下鉄
東京メトロ
出典
2000年(平成12年)
[備考 1] 3,973
未開業
[東京都統計 1]
2001年(平成13年)
5,170
[東京都統計 2]
2002年(平成14年)
6,047
[東京都統計 3]
2003年(平成15年)
6,383
[東京都統計 4]
2004年(平成16年)
6,687
[東京都統計 5]
2005年(平成17年)
6,975
[東京都統計 6]
2006年(平成18年)
7,310
[東京都統計 7]
2007年(平成19年)
8,112
[東京都統計 8]
2008年(平成20年)
9,296
[備考 2] 6,773
[東京都統計 9]
2009年(平成21年)
9,977
8,175
[東京都統計 10]
2010年(平成22年)
10,503
9,238
[東京都統計 11]
2011年(平成23年)
11,019
10,186
[東京都統計 12]
2012年(平成24年)
12,753
11,926
[東京都統計 13]
2013年(平成25年)
15,197
15,012
[東京都統計 14]
2014年(平成26年)
17,707
17,622
[東京都統計 15]
2015年(平成27年)
19,314
19,172
[東京都統計 16]
2016年(平成28年)
20,212
20,030
[東京都統計 17]
2017年(平成29年)
21,082
21,096
[東京都統計 18]
2018年(平成30年)
21,526
22,038
[東京都統計 19]
2019年(令和元年)
21,223
22,008
[東京都統計 20]
2020年(令和0 2年)
[都交 2] 13,997
2021年(令和0 3年)
[都交 3] 14,189
2022年(令和0 4年)
[都交 1] 15,848
備考
^ 2000年12月12日開業。開業日から翌年3月31日までの計110日間を集計したデータ。
^ 2008年6月14日開業。開業日から翌年3月31日までの計291日間を集計したデータ。
駅周辺
駅近辺は比較的閑静であり、周辺は中高層マンション が多く立地するが、明治通り沿いを中心に老舗ライブハウスが軒を連ねたり、少し歩けば昔ながらの商店街も広がる[19] 。2007年に策定された新宿区マスタープランでは、東新宿駅が「生活交流の心」と位置づけられ、「生活者にとって利便性の高い魅力ある地域の新たな拠点となるよう」駅周辺の整備が進められている[27] 。また、駅の上を走る明治通りでは、街路樹の配置や沿道の建築物の緑化が進められている[27] 。
駅出入口
大江戸線開業時に設置されたA系出入口と(A3を除く)、副都心線開業時に設置されたB系出入口がある。また、明治通り沿いならびにA2出入口周辺に路上駐輪場が設けられている(定期278台、時間利用19台)[28] 。
A1出入口
A1出入口周辺
大江戸線開業時に開設。歌舞伎町二丁目の北東端に位置し、職安通り に接している。日清食品ホールディングス 東京本社などの商業地区に通じている。エスカレータ(上り)設置。
A2出入口
マンションが多く立地するA2出入口
大江戸線開業時に開設。住宅街の広がる新宿七丁目の西南端に位置し、抜弁天通り に接している。エスカレータ(上り)、大江戸線改札階行きエレベータ併設。新宿七丁目は島田久左衛門 が開設した久左衛門坂、江戸の情緒を醸し出す石段の梯子坂、尾張藩 戸山屋敷の椎の木が覆っていた椎木坂や寺社などもあり[29] 、新宿区都市マスタープランでは情緒ある街並みを活かした景観づくりが謳われている[30] 。2014年6月には新宿区と新宿区医師会が連携した保健医療施設(東新宿保健センター・新宿区医師会区民健康センター)も開設されている。
クリオ 東新宿壱番館
東新宿保健センター・新宿区医師会区民健康センター(新宿区医師会館)
東京社会保険協会 フィオーレ健診クリニック
抜弁天 通り
文化センター 通り
A3出入口
A3出入口サンクンガーデン
2012年 (平成 24年)4月27日 に新設[31] 。新宿七丁目と接する新宿六丁目の北端に位置しており、ショップ&レストランが軒を連ねるサンクンガーデンを介して新宿イーストサイドスクエアと直結している。エスカレーター(上り)、エレベーター設置。
B1出入口
副都心線開業時に新設。大久保一丁目の東端に位置し、明治通り に接している。戸山 からも近く、大久保通りと明治通りの交差点付近にはエレベーター専用出入口も設置されている[17] 。駅北西部の徒歩圏内には新大久保のコリア・タウン がある。
B2出入口
副都心線開業時に新設。新宿 七丁目の西端に位置し、明治通りに接している。エスカレータ(上り)、副都心線改札階行きエレベータ設置。
新宿ここ・から広場
子ども総合センター
新宿区勤労者・仕事支援センター
新宿区シルバー人材センター
多目的運動広場、農業体験の場
相鉄フレッサイン 東新宿駅前(A2出入口からも至近)
アパホテル 東新宿駅前(A1出入口からも至近)
バス路線
都営バス
東新宿駅前3番のりば
新宿七丁目交差点周辺に東京都交通局 の東新宿駅前 停留所が設置されており、以下の路線が発着する[32] 。駅開業前日(2000年12月11日)までは「大久保一丁目」、1978年7月までは「西大久保一丁目」の名称であった。
1番のりば
交差点南側、明治通りの北行き車線に設置されている。新宿方面から来て北へ向かう路線が使用する。
2番のりば
交差点南側、明治通りの南行き車線(1番のりばの反対側)に設置されている。北から来て新宿方面へ向かう路線が使用する。
3番のりば
交差点東側、抜弁天通りの東行き車線に設置されている。抜弁天通りを東へ向かう路線が使用する。
4番のりば
交差点北側、明治通りの北行き車線に設置されている。1番のりばに停車するバスは4番のりばを使用せず通過する。
その他
東京空港交通
リムジンバス :東新宿駅前 - 新宿駅 - 羽田空港
2014年10月26日に運行開始[33] 。羽田空港行きが午前3時台に1本、東新宿駅行きが午前1~2時台にかけて3本運行されている[34] 。
K-Shuttle
隣の駅
東京都交通局(都営地下鉄)
都営大江戸線
新宿西口駅 (E 01) - 東新宿駅 (E 02) - 若松河田駅 (E 03)
東京地下鉄(東京メトロ)
副都心線
■ 急行・■ 通勤急行
通過
■ 各駅停車
西早稲田駅 (F 11) - 東新宿駅 (F 12) - 新宿三丁目駅 (F 13)
脚注
注釈
出典
利用状況に関する出典
地下鉄の統計データ
東京都交通局 各駅乗降人員
東京メトロ 各駅乗降人員
東京都統計年鑑
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
東新宿駅 に関連するカテゴリがあります。
外部リンク