バロンドール
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この項目では、男子のバロンドールについて説明しています。女子のバロンドールについては「女子バロンドール」をご覧ください。 |
バロンドール(仏: Ballon d'Or)は、1956年にフランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール」が創設した世界年間最優秀選手に贈られる賞である。設立当初から長年、欧州の選手のみが選考対象であったが、2007年から対象者が全世界に拡大した[1]。"Ballon d'Or"はフランス語で「黄金の球」という意味で、受賞者には金色のサッカーボールを模したトロフィーが贈られる。
2010年度より、それまでFIFAが選出していたFIFA最優秀選手賞と統合されFIFAバロンドールとして表彰されるようになったが[2]、2016年をもってFIFAとのパートナーシップを解消し、同年より独自表彰が復活した。フランス・フットボールはFIFAバロンドール受賞者をバロンドール受賞者リストに含めていた。最多受賞者はリオネル・メッシ(8回)である[3]。
概要
サッカー選手において最も名誉ある個人賞と目されている。「フランス・フットボール」が選定した候補者の中から、サッカー記者の投票で受賞者が決定する。元々は欧州国籍の選手のみが授賞対象であり、投票も欧州52ヶ国のサッカー記者によって行なわれていた。1995年からUEFAに加盟するクラブチームでプレーをしていれば国籍を問われないようになり、2007年からは選考対象を全世界でプレーする選手に拡大される事が発表された[4]。これに伴い欧州以外のサッカー記者も選考に加わる事となったため、前年までよりも有効投票数が大幅に増えている。2019年には、176の国・地域から1名ずつの176名の投票によって受賞者を決定した。
最多受賞者はリオネル・メッシ(2009年・2010年・2011年・2012年・2015年・2019年・2021年・2023年)で8回受賞している。受賞者はリベリア出身のジョージ・ウェア(1995年)を除いて、全員が欧州と南米出身である。アジア出身の選手ではソン・フンミンが2022年に、アジア出身として最高位の11位にランクインした。日本人の選手は得票ポイントを獲得したことは無いが、過去に中田英寿(1998年・1999年・2001年)、稲本潤一(2002年)、中村俊輔(2007年)の3人がノミネートされている。また、2022年までは受賞者全員が欧州のクラブに所属していたが、2023年にインテル・マイアミCF (アメリカ) に所属するリオネル・メッシが受賞したことで史上初めて、欧州以外のクラブに所属している選手が受賞した。
GKやDF、守備的なMFのような守備の選手よりも攻撃的なMFやFWのような攻撃の選手が受賞していることが多い。そのためDFの受賞者はフランツ・ベッケンバウアー(1972年・1976年)、マティアス・ザマー(1996年)、ファビオ・カンナバーロ(2006年)の3人のみで[5]、GKの受賞者はレフ・ヤシン(1963年)ただ1人である。
2019-20シーズンは新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、各国リーグや主要大会が従来の日程通りに実施されなかったことから、公正な選考が不可能であるとして、初の表彰中止となった。
受賞者
受賞回数
選手別
選手 |
受賞 |
2位 |
3位 |
計
|
リオネル・メッシ |
8 (2009,2010,2011,2012,2015,2019,2021,2023) |
5 (2008,2013,2014,2016,2017) |
1 (2007) |
14
|
クリスティアーノ・ロナウド |
5 (2008,2013,2014,2016,2017) |
6 (2007,2009,2011,2012,2015,2018) |
1 (2019) |
12
|
ミシェル・プラティニ |
3 (1983,1984,1985) |
|
2 (1977,1980) |
5
|
ヨハン・クライフ |
3 (1971,1973,1974) |
|
1 (1975) |
4
|
マルコ・ファン・バステン |
3 (1988,1989,1992) |
|
|
3
|
フランツ・ベッケンバウアー |
2 (1972,1976) |
2 (1974,1975) |
1 (1966) |
5
|
ロナウド |
2 (1997,2002) |
1 (1996) |
1 (1998) |
4
|
アルフレッド・ディ・ステファノ |
2 (1957,1959) |
1 (1956) |
|
3
|
ケビン・キーガン |
2 (1978,1979) |
1 (1977) |
|
3
|
カール=ハインツ・ルンメニゲ |
2 (1980,1981) |
1 (1979) |
|
3
|
ルイス・スアレス |
1 (1960) |
2 (1961,1964) |
1 (1965) |
4
|
エウゼビオ |
1 (1965) |
2 (1962,1966) |
|
3
|
ボビー・チャールトン |
1 (1966) |
2 (1967,1968) |
|
3
|
レイモン・コパ |
1 (1958) |
1 (1959) |
2 (1956,1957) |
4
|
ゲルト・ミュラー |
1 (1970) |
1 (1972) |
2 (1969,1973) |
4
|
ジネディーヌ・ジダン |
1 (1998) |
1 (2000) |
1 (1997) |
3
|
ジャンニ・リベラ |
1 (1969) |
1 (1963) |
|
2
|
ルート・フリット |
1 (1987) |
1 (1988) |
|
2
|
ローター・マテウス |
1 (1990) |
1 (1991) |
|
2
|
ロベルト・バッジョ |
1 (1993) |
1 (1994) |
|
2
|
フリスト・ストイチコフ |
1 (1994) |
1 (1992) |
|
2
|
アンドリー・シェフチェンコ |
1 (2004) |
|
2 (1999,2000) |
3
|
ジョージ・ベスト |
1 (1968) |
|
1 (1971) |
2
|
アラン・シモンセン |
1 (1977) |
|
1 (1983) |
2
|
ロナウジーニョ |
1 (2005) |
|
1 (2004) |
2
|
アルベルト・フローリアーン |
1 (1967) |
|
|
1
|
ジャン=ピエール・パパン |
1 (1991) |
|
|
1
|
ジョージ・ウェア |
1 (1995) |
|
|
1
|
マティアス・ザマー |
1 (1996) |
|
|
1
|
リバウド |
1 (1999) |
|
|
1
|
ルイス・フィーゴ |
1 (2000) |
|
|
1
|
マイケル・オーウェン |
1 (2001) |
|
|
1
|
パベル・ネドベド |
1 (2003) |
|
|
1
|
ファビオ・カンナヴァーロ |
1 (2006) |
|
|
1
|
カカ |
1 (2007) |
|
|
1
|
ルカ・モドリッチ |
1 (2018) |
|
|
1
|
カリム・ベンゼマ |
1 (2022) |
|
|
1
|
国籍別
国籍 |
人数 |
回数 |
受賞年度
|
アルゼンチン |
1 |
8 |
2009,2010,2011,2012,2015,2019,2021,2023
|
ドイツ |
5 |
7 |
1970,1972,1976,1980,1981,1990,1996
|
フランス |
5 |
7 |
1958,1983,1984,1985,1991,1998,2022
|
オランダ |
3 |
7 |
1971,1973,1974,1987,1988,1989,1992
|
ポルトガル |
3 |
7 |
1965,2000,2008,2013,2014,2016,2017
|
イタリア |
5 |
5 |
1961,1969,1982,1993,2006
|
イングランド |
4 |
5 |
1956,1966,1978,1979,2001
|
ブラジル |
4 |
5 |
1997,1999,2002,2005,2007
|
ソビエト連邦 |
3 |
3 |
1963,1975,1986
|
スペイン |
2 |
3 |
1957,1959,1960
|
チェコ |
2 |
2 |
1962,2003
|
スコットランド |
1 |
1 |
1964
|
ハンガリー |
1 |
1 |
1967
|
北アイルランド |
1 |
1 |
1968
|
デンマーク |
1 |
1 |
1977
|
ブルガリア |
1 |
1 |
1994
|
リベリア |
1 |
1 |
1995
|
ウクライナ |
1 |
1 |
2004
|
クロアチア |
1 |
1 |
2018
|
クラブ別
クラブ |
人数 |
回数 |
受賞年度
|
レアル・マドリード |
8 |
12 |
1957,1958,1959,2000,2002,2006,2013,2014,2016,2017,2018,2022
|
バルセロナ |
6 |
12 |
1960,1973,1974,1994,1999,2005,2009,2010,2011,2012,2015,2019
|
ユヴェントス |
6 |
8 |
1961,1982,1983,1984,1985,1993,1998,2003
|
ACミラン |
6 |
8 |
1969,1987,1988,1989,1992,1995,2004,2007
|
バイエルン・ミュンヘン |
3 |
5 |
1970,1972,1976,1980,1981
|
マンチェスター・ユナイテッド |
4 |
4 |
1964,1966,1968,2008
|
ディナモ・キエフ |
2 |
2 |
1975,1986
|
インテル |
2 |
2 |
1990,1997
|
ハンブルガーSV |
1 |
2 |
1978,1979
|
ブラックプール |
1 |
1 |
1956
|
ドゥクラ・プラハ |
1 |
1 |
1962
|
ディナモ・モスクワ |
1 |
1 |
1963
|
ベンフィカ |
1 |
1 |
1965
|
フェレンツヴァーロシュ |
1 |
1 |
1967
|
アヤックス |
1 |
1 |
1971
|
ボルシアMG |
1 |
1 |
1977
|
マルセイユ |
1 |
1 |
1991
|
ドルトムント |
1 |
1 |
1996
|
リヴァプール |
1 |
1 |
2001
|
パリ・サンジェルマン |
1 |
1 |
2021
|
インテル・マイアミ |
1 |
1 |
2023
|
クラブ所在国別
国・地域名 |
人数 |
回数 |
受賞年度
|
スペイン |
14 |
24 |
1957,1958,1959,1960,1973,1974,1994,1999,2000,2002,2005,2006,2009,2010,2011,2012,2013,2014,2015,2016,2017,2018,2019,2022
|
イタリア |
14 |
18 |
1961,1969,1982,1983,1984,1985,1987,1988,1989,1990,1992,1993,1995,1997,1998,2003,2004,2007
|
ドイツ |
6 |
9 |
1970,1972,1976,1977,1978,1979,1980,1981,1996
|
イングランド |
6 |
6 |
1956,1964,1966,1968,2001,2008
|
ウクライナ |
2 |
2 |
1975,1986
|
フランス |
2 |
2 |
1991,2021
|
チェコ |
1 |
1 |
1962
|
ロシア |
1 |
1 |
1963
|
ポルトガル |
1 |
1 |
1965
|
ハンガリー |
1 |
1 |
1967
|
オランダ |
1 |
1 |
1971
|
アメリカ合衆国 |
1 |
1 |
2023
|
追加の賞
バロンドールが60周年を迎えた2016年、フランス・フットボールは欧州の選手だけが受賞資格のあった1995年度以前の賞の再評価を発表した。この期間中の39回のバロンドールのうち12回は南米の選手に授与されたはずだとして、ペレ、ディエゴ・マラドーナ、ガリンシャ、マリオ・ケンペス、ロマーリオは遡及的に受賞価値のある選手として認められた。 ただし、元の受賞者は変更されない[7]。
バロンドール・ドリームチーム
フランス・フットボールは2020年、新型コロナウイルス感染症の影響により例年通り試合が行われていないことから、同年のバロンドールを中止し、その代わりに歴代ベストイレブンのバロンドール・ドリームチームを発表した[8]。各ポジション別に計11名の選手がノミネートされ、世界各国のジャーナリストの投票によって選出された[9]。
派生
脚注
関連項目
外部リンク
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- FIFA : ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズ, FIFAバロンドール, 最優秀選手賞, プスカシュ賞, フェアプレー賞, 会長賞, 功労賞, FIFA 100, 20世紀のクラブ, ワールドカップにおける賞, FIFPro
| 世界 | |
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アジア | |
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アフリカ | |
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北中米カリブ海 | |
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南米 | |
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オセアニア | |
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欧州 | |
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その他 | |
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