ONE PIECEの用語一覧(ワンピースのようごいちらん)では、尾田栄一郎の漫画『ONE PIECE』の用語について解説する。
物語の主軸となる、海上や島々で略奪などを主に行う集団。主に髑髏を模した海賊旗を掲げている。民間人から金品や食料、領地などを略奪する者が大多数であることから、各国の民間人や治安組織はもとより、世界政府や海軍とも敵対している。海賊同士も敵対関係にあるが、自身の海賊団を率いながら他の海賊団に傘下として加入する場合や、共通の目的のために海賊団同士で同盟を結ぶ場合もある。
大海賊時代以降は世界中の海賊たちが「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」と「海賊王」の座を狙って「偉大なる航路」を目指すようになった。このため「偉大なる航路」が「海賊の墓場」と言われる一方で、その「偉大なる航路」には世界中の指折りの海賊たちが集まり、そこに存在する多くの国や島に多大な被害を与えている。一部の海賊は特定の島を自身のナワバリとして支配しており、特に四皇や七武海など新世界の大物海賊はナワバリと共に無数の部下を引き連れており、巨大な犯罪組織を形成している。ロー曰くこれまでの海賊団とは規模が異なり、一海賊団が挑んでも船長の顔すら拝めないという。
一口に海賊と言ってもそのタイプは様々で、少数精鋭の海賊団(例:麦わらの一味、ハートの海賊団)、多くの傘下や部下を従える海賊団(例:クリーク海賊団、白ひげ海賊団、ビッグ・マム海賊団、百獣海賊団)、巨大な犯罪組織を形成している海賊団(例:ドンキホーテファミリー、バロックワークス)、人間以外の種族で構成された海賊団(例:タイヨウの海賊団、巨兵海賊団)、政府に(名目上)協力する「王下七武海[注 1]」、新世界に皇帝の如く君臨する4人の大海賊「四皇」などが存在する。また、新進気鋭の海賊は「ルーキー」と呼ばれる事があるほか、海賊の中には「海賊王」ロジャーを始め、「冥王」レイリーや「白ひげ」、「金獅子のシキ」など本人の生死を問わず伝説と語られる者もいる。
作中の世界をまとめる巨大な国際組織。800年前に、ジョイボーイに勝利した20の国の王達(最初の20人)によって創設された。本部は赤い土の大陸の頂上「聖地」マリージョアにある。最高権力者は「虚の玉座」に座るイムであるが、一般的にその存在は伏せられている。その下に表向きの最高権力者にあたる天竜人の最高位である5人の老人「五老星(ごろうせい)」が置かれており、さらにその下には海軍・サイファーポールなどを統括する立場の「世界政府全軍総帥」が存在する。役人たちは、身に付けているスーツ、ネクタイ、帽子が全て黒一色に統一されている。
世界の国々の大半が加盟しており、その数は170ヶ国に及ぶ[注 2]。作中に登場した加盟国はアラバスタ王国、サクラ王国(旧ドラム王国)、イリシア王国、ゴア王国、リュウグウ王国、ドレスローザ、プロデンス王国、花ノ国、悪ブラックドラム王国、ルルシア王国、ロシュワン王国、バリウッド王国、タジン王国、シシャノ王国、ソルベ王国[注 3]。4年に一度、代表50ヶ国の王達をマリージョアに集めて今後の世界の指針を決める会議「世界会議(レヴェリー)」が開かれる。各加盟国はそれぞれ主権を保持し、独自の政策を行っているが、場合によっては世界政府が政治介入することもできる模様[注 4]。世界政府非加盟国の国民は、政府の支配下に置かれたり、人身売買の対象となるなど、非人道的な処置を取られる場合がある。
海軍やサイファーポールなどを使い、民間人の犠牲も厭わず徹底した情報統制によって自分たちに不都合な事実を隠蔽している[注 5]。体面や支配維持、王族や貴族だけの利益に執着する体制が蔓延しつつあり、その状況が革命軍の結成に繋がっている。海兵や加盟国の要人の中にも、世界政府の腐敗や加盟国の暴挙に憤りを抱く人間は少なくない[注 6]。
聖地マリージョアの住人。800年前に世界政府を作り上げた、「創造主」と称される最初の20人の王たちの末裔。別名「天竜人(てんりゅうびと)」。20の王族のうち、移住を拒んだアラバスタ王国のネフェルタリ家を除く19の王族が、マリージョアに移り住んでいる[注 7]。世界を創造した「最初の20人」は、「たった一人の王などいない」という誓いを立て、マリージョアにはそれを象徴する「虚の玉座」が存在し、そこに誰も座らないことを平和の証としているが、実際は「虚の玉座」に座り、五老星をも従わせるイムという人物が存在する。
男性は「聖(せい)」、女性は「宮(ぐう)」という敬称がつく。五老星など一部の者を除いて、男性は「え」、女性は「アマス」という語尾をつける特徴的な口調で話す。天竜人の多くは「自分たちは『人間』でなく『神』」と認識しており、一般人のことを「下々民(しもじみん)」と呼び蔑んでいる。また、下々民と同じ空気を吸わないよう、カプセル状のシャボンのマスクと防護服(外見は宇宙服に近い)を身につけている。世界貴族専用の身分証明のチップと、金色の銃を所持している。一部の天竜人は、「高貴なオープナー(ノーブル - )」と呼ばれる特徴的な髪型をしている[1]。
あらゆる治外法権を認められており、一般市民を殺傷しても一切罪に問われることはなく、反対に天竜人が傷付けられた場合は報復として海軍本部の大将が軍艦を率いて派遣される。天竜人にとって、大将は直属の部下に位置付けられる。また、天竜人に対する暴言は死罪になるという。
作中に登場した天竜人は一部を除いて傲岸不遜・厚顔無恥であり、一般人を奴隷にして非人道的に扱うなど悪行の限りを尽くしている[注 8][注 9]。天竜人の奴隷には天竜人の紋章の焼印(「天駆ける竜の蹄」)が焼きつけられ、その者は人間以下と見なされる。また、各加盟国の一般市民は世界貴族への貢ぎ金「天上金」を搾取されており、天上金によって一国が飢餓で滅んだ事例もあるため、一般市民からは「数百年分の世界の恨み」と表現されるほどの強烈な憎悪の対象となっている。
天竜人は自分の意志でその地位を捨てることも可能である。しかし、そうすれば特権を失い一般人と同等になる他、天竜人に恨みを持った一般人に迫害されるため、一部の例外を除けばそのようなことはしない。反対に、天竜人に認められれば血筋でない者でも天竜人になることができる模様。
また、海軍を半ば私物化しているも同然の振る舞いから、センゴクやサカズキ(赤犬)、ガープをはじめとする多くの海兵から強い嫌悪を抱かれている。
世界政府直属の巨大な海上治安維持組織。「偉大なる航路」を管轄する海軍本部は三大勢力の一角。
世界政府直属の裁判所がある「司法の島」で、「偉大なる航路」前半にある不夜島(昼島)。裁判長は「三つ首のバスカビル」。島内の「司法の塔」はCP9の拠点。普段は海兵や法番隊など計1万人の兵力で警備されている。海列車でウォーターセブンと結ばれているが、民間人は原則立ち入ることができない。
裁判所ではあるが、世界政府には権力分立制度がないため、実態は政府の決定にそのまま従うという形だけの司法機関である。11人の「公正なる陪審員」がいるものの、全員が元海賊の死刑囚であり、連行された者の道連れを望むため、800年の歴史上において無罪判決が下されたことは一切ない。そのため罪人は名ばかりの裁判を受け、一切の例外なく「正義の門」から政府専用のタライ海流で大監獄インペルダウンか海軍本部に連行される。裁判所から先の司法の塔への道は、裁判所の建物に格納されている跳ね橋でしか進むことはできず、2ヶ所のレバーを操作することによって跳ね橋が下りる。司法の塔から地下道を通り、地上に出て「ためらいの橋」を渡った先に「正義の門」がある。
CP9が君臨し続けた事によって800年の間鉄壁を誇っていたが、エニエス・ロビー編での麦わらの一味の襲撃とスパンダムによって発動されたバスターコールで壊滅した。
世界政府直属の諜報機関。
世界政府が所有する海底の大監獄。
「偉大なる航路」に君臨する3つの強大な勢力。「海軍本部」、「王下七武海」、「四皇」を指す。
「偉大なる航路」が「海賊の墓場」と呼ばれる所以のひとつ。この3つの勢力は一般の海賊と基本的に対立しており、「偉大なる航路」での海賊の航海を困難にさせている。「四皇vs海軍本部&王下七武海」という勢力関係で均衡が保たれている。それぞれが海賊たちへの抑止力として存在しており、三大勢力のバランスが失われると世界の平穏が崩れると言われている。
四皇当人は存在自体が「災害」と称され、それに与する幹部たちも中将以上の実力を持つ者が多い。その一方で、海軍元帥や大将クラスにもなると、四皇最高幹部や傘下の海賊船長を打ち破ったり、四皇当人でも手こずるほどの戦闘力を持っており、七武海も四皇の戦力を削る要となっている。よって総合的かつ万全な態勢での戦力なら海軍のほうが上であるため、互いに手が出せない状態を維持し続けている状態である。
新世界編の世界会議で、王下七武海制度が撤廃されたことにより、三大勢力の均衡が崩れた。
懸賞金がかけられた海賊や犯罪者を捕らえて海軍や政府に引き渡し、その賞金を受け取ることで生活している者たち。超新星編ではヨサクとジョニー、フランキー一家が解体屋の副業として行っていた(アニメでは、元海兵のダディ・マスターソンが登場した)。新世界編では、ジャン・アンゴという賞金稼ぎが登場している。犯罪者を仕留めること自体は罪にならないが、海軍のたしぎのように嫌悪感を抱いている人物もいる。
捕らえた人物を人間オークションに引き渡して売り上げを得ることを職業としている者たち。建前上、人身売買の対象は犯罪者と世界政府非加盟国の国民とされているが、実際には一般の人物も標的にされている。人攫いの間ではオークションにおける種族別の最低金額を書いたリストが出回っている。シャボンディ諸島に多くのチームがいる。新世界編の30年前には、白ひげ海賊団の傘下に入る前のカルマが人攫いを生業としており、天月トキと光月おでんを捕らえようとした。
世界政府を直接倒そうと活動している組織。リーダーは、ルフィの父親であるモンキー・D・ドラゴン。世界政府及び海軍と敵対している点では海賊と変わらないが、「自ら進んで」世界政府と争おうとする所が一般の海賊とは大きく異なる。厳密には世界政府ではなく、それを支配する天竜人の打倒が真の目的である。
かつては「自勇軍」という名の組織だったが、22年前のオハラへのバスターコールをきっかけに世界の変革を決意したドラゴンによって、革命軍が結成された。長年「偉大なる航路」の白土の島バルティゴを拠点としていたが、ゾウ編でバルティゴを黒ひげ海賊団に壊滅させられたため、カマバッカ王国に総本部を移した。竜の船首を持つ帆船「ヴィント・グランマ号」[7]を保有する。シンボルは竜の首と「R」「A」の文字が書かれたマーク[7]。
その思想は世界中で広がっており、クーデターや反乱などによって、いくつもの国を滅亡に追い込んでいる。世界政府は革命軍の影響力を恐れており、黒幕の革命軍本隊とリーダーのドラゴンを「世界最悪の犯罪者」として血眼になって追いかけているが、その片鱗さえつかめていない。四つの海と「偉大なる航路」にそれぞれの軍がある。主に、政府によって捕らわれた市民・囚人や奴隷労働を強いられている人たちの解放等の活動をしており、解放された者たちが革命軍に加入する例も少なくない。
サボとコアラのような訳あり、もしくは政府によって両親を失った子供達が加入した場合は下働きをすると共にイナズマが座学を、くまやハック、イワンコフが戦闘技術を指導している[8]。
世界でも唯一無二の、国土を持たない海遊国家にしてサンジの故郷の国[注 11]。ヴィンスモーク家が治める、代々続く「科学の国」。何十隻もの巨大な電伝虫の船[注 12]がそれぞれ移動し、船同士を連結させることで国の形を成している。本船は「セント・ジェルマン号」[9]。今なお世界で恐れられる軍隊「ジェルマ66」を有しており、国民の大半は男性の兵士である。世界政府加盟国だったが、ホールケーキアイランド編後に除名された。
かつてDr.ベガパンクやシーザー・クラウンが所属していた、無法な研究チーム。元々は闇金王ル・フェルドが出資した慈善事業「平和研究所MADS」であり、世界平和のため有望な科学者たちが集められた。所長のベガパンクは平和につながる研究をしていたが、他のメンバーは道義に反した殺戮兵器を生み出していた。後に生命の設計図とも言われている「血統因子」の発見といった成果を出すが、それを危険視した世界政府によってベガパンクは逮捕され、チームも政府に買収されて管理下に置かれた。
ジェルマ66現総帥ヴィンスモーク・ジャッジや百獣海賊団大看板クイーンもこのチームに所属していたが、政府の手から逃れており、独自で研究を重ねて戦闘に特化した科学力を身に着けた。また、かつてロックス海賊団に所属していた自称科学者ミス・バッキンガム・ステューシーも居候として在籍しており、後にMADSによる複製人間(クローン)研究の成功体第一号「ステューシー」の製作に繋がった。
表紙連載『ジェルマ66のあゝ無感情海遊記』で、ジャッジとシーザーによって「NEO MADS」が結成された。
作中の血液型は、主にF型・S型・X型・XF型の4つに分類されているが、世界で呼び名が統一されておらず、A・B・Cを使う国もある[14]。下記の「オークション相場」は、人間オークションの基本最低金額。
空島に存在する特殊な貝(厳密には死んだ貝の殻)で、殻頂を押す事でそれまでに溜め込んだエネルギーを自在に放出できる性質を持つ。空島での戦いの後にウソップがいくつか持ち帰り、彼やナミの装備品などに使用された。青海でも、一部出回っているらしい。
作中の刀(剣・槍等も含む)は、最上大業物・大業物・良業物・業物・普通の刀の5段階に区分される[71]。最上大業物は12工(本)、大業物は21工、良業物は50工存在する。
ワノ国出身の刀鍛冶・霜月コウ三郎によると、刀にはそれぞれ性格があり、それを服従させるのが剣士であるという。また、名刀は己に見合った剣士を選ぶという。
「神」の名を持つ、世界を滅ぼしうる兵器。「プルトン」「ポセイドン」「ウラヌス」の3つを指す。「歴史の本文」に在処や詳細が記されている。空白の100年の間に使用された際は、200メートルの海面上昇を引き起こし、世界を海に沈めた。ベガパンクはルルシア王国を滅ぼした攻撃を、政府が保有する同一の兵器によるものだと推測している。
魚人が使用する武術。
魚人空手は水中でも陸上と変わらない絶大な威力を持ち、クロオビ曰く、技によっては水中のほうが威力が増すという。ジンベエによれば、魚人空手の真髄は「辺り一面の水の制圧」であり、発生させた衝撃波は空気中から体内の水に衝撃を与える(それ故に、打撃が効かないルフィにも効く)。発祥地は魚人街[7]。作中に登場した使い手はクロオビ、カポーティ、タンスイ、ジンベエ、ホーディ・ジョーンズ、ハック。また、魚人以外に人間のコアラとロビンも体得している。
魚人柔術は海水の形を変えることで、攻撃や移動に活用することができる。作中に登場した使い手はジンベエ、ホーディ、ハック。
人魚が使う武術。人魚柔術(マーマンコンバット)は、魚人柔術とほぼ同様。人魚具術(にんぎょぐじゅつ)は、武器を使って行う。作中では人魚柔術をネプチューンとフカボシが(アニメでは、アラディンも使用している)、人魚具術をネプチューン家三兄弟が使用した。
空島での「見聞色の覇気」の呼び名。ガン・フォール曰く、人間は生きているだけで体から声を発しており、「心綱」はそれを聞く能力であるとのこと。
人体を武器に匹敵させる6種類の超人的体術。「指銃」「鉄塊」「紙絵」「剃」「月歩」「嵐脚」の総称。サイファーポール諜報部員の基本戦闘術であり、全員が長い訓練を重ね体得している。6種類すべてを体得した者を「六式使い」と呼ぶ。
サイファーポール専用の技ではなく、海兵や海賊の中にも使用する者が一定数いる(コビー、モモンガ、たしぎ、ヴェルゴなど。サイファーポール以外で六式使いと明言されているのは現時点ではゼファーのみ)。また、ルフィは「剃」を見様見真似で覚え、サンジは「月歩」を独自に会得している。
『VIVRE CARD〜ONE PIECE図鑑〜』によれば、六式と覇気は関連があり[57][注 30]、六式の鍛錬は覇気の修業と類似している[77]。
この他に、フクロウが使う六式遊戯「手合」、ルッチが使う六式最終奥義「六王銃(ロクオウガン)」がある。
全身あらゆる所に意識を張り巡らせ、自らの身体を操る技。髪の毛を自在に動かしたり、体型を変えることができる。ルッチとクマドリが使用できる。チョッパーはバイオフィードバックを連想している。オニグモもそれらしいことが出来るが、生命帰還か能力なのかは不明。
全世界の全ての人間に潜在する「意志の力」[64][注 31]。「気配」「気合」「威圧」「殺気」「闘争心」などの感覚と同じである[64]。ただし、この力を習得するのは容易ではなく、基本的には長期の鍛錬により力を引き出す必要がある[注 32]。生まれつき使えるという例もあり、更には戦いの中で覚醒することもある。実戦レベルで覇気を使いこなせる者は「覇気使い」と呼ばれる。
武装色・見聞色・覇王色という3種類の「色」が存在する。3種類の中でも覇王色は非常に珍しいため、一般に覇気というと武装色・見聞色の2種類を指す。大体の人間は得意な「色」に力が片寄る(ルフィは覇王色、ゾロは武装色、サンジは見聞色)が、いずれの「色」も強化すればできることの幅が広がる。さらに、レイリー曰く「覇気は実戦の極限状態にこそ更に力は開花し、強敵と向き合うほど更に強くなる」とのこと。
覇気使いは世界的にも多くはないものの、アマゾン・リリーでは多くの者が身につけている。また、中将クラス以上の海兵は全員が覇気を操れるという。
西の海にある花ノ国の拳法。相手の内部に直接衝撃を与える拳法であるため、いかに強固な肉体を持つ者でも防御は不能。威力は鎧や盾をいとも簡単に破壊してしまうほど。奥義の継承者は自分の得意技に「錐龍錐釘(きりゅうきりくぎ)」の名をつけることを許される(チンジャオは頭突き、サイは踵落とし)。
作中に登場した使い手はチンジャオ、サイ、ブー。
歴史上唯一「偉大なる航路」制覇を成し遂げたことで、ゴール・D・ロジャー(ゴールド・ロジャー)が得た称号。ロジャーの死後、この名は「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を見つけ、この世の全てを手に入れた者の称号とされるようになった。ルフィ曰く「世界の偉大な海の王」。ルフィを始め、幾多の海賊たちがこの座につくことを狙っている。
海賊王ゴール・D・ロジャーが遺したとされる、富と名声と力の「ひとつなぎの大秘宝」。「偉大なる航路」の終点・ラフテルにある可能性が高く、世界中の海賊がその宝を目指し、「偉大なる航路」に集まっている。白ひげはその正体を知っており、もしこれが見つかれば世界はひっくり返ると述べている。一部ではただの伝説とされていたが、実在することを頂上戦争にて白ひげが死に際に世界に公表した。「ひとつなぎの大秘宝」という名称は、ロジャーが手に入れた全ての物を世間が総称した呼び名である。
作者は「ひとつなぎの大秘宝」の正体について、オズの魔法使いを引用して「『家族の絆』や『これまでの冒険』といったものではない」と発言している[85]。
作中には「D」というミドルネームを持つ者たちが幾人か登場する。現在判明しているのは「モンキー・D・ルフィ」「モンキー・D・ドラゴン」「モンキー・D・ガープ」「ゴール・D・ロジャー」「ポートガス・D・エース」「ポートガス・D・ルージュ」「マーシャル・D・ティーチ」「ハグワール・D・サウロ」「トラファルガー・D・ワーテル・ロー」「ロックス・D・ジーベック」「ネフェルタリ・D・リリィ」「クラウ・D・クローバー」の12名。
「D」とはかつてイム達と敵対した者達の名であり、世界各地の歴史の裏で脈々と受け継がれており、彼らは「『D』の意志を継ぐ者」とされる。ただし、イムによると近年「D」の名を持つ者達は、己の名の意味を知らない抜け殻に過ぎないという。元天竜人のロシナンテ曰く、聖地マリージョアでは子供は「行儀の悪い子は『ディー』に食われてしまうぞ」としつけられ、老人達は世間で名を上げる「D」の名を持つ者達に対し「『D』はまた必ず嵐を呼ぶ」と眉をひそめてつぶやくという。ある土地では、「D」の一族を「神の天敵」と呼ぶ者達もいるという。ロシナンテはこの「神」を天竜人と推測していた。世界政府は「D」の名を持つ者達を警戒しており、ロジャーのフルネームを「ゴールド・ロジャー」と世間に広めるなど、「D」が世間の目につくことを避けようと徹底している。ロジャーは「D」が何なのかを知っており、白ひげにそれを教えた。同じく「D」の秘密を知ったロジャー海賊団の者達は、世界政府がロジャーのフルネームを隠したがる理由を理解している。Dr.くれはやセンゴクも「D」にまつわる何らかのことを知っているようである[注 43]。
サウロ曰く「D」は先祖代々受け継がれている名前であり、事実ルフィやエースやドラゴンは親と同様に「D」の名を継いでいる。一方、ローの家系では「D」を隠し名にしている模様。
約900年前から800年前にあたる100年間の、語られない空白の歴史。ジョイボーイの誕生から彼が20か国の連合軍(後の世界政府)に敗北するまでの期間をさす。この間に起きた200メートルの海面上昇によって、当時の世界は海に沈んだという。「歴史の本文」を読み解くことでその秘密が明らかになるとされているが、世界政府によって解明することを禁じられている。ロジャー海賊団は、ラフテルに到達して空白の100年の真実を知った。ロビンは幼い頃から、謎の解明を夢見ている。Dr.ベガパンクは、「歴史の本文」を読んで得た情報をエッグヘッド編で全世界に配信した。
東西南北全ての海の魚が泳いでおり、あらゆる海の食材が揃うと言われる幻の海。全てのコックにとっての憧れであり、サンジとゼフの夢。所詮は伝説に過ぎないと言われているが、ゼフは「偉大なる航路」でその可能性を見たという。アニメでは、海軍の見習い少年コックのタジオがオールブルーへの憧れを抱いている。
太古の昔に、奴隷達がいつか自分達を救ってくれると信じた伝説の戦士。「太陽の神」「解放の戦士」と呼ばれる。体はゴムそのものの性質を持っており、空想のまま自由に戦い、人々を笑わせ苦悩から解放してくれるとされている。彼が発する独特の心音は「解放のドラム」と呼ばれる。ジョイボーイは、ニカのように伸縮する体で世界政府と戦った。
世界政府はその名が知られないよう歴史からの抹消を徹底しており、古い文献にしかその名は残っていない。かつて投獄されていたフーズ・フーにニカの話をした看守は、後日消された。バッカニア族の家系では、代々その名が伝わっている。また、世界政府はその力が宿った動物系幻獣種の悪魔の実「ヒトヒトの実 モデル“ニカ”」の存在を隠すために超人系悪魔の実「ゴムゴムの実」と名前を改竄し、実の回収を試みてきたが、800年間一度も手に入れることは出来なかった。13年前、当時のCP9によって「ゴムゴムの実」が護送されていたが、赤髪海賊団に強奪され、フーシャ村に住んでいた幼少期のルフィによって食べられた。その13年後、ワノ国・鬼ヶ島でのカイドウとの決戦にて能力を「覚醒」させたことによって、数百年ぶりにニカがこの世に現れた。それにより、ルフィはカイドウとの最終決戦を制し、ワノ国に自由と解放をもたらした。
世界政府が犯罪者や海賊に懸けた、彼らを捕まえた時に出される賞金。基本的には海賊の場合船長に懸賞金がかけられるが、海賊としての知名度や下記の危険度が上がり大物になっていくと船長以外の船員にもかけられる。また、大物海賊の部下という理由で懸賞金が高くなる場合もある[86]。海賊の間では、懸賞金の高さは強さの証明や名を上げるきっかけになるため、賞金首になることや懸賞金の額が上がることを喜ぶ傾向にある。懸賞金が高ければ高いほど、彼らを拿捕しようと動く海軍の階級も上がる[注 44]。現時点で判明している最高金額は、ゴールド・ロジャー(ゴール・D・ロジャー)の55億6480万ベリー。海賊史上、これを超える賞金額はないという。
懸賞金額は犯罪者の強さだけではなく、世界政府への危険度の高さ(政府に悪影響を与える思想や行動など)も表している[注 45]。そのため、個人につけられた額だけでその者の強さを測ることは難しい[86]。またベラミーによれば、懸賞金の高さは強さに比例するという固定観念を利用して、手配書を偽装し他の海賊に手出しされないようにした者もいるらしい。ジンベエ曰く、3億を超えると簡単には上がらないという。王下七武海に加盟すると懸賞金は解除されるが、脱退すると再び懸賞金がつく。賞金首の死亡が確認されない限り、懸賞金が解除されることは基本的にない(ドリーとブロギー、レイリーなど)。物価の変動にも強く影響され、100年前は1億ベリーだったドリーとブロギーはエッグヘッド編後一気に18億ベリーまで跳ね上がった。また、エルバフの王子であるロキには、「世界政府特別懸賞金」がかけられている。
手配書には「DEAD OR ALIVE(生死問わず)」と書かれているが[注 46]、世界政府は公開処刑を望んでいるため、引き渡す際に賞金首が死亡していた場合は貰える額は3割下がる。なお海賊が海賊を倒しても、海賊であること自体が犯罪であるため、犯罪者を政府に引き渡しても賞金を貰うことはできず、得るのは悪名のみである[67]。
4年に一度、世界政府加盟国の王達や政府の要人らが聖地マリージョアに集い、7日間に渡って行われる大会議。加盟国の中から代表50ヶ国の王達が一堂に会し、世界中の由々しき案件を言及・討議し、今後の世界の「指針」を決定する。ただし、各国の首脳はいずれも癖が非常に強く、国によって貧富や宗教が異なるため、やりとりはうまく進まないことが多い。また、世界中の首脳が集まるため、些細な争い事も戦争のきっかけとなる[注 47]。議長は毎回、持ち回りになっている。8年前の世界会議では、革命家ドラゴンが議題に挙がっていた。新世界編の世界会議では、王下七武海制度の撤廃が可決された。
世界貴族のシンボルマーク。竜の蹄を模っている。「神々の地」には蹄の像があり、世界会議期間中サボに破壊された。天竜人の奴隷にはこの紋章が焼き付けられ、その者は人間以下とみなされる。ボア・ハンコックやその姉妹は、背中に焼き付けられている。
タイヨウの海賊団を結成した冒険家フィッシャー・タイガーは、解放した奴隷にこの紋章の上から太陽を模った紋章を焼き付け、さらに奴隷ではなかった者にも同様の紋章を焼き付ける事で、奴隷とそうでない者との区別をつけられないようにした。
海軍本部中将5名と大型軍艦10隻を一点に召集する緊急命令[注 48]。国家戦争クラスの軍事力を有し、島1つを跡形もなく消し去ることができるほどの力を持つ。任務を遂行するためならば、敵味方関係なく無差別攻撃を行う。
この命令を発動できるのは五老聖、海軍本部元帥と大将、或いは彼らから特例として権限を委譲された政府の役人のみである。作中では22年前のオハラの一件でセンゴクがスパンダインに、ウォーターセブン編で青雉がスパンダムに権限を譲っている。発令は貴重種であるゴールデン電伝虫のスイッチで行われ、シルバー電伝虫が受信する。
世界政府の三大機関である海軍本部(マリンフォード)、エニエス・ロビー、インペルダウンにそれぞれ設置されている、天まで届く巨大な鋼鉄の門。門の前には巨大な渦があるが、海流が門に遮られることにより発生しているため、門が完全に開くと渦は消える。操作室のレバーによって、門は開閉される。
年末年始に、マリンフォードの広場にある「オックス・ベル」を16回鳴らす海兵の習わし。「オックス・ベル」は、大昔に活躍した軍艦「オックス・ロイズ号」に取り付けられていた神聖な鐘。去る年に感謝し8回、新しい年を祈り8回、計16回の鐘を鳴らすのが習わしとされている。
ルフィは女ヶ島で再会したレイリーの提案により、世間の注目を集めるため、彼とジンベエと共に復興作業中のマリンフォードに乗り込んで「16点鐘」を行った。世間には時代の終わりと始まりの宣言等と受け取られたが、その真の目的は、世界各地に飛ばされた麦わらの一味の仲間に向けて、「3D2Y」(3日後ではなく2年後に集合)という隠されたメッセージを送るためだった。
頂上戦争後の2年の間に、世界政府が行った徴兵。赤犬の元帥への昇格と青雉の脱退によりできた穴を埋めるために行われ、藤虎と緑牛が大将に就任した。世界政府加盟国から有能な兵士を引き抜いたことで海軍の戦力は強化されたが、各国の戦力が弱体化したことで後に起こった「8か国革命」のきっかけの1つになっている[5]。
世界政府加盟国が、天竜人へ納める貢ぎ金。その額は国民の数によって決まることから、王族が国民から非人道的な手段で徴収することも多く、天上金によって一国が飢餓で滅んだ事例もある。そのため、一般市民が天竜人に対して憎悪を抱く理由の一つとなっている。貧しさゆえに天上金を払えない国は世界政府に加盟することはできず、白ひげの故郷のように海賊や人攫いが横行する無法の国になることが多い。ドフラミンゴは10年前に天上金の輸送船を襲撃することで世界政府を脅し、王下七武海に加入した。
政府の科学者Dr.ベガパンクが発見した「生命の設計図」。シーザー・クラウンはこれを応用し、動物系の人造悪魔の実「SMILE」の原料「SAD」を製造した。ヴィンスモーク・ジャッジは、血統因子を独自に研究することで自分達の命令に忠実に従うクローン兵を生み出し、自らの子供にも改造を施している。
作中の通貨単位。通貨記号は「B」の真ん中に積分記号(∫)を描いたもの。
貨幣の種類や通貨レートは現実世界の日本円と同じで、1ベリー・5ベリー・10ベリー・50ベリー・100ベリー・500ベリーの硬貨、1000ベリー・5000ベリー・10000ベリーの紙幣があり、価値も日本円と同じ(1ベリー=1円)となっている。また紙幣の肖像は、1000ベリーが「ウサグチヒデヨ」、5000ベリーが「クマグチイチロー」、10000ベリーが「ガイコツユキチ」である[87]。
かつて海賊たちの楽園「海賊島(ハチノス)」で生まれたという海賊のゲーム。負けた海賊は、勝った海賊に仲間や海賊旗などを取られる。
主な掟として、「敗戦における3箇条」がある。
これを破った者は海賊の恥とされ、「デービー・ジョーンズのロッカー」に捧げられる(=海底に沈められる)。考案者は海賊デービー・ジョーンズとされ、悪魔に呪われて深い海底に今も生きていると言われている[注 49]。フォクシー海賊団が得意としている。
相手の船長に勝負を申し込み、相手の船長がそれを受ける場合は、互いの船長が空に向かって同時に拳銃を撃つことで同意したとみなされる。上記の3箇条の宣誓の後に、勝負の回数分のコインを海に投げ入れ、種目ごとの出場予定の選手を紙に書いて提出する。次戦以降に出場予定の選手が相手に奪われた場合でも、出場選手の変更・補充はできない。第三者によるゲームへの妨害は自由に行える。
昔から海賊たちに愛されてきた舟唄。スリラーバーク編の大きなキーワードとなった。
作者はアニメの音楽の作曲を務める田中公平に「最初は怖く聞こえるが曲調を変えると楽しく聞こえる曲」と、作詞に先んじて作曲をリクエストした[88]。キャラクターソング『ビンクスの酒』に収録されている。
船全体をヤルキマン・マングローブのシャボンで包み、海中航海を可能にすること。深海1万mの水圧にも耐える事が可能で、シャボンディ諸島から魚人島に向かう際に必要となる。船をシャボンで包むコーティング作業は職人による手作業で、船員の命がかかる繊細な作業のため熟練した職人でも数日を要する。実際、運悪く腕の悪い職人が施したコーティングが海中で破れる事故が度々起こっている。シャボンは内部の空気で膨らんでいるので、空気が無くなると潰れてしまう。また、シャボンはある程度まで伸びるとそれ以上は突き抜ける性質を持ち、船から大砲を打つことも可能だが、海王類に噛まれるなどして多数の穴が開けば潰れる。浮力が失われるので、コーティング船を水上に留めておくためには専用の浮き袋が必要になる。
マリンフォード頂上戦争では、白ひげ海賊団がコーティング船を使ってマリンフォード島まで海中を進み、島の湾内に侵入した。