1965年ベルギーグランプリ

ベルギー 1965年ベルギーグランプリ
レース詳細
1965年F1世界選手権全10戦の第3戦
スパ・フランコルシャン(1947-1978)
スパ・フランコルシャン(1947-1978)
日程 1965年6月13日
正式名称 XXV Grote Prijs van Belgie
開催地 スパ・フランコルシャン
ベルギーの旗 ベルギー スパ
コース 恒久的レース施設
コース長 14.12 km (8.774 mi)
レース距離 32周 451.180 km (280.350 mi)
決勝日天候 雨 (ウエット)
ポールポジション
ドライバー BRM
タイム 3:45.4
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス
タイム 4:12.9 (23周目)
決勝順位
優勝 ロータス-クライマックス
2位 BRM
3位 クーパー-クライマックス

1965年ベルギーグランプリ (1965 Belgian Grand Prix) は、1965年のF1世界選手権第3戦として、1965年6月13日スパ・フランコルシャンで開催された。

本レースには25回目の「ヨーロッパグランプリ」の冠がかけられた[注 1]

レース概要

ジム・クラークロータス・33で大雨のレースを制した。

レース主催者とファクトリーチームとの問題は、前戦モナコGPチーム・ロータスの撤退をもたらしたが、本レースも当初は決勝への出走台数を16とし、ファクトリーチームのうち12台に対してスターティングマネーの支払いと決勝への出場を保証したことから、プライベートチームの10台には4つのグリッドしか認められなかった。プライベートチームはこれに抗議し、金曜日の走行を見合わせた。協議の結果、プライベートチームを含めた20台が土曜日の予選に参加した[1][2]

グラハム・ヒルポールポジションを獲得し、クラークとジャッキー・スチュワートフロントローに並んだ[注 2]ホンダリッチー・ギンサーは4位となり、ジャック・ブラバムとともに2列目、前年度王者のジョン・サーティースは、ロブ・ウォーカーヨアキム・ボニエジョー・シフェールとともに3列目を占めた[1]

大雨に見舞われた決勝[3]は、ヒルがクラークからリードするが、クラークはマスタキンクでヒルを抜き、そしてすぐに引き離していった。ヒルはエンジンの不調に苦しみ、スチュワートにも抜かれていった。18周目にはブルース・マクラーレンにも抜かれ、レース終盤にはブラバムにも抜かれて5位に終わった[1]。クラークは全周回でトップを走り、残り3分の1となった時点で、2位のスチュワートに1分20秒の差を付けていた。最後の6周はペースを落とし、チェッカーフラッグが振られた時は、スチュワートとの差は45秒弱にまで縮まっていた[4][5]。ギンサーは6位に入賞し、ホンダに初のポイントをもたらした[6]レグ・パーネル・レーシング英語版リチャード・アトウッドは7位を走行中のレース終盤に電信柱へ飛び込んでしまい、彼は重症を負わなかったものの、マシンは出火して爆発し、大きく損傷した[1]

エントリーリスト

チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC 1 イギリスの旗 ジョン・サーティース フェラーリ 158 フェラーリ 205B 1.5L V8 D
2 イタリアの旗 ロレンツォ・バンディーニ 1512 フェラーリ 207 1.5L F12
イギリスの旗 クーパー・カー・カンパニー 4 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー T77 クライマックス FWMV 1.5L V8 D
5 オーストリアの旗 ヨッヘン・リント
イギリスの旗 オーウェン・レーシング・オーガニゼーション 7 イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM P261 BRM P60 1.5L V8 D
8 イギリスの旗 ジャッキー・スチュワート
日本の旗 ホンダ・R&D・カンパニー 10 アメリカ合衆国の旗 リッチー・ギンサー ホンダ RA272 ホンダ RA272E 1.5L V12 G
11 アメリカ合衆国の旗 ロニー・バックナム
イギリスの旗 ブラバム・レーシング・オーガニゼーション 14 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム ブラバム BT11 クライマックス FWMV 1.5L V8 G
15 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー
イギリスの旗 チーム・ロータス 17 イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス 33 クライマックス FWMV 1.5L V8 D
18 イギリスの旗 マイク・スペンス
イギリスの旗 R.R.C. ウォーカー・レーシングチーム 20 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ ブラバム BT7 クライマックス FWMV 1.5L V8 D
21 スイスの旗 ジョー・シフェール BT11 BRM P56 1.5L V8
イギリスの旗 レグ・パーネル・レーシング 22 イギリスの旗 イネス・アイルランド ロータス 25 BRM P56 1.5L V8 D
23 イギリスの旗 リチャード・アトウッド
イギリスの旗 DWレーシング・エンタープライゼス 24 イギリスの旗 ボブ・アンダーソン ブラバム BT11 クライマックス FWMV 1.5L V8 D
25 オーストラリアの旗 ポール・ホーキンス 1 ロータス 33
オーストラリアの旗 ジョン・ウィルメント・オートモビルズ 26 オーストラリアの旗 フランク・ガードナー ブラバム BT11 BRM P56 1.5L V8 D
イタリアの旗 スクーデリア・セントロ・スッド 27 ベルギーの旗 ルシアン・ビアンキ BRM P57 BRM P56 1.5L V8 D
28 ベルギーの旗 ウィリー・メレス 2
29 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー
ソース:[7]
追記
  • ^1 - マシンが準備できず[8]
  • ^2 - 遅すぎたため、出場を取りやめた[8]

結果

予選

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム グリッド
1 7 イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM 3:45.4 - 1
2 17 イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス 3:47.5 +2.1 2
3 8 イギリスの旗 ジャッキー・スチュワート BRM 3:48.8 +3.4 3
4 10 アメリカ合衆国の旗 リッチー・ギンサー ホンダ 3:49.0 +3.6 4
5 15 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー ブラバム-クライマックス 3:49.2 +3.8 5
6 1 イギリスの旗 ジョン・サーティース フェラーリ 3:49.5 +4.1 6
7 20 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ ブラバム-クライマックス 3:49.7 +4.3 7
8 21 スイスの旗 ジョー・シフェール ブラバム-BRM 3:50.7 +5.3 8
9 4 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 3:51.3 +5.9 9
10 14 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム ブラバム-クライマックス 3:51.5 +6.1 10
11 11 アメリカ合衆国の旗 ロニー・バックナム ホンダ 3:52.6 +7.2 11
12 18 イギリスの旗 マイク・スペンス ロータス-クライマックス 3:52.6 +7.2 12
13 23 イギリスの旗 リチャード・アトウッド ロータス-BRM 3:53.2 +7.8 13
14 5 オーストリアの旗 ヨッヘン・リント クーパー-クライマックス 3:53.3 +7.9 14
15 2 イタリアの旗 ロレンツォ・バンディーニ フェラーリ 3:54.0 +8.6 15
16 22 イギリスの旗 イネス・アイルランド ロータス-BRM 3:57.4 +12.0 16
17 27 ベルギーの旗 ルシアン・ビアンキ BRM 3:59.0 +13.6 17
18 26 オーストラリアの旗 フランク・ガードナー ブラバム-BRM 3:59.4 +14.0 18
19 24 イギリスの旗 ボブ・アンダーソン ブラバム-クライマックス 3:59.8 +14.4 19
20 29 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー BRM 4:02.8 +17.4 20
ソース:[9]

決勝

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 17 イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス 32 2:23:34.8 2 9
2 8 イギリスの旗 ジャッキー・スチュワート BRM 32 +44.8 3 6
3 4 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 31 +1 Lap 9 4
4 14 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム ブラバム-クライマックス 31 +1 Lap 10 3
5 7 イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM 31 +1 Lap 1 2
6 10 アメリカ合衆国の旗 リッチー・ギンサー ホンダ 31 +1 Lap 4 1
7 18 イギリスの旗 マイク・スペンス ロータス-クライマックス 31 +1 Lap 12
8 21 スイスの旗 ジョー・シフェール ブラバム-BRM 31 +1 Lap 8
9 2 イタリアの旗 ロレンツォ・バンディーニ フェラーリ 30 +2 Laps 15
10 15 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー ブラバム-クライマックス 30 +2 Laps 5
11 5 オーストリアの旗 ヨッヘン・リント クーパー-クライマックス 29 +3 Laps 14
12 27 ベルギーの旗 ルシアン・ビアンキ BRM 29 +3 Laps 17
13 22 イギリスの旗 イネス・アイルランド ロータス-BRM 27 +5 Laps 16
14 23 イギリスの旗 リチャード・アトウッド ロータス-BRM 26 アクシデント 13
Ret 29 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー BRM 12 燃料ポンプ 20
Ret 20 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ ブラバム-クライマックス 9 イグニッション 7
Ret 11 アメリカ合衆国の旗 ロニー・バックナム ホンダ 9 ギアボックス 11
Ret 1 イギリスの旗 ジョン・サーティース フェラーリ 5 エンジン 6
Ret 26 オーストラリアの旗 フランク・ガードナー ブラバム-BRM 3 イグニッション 18
DNS 24 イギリスの旗 ボブ・アンダーソン ブラバム-クライマックス 0 エンジン 19
WD 28 ベルギーの旗 ウィリー・メレス BRM 遅すぎる
ソース:[10]
ラップリーダー[11]

第3戦終了時点のランキング

  • : トップ5のみ表示。ベスト6戦のみがカウントされる。

注釈

  1. ^ 当時は毎年各国の持ち回りにより、その年の最も権威のあるレースに対して「ヨーロッパGP」の冠がかけられていた。
  2. ^ 本レースのスターティンググリッドは3-2-3。 Belgium 1965 - Starting grid”. statsf1.com. 2019年2月10日閲覧。

脚注

  1. ^ a b c d Belgian GP, 1965”. grandprix.com. 2019年2月10日閲覧。
  2. ^ 1965 Belgian Grand Prix”. Motor Sport Magazine Database. 2019年2月10日閲覧。
  3. ^ (林信次 1997, p. 97)
  4. ^ Jim Clark’s 1965 season”. peterwindsor.com. 17 January 2017閲覧。
  5. ^ “Belgian Grand Prix: Scotland Forever”. MotorSport Magazine Archive. (13 June 1965). https://www.motorsportmagazine.com/archive/article/july-1965/12/belgian-grand-prix-scotland-forever 28 December 2018閲覧。 
  6. ^ (林信次 1997, p. 105)
  7. ^ Belgium 1965 - Race entrants”. statsf1.com. 2019年2月10日閲覧。
  8. ^ a b Belgium 1965 - Result”. statsf1.com. 2019年2月10日閲覧。
  9. ^ Belgium 1965 - Qualifications”. statsf1.com. 2019年2月10日閲覧。
  10. ^ 1965 Belgian Grand Prix”. formula1.com. 30 October 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。26 September 2015閲覧。
  11. ^ Belgium 1965 - Laps led”. statsf1.com. 2019年2月5日閲覧。

参照文献

  • en:1965 Belgian Grand Prix(2019年1月13日 17:56:27(UTC))より翻訳
  • 林信次『F1全史 1961-1965』ニューズ出版、1997年。ISBN 4-938495-09-0 

外部リンク

前戦
1965年モナコグランプリ
FIA F1世界選手権
1965年シーズン
次戦
1965年フランスグランプリ
前回開催
1964年ベルギーグランプリ
ベルギーの旗 ベルギーグランプリ 次回開催
1966年ベルギーグランプリ
前回開催
1964年イギリスグランプリ
欧州連合の旗 ヨーロッパグランプリ
(冠大会時代)
次回開催
1966年フランスグランプリ

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