|
この項目では、文字について説明しています。その他の用法については「M (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
Mは、ラテン文字(アルファベット)の13番目の文字。小文字は m 。ギリシア文字のΜ(ミュー)に由来し、キリル文字のМに相当する。
字形
2つの字形が使われる。
- 横に連なる折れ線で、上で2回、下で1回屈曲する4本の直線である。普通は最初と最後の直線が垂直線となる。大文字は一般にこの字形による。
- 上の屈曲が丸まり、下部は垂直な線となる。一番左の直線はさらに上にまっすぐのびる。左にセリフを出したり左に曲がったりすることがある。右下は右に曲がったり、さらに上に折り返すことがある。小文字はこの字形である。大文字筆記体でこの字形を取ることがある。フラクトゥールはいずれもこの字形に基づき、である。
呼称
音価
この文字が表す音素は、[m](両唇鼻音)およびその類似音である。
- 多くの言語で、唇歯摩擦音 [f], [v] の前では異音として唇歯鼻音 [ɱ] になることがある。
- フランス語では、同じ単語内の直前に母音があり、直後が母音(発音しない e は除く)か m でなければ、直前の母音を同化し鼻母音にする。このとき、/m/ は発音しない。
- ただしリエゾン(「母音+m(語境界)母音」)の場合、/m/は発音され、鼻母音化も保たれる。
- 「母音+mm+母音」で鼻母音化が起こるかどうかは語による。
- これらの振る舞いは n と同様である。
- スペイン語では、語末で母音を伴わないとき、[n] になる。
M の意味
大文字・小文字
- 質量 (mass)。
- 通常の物理量としては小文字イタリック体の m を使う。
- 大きな質量(2つの質量の大きいほう、天体の質量など)を M で表すこともある。
- 質量の次元をサンセリフローマン体の大文字 M で表す。密度の次元は [長さ]−3×[質量]=L−3M など。
- 等級(天体の)(magnitude)。大文字は絶対等級、小文字は実視等級を表す。
- 月 (month) または 分 (minute)。日時の表現で、YYYY/MM/DD hh:mm:dd などのように使う。大文字・小文字共に使うが、年月日を大文字、時分秒を小文字と区別することもある(ISO 8601 など)。
原則大文字
学術
- ローマ数字で1000。
- 単位
- メガ (mega)、またはミリオン (million)。100万。例えば¥100Mは1億円。ビットとバイトに対しては1048576 (= 220) を表すこともあるが、この意味では正式には Mi(メビ)を使う。
- 平均(mean)
- マイル (mile)。
- モル濃度 (mol/l)。読みはモル、モル・パー・リッター、モラー (MOL per litER)。
- 磁化 (magnitization)。
- 地震マグニチュード (magnitude)。例:M 6.5。
- 化学では、金属元素 (metal)。元素記号の代わりに使い、任意の金属元素を表す。
- 天体
- 文法で、修飾語 (modifier)。S・V・O(主語・動詞・目的語)などと共に使う。
- 恒星のスペクトル型で、熱温度が2500–3900Kのクラス。
- マッハ数 (Mach)。Ma とも。
- 修士号 (master) の略。M1と表記されれば修士課程1年生の意。
- 行列環
- 数学においては右下添え字を伴ってメルセンヌ数を表す。
- 二十二を意味する数字。三十六進法など、二十三進法以上(参照: 位取り記数法#Nが十を超過)において二十二(十進法の22)を一桁で表すために用いられる。ただし、アルファベットの I と数字の 1 が混同し易いために、アルファベットの I を用いないことがあり、この場合、J が十八、K が十九、L が二十、M が二十一を意味する。
工学・産業
交通
文化
タイトル
原則小文字
- 単位
- メートル (metre)。
- ミリ (milli)。1⁄1000 (10-3)。
- 時間の単位の分 (minute)。ただし正式な単位記号は min。
- m と n(斜体)で、2つの自然数 (natural) あるいは整数を表す。(oはゼロと紛らわしいので) n の前の文字として選ばれたためで、m 自体の由来はない。
- 磁気モーメント (magnetic moment)。
- m- でメタ (meta) 位を表す。
- 文法で男性 (masculus)。
- 文字 m の幅。mダッシュ (―)、mスペース ( ) など。幅の狭い nに対する。
- 自動車メーカー・マツダの1970年代中期まで使用された丸型ロゴは小文字でサンセリフの"m"の書き始めと書き終わりをそれぞれ長くし、丸の中に収めたもの。
- 英語で am の短縮形 'm。
- 真夜中 (midnight)。正午 (noon) と対になる。
- フラクトゥールで極大イデアル(とくに局所環の極大イデアル)
- 短調 (minor)。Am(イ短調)など。
符号位置
大文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
小文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
備考
|
M
|
U+004D
|
1-3-45
|
M
M
|
m
|
U+006D
|
1-3-77
|
m
m
|
|
M
|
U+FF2D
|
1-3-45
|
M
M
|
m
|
U+FF4D
|
1-3-77
|
m
m
|
全角
|
Ⓜ
|
U+24C2
|
‐
|
Ⓜ
Ⓜ
|
ⓜ
|
U+24DC
|
1-12-38
|
ⓜ
ⓜ
|
丸囲み
|
🄜
|
U+1F11C
|
‐
|
🄜
🄜
|
⒨
|
U+24A8
|
‐
|
⒨
⒨
|
括弧付き
|
𝐌
|
U+1D40C
|
‐
|
𝐌
𝐌
|
𝐦
|
U+1D426
|
‐
|
𝐦
𝐦
|
太字
|
他の表現法
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
Mに関連するカテゴリがあります。