阿南安芸自動車道(あなんあきじどうしゃどう)は、徳島県阿南市を起点とし高知県安芸市を終点とする地域高規格道路である。1994年12月16日に計画路線に指定。徳島南部自動車道と高知東部自動車道(南国安芸道路)とを繋ぎ、高速道路計画空白地域を補完して「四国8の字ネットワーク」を形成する。略称は阿南安芸道(あなんあきどう)。
高速道路ナンバリングによる路線番号は、徳島南部自動車道・高知東部自動車道とともに「E55」が割り振られている[1]。
位置関係
(高松・徳島)← 徳島南部自動車道 - 阿南安芸自動車道 - 高知東部自動車道 - 高知自動車道 →(安芸・高知)
路線
- 上側が起点側、下側が終点側。
- 路線名欄の背景色が■である部分については全部または一部が開通の区間を示している。■である部分は供用されていない事を示す。
- 未開通路線の事柄は仮称、未確定である。
歴史
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である部分については道路が供用済み、■である部分については施設が供用されていない、または完成していないことを示す。IC名は供用済み区間を除いて全て仮称である。
- BS(バス停留所)のうち、○は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
- (数字)は、他路線の番号。<数字>は、予定番号。
- 英略字は以下の項目を示す。
- IC : インターチェンジ、JCT : ジャンクション
命の道
防災面の効果が注目されており、台風や異常気象、特に南海地震対策における遠方との避難路・物資輸送路の役割を果たせることが地域で特に期待されていて、沿線両県では毎年「四国の道を考える会」や「未知フォーラム」等の集会が開催され根強い要望が続けられている。尚、南海地震対策を共通課題とする三重県、和歌山県、徳島県、高知県の4県は協調し近畿自動車道紀勢線、四国横断自動車道、阿南安芸自動車道、高知東部自動車道を「命の道」と称して早急な整備を訴えている。
また救命救急でも注目され、特に徳島県南部では産科医などの医師不足が問題化している中、2007年の日和佐道路の開通以後、海部消防組合では美波町日和佐地域以南から3次救急医療施設のある阿南市や小松島市への救急車搬送で利用されている[31]。徳島赤十字病院まで従来50分だった搬送時間が40分に短縮され、患者への負担が軽減したとし、さらなる広域的利便性から全線開通を求める声が高まっている。
なお、「命の道」という表現は徳島県が最初に考案した表現であるとしている[32]。
徳島県西部と県南部の地域格差
徳島県西部は徳島自動車道が整備されているが、県南部は主要幹線道路が一般国道である国道55号のみとなっているため、地域格差が懸念されている。
- 県西部では第3次医療施設への搬送時間が30分圏を達成しているものの、県南部の美波町以南では1時間以上、さらに県境付近では1時間40分の搬送時間を要する。
- 阪神地域等の大消費地との所要時間差も顕著となっており、大阪市からの所要時間は、県西部では最遠ICの井川池田ICまでは3時間かかる一方で、県南部では最遠地の海陽町までは4時間20分を要する[33]。
室戸市ルートについて
初期の四国高速道路網整備計画では、阿南安芸自動車道は室戸市を経由する路線となっていた。しかし室戸経由のルートでは距離が長くなることや並行路線の国道55号がある程度整備されていたことから費用対効果が得られないとして、高知東部自動車道のうち南国〜安芸間と阿南安芸自動車道を廃案とする通知が高知県に届いた。これに対し室戸市ではあくまで室戸経由での整備を求める声が多かったものの、県による交渉の結果、奈半利町から室戸を経由せず、北川村・東洋町を経由して阿南市へ抜ける短絡ルートに整備計画を変更することで合意に至った。この地域の国道55号、国道493号はともに災害事前通行規制区間が存在する。
この結果、室戸市では鉄道(阿佐線。営業区間は土佐くろしお鉄道阿佐線および阿佐海岸鉄道阿佐東線)に続いて高速道路の整備も断念されることとなった。
その後、国土交通省四国地方整備局によって令和3年度に策定された「新広域道路交通計画」には、奈半利町から室戸市中心部までを結ぶ「奈半利室戸道路」が高規格道路の構想路線として新たに位置付けられた[34][35]。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク