谷津駅(やつえき)は、千葉県習志野市谷津にある、京成電鉄本線の駅である。駅番号はKS25。
島式ホーム1面2線を有する地上駅。駅舎は駅ホームの真上にあり、下総台地縁の海食崖上にせり出している。北側の入口は台地面に開いているため、あまり段差がないが、南側の入口はかつての海岸線方向に向いているため、海食崖の足元の地上面と駅舎の間を国道14号(千葉街道)をまたぐ階段で上り下りを行うことになる。こうした駅舎構造から、当駅は、下総台地の台地面に位置する谷津五丁目と、台地の足元の埋立地である谷津四丁目を結ぶ、主要な歩行者通路としても機能している。この階段には2000年代に入ってからエスカレーターとエレベーターが設置されているほか、京成電鉄駅ビルの「谷津スクエア」とも直結している。その他、駅舎とホームを連絡するエレベーターも設置されている。
京成本線は当駅より上り方向(西側)は海岸の低地を走っており、下り方向(東側)に向けて、北東に切れ込んだ旧谷津村の谷を経て下総台地の上に乗り上げていくことになる。
1986年(昭和61年)4月に旧・住宅・都市整備公団(現・都市再生機構)による谷津パークタウン壱番街への入居が開始されると、当駅の乗降客数は増加し、さらに谷津パークタウン弐番街・参番街への入居とともに当駅の乗降客数は急激に増加した。しかし、1998年(平成10年)に谷津パークタウン住民がかつてから望んでいたJR津田沼駅 - 谷津パークタウン間のバス路線(京成バス・谷津パークタウン線)が開通したことや、谷津パークタウンの賃貸住宅への入居者が減少したことなどにより当駅の利用者数は一時に比べて減少していたが、2007年(平成19年)より奏の杜地区の土地区画整理事業が進み再び増加傾向にある。地元からは快速停車駅に再昇格させるべく運動も起きている。
2023年度の一日平均乗降人員は10,118人[京成 1]である。近年の1日平均乗降・乗車人員推移は下表の通り。
駅南口に習志野市南部エリア最大の谷津保健病院と東京湾岸リハビリテーション病院があるため、駅前の利便性から多数の診察客が乗降しており、その関係で駅前に医療系・薬事関係の店舗が多数出店している。南口階段下には京成電鉄の園芸部門子会社である京成フラワーの温室を備えた大型店舗が谷津遊園に来園する観光客向けにあり、同園閉鎖後も営業を続けていたが、2006年(平成18年)になって駅舎内の仮店舗に一時移動して再開発を開始し、敷地を有効活用した2階建て駅ビル『谷津スクエア』が2007年(平成19年)8月初旬に開業した。これは国道拡幅の計画も絡んでおり、当駅周辺では一部で既に拡幅が完了し、一部で用地が買収されるなどの準備がされている。
駅北口の津田沼駅方面では2007年(平成19年)から35ヘクタール(ha)に及ぶ大規模な土地区画整理事業(奏の杜プロジェクト)が始まっており、将来的には7000人程度の定住人口を見込んでいる。この地域の旧町名は谷津(やつ)であったが、習志野市が開発プロジェクト名を採り入れた奏の杜(かなでのもり)という新町名を導入している[6]。
駅北口より約1.3 kmの位置に東日本旅客鉄道(JR東日本)総武本線(総武快速線・総武緩行線)の津田沼駅があり、駅南口より約1 kmの位置に東日本旅客鉄道(JR東日本)京葉線(武蔵野線)の南船橋駅がある。駅東側には国道296号、千葉県道8号船橋我孫子線、千葉県道15号千葉船橋海浜線が通る。駅南側には京葉道路(花輪インターチェンジ)、東関東自動車道(谷津船橋インターチェンジ)、国道14号(千葉街道)、国道357号(東京湾岸道路)が通る。
国道14号を千葉方面に徒歩5分程の東京湾岸リハビリテーション病院前に「谷津2丁目」バス停がある。
また、平和交通の津田沼・ららぽーとTOKYO-BAY線は、谷津駅前の国道14号を走行するが、バス停は設置されていない。
• 谷津2丁目(京成バス)
かつては京成バス旧船橋営業所花輪車庫への入出庫線として、津53:谷津二丁目 - 新習志野駅が早朝(出庫)・深夜(入庫)のみ設定されていたが、花輪車庫移転に伴い、2012年12月22日限りで廃止された。