荒島岳(あらしまだけ)は、福井県大野市にある標高1,523mの山である[3]。別名大野富士(おおのふじ)[4]。福井県内で唯一日本百名山に選定されている[3][5][6]。山頂には荒島神社があり、信仰の山とされてきた[7]。山域は奥越高原県立自然公園区域[8]に指定されている。
約2000万年前、日本列島がアジア大陸から分離する頃、荒島岳の位置に巨大カルデラ火山があった。そのカルデラ火山が、長い年月の間に浸食をうけた。その残骸(コールドロンと呼ばれる)が荒島岳である。南側の九頭竜川支流の荒島谷川は深い谷で、「まぼろしの大垂(おおたる)」と呼ばれる落差60mの福井県で最大規模の滝がある[9]。
平安時代の905年(延喜5年)に編纂された延喜式において、阿羅志摩我多気(あらしまがたけ)と記載されているのが山名の初見である。現時点では、山名の由来を説明する確たる説はない[要出典]。
日本百名山に選定されているため、福井県外から訪れる登山者も多い。各方面からの登山道があり、勝原からの登山道がよく利用されている[7]。春先に登山道脇ではイワウチワ、カタクリ、シャクナゲなどの花が見られる。荒島岳の山開きの「芽吹祭」は、例年5月上旬の日曜日に開催されている[10]。山頂から南斜面には、小規模ながらお花畑が見られ、ハクサンフウロ、タカネマツムシソウ、カライトソウ、コバイケイソウ、クガイソウ、シモツケソウ、タテヤマウツボグサ、リョウハクトリカブト、シオガマギクなどが咲き誇り、アサギマダラが飛び交う。荒島岳への登山道は、4コースが設定されている[3]。
北側には両白山地の山々が連なる。南側には能郷白山などの越美山地の山々が連なる。
日本海へと流れる九頭竜川水系の支流の源流部にある。北側に九頭竜川が流れ、西側にその支流の真名川が流れる。南山腹を荒島谷川が流れ、山頂から1.4km南に「まぼろしの大垂」の滝がある。山頂から5.7km西南西に真名川ダムがある。山頂から9.3km南東に九頭竜ダムがある。
かつて頂上に九頭竜ダム完成に伴い無線中継所と反射板が設置されていたが、2003年10月に撤去された[12]。