石屋製菓株式会社(いしやせいか、英: ISHIYA CO.,LTD.)は、北海道札幌市西区に本社を置く製菓メーカー・企業。「日本チョコレート・ココア協会」会員[3]。
北海道を代表する銘菓「白い恋人」をはじめとする北海道限定品を販売しているほか[4][5]、関連会社の運営によるテーマパーク「白い恋人パーク」には日本国内外から観光客が訪れている[6]。「北海道コンサドーレ札幌」のオフィシャルトップパートナー(スポンサー)になっており、サポーターにも広く認知されている[7]。「白い恋人パーク」に隣接して事務所や練習場「宮の沢白い恋人サッカー場」がある。
2017年(平成29年)には銀座の「GINZA SIX」に北海道外初出店となり、主力商品を取り扱わず差別化した店舗「ISHIYA GINZA」がオープンした[8]。
2019年(令和元年)9月20日には大阪府の大丸心斎橋店に「イシヤ 心斎橋」がオープンした。
北海道リート投資法人のスポンサーの一社である[9]。
「北海道銘菓」としてのブランド力は、商品自体の魅力に加えて確固とした販路戦略があり、「観光や出張で北海道を訪れた人が、旅の思い出として買っていく。そうして自分が住む土地に戻って、家庭や職場などで白い恋人を食べながら『北海道に行ってきたよ』と思い出を共有している。北海道土産のファーストチョイスとして同商品が選ばれていることを大事にしていきたい。」としている[10]。そのため、北海道外での販路は全国各地で催している物産展や通信販売に限定している。
石屋製菓の前身は澱粉加工工場として開業した会社であり、当初はドロップ、駄菓子、生菓子を中心に製造していた[11]。1959年(昭和34年)に現在の会社を設立後、1971年(昭和46年)にクッキー「シェルター」を発売すると、1976年(昭和51年)にホワイトチョコレートを2枚のクッキーでサンドしたラング・ド・シャ「白い恋人」が誕生した[11]。
2007年(平成19年)に「白い恋人」の賞味期限の延長・改竄などの不祥事が発覚し、百貨店や土産店が石屋製菓の全商品を撤去するなどの対応に追われ[35][36]、北海道知事が不快感を表明するなど、北海道内外に大きな影響を与えた[37]。一連の事件は、1996年(平成8年)頃から「白い恋人」に複数の賞味期限を設定して延長・改竄していた行為に加え、「ミルキーロッキー」からは大腸菌、「バウムクーヘン」からは黄色ブドウ球菌を検出していた[37]。札幌市保健所が事実関係を確認した後、石水勲社長が記者会見して不正が発覚した[37]。工場への立ち入り検査後に自主的な生産休止を無期限休業に変更すると、影響の大きさから北洋銀行と三井住友銀行が10億円の臨時融資を発表して石水勲社長は辞任し、島田俊平が社長に就任した[37]。ところが、新たに「美冬」や「コーティングチョコレート」「オレンジコンフィ」「鳴子パイ」「マイスタークッキー」でも賞味期限の延長・改竄が発覚すると、北海道庁は「農林物資の規格化等に関する法律」(JAS法)に基づいて行政処分を行った[37]。また、札幌市保健所は「食品衛生法」違反でアイスクリーム類の廃棄命令と「札幌市食品衛生法施行条例」違反による指導を行った[37]。その後、森永製菓から品質管理責任者を招聘して行政には「改善計画」などを提出し、札幌市保健所による立ち入り検査によって問題なしと判断されると、「安全宣言」をして生産・販売を再開した[37][38][39]。
北海道へのプロサッカーチーム誘致活動において、石水勲が主要人物の1人であったことなどから「コンサドーレ札幌」(現在の北海道コンサドーレ札幌)のオフィシャルパートナーとなってチームを支援している。2000年(平成12年)には「イシヤチョコレートファクトリー」(現在の白い恋人パーク)隣に天然芝の屋外グラウンド「宮の沢白い恋人サッカー場」を造成しており、練習場やユースチームの試合会場として使用している。2014年(平成26年)には札幌ドームにあったクラブ事務所が移転した。オフィシャルショップ「CONSA BASE」(コンサベース)がある。なお、石屋製菓は現在コンサドーレの筆頭株主であり、石水勲が取締役会長を務めていたこともある。
「白い恋人」「美冬」などのCMは、かつて北海道内の民放テレビ5局で各局ローカル番組やスポットCMなどで流れていたほか、北海道発の全国ネットで石屋製菓が提供している単発番組に多く流れていた。また、道内民放ラジオ4局(AM・FM)でもスポットCMを放送していた。さらにかつてはCMの最後に「しろいこいびとぉ〜」と流れるのが定番であったほか[40]、上空から撮影した豊似湖をCMやポスターにしたこともあった[41]。なお、提供読みは長年「白い恋人(でおなじみ)の石屋製菓」であったが、2008年(平成20年)8月1日からは「白い恋人(でおなじみ)のISHIYA」、2017年(平成29年)4月以降は「しあわせをつくるお菓子、ISHIYA」に変更している。創業70周年時の提供クレジットでは、通常のISHIYAマークの横に「70years」の文字を追加していた。