『沿志奏逢』(そうしそうあい)は、日本のバンド・Bank Bandの1枚目のカバー・アルバム。2004年10月20日にトイズファクトリーより30万枚限定で発売された[2]。
2003年に小林武史と櫻井和寿らが非営利組織「ap bank」を立ち上げる。その翌年の1月、ap bankの活動や考えを音楽を通して感じて欲しいという想いから[3]、東京・六本木でライブ『BGM 〜Bank with Gift of Music for AP BANK』を3公演開催[注 1]。ライブ自体は赤字となったため、当初はライブの模様をDVDにして発売することで黒字にすることも考えられていた[5]。しかし、ライブの手応えからバンドメンバーが再集結しスタジオ・レコーディングを行ない、Bank BandとしてCDでリリースするに至った[6]。小林は「思った以上にライブがよくて、これはやっぱりCDにした方がいいんじゃないかと思ったんですよ。その方がみんなAPバンクというものを少なくとも伝えていけるし、CDを聴いてもらえれば、何かしらの想いをよりリアルなところで感じとってもらえるんじゃないかという自信が持てた」と語っている[5]。
櫻井和寿が選曲を行ない、自身が影響を受けた日本のミュージシャンの楽曲をカバーしている[7]ほか、Mr.Childrenの楽曲もセルフカバーしている。選曲理由として、櫻井は「単に自分が好きだった曲を選曲したのではなくて、自分なりにメッセージを感じ取って、なおかつ演奏するとき、それを込めてやってみました」と述べている[6]。また、過去の楽曲をカバーしたことについて、小林武史は「自分達のごく身近にあった過去の楽曲のなかのメッセージを紡いでいくことで、新しいメッセージを作る、そのことにこそ、意義があると思っています」とコメントしている[8]。
収録曲はすべてライブ『BGM 〜Bank with Gift of Music for AP BANK』で披露された楽曲であるが、同じく披露されていた「最終電車」(小山卓治の楽曲のカバー)、「ストレンジ カメレオン」(the pillowsの楽曲のカバー)、「カビ」(仲井戸麗市の楽曲のカバー)は未収録となった。
タイトルは「志に沿い、出逢いを奏でる」と書いて「そうしそうあい」と読む[9]。これは櫻井の中で「相思相愛」という言葉が浮かび、それを当て字にしたもの[6]。櫻井は「自分が聴いてきたアーティストの志を引き継いで、そのアーティストを聴いたことがなかった世代とも繋がっていけたらという、そんな思いから浮かんだのが、この言葉でした」と語っている。当初はライブのタイトルでもある『BGM』をアルバムタイトルとすることも考えていたという[10]。
限定生産盤のみの1形態で発売。紙ジャケット仕様となっている。また、CD EXTRAとして櫻井和寿からのメッセージが収録されている。
本作の収益はap bankの維持のために使われる[2]。
本作は30万枚のみ限定生産で、これは営利目的ではないためap bankの運営資金として必要な金額が入る枚数を限定としたものである[11]。そのため現在は入手困難となっているが、2018年6月14日より本作を含むBank Bandの全楽曲のダウンロード配信・サブスクリプション配信がスタートし[12]、容易に聴くことが可能となった。
本作の発売翌月に、ライブ『BGM Vol.2 〜沿志奏逢』を東京と大阪で計6公演開催。シークレットトラックを含め本作の収録曲が再び全曲演奏された。
12曲目にはシークレットトラックとして2種類の楽曲のうちどちらか1曲が収録されている。しかし、その曲はCDを聴くまでどちらが収録されているか分からない仕様となっている。
しかし、以下のような区別の仕方もある。
なお、先述の配信版にはこれらのシークレットトラックは収録されておらず、現状ではCDでしか聴くことが出来ない。
アートディレクターは佐藤可士和が担当。ジャケットには1本のキュウリが描かれており、これはアメリカのロックバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの1stアルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』のバナナが描かれたジャケットのパロディである。このキュウリは小林武史が家庭栽培で収穫したキュウリがモチーフとなっている[4]。
小林武史(Keyboards) - 櫻井和寿 (Vocal & Guitar) 他多数
1.to U
1.生まれ来る子供たちのために - 2.はるまついぶき - 3.奏逢 〜Bank Bandのテーマ〜 (Studio Live Ver.) - 4.こだま、ことだま。 - 5.MESSAGE -メッセージ- - 6.forgive - 7.カラ
1.沿志奏逢 - 2.沿志奏逢2 - 3.沿志奏逢3 - 4.沿志奏逢4
BGM Vol.2 〜沿志奏逢 - ap bank fes '05 - ap bank fes '06 - ap bank fes '07 - ap bank fes '08 - ap bank fes '09 - ap bank fes '10 - ap bank fes '11 Fund for Japan - ap bank fes '12 Fund for Japan
トイズファクトリー - ap bank - ap bank radio! THE LAST WAVE - Mr.Children - 坂本龍一 - チャリティー