景洪市(けいこうし)は中華人民共和国雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州に位置する県級市、同州首府の所在地である。古より中国タイ族(ルー族)の中心地として栄え、近年東南アジア諸国との国境貿易でも発展している。
雲南省最南部に位置し、東は勐臘県、江城県、西は勐海県、北は普洱市と接し、南はミャンマーと国境を接する。市面積の95%は山林で、農地面積は5%である。
市内を貫流するメコン川(中国名:瀾滄江)流域の低地部では熱帯性の湿潤な気候で、夏が長く、冬はない。高地では気候が変化する。
隣接するラオスやタイ、ミャンマーなどの山岳地帯と似たような気候であり、比較的低温な冬季と高温乾燥な暑季、温暖湿潤な雨季に分かれる。
前漢の時代には哀牢の地と呼ばれ、後漢の時代には一時永昌郡に属した。唐代には南詔の銀生節度使が支配する茫乃道に属した。宋代には大理国の支配地となったが、タイ族首長が独立して「勐泐(景隴金殿国、シップソーンパンナー)」を建てた。
このタイ族の王国は元代には徹里軍民総管府、明代に車里宣慰使が設置されて、中央王朝の間接支配を受けた。
1929年に初めて県が設置された。1950年2月に人民解放軍が入城して車里県となったが、1953年にシーサンパンナ・タイ族自治州が成立してタイ族の自治が認められた。1958年初めて景洪県と命名され、1993年景洪市が成立。
景洪市は、傣族(雲南省に住むタイ族系ルー族)を主体とする多民族区域で、2002年の総人口37万人のうち少数民族人口が 249,721 人で総人口の 67.27%を占める。そのうちタイ族が全市人口の35%を占める最大民族である。漢族は 121,511 人で、総人口の32.73%となる。
国営農場ではゴムやプーアル茶、コーヒーなどの経済作物を栽培している。
1954年に初めて省都・昆明とを結ぶ国道が開通し、1965年にはメコン川大橋が開通した。
1990年にはシーサンパンナ・ガサ空港が開港、昆明とは45分で連絡され、1995年には外国航空会社による国際線も就航している。
タイ族王侯の花園であったマンティン公園や少数民族の歌舞などが披露される民族風情園、野生象の保護区である野象谷、パンナ猿山、熱帯植物園など観光施設も整備されている。タイのソンクラーンと同時期に旧正月があり、水掛け祭り(撥水節)も1980年以来、観光資源として活用されている[6]。
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