1930年頃(
昭和初頭)の
広島市の地図 / この図では広電宇品線が旧線の位置(現在より西の通りに位置し、向宇品口から東に曲がっている)で示されている
1945年アメリカ軍作成の広島市地図 / 戦前の宇品通りルート
宇品線(うじなせん)は、広島電鉄が保有する軌道路線である。
本線から分岐し、広島市の中心業務地区である紙屋町と広島港を結ぶ路線である。鯉城通り(国道54号)・千田通り(広島県道243号広島港線)・宇品通り(国道487号)に設けられた併用軌道と、広島港付近では広島南道路および臨港道路に並行する専用軌道を走行する。
途中の広電本社前に車庫(千田車庫)があり、広電本社前始発終着となる電車も多い。宇品三丁目から宇品五丁目は安全地帯が短い電停[1]があり、連接車(3両、5両編成の車両)ではドアがホームにかからない車両がある。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):5.9km
- 軌間:1435mm
- 電停数:19(起終点含む。紙屋町西・紙屋町東は同一電停として計上)
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線(直流600V)
運行形態
市内線8系統のうち4系統が乗り入れる。全線を直通するのは基本的に1号線と7号線で、3号線は朝と夕方以降のみ運行の日赤病院前または広電本社前折り返し、5号線は皆実町六丁目で接続する皆実線直通となっている。
このほか、「0号」の電車として、日赤病院前や広電本社前発着の電車(基本的に千田車庫への入出庫電車)が存在する。
歴史
- 1912年(大正元年)11月23日 紙屋町 - 鷹野橋 - 御幸橋西詰(現在の御幸橋)間が開業。当時は紙屋町 - 鷹野橋を「西塔川線」、鷹野橋 - 御幸橋西詰を「御幸橋線」と呼んでいた。
- 1915年(大正4年)4月8日 御幸橋東詰(のちの専売局前、現在の皆実町六丁目付近) - 宇品終点(現在の海岸通付近)間が開業。現在のルートとは異なり、宇品地区西側の堤防沿いを通るルートであった(堤防下線)。御幸橋西詰 - 御幸橋東詰間は徒歩連絡。
- 1919年(大正8年)5月25日 御幸橋電車専用橋が開通し[2]、御幸橋西詰 - 専売局前間が開業。徒歩連絡解消。
- 1935年(昭和10年)12月27日 専売局前 - 宇品終点間が廃止され、宇品通りを通る皆実町(現在の皆実町六丁目) - 向宇品口(現在の元宇品口)間の現在のルートに切り替え。
- 1945年(昭和20年)
- 1946年(昭和21年)1月7日 本線と宇品線の直通運転を開始。
- 1951年(昭和26年)4月1日 向宇品口 - 宇品(初代)間が開業。
- 1958年(昭和33年)6月20日 午前ラッシュ時に宇品十三丁目(現在の宇品二丁目) - 草津(宮島線)間で直通運転開始。
- 1967年(昭和42年)10月1日 宇品電停(2代目)移転。0.2km延長。
- 1968年(昭和43年)6月1日 1号線宇品 - 広島駅前、2号線広島駅前 - 己斐、3号線己斐 - 宇品を循環式からピストン運行に変更。
- 1999年(平成11年)この年のダイヤ改正で1号線・3号線の午前ラッシュ時の単車の車掌乗務がなくなる。
- 2001年(平成13年)
- 4月10日 広島駅前 - 本通間の運賃を期間限定で120円に値下げ(当初の半年間の予定を1年間に延長し2002年(平成14年)4月9日まで実施された)。
- 11月1日 広島大学前・向宇品口・宇品電停の名称をそれぞれ日赤病院前・元宇品口・広島港に、東西に存在した紙屋町電停の案内上の名称を紙屋町西・紙屋町東に変更。
- 2002年(平成14年)8月31日 宇品五丁目 - 海岸通間の競輪場入口電停を廃止し、海岸通電停を0.1km宇品五丁目寄りに移転。
- 2003年(平成15年)
- 3月29日 広島港電停(3代目・現在の電停)移転。0.2km延長。
- 4月20日 横川駅 - 広電本社前間の7号線運行開始。平日午前ラッシュ時の宮島線からの宇品二丁目行きが広島港まで延伸され、折り返し運行として広島港発広電宮島口行きを運行開始。
- 2009年(平成21年)10月26日 ダイヤ改正により、平日午前ラッシュ時の宮島線からの日赤病院前行き、平日午前中の広島港発宮島口行き、平日夕方の広電本社前発広電宮島口行きが廃止となる(宮島線からの直通電車の折り返し運行は広電西広島までに短縮された)。
- 2013年(平成25年)11月11日 ダイヤ改正により、平日午前ラッシュ時の宮島線から広島港までの直通電車がなくなる。
- 2023年(令和5年)
- 7月24日 ダイヤ改正により、7号線が広島港まで延長、3号線を朝と夕方以降のみの運行として日赤病院前または広電本社前折り返しとする[3]。
- 8月28日 1号線の広電本社前 - 広島港間における一部の連接車両でのワンマン運転を開始[4]。
- 2024年(令和6年)
- 3月25日 1号線の広電本社前 - 広島港間における全ての連接車両でのワンマン運転を開始[5]。
今後の予定
2019年4月、広島市南区出島地区で造成中の埋め立て地への路線延伸計画が報道された[6]。現在宇品線の終点である広島港駅から広島市立広島特別支援学校南側に広がる埋め立て地まで1.2kmの区間を延長し、新たな終点には車両基地が建設される予定である。造成の完了する2024年度以降の着工を見込んでいる。
電停一覧
全電停とも広島県広島市内に所在。「乗換え指定電停」に指定されているのは、紙屋町(紙屋町東・紙屋町西・本通)、日赤病院前(広島港方面のみ)、広電本社前、皆実町六丁目、宇品二丁目の電停[7]。
現在
旧線時代
すべて名称は開業時のもの
(御幸橋まで省略)
御幸橋 - 御幸橋(東詰) - 糧秣支廠北裏門 - 糧秣支廠西裏門 - 西土手五丁目 - 向宇品口 - 御幸松 - 宇品
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
広島電鉄の鉄道・軌道路線 |
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鉄道線 | |
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運行系統 |
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営業中 |
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廃止 |
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関連項目 | |
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軌道法に拠る路線のみ。△印は一部区間が別路線として現存、▼印は廃止後ほぼ同区間に別路線が開業。
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