米国で最初に消毒薬として塩素を連続使用したのは、ニュージャージー州ジャージーシティの供給源であったブーントン給水所(Rockaway River)で1908年に行われた[6]。この塩素消毒は、次亜塩素酸カルシウム希釈溶液を制御し0.2 - 0.35ppmで行われた。この処理プロセスはJohn L. Leal博士によって考案され、塩素処理プラントはGeorge Warren Fullerによって設計された[7]。その後、世界中で次亜塩素酸カルシウムによる塩素消毒が急速に普及することとなった[8]。日本では、1921年に東京と大阪で塩素消毒を行うようになった。
圧縮液化塩素ガスを使用して飲料水を浄化する技術は、1903年にインディアン・メディカル・サービスの英国人職員Vincent B. Nesfieldによって開発された。彼自身の記述によれば、「塩素ガスが満足のいくものであることがわかった...それを使用するための適切な手段が見つかった場合、次に重要な問題はガスを持ち運べるようにする方法である。これは2つの方法で達成できる: それを液化し、鉛に覆われた鉄容器に貯蔵し、非常に細い管の取り口と、タップまたはスクリューキャップを取り付ける。水の中にシリンダーを投入しタップを解放すると、塩素が水の中で放出され、10分から15分もあれば絶対に水は安全になる。この方法は、サービスウォーターカートのように大規模に使用することになる。」[9]
その後まもなく、陸軍医療局William J. L. Lyster少佐がリネン袋に次亜塩素酸カルシウムの溶液を詰めて使用した。何十年もの間、Lysterの方法は戦場やキャンプでLyster Bag(Lister Bagとも呼ばれる)として愛用され、米国陸軍のスタンダードな手法として残された。canvas"bag, water, sterilizing(バッグ、水、滅菌)"は戦場でよく即席で三脚から釣り下がっている標準的な36ガロン容量の物で、100人に1つ配布される野外キッチンの共通コンポーネントであった。この手法は第一次世界大戦からベトナム戦争まで使用されてきたが、1980年の逆浸透膜浄水装置によって置き換えられた。
^F.E. Turneaure; and H.L. Russell (1901). Public Water-Supplies: Requirements, Resources, and the Construction of Works (1st ed.). New York: John Wiley & Sons. p. 493
^“Typhoid Epidemic at Maidstone”. Journal of the Sanitary Institute18: 388. (October 1897).
^Reece, R.J. (1907). "Report on the Epidemic of Enteric Fever in the City of Lincoln, 1904-5." In Thirty-Fifth Annual Report of the Local Government Board, 1905-6: Supplement Containing the Report of the Medical Officer for 1905-6. London: Local Government Board.
^Fuller, George W. (1909). "Description of the Process and Plant of the Jersey City Water Supply Company for the Sterilization of the Water of the Boonton Reservoir." Proceedings AWWA. pp. 110-34.
^Hazen, Allen. (1916). Clean Water and How to Get It. New York: Wiley. p. 102.
^Hodges, L. (1977). Environmental Pollution (2nd ed.). New York: Rinehart and Winston. p. 189
^Baker, Moses N. (1981). The Quest for Pure Water: the History of Water Purification from the Earliest Records to the Twentieth Century. 2nd Edition. Vol. 1. Denver: American Water Works Association. p. 341-342.
^Calderon, R. L. (2000). “The Epidemiology of Chemical Contaminants of Drinking Water”. Food and Chemical Toxicology38 (1 Suppl): S13-S20. doi:10.1016/S0278-6915(99)00133-7. PMID10717366.