埼玉栄中学校・高等学校(さいたまさかえちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、埼玉県さいたま市西区西大宮三丁目にある私立中学校・高等学校。
概要
生徒数は約3000名で、高等学校は普通科3コース(募集定員合計560名)と保健体育科(募集定員160名)がある。中学校からの内部進学生(入学試験での募集定員の合計120名)は3年間別クラスとなる。
αコース・Sコースは2年次から文系、理系。特進コースは2年次から文系、理系、A&A(アート&アスリート)に分かれる。
コースは本人の希望と成績により変更可能だが、普通科と保健体育科との間の転科はできない。
文武両道ならぬ「文武技芸」の四道を目指しており、スポーツが盛んな学校としても知られる。
- 校訓 - 今日学べ(こんにちまなべ)
- 建学の精神 - 人間是宝(にんげんこれたから)
沿革
設置学科
- 普通科
- 中高一貫コース(内進αを含む)
- αコース(医学・難関大)
- Sコース
- 特進コース
- 保健体育科
2017年までは総合進学コースがあったが、特進コースと統合された。
※かつては自動車科、国際情報技術科が存在し、系列校である栄北高等学校に移管されていた(2017年廃止)。
特色
毎朝「朝の言葉」の唱和を行う。
- 『私たちは今日学べの心で人生の生き方を学び、自己の可能性の開発に努めます』
- 『私たちは敬愛と感謝の心で授業に真剣に取り組み、学力の向上を目指します』
- 『私たちは多くの人々に信頼される栄高生(栄中生)を目指し、今日一日、力一杯頑張ります』
の3つを教師も含めて全員で唱える。この「朝の言葉」は、中・高の生徒手帳にも記載されている。
施設
校舎のある敷地には創始グラウンド(陸上競技用)、南グラウンドがある。東グラウンドは新校舎を建設するため、廃止された。
校外にある野球部・サッカー部・アメフト部などが利用する「総合グラウンド」や女子ソフトボール部が利用する「栄ソフトボールスタジアム」は校舎から遠いため、徒歩圏内ではない。
- 校内施設
- 教室棟
記念館(新校舎建設時に取り壊し)
- 総合体育館
- 1階は図書館、剣道場、柔道場、体操場、ウエイトリフティング場があり、2階のアリーナはバスケットボール、バレーボールの練習場。3階はギャラリー席と1周約300mのランニングバルコニー。4階に合宿所がある[1]。
- 1階がレスリング場、空手道場、2階がフェンシング場、3階に卓球場がある。
- プールは水深が4メートルあり、飛び込みの練習もできる設備がある。授業や水泳の選択授業ではセーフティーボードで水深を調節して使用する。放課後は競泳部や水球部が練習で使用する[2]。2階になぎなた道場がある。
- 1階はマーチングバンド部練習場、空手道場、2階にバドミントンコート、新体操場とトレーニングルームをかねたダンス場、3階に弓道場、箏曲練習場、マンドリン練習場がある。
- 放課後に高校女子陸上部と中学校陸上部が使用[3]。
- 南グラウンド(男子ソフトボール部・男女ハンドボール部使用)
- テニスコート3面
- ゴルフ練習場
- 第二柔道場
- 2020年3月に建築面積およそ400平米の第二柔道場が完成した[4]
-
- さいたま市西区西遊馬俵貝戸3013の荒川河川敷内にあり、校舎から徒歩圏内ではなく、自転車でも約20分かかる。野球練習場3面、サブグラウンド2面、サッカーグラウンド2面、アメフト用グラウンド1面、400mトラックなどがある。授業で使用することはなく、部活動で使用する。
- さいたま市西区宮前町356-1にあり、校舎からは徒歩約25分、自転車で約10分かかる。女子ソフトボール部が使用している。
- 大志寮(男子寮)と栄華寮(女子寮)があるが、運動部所属でないと基本的に利用できない(文化部では吹奏楽部・マーチングバンド部は入寮可能)。
- ほかに、女子ソフトボール部の第2栄華寮、硬式野球部の栄心寮、女子バスケットボール部のSUPER栄華寮がある。
制服
制服は、2009年にリニューアルされた。
夏服は男子はポロシャツからニットボタンダウン(デザインが半袖ワイシャツで生地がポロシャツ)にスラックス。女子はニットベスト(生地はポロシャツ)に黄色の半袖セーターとチェックのスカート。
冬服は男女共用の従来の6ボタンブレザーから4ボタンブレザーになりエンブレムが以前のタイプより小さくなった。男子は2種類の式典用と通常用ネクタイ、女子はリボンとネクタイの2種類で、男女とも長袖ワイシャツとチェックと無地の2種類のスカート・スラックスを着用する。
ジャージ・体育着は2016年にリニューアル(学年カラーがなくなり全学年統一になった)。
体育の時間に使う運動靴は2019年に変更(現在はブルー)。
校則
男女ともパーマ・カール・染色・脱色、化粧をする、化粧品の所持、装飾品の所持を禁止されている。携帯電話の所持は東日本大震災以降は可能になったが、学校内での使用は禁止である。もし、学校内で携帯電話が鳴ってしまった場合、指導対象となる。
バッグに関しては本校指定のものを使用。スクールバッグ・ダッフルバッグ・部バック(中学生は、スクールバックと学校指定のサブバック)のみでそれ以外、使用不可。(例外として紙袋・手さげ・ビニール袋等である。playingなどのクリアケース、お弁当袋)
生徒指導
冬服と夏服は指定された期間には必ず着なくてはならない。
6月(冬服→夏服) と10月(夏服→冬服) がそれぞれ衣替えへの移行期間である。
受験指導
大学進学率が伸びている。近年では国公立大学への進学実績も伸びてきており、H30年度には東京工業大学現役合格者2名をはじめ東北大学や筑波大学への合格者も出てきている。受験対策として、衛星放送により代々木ゼミナールの講義を受講するサテライン授業(別料金)をいち早く導入していた。
平成17年度より従来のFAX方式に代わり、「SUN System」というネット上で欠席連絡や各教材の問題や成績などをダウンロードできるシステムを導入した。
部活動
部活動は盛んで、保健体育科は全員が運動部所属となる。
土曜日は創造学習という部活動授業があり、部活動に所属してない生徒は選択講義を受講する。
多くの部活が全国大会に出場しており、特にサッカー、卓球、女子陸上、レスリング、体操、バドミントン、相撲、女子野球、フェンシング、マーチングバンド、吹奏楽などが有名。女子サッカー部、駅伝部、コーラス部も過去に全国大会制覇の実績を持つ。
- 陸上競技部、駅伝部、硬式野球部、バレーボール部、バスケットボール部、体操部、新体操部、剣道部、柔道部、アマチュアレスリング部、ウエイトリフティング部、バドミントン部、サッカー部、ソフトボール部、競泳部、水球部、アメリカンフットボール部、ハンドボール部、卓球部、テニス部、弓道部、空手部、ゴルフ部、相撲部、バトン部、居合道部、フェンシング部、応援部、なぎなた部、アイスホッケー部、スケート部、ダンス部、チアリーディング部
- 吹奏楽部、茶道部、書道部、美術部、マーチングバンド部、コーラス部、放送部、マンドリン部、ギター部、箏曲部、写真部、科学部、進学部、家庭科部、囲碁部
- ※相撲部
- 全国屈指の相撲部の強豪として知られ、今まで獲得した全国タイトルは、全国高校最多の計19回(インターハイ10回・選抜9回)を誇る。
- ※バドミントン部
- 男子部は全国屈指のバドミントン部の強豪として知られ、今まで獲得した全国タイトルは、全国高校最多の計33回(インターハイ12回・選抜11回・国スポ10回)を誇る。
- ※野球部
- ※陸上競技部・駅伝部
- ※柔道部
- 女子部は全国屈指の柔道部の強豪として知られ、今まで獲得した全国タイトルは、全国高校女子最多の計12回(金鷲旗4回・インターハイ3回・選手権5回+男子1回)を誇る。男子は2024年選手権・金鷲旗・インハイ団体で三冠を達成
- ※ゴルフ部
- ※水球部
- 31大会連続インターハイ出場
- 過去4回全国優勝
- 日本代表志水祐介を輩出した全国屈指の強豪校
- ※競泳部
- ※バスケットボール部
- ※サッカー部
- ※吹奏楽部
- 強豪で、2019年現在で全日本吹奏楽コンクールで7年連続28回目の出場が決まり、19回の金賞受賞の実績がある。なお、2019年度の全日本吹奏楽コンクールにて金賞を受賞したため、今回で20回目の金賞受賞となる。
- ※マーチングバンド部
- 強豪で、2018年時点でマーチングバンド全国大会に30回出場し、12年連続23回目の金賞を受賞している。2019年度の大会では、グランプリ文部科学大臣賞を受賞。また2015年、2016年にグランプリ文部科学大臣賞を2回連続で受賞し2017年には特別演奏演技で出場している。なお、このマーチングバンド全国大会はJMBA(一般社団法人日本マーチングバンド協会)主催のものであり、AJBA(全日本吹奏楽連盟)のものとは一切関係ない。
- ※応援団
- •かつては名門。OBに武藤孝行
- ※アイスホッケー部
不祥事
2023年 (令和5年) 3月11日にサッカー部に所属する男子生徒が「東日本大震災の犠牲者を追悼する動画」と称し、震災の犠牲者や遺族を侮辱する発言をした末に「アーメン」をもじった性的な言葉を述べて笑い出す様子をSNS上に投稿。翌12日に学校側が公式ホームページに謝罪文を掲載した。[8][9]
2024年(令和6年)11月16日午後11時半頃、総合グラウンド内でグラウンド整備用の軽自動車が、法面に乗り上げ横転する交通事故が発生[10]。
軽自動車には同校の寮に入寮している男子生徒4名(それぞれ別の部活に所属)が乗車していたが、このうち助手席に乗っていた17歳の男子生徒が横転した車の下敷きとなり、病院に救急搬送されたが翌17日の午前2時に死亡した[11]。
学校を運営する学校法人佐藤栄学園は、軽自動車の鍵の管理体制の不備を認め、謝罪した[12]。
交通
著名な出身者
関連書籍・DVD
- 『心でつないだ都大路 埼玉栄 挫折から栄光への軌跡』(渡辺高夫(著)、講談社、1988/3、ISBN 978-4062038362)
- 『TRACK & FIELD埼玉栄・種目別専門トレーニング 400m走(4×400mリレー)』(指導・解説:清田浩伸(埼玉栄高等学校女子陸上競技部監督)、実技:埼玉栄高等学校女子陸上競技部、ジャパンライム、2002/10、DVD)
- 『埼玉栄・種目別専門トレーニング スプリント・ハードル 第1巻 日々のトレーニングの進め方』(指導・解説:清田浩伸(埼玉栄高等学校女子陸上競技部監督)、実技:埼玉栄高等学校女子陸上競技部、ジャパンライム、2003/9、DVD)
- 『埼玉栄・種目別専門トレーニング スプリント・ハードル 第2巻 スプリント・ハードルのドリル』(指導・解説:清田浩伸(埼玉栄高等学校女子陸上競技部監督)、実技:埼玉栄高等学校女子陸上競技部、ジャパンライム、2003/9、DVD)
- 『ジュニア陸上競技マニュアル』(全国高等学校体育連盟陸上競技部(編)、陸上競技社、2006/1、ウォーミングアップとクーリングダウンの項を清田浩伸(埼玉栄高等学校女子陸上競技部監督)が執筆)
脚注
関連項目
外部リンク
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