国鉄タキ7100形貨車(こくてつタキ7100がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
本形式は、セメント専用の35t 積タンク車として1963年(昭和38年)12月26日に1両(タキ7100)が新三菱重工業にて製作された。その後本形式は増備されることなく、形式消滅まで1形式1両のみであった。試作的要素が多かったと思われる。
落成当時の所有者は野沢石綿セメントであり、近江鉄道多賀線の多賀駅(現在の多賀大社前駅)を常備駅とした。1966年(昭和41年)2月17日に、三菱商事へ名義変更され、常備駅は水島臨海鉄道港東線の東水島駅へ移動した。
タンク体は普通鋼(一般構造用圧延鋼材)製で形状はタキ9900形のような魚腹型異径胴、荷役方式はエアスライド+圧送方式でタンク上部の排出管から荷卸しを行う。
圧送方式の採用はサイロへ直接圧送する事で、地上の移送設備を省略することを目的としていた。使用圧力は1.9kg/cm2、水平距離で35m、垂直方向に11.5m (直径3インチの配管の場合) セメントを送ることが出来た。[1]
車体色は黒、寸法関係は全長は11,700mm、全幅は2,709mm、全高は3,844mm、台車中心間距離は7,600mm、実容積は31.5m3、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。
1968年(昭和43年)3月7日に廃車となり同時に形式消滅となった。製造より約4年と短命な形式であった。
脚注
- ^ 「車輛工学」 1963年10月号 pp.15 - 16
参考文献
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
- 村井健三 「最近の新形式私有貨車(シム2000形式・他)」 鉄道日本社(刊)、車輛工学社(編) 「車輛工学」 1963年10月号 Vol32-10 pp.15 - 16
関連項目
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「タキ」級 | |
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「*」印はJR貨物に引き継がれた形式/「JRF」は民営化後の新形式
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