別府タワー(べっぷタワー)は、大分県別府市にある観光塔である。旧名、観光センターテレビ塔(かんこうセンターテレビとう)。高さは100m。名古屋テレビ塔、通天閣に次ぎ、日本で3番目に建てられた高層タワーで[3][4][5]、別府観光のシンボルとして親しまれる。2007年10月2日に登録有形文化財に登録されている。
概要
名古屋テレビ塔(現、中部電力MIRAITOWER)、通天閣(2代目)、さっぽろテレビ塔、東京タワー、博多ポートタワーを設計し、「塔博士」とも呼ばれる建築構造家・内藤多仲のタワー六兄弟のひとつで、日本で3番目に建造されたタワーである。
東京タワー完成の1年前にあたる1957年3月20日から開催された別府温泉観光産業大博覧会の目玉施設として建設が構想され、当時の別府市長脇鉄一らが立ち上げた別府観光開発株式会社が建造した。しかし、資金繰りの関係から開幕には間に合わず、閉幕直前の5月10日に完成した[6]。建造費用は2億8000万円。完成時の従業員募集では、希望者が数千人集まったという。[7]。
このタワーは当初電波塔としての利用が予定されていたが、大分県下の各放送局は別府市の十文字原高原に十文字原放送所(1959年開局、標高469m)を建設したため、その役割を果たすことはできなかった。しかし、1960年代に入ると年間100万人に及ぶ観光客と修学旅行生で賑わい、観光スポットとなった。
1970年代に入ると、隣接する国道10号の拡幅工事により敷地の一部が削られるなどして入場者数が減少。1987年、大きな収入源だった広告ネオンサインの契約が打ち切られたため、経営危機に陥り解体撤去も検討されたが、翌1988年、タイホーレジャーグループが会社を買収し、解体を免れた[7]。その後、広告ネオンサインは朝日ソーラーを経て、2002年から大規模改修直前の2022年5月まではアサヒビールと契約していた[8][9]。
2021年3月、県内で稲積水中鍾乳洞や別府アートミュージアム等を運営する不動産・観光事業会社・開世通商株式会社(現、カイセイ地所トラスト株式会社)が別府タワーを買収[10][11]。2022年5月10日から大規模改修を開始し[12][13]、2023年1月27日にリニューアルオープンした。前日の1月26日には内覧会、式典及び点灯式が行われ[14][15]、レインボーカラーにライトアップされた[16]。
マスコットキャラクターとして、2010年2月制定の「別府三太郎」と、2019年制定の「別府タワーちゃん」が存在した[17]が、ともに終了している[要出典]。
施設
鉄骨鉄筋コンクリート構造の建物の上に鉄骨構造の塔を組み、秒速160mの台風にも耐えうる構造となっている[18]。タワー完成時の高さは100m。後にアンテナなどを取り外したため90mとなっていたが[19]、避雷針を付け替え、100mに復元された。
2022年から2023年にかけての大規模改修では、避雷針を付け替えたほか、鉄骨部分が完成当時の色に復元された。ネオンサインが撤去された[9]一方、鉄骨部分には様々な色でのライトアップが可能なLED照明が増設された。また、展望台のガラスをすべて交換する等、内部も大幅に改装された[14][20]。
展望階
- 17階
- 海と山と湯のまち展望台(受付)
- 展望カフェ〜湊〜
- 天空スクリーン光のステージ
- 別府タワー神社[21]
- 高さ55mに位置し、別府市街や別府湾が一望できる。
- 16階
- 海と山と湯のまち展望台
- スペースファンタジー ギャラクシーウォーク
- シャイニングステップボード[12][21]
建物階
- 5階(屋上)
- 4階 - カラオケ クイーンズエコー[21]
- 2階
- 1階 - レストラン CREOLE CAFE[21]
かつて所在した施設
沿革
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1960年代
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2007年(夜景)
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2009年
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2022年(夜景)
所在地
交通
別府タワーを扱った作品
- ゴジラvsスペースゴジラ - 1994年の映画作品。別府タワーが登場している[31]。
- 大怪獣ブゴン - 田口清隆監督の怪獣短編映画。ロケ地として登場し、ミニチュア撮影が行われた。映画に使われたミニチュアでは、ネオンサインが実物と異なり、「Beppu」、「別府タワー」、「ようこそ別府」になっている[32][31]。現在、ミニチュアは別府タワー2階の別府アートミュージアムに展示されている[33]。
関連項目
脚注
外部リンク
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