七飯町(ななえちょう)は、北海道渡島総合振興局にある町。
地理
渡島半島南部に位置し、函館市から約16 kmの距離にある[1]。七飯町は大沼トンネルを境に南北に分かれており、北部は活火山の北海道駒ヶ岳と大沼・小沼・蓴菜沼を擁する大沼国定公園と水田、酪農・畑作地帯[1][2]、南部は縦断している国道5号沿いに市街地があり平野部は水田、丘陵部は畑作・果樹地帯となっている[1]。
- 山:北海道駒ヶ岳(1,131 m)、日暮山(303 m)、吉野山(484 m)、貧乏山(501 m)、楢山(592 m)、七飯岳(779 m)、横津岳(1,167 m)、鳴川岳(769 m)
- 河川:大川、鳴川、久根別川、中野川、宿野辺川、雨鱒川、蒜沢川、軍川
- 湖沼:大沼、小沼、蓴菜沼
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北海道駒ヶ岳(2008年8月)
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横津岳(2011年8月)
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大沼・小沼(2008年9月)
-
小沼(2012年7月)
気候
亜寒帯湿潤気候に属し、平均気温は7.7℃前後と北海道内で最も温暖[1]。降水量は日本国内としては比較的少ない[3]。
大沼(1991年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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降水量 mm (inch)
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62.3 (2.453)
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52.6 (2.071)
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59.8 (2.354)
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75.7 (2.98)
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86.8 (3.417)
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67.2 (2.646)
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104.8 (4.126)
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158.1 (6.224)
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147.3 (5.799)
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98.1 (3.862)
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106.1 (4.177)
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87.0 (3.425)
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1,099 (43.268)
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降雪量 cm (inch)
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139 (54.7)
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117 (46.1)
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92 (36.2)
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8 (3.1)
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0 (0)
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0 (0)
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0 (0)
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0 (0)
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0 (0)
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0 (0)
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18 (7.1)
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111 (43.7)
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489 (192.5)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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13.5
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11.5
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12.2
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10.2
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10.3
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8.2
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9.5
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9.7
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11.0
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12.0
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13.8
|
13.8
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135.2
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出典1:Japan Meteorological Agency
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出典2:気象庁[4]
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人口
七飯町の人口は1959年(昭和34年)の精進川鉱山閉山に伴って一時減少したが、函館圏の1つとして漸次増加に転じた[1]。1975年(昭和50年)以降は函館市のベッドタウンとして発展し、1980年(昭和55年)の国勢調査では人口2万人を突破した[1]。
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七飯町と全国の年齢別人口分布(2005年)
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七飯町の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 七飯町 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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七飯町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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16,745人
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1975年(昭和50年)
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18,710人
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1980年(昭和55年)
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21,267人
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1985年(昭和60年)
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22,607人
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1990年(平成2年)
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23,963人
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1995年(平成7年)
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27,040人
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2000年(平成12年)
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28,354人
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2005年(平成17年)
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28,424人
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2010年(平成22年)
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28,468人
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2015年(平成27年)
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28,120人
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2020年(令和2年)
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27,686人
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総務省統計局 国勢調査より
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歴史
「七飯町史」「七飯町歴史館」参照[5][6]
姉妹都市
行政
役場
町議会
「議会の概要について」参照[14]
- 議員定数14人
- 定例会(3月・6月・9月・12月)
- 臨時会
- 委員会
- 議会運営委員会
- 常任委員会(総務経済・民生文教)
- 特別委員会(決算審査・予算審査・議会活性化・新交通体系と観光に関する調査・防災・災害対策等に関する調査・七飯町議会広報広聴)
公共施設
- 七飯町文化センター
- 七飯町歴史館
- 大中山コモン
- 七飯町図書室
- 七飯町健康センター(アップル温泉)
- 七飯町保健センター
- 七飯町リサイクルセンター
- 七飯町一般廃棄物最終処分場
- 七飯町火葬場 ななえ斉苑
公的機関
警察
消防
電力
病院
その他
教育機関
- 高等学校
- 義務教育学校
- 中学校
- 小学校
- 特別支援学校
- 保育所・認定子ども園
- 幼稚園
- 大学(研究施設)
- 学校教育以外の施設
廃止・閉校となった学校
一覧
- 七飯町立大沼中学校
- 七飯町立峠下中学校
- 七飯町立精進川小中学校
- 七飯町立銚子口小学校
- 七飯町立西大沼小学校
- 七飯町立大沼小学校
- 七飯町立軍川小学校
- 七飯町立東大沼小学校
- 七飯町立鶴野小学校
経済・産業
基幹産業である農業は、水稲をはじめ、ダイコン、ネギ、ニンジンなどの畑作、リンゴ、ブドウなどの果樹と生産品目が多岐に渡り、大沼地区では酪農、畜産も行われる。カーネーションなどの草花(花卉)栽培も盛んになっている[20]。明治初期にリヒャルト・ガルトネル(R.ガルトネル)によって洋種農作物の栽培が行われ、川田龍吉によって男爵いもの栽培が行われた由緒ある地である[21]。水産業は移植・ふ化の養殖業による水産品があり、大沼のワカサギやエビ、蓴菜沼のジュンサイが有名となっている[22]。工業では1973年(昭和48年)に北海道内初となるIC(集積回路)工場が操業したことなどから先端技術産業の割合が高い[23]。商業は大沼地区に観光商店街が形成されているほかは商店街形成された地区はなく、個人商店や小型チェーン店が散在している。本町・大中山地区などに大型小売店も立地するが、生活圏である函館市や北斗市に購買力が流出している傾向がみられる[24]。
立地企業
50音順
組合
- 新函館農業協同組合(JA新はこだて)
- 大沼漁業協同組合
- 七飯町森林組合
- 七飯町果樹組合
- 七飯町野菜生産出荷組合
- 七飯町酪農組合
- 大沼黒毛和種生産組合
商業施設
スーパーマーケット
金融機関
郵便局
- 七飯郵便局(集配局):市街地・大中山・仁山地区
- 大沼郵便局(集配局):大沼・軍川地区
- 大中山郵便局
- 七飯大川簡易郵便局
- 緑町簡易郵便局
- 峠下簡易郵便局
- 軍川簡易郵便局
宅配便
- ヤマト運輸函館主管支店
- あかまつ街道センター
- 鹿部センター(所在地は鹿部町)
- 佐川急便函館営業所(所在地は函館市)
- 福山通運函館支店(所在地は北斗市)
交通
鉄道
新幹線
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
鉄道路線
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
廃線
- 廃止となった鉄道
- 大沼電鉄
- 1945年廃止時:大沼公園駅 - 大八湾駅 - 池田園駅 - 銚子口駅 - 大沼温泉駅
- 1952年廃止時:新銚子口駅 - 大沼温泉駅
廃駅
- 廃止となった駅
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
索道
バス
路線バス
- シャトルバス
高速バス
- 都市間バス
タクシー
北海道運輸局による「一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー)の自動認可運賃等」では「北海道C地区」の運賃となる[26]。
道路
町内を通る幹線道路は、シーニックバイウェイの「函館・大沼・噴火湾ルート」になっている[27]。
高速道路
国道
道道
- 主要地方道
- 一般道道
道の駅
航路
船舶
- 大沼合同遊船
- 遊覧船(5月から10月まで定期運航、4月、11月、12月は不定期運航)[28]
文化財
「町指定文化財」参照[6]
町指定
- 迫田家文書(235点)
- 飯田甚兵衛の地蔵
- 官私山林区別絵図
- 峠下村絵図
選定
観光・レジャー
-
大沼国定公園(2005年7月)
-
七飯町大沼国際交流プラザ(2018年5月)
-
城岱牧場から函館山方面を望む(2006年8月)
ゴルフ場・スキー場
祭事・催事
- 大沼函館雪と氷の祭典(2月)
- 大沼湖畔駅伝競走大会(5月)
- 大沼湖水まつり(7月)
- GREAT EARTH 函館大沼ライド(9月)
- 北海道大沼グレートラン・ウォーク(10月)
名産・特産
「物産・特産品」参照[38]
人物
50音順
出身人物
ゆかりのある人物
七飯町を舞台にした作品
小説
・クラウドの城(大谷睦)
町民憲章
七飯町民憲章
私たちは、秀峰駒ヶ岳と横津連山のふもと、豊かな水と緑に恵まれ、近代農業発祥の歴史をもつ七飯町町民です。
- 1. 自然を大切にし、美しい町をつくりましょう。
- 1. 力いっぱい働き、豊かな町をつくりましょう。
- 1. すすんで学び、文化の高い町をつくりましょう。
- 1. 互いに助け合い、あたたかい心の通う町をつくりましょう。
- 1. 未来をつくる子どもたちが、健かに育つ町をつくりましょう。
— 昭和52年11月3日制定[39]
脚注
参考資料
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
七飯町に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
行政
産業
観光