ミマスの名称を提案したのは、ウィリアム・ハーシェルの息子で天文学者のジョン・ハーシェルである。ミマスを含む既に発見されていた7つの衛星に対して、1847年に発表した『Results of Astronomical Observations made at the Cape of Good Hope』の中で命名した[11]。
ミマス最大のクレーターであるハーシェル(ウィリアム・ハーシェルにちなむ)は直径 130 km に達し、ミマスの直径の3分の1に及ぶ。クレーターの壁は高さ約 5 km、深さは 10 km で、クレーターの中央丘は底部からの高さが 6 km ある。比較としてこのサイズ比率を地球に置き換えると直径 4,000 km 以上に達し、オーストラリアよりも大きくなる。このクレーターを形成した衝突はミマスをほとんど完全に破壊するところであったと考えられる。ハーシェルクレーターの反対側では、クレーターを形成した衝突で発生した衝撃波が到達したことによって引き起こされたと思しき破砕跡を見ることができる[1][18]。この外見は、アメリカ映画『スター・ウォーズシリーズ』に登場する宇宙要塞「デス・スター」に似通っており、このことは報道や研究機関のリリースでもしばしば言及されている[15][19][20]。しかし、ミマスがボイジャー1号によって撮影されたのは第1作『エピソード4/新たなる希望』公開の3年後であるため、これは単に偶然の一致である。また、デス・スターの半径は80 kmと設定されており、半径約200 kmのミマスはそれよりも大きい。
ミマスの表面はクレーターで満たされているが、それらはハーシェルよりもはるかに小さい。また、クレーターの分布は一定ではなく、表面の大部分は直径 40 km 以上のクレーターで覆われているが、南極領域では 20 km 以上のクレーターは見当たらない。これは、何らかの過程により南極地域から大きいクレーターが失われたと考えられる[1]。
^ abcRoatsch, T.; Jaumann, R.; Stephan, K.; Thomas, P. C. (2009). “Cartographic Mapping of the Icy Satellites Using ISS and VIMS Data”. Saturn from Cassini-Huygens. pp. 763–781. doi:10.1007/978-1-4020-9217-6_24. ISBN978-1-4020-9216-9
^Herschel, W. (1790). “Account of the Discovery of a Sixth and Seventh Satellite of the Planet Saturn; With Remarks on the Construction of Its Ring, Its Atmosphere, Its Rotation on an Axis, and Its Spheroidical Figure”. Philosophical Transactions of the Royal Society of London80 (0): 1–20. doi:10.1098/rstl.1790.0001.
^Tajeddine, R.; Rambaux, N.; Lainey, V.; Charnoz, S.; Richard, A.; Rivoldini, A.; Noyelles, B. (2014-10-17). “Constraints on Mimas' interior from Cassini ISS libration measurements”. Science346 (6207): 322–324. Bibcode: 2014Sci...346..322T. doi:10.1126/science.1255299.
^ abRhoden, A. R.; Henning, W.; Hurford, T. A.; Patthoff, D. A.; Tajeddine, R. (2017-02-24). “The implications of tides on the Mimas ocean hypothesis”. Journal of Geophysical Research: Planets. Bibcode: 2017JGRE..122..400R. doi:10.1002/2016JE005097.
^V. Lainey; N. Rambaux; G. Tobie; N. Cooper; Q. Zhang; B. Noyelles; K. Baillié (2024年2月7日). "A recently formed ocean inside Saturn's moon Mimas". ネイチャー (英語). 626. doi:10.1038/s41586-023-06975-9. ISSN1476-4687。