ミエスク (Miesque) は、父・ヌレイエフ (Nureyev) と母・パサドーブル (Pasadoble) の間に生まれた鹿毛のサラブレッド。ブラッド・ホース誌が選ぶ20世紀のアメリカ名馬100選第82位。1980年代後半のヨーロッパにおけるマイル戦線でトップクラスの実力を誇った名牝。
デビュー戦を勝った1週間後にモルニ賞に挑戦。3着に敗れるも、これが生涯最低着順となる。その後サラマンドル賞、マルセルブサック賞を連勝して、2歳は4戦3勝。
3歳。イギリス1000ギニー、プール・デッセ・デ・プーリッシュを連勝後、ディアヌ賞は距離の壁に泣いたか、2着に敗れる。このときの1着馬はインディアンスキマー（のちに牡馬相手にチャンピオンステークス・アイリッシュチャンピオンステークスを勝利）。
その後マイル戦線に復帰し、ジャック・ル・マロワ賞・ムーラン・ド・ロンシャン賞を連勝、クイーンエリザベス2世ステークス2着ののちアメリカに遠征。ブリーダーズカップ・マイルをレコード勝ちする。
4歳になり、イスパーン賞、ジャック・ル・マロワ賞を連勝。ムーラン・ド・ロンシャン賞ではソヴィエトスターに競り負けるものの、再度のアメリカ遠征でブリーダーズカップマイルを連覇して引退する。
4回の敗戦のうち3回は重馬場であった。1マイル（芝8ハロン）では11戦9勝2着2回。負けた1回は騎手が乗り替わり、1回は重馬場だった。
以下の内容はJRA-VAN Ver.World[1]、優駿達の蹄跡[2]に基づく。
アメリカにそのまま残り、レーンズエンドファームで繁殖生活に入ったミエスクは、自分の子供の活躍で再び脚光を浴びることになる。
初仔のキングマンボ (Kingmambo) はマイル戦線でG1を3勝、種牡馬としてもエルコンドルパサー、アルカセット、キングカメハメハなど多くの活躍馬を輩出した。
2番仔のイーストオブザムーン (East Of The Moon) もフランス牝馬クラシック二冠などG1で3勝。3番仔のミエスクズサン (Miesque's Son) も重賞（フランスG3・リゾランジ賞）を勝って種牡馬入りし、Whipper、Miesque's ApprovalとG1馬を輩出している。またキングマンボ、ミエスクズサンの全弟にあたる6番仔のミシックトライブ (Mythic Tribe) は日本に種牡馬として輸出されている。
1999年にはアメリカ競馬名誉の殿堂博物館に殿堂馬として選定された。
繁殖牝馬引退後はレーンズエンドファームのオークツリー分場で余生を送っていた。2011年1月20日に老衰のため死亡した。
※「f」は「filly（牝馬）」の略、「c」は「colt（牡馬）」の略。太字はG1級競走優勝馬。
第01回（1984年） ロイヤルヒロイン 第02回（1985年） コジーン 第03回（1986年） ラストタイクーン 第04回（1987年） ミエスク 第05回（1988年） ミエスク 第06回（1989年） スタインレン 第07回（1990年） ロイヤルアカデミー 第08回（1991年） オープニングヴァース 第09回（1992年） ルアー 第10回（1993年） ルアー 第11回（1994年） バラシア 第12回（1995年） リッジウッドパール 第13回（1996年） ダホス 第14回（1997年） スピニングワールド
第15回（1998年） ダホス 第16回（1999年） シリック 第17回（2000年） ウォーチャント 第18回（2001年） ヴァルロイヤル 第19回（2002年） ドームドライヴァー 第20回（2003年） シックスパーフェクションズ 第21回（2004年） シングレタリー 第22回（2005年） アーティーシラー 第23回（2006年） ミエスクズアプルーヴァル 第24回（2007年） キップデヴィル 第25回（2008年） ゴルディコヴァ 第26回（2009年） ゴルディコヴァ 第27回（2010年） ゴルディコヴァ 第28回（2011年） コートヴィジョン
第29回（2012年） ワイズダン 第30回（2013年） ワイズダン 第31回（2014年） カラコンティ 第32回（2015年） テピン 第33回（2016年） ツーリスト 第34回（2017年） ワールドアプルーヴァル 第35回（2018年） エキスパートアイ 第36回（2019年） ユニ 第37回（2020年） オーダーオブオーストラリア 第38回（2021年） スペースブルース 第39回（2022年） モダンゲームズ 第40回（2023年） マスターオブザシーズ 第41回（2024年） モアザンルックス