プロ野球マスターズリーグ(プロやきゅうマスターズリーグ)は、かつて日本のプロ野球OBがプロ野球のシーズンオフに行っていた野球の興行である。
5つのチーム(札幌アンビシャス、東京ドリームス、名古屋80D'sers、大阪ロマンズ、福岡ドンタクズ)が組織され、それぞれ札幌市、東京都、名古屋市、大阪市、福岡市に本拠地を置いていた。委員会議長は土橋正幸、初代議長は大沢啓二最高顧問。
理念
- 高齢化社会へ温かな励ましのメッセージを送る
- 野球界の底辺拡大と活性化に貢献する
- 地域社会の活性化と振興に貢献する
- 野球教室の実施により子供たちとの交流をはかるとともに、若い父母との親睦を広める
- 野球を文化としてとらえ、日本人社会にとって野球がもつ意義と思想を理解し、広めることに貢献する
歴史・概要
発端
株式会社エンジェル(代表:一木文詞)が2000年に企画・立案し、社団法人全国野球振興会(理事長:大沢啓二)に提案。同会より全面的な支持、協力を取り付け、翌2001年に日本プロ野球OBクラブへ「プロ野球マスターズリーグ設立」企画を提案、プロ野球OBの人材活用と球界の活性化を模索していた同団体にとってタイムリーな申し出となり、人材の提供を約束することとなる。
リーグ開始
同年4月、スカイパーフェクト・コミュニケーションズに「新リーグ設立」企画を提案。リーグ設立5つの理念に深い賛同を得て同社が冠スポンサー・特別協賛としてスタート。スカパーの各チャンネルにて全試合が中継されることとなった。11月1日、東京ドームでの東京ドリームス対札幌アンビシャス戦で開幕。
2006年に、初年度より特別協賛を務めていたスカイパーフェクト・コミュニケーションズが撤退。翌2007年はソフトバンクモバイルが新たに特別協賛となり、「ソフトバンクプロ野球マスターズリーグ」(大会ロゴには「Presented by SoftBank」のクレジットが入った)の名で行われた[1]。
2008-2009年シーズン
しかし翌2008年はソフトバンクモバイルが特別協賛から撤退。冠スポンサーが無くなり、札幌ドーム、京セラドーム大阪、福岡Yahoo!JAPANドームでの開催が無くなったほか、地方開催の大部分を削る形で試合数が半減した。当該シーズンは、2009年5月までに残り10試合のうち、札幌戦を中心とした5試合を地方球場で行ったが、残り5試合は行われないままシーズンを終了した。なお、この年は名古屋-大阪戦は1試合も行われなかった。全チームの消化試合数が異なる(札幌8試合、東京7試合、福岡6試合、名古屋5試合、大阪4試合)ため、公式な成績を確定することは見送られた。
2009-2010年シーズン
2009-2010年シーズンは、2009年12月6日に茨城県ひたちなか市民球場で、「マスターズリーグ東西対抗」が行われることのみが発表された[2]。肝心のリーグ戦については、11月末ぎりぎりまで開催を模索したものの、スポンサーを得ることが出来ず、「断念せざるを得ない」と発表。しかし「来季については、必ずリーグ戦を復活させ、マスターズリーグを継続していきたい」と合わせて発表した。なお、別途発表されている類似イベント「プロ野球OBオールスターアスリートカップ」があるが、これはマスターズリーグの主催ではない。
その後
以降、マスターズリーグとしての試合の開催は行われていない。試合以外では、マスターズリーグが企画・運営する「野球知識検定」を2010年9月以降定期的に行い、試験官はマスターズリーグ選手を中心としたプロ野球OBが務めている[4]。また2011年4月にはマスターズリーグ事務局主催による、東日本大震災被災者支援の募金イベントを実施している[5]。
この「野球知識検定」が毎年12月に開催されている以外は、マスターズリーグとしての活動はなく、公式ブログも2019年10月以降更新されていない。
所属チーム
札幌アンビシャス
主な選手・首脳陣
- 監督:7柴田勲(2008-、巨人)
- 2006-2007:6土井正三(巨人)
- 2004-2005:72古葉竹識(広島・南海)
- 2001-2003:8山内一弘(毎日・阪神・広島)
- コーチ
- 投手
- 捕手
- 内野手
- 外野手
東京ドリームス
主な選手・首脳陣
- 監督:28江夏豊(2008-、阪神・南海・広島・日本ハム・西武)
- コーチ
- 投手
- 捕手
- 内野手
- 外野手
名古屋80D'sers
主な選手・首脳陣
- 監督:5大島康徳(2008-、中日・日本ハム)
- 2006-2007:20杉下茂(中日)
- 2003-2005:3中利夫(中日)
- 2001-2002:80近藤貞雄(中日)
- コーチ
- 投手
- 捕手
- 内野手
- 外野手
大阪ロマンズ
主な選手・首脳陣
- 監督:17山田久志(2008-、阪急)
- 2001途中:杉浦忠(南海)
- 2001-2007:30吉田義男(阪神)
- コーチ
- 投手
- 捕手
- 内野手
- 外野手
福岡ドンタクズ
主な選手・首脳陣
- 監督:20池永正明(2008-、西鉄)
- 2001-2007:81稲尾和久(西鉄、2007年シーズン中に死去)
- 発足当初から監督を務めていた稲尾和久が2007年11月13日に死去したため、2007年11月17日に福山市民球場で行われた対東京戦は中西太ヘッドコーチが代行で指揮を執った。
- コーチ
- 投手
- 捕手
- 内野手
- 外野手
試合方式
- 延長戦は10回のみ行う。
- 5チームの2回総当り(ホーム・アンド・アウェー方式で各1試合ずつ 1チーム8試合)の成績で順位を決定する。
- 1チームの登録メンバーは1チーム35人(監督・コーチ含む)とし、また1試合ごとのベンチメンバーは25人。ベンチメンバーは全員出場できるものとする。
- 指名打者選手に対する特別代走選手の出場が認められる。
- 原則として40歳以上の選手が出場できるが、それ以下の選手についても「サポートプレーヤー」として出場できる。
- ただし1チームでの登録は5人とし、また試合出場に関しても4回以降で1試合当たりの出場者も3人まで制限されている。
- またサポートプレーヤーの投手は1試合最大3イニングスまでしか出場できない。指名打者・並びにそれに対する特別代走選手としての出場は出来ない。
- シーズン中の登録メンバーの変更・他チームへの移籍は認めない。但し契約条項により大会主催者が特に認めた場合は契約解除とそれに伴うメンバーの補充登録が認められる。
- 打者の規定打席数は20打席、投手の規定投球回数は10イニングスとする。また一般のプロ野球とは異なり、勝利投手はオールスター、オープン戦の勝利投手方式で、またセーブについては公式記録員の裁定によって決定する。
年度別順位
プロ野球マスターズリーグ年度別順位
年度 |
優勝 |
2位 |
3位 |
4位 |
5位
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2001-2002
|
大阪 |
福岡 |
東京 |
名古屋 |
札幌
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2002-2003
|
東京 |
福岡 |
名古屋 |
大阪 |
札幌
|
2003-2004
|
東京 |
札幌 |
名古屋 |
福岡 |
大阪
|
2004-2005
|
札幌 |
大阪 |
福岡 |
東京 |
名古屋
|
2005-2006
|
札幌 |
大阪 |
福岡 |
東京 |
名古屋
|
2006-2007
|
名古屋 |
札幌 |
大阪 |
福岡 |
東京
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2007-2008
|
札幌 |
名古屋 |
東京 |
福岡 |
大阪
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- 2008-2009シーズンは消化試合数が各チームで異なるため、公式成績を確定しない。
試合会場での演出
- 各試合ごとに、プロ野球中継の実況アナウンスで活躍したベテランスポーツアナウンサー(中田秀作(元文化放送)、石川顯(元TBS)ら)が場内解説を担当する。単なる試合の状況説明だけに留めず、その選手の過去の実績等の情報もアナウンスされる。初期には渡辺謙太郎(元TBS)らが務めた。
- 選手もしくは監督が国歌斉唱をする場合もある。
リーグスポンサー
放送について
スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(現・スカパーJSAT)がメインスポンサーだった当時は、パーフェクト チョイス(現・スカチャン)にて全試合中継を行っていたが、同社の撤退後は、スカイ・A sports+、J SPORTS、BS-i、BS日テレ他地上波ローカルいずれかで一部のカードを中継。
脚注
関連項目
外部リンク