シャーリーズ・セロン (英 : Charlize Theron , 1975年 8月7日 - )は、南アフリカ共和国 出身のアメリカの女優 、モデル 、プロデューサー 。苗字のセロンは正式には「トゥロン(Tronn, Te-ron)」と発音するが[ 1] 、アメリカ人からは、「ゼアロン(There-on)」と呼ばれるので、発音しやすい「スロゥン(Thrown)」に変えたと本人が語っている[ 2] 。公式には、シャーリーズ(shar-LEES:「リー」にアクセントがある)・セレン(THAIR-en)と呼ばれる[ 3] 。
生い立ち
南アフリカ共和国 ハウテン州 ベノニ (en )でアフリカーナー として道路建設会社を経営していたフランス 系の父親と、ドイツ 系の母親の間に生まれる[ 4] [ 5]
。一家は幼い頃からアルコール依存症 の父親による家庭内暴力に悩まされていた[ 4] [ 5] 。15歳の頃、晩に酔って帰ってきた父親に暴力を振るわれ、寝室に逃げると父親は銃を持ってドアに向かって発砲し、娘の命の危険を感じた母親が父親を射殺してしまうという事件が起きる[ 6] 。母親に対しては、正当防衛 が認められた[ 7] 。多くの人と家庭内暴力や依存症の問題を共有していくために、この事は隠さずに公表している[ 6] 。
キャリア
2012年
16歳の時に地方のモデルコンテストに優勝し、モデルとしてミラノ やパリ [要出典 ] で活動してから1年後、バレエ学校で学ぶためにアメリカ合衆国 ・ニューヨーク へ移住する。そこでバレエ・ダンサーを夢見て日々挑戦を続けていたが、不運にも膝の怪我でその夢を断念せざるを得なくなる[ 8] 。その後、女優を目指しロサンゼルス に移るが、仕事がなくその日暮らしの困窮生活を送る。母から送付された小切手を現金化しようと銀行を訪れた際、他国発行の小切手の手続きが一般的でないことなどから銀行員から素っ気ない態度で対応されたために激怒し、口論していたところを現金化する手続きを知っていたマネージャーにスカウトされ、本格的に女優活動を始めることになる[ 9] [ 10] [ 11] 。1995年に映画『アーバン・ハーベスト3 ザ・スケアクロウ 』のエキストラ 出演を経て、1996年に『2 days トゥー・デイズ 』で映画デビュー。この作品で一躍知られるようになるが、「セクシーなブロンド役」ばかりのオファーが寄せられた [要出典 ] 。その後はドラマやサスペンス、アクションなど、様々なジャンルの作品に出演し、演技派女優としての地位を築く [要出典 ] 。2003年の『モンスター 』でアカデミー主演女優賞 、ベルリン国際映画祭 銀熊賞、ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門) などを受賞した。2006年の米『The Hollywood Reporter』誌にて、上位7番目の高額出演料女優として記された。2007年の米男性誌『エスクァイア 』にて、「最もセクシーな女性」に選ばれた。2005年10月から2006年12月までスイス の高級時計Raymond Weil の広告塔を務めていたが、契約時期にクリスチャン・ディオール (セロンはディオールの広告塔も兼任)の時計を身に付けた写真を撮られたことから、ウエイル社から契約違反として2000万ドル(約20億)の賠償金を求めて訴えられてしまった[ 12] 。2008年11月に示談が成立した[ 13] 。
映画以外の活動
LGBT の権利を支持する活動を行っている[ 14] 。2005年にアメリカで「同性愛者同士の結婚が法的に認められるまで、結婚はしない」と発言し、同性愛に対する人々の理解を深めたとしてGLAADメディア賞 の名誉賞を受け取った。2008年11月に国連平和大使 に任命された[ 15] 。2009年12月、2010FIFAワールドカップ 南アフリカ 大会の組み合わせ抽選会で司会を務めた[ 16] 。
私生活・エピソード
母語はアフリカーンス語 [ 17] [ 18] であり、英語はテレビを観て勉強したという [要出典 ] 。過去に俳優のクレイグ・ビアーコ やミュージシャンのステファン・ジェンキンス と交際。2001年から『コール 』で共演した俳優のスチュアート・タウンゼント と交際(同棲)。2007年9月12日にトロント国際映画祭 でスチュアートと共に結婚指輪 を披露。愛し合う二人に国家や教会からの証明は不要と述べ、正式に届けを提出したわけではないが、事実上の結婚宣言をした[ 19] 。しかし、2010年に破局が明らかになった[ 20] 。2012年3月には女の子を養子にとっている。名前はジャクソン[ 21] 。2007年にアメリカの市民権を取得する [要出典 ] 。2013年から、俳優のショーン・ペン と交際したが、2015年に破局[ 22] 。
『プロメテウス 』で謎の女メレディス・ヴィッカーズを演じる際はボディラインが一目で分かるウエストの非常に細いコスチュームを常に着るため、さらに激しいトレーニングを加え余分な脂肪を完全になくし、腹筋が8つに割れるほど体を引き締めた。それでもウエスト50cmのこの衣装は着装が大変で、着けていたブラジャー とショーツ さえも激しく体を締め付けていたという[ 23] 。
『タリーと私の秘密の時間 』では出産したばかりの母親を演じるために3ヶ月半の間に体重を約16Kg増量し、それを維持するために24時間暴飲暴食するなどして、肥満体型を維持した。撮影後、体重を減らすのに1年半を要した[ 24] 。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード 』では、崩壊した世界で生きる女性を演じるため、自らの提案により頭を丸刈り にして臨んだ[ 25] 。
主な出演作品
映画
テレビ
年
題名
役名
備考
吹替
2000
サタデー・ナイト・ライブ Saturday Night Live
ホスト
「Charlize Theron / Paul Simon 」
2005
ブル〜ス一家は大暴走! Arrested Development
リタ・リーズ
計5話出演
2014
サタデー・ナイト・ライブSaturday Night Live
ホスト
「Charlize Theron / The Black Keys 」
2017
宇宙探査艦オーヴィル The Orville
プリア
第1シーズン第5話「プリア」
2022
ザ・ボーイズ The Boys
ストームフロント役の女優
カメオ出演 第3シーズン第1話「ペイバック」
日本語吹き替え
主に担当しているのは、以下の二人である。
本田貴子
『トリコロールに燃えて 』以降、多くの作品で務め、セロンの専属(フィックス )となっている[ 28] 。
田中敦子
『スノーホワイト/氷の王国 』で初担当。以降、「ワイルド・スピード 」シリーズをはじめとして本田の次に多く吹き替えていた。
このほかにも、岡寛恵 、勝生真沙子 、甲斐田裕子 、魏涼子 、松本梨香 、井上喜久子 なども複数回、声を当てている。
脚注
^ Austin360.com. “Actress Charlize Theron talks about her on-screen transformation into a serial killer ”. 2008年6月24日 閲覧。
^ Aclasscelebs. “Charlize Theron Interview ”. 2008年6月24日 閲覧。
^ inogolo. “Charlize Theron ”. 2008年6月24日 閲覧。
^ a b “シャーリーズ・セロン壮絶人生を語る 自分を守るため母が父を射殺” . テックインサイト . (2019年12月19日). https://japan.techinsight.jp/2019/12/emma12162354.html 2020年7月31日 閲覧。
^ a b “シャーリーズ・セロン、数奇な人生を輝きに変えて。” . vogue . (2015年6月16日). https://www.vogue.co.jp/celebrity/beautybuzz/2015-06-16 2020年7月31日 閲覧。
^ a b ELLE (2019年12月17日). “シャーリーズ・セロン、母が父を殺した夜を改めて語る ”. 2020年1月8日 閲覧。
^ “Charlize Theron ”. BiographyChannel.co.uk . 8 December 2009時点のオリジナル よりアーカイブ。30 November 2011 閲覧。
^ Hirschberg, Lynn (24 February 2008). “Charlize Angel” . The New York Times T Magazine . オリジナル の30 November 2011時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/63aaEG9lY 24 February 2008 閲覧。
^ 2008年6月号「日経エンタテインメント!」(日経BP社)
^ Foley, Jack. “In the Valley of Elah:Charlize Theron interview ”. IndieLondon.co.uk. 13 January 2009時点のオリジナル よりアーカイブ。23 February 2008 閲覧。
^ Davidson, Sara (2005年10月). “Charlize Theron Interview ”. Reader's Digest . 25 March 2008時点のオリジナル よりアーカイブ。23 February 2008 閲覧。
^ シネマトゥデイ. “シャーリーズ・セロン、ライバル会社の時計をつけて訴えられる ”. 2007年2月20日 閲覧。
^ シネマトゥデイ. “シャーリーズ・セロン、契約違反!腕時計訴訟で大散財!— ”. 2007年11月29日 閲覧。
^ “Charlize Theron vows to ‘f**k anybody up’ who comes for LGBTQ+ people ”. PinkNews (2023年5月9日). 2024年2月24日 閲覧。
^ シネマトゥデイ. “シャーリーズ・セロン、国連平和大使に任命される ”. 2008年11月20日 閲覧。
^ “南ア出身の女優シャーリーズ・セロンがサッカーW杯抽選会を司会! ”. 映画.com . 株式会社エイガ・ドット・コム (カカクコム グループ) (2009年12月7日). 2020年7月29日 閲覧。
^ “Charlize Theron ”. AccessHollywood.com . 25 July 2010時点のオリジナル よりアーカイブ。24 October 2009 閲覧。
^ “Charlize Theron ”. People . 24 October 2009 閲覧。
^ people. “Stuart Townsend Calls Charlize Theron His Wife ”. 2008年6月24日 閲覧。
^ Graham, Caroline (31 January 2010). “Charlize Theron 'rings off' after secret split with Stuart Townsend” . Daily Mail (UK). オリジナル の20 December 2011時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/645RVYxne 1 February 2010 閲覧。
^ “Charlize Theron Adopts a Baby Boy” . People . (14 March 2012). http://www.people.com/people/article/0,,20578441,00.html 16 March 2012 閲覧。 .
^ “婚約していたショーン・ペン&シャーリーズ・セロンが破局 ”. シネマトゥデイ (2015年6月18日). 2015年6月18日 閲覧。
^ 雑誌『SCREEN 』2012年8月号
^ “Charlize Theron Reveals 'Very Long Journey' to Lose 50 Pounds Packed on for 'Tully'” . Entertainment Tonight . (April 17, 2018). http://www.etonline.com/charlize-theron-reveals-very-long-journey-to-lose-50-pounds-packed-on-for-tully-exclusive-100564 April 18, 2018 閲覧。
^ “「マッドマックス」シャーリーズ・セロン、丸刈り頭になり自分の“首の太さ”に驚がく!” . 映画.com. https://eiga.com/news/20150614/5/ 2020年10月12日 閲覧。
^ “映画情報>ダーク・プレイス ”. シネマトゥデイ. 2016年6月22日 閲覧。
^ “「スノーホワイト 氷の王国」予告編で最も美しく邪悪な姉妹の魔力が明らかに ”. 映画.com (2015年12月21日). 2015年12月22日 閲覧。
^ “飯森盛良のふきカエ考古学” . ふきカエル. (2017年11月1日). https://www.fukikaekingdom.com/%e9%a3%af%e6%a3%ae%e7%9b%9b%e8%89%af%e3%81%ae%e3%81%b5%e3%81%8d%e3%82%ab%e3%82%a8%e8%80%83%e5%8f%a4%e5%ad%a6-18/ 2023年10月19日 閲覧。
外部リンク
1928–1940 1941–1960 1961–1980 1981–2000 2001–2020 2021–現在
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