トランス状態に入るラーマクリシュナ(真ん中の人物)
グル(サンスクリット: गुरु,guru、巴: garu, guru)は、サンスクリット、パーリ語で「師」「指導者」「教師」「尊敬すべき人物」「尊師」などを意味する単語。もともとサンスクリットで「重い」という意味をあらわす形容詞で、「重んじるべき方」という意味になった[1]。
密教では「導師」などのことを指す。他には「上師」などとも訳される。師匠であるグルに対して弟子のことをシシュヤ(梵: śiṣya、巴: sissa)という[2]。巨匠、師匠、熟練者、重鎮なども意味する語。「重いもの」「闇から光へ導くもの」「木星」などの意味もある[3]。
ヨーガの修行を達成するためには、グルは死ぬ最期の時まで必要不可欠なものだとされている。
シク教のグル
シク教では、教祖のグル・ナーナクからグル・ゴービンド・シングまでの10人のグルに教えが継承された。シク教の教典である『グル・グラント・サーヒブ』は、11番めにして永遠のグルとされる。
その他の宗教における用法
欧米ではニューエイジ系カルト団体指導者がグルを名乗った。日本ではオウム真理教教祖の麻原彰晃がホーリーネームでマハー・グル・アサハラと名乗り、信者からも尊称としてグルと呼ばれていた。
バクティ・ヨーガにおけるグルは、弟子にとって神の化身ともいえる存在であり、信仰の対象である。グルは自身の霊力を愛という形で弟子に注ぎ、弟子はグルに意識を集中させることにより自己の霊性を向上させる。師弟の信頼により支えられたこの関係において、弟子はグルの指示・指令を実践することによりグルの期待に応えるのである。
他言語による借用
サンスクリットのグルを語源として、教師のことをタイ語で ครู (khruu)、マレー語・インドネシア語で Guru という。米国メディアなどでは、ある種のカリスマ性を持って健康法などを指導する人物を「グールー」(英: guru)という。これはヒッピー文化を通して広まった用法とされる。
他の用法
コンピュータ関連の俗語では、特定の技術開発分野で牽引役となっている「伝説級の技術者」を指す。
一部のソフトウェアでは、回復不可能なエラーをGuru Meditation(グルの瞑想)という。
ヒンドゥー教の主なグル
脚注
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