ウィメンズ・スーパーリーグ
ウィメンズ・スーパーリーグ (英語 : Women's Super League 、略称:WSL )は、イングランド における女子サッカー の最上位リーグ。2011年4月よりスーパーリーグと女子選手権 の2リーグはフットボール・アソシエーション (FA)により運営されていたが、2024年8月からウィメンズ・プロフェッショナル・リーグ・リミテッド が運営を引き継いでいる[ 1] 。
概要
かつての最上位リーグであったFA女子プレミアリーグ から移行した8クラブを擁して2011年に最初のシーズンが開催され、2014年に新たに10クラブを加えWSL1とWSL2の2部制を敷いている[ 2] 。運営が続くプレミアリーグ(3部相当)との入れ替え はなく、WSLは4月から10月に、プレミアリーグは冬季にそれぞれ開催されている。WSL王者および2位となったクラブはUEFA女子チャンピオンズリーグ への出場資格を得る。
2016年シーズンからはWSL1に1クラブ増えて9クラブ、WSL2が10クラブで合わせて全19クラブで開催されることになった[ 3] 。
2017年は新たな開催日程に移行するためにスプリングシリーズが2月から5月に全8節で行われ、本来のシーズンは2017-18年に9月から5月の開催で行われることになった[ 4] 。2017-18シーズンからはWSL1に1クラブ加わり10クラブ、WSL2が10クラブの計20クラブで行われることになった[ 5] 。
2018-19シーズンからはWSL1の呼称を「FA女子スーパーリーグ (英語 : The FA Women's Super League )」、WSL2を「FA女子選手権 (英語 : The FA Women's Championship )」とし、それぞれ1クラブずつ増えて各11クラブ(計22クラブ)で行われることになった[ 6] [ 7] 。
フットボール・アソシエーション (FA)は2022-23シーズン に先立ち、新しいビジュアル・アイデンティティを発表し、将来的にリーグが新しい所有者になるための長期戦略の一環として、スーパーリーグと選手権の2つのリーグ名から「The FA 」を削除した[ 8] 。
2024年 8月15日 、新しく設立された独立系企業であるウィメンズ・プロフェッショナル・リーグ・リミテッド (英語 : Women's Professional Leagues Limited 、略称:WPLL )がスーパーリーグと選手権の2リーグの買収を発表し、FAから所有権が引き継がれた[ 1] 。
リーグの構成
WSLの加盟クラブは12である。機構改革前はプロフェッショナル・リーグと規定され、それぞれのクラブは上位4名の選手に年俸2万ポンド 超を払えるかどうかを加盟条件としていた[ 9] 。しかしながらWSLをセミプロ に移項させると2010年11月に発表があり、各クラブの専属選手は「数名」と規定が変わった[ 10] 。当時はアメリカ女子プロサッカー (WPS)と対比し、イングランドの女子サッカー選手の年俸は10分の1とも評された[ 10] (その後、WPSは発展的に解消)。
2011 FIFA女子ワールドカップ の開催を控え、同シーズンは2011年5月12日からオフに入る。7月初旬に再開し、同8月に日程を終えた[ 11] 。
リーグの制度変更が定着する2011年からFA WSLコンチネンタル・カップ が始まり、クラブはノックアウト方式のトーナメント戦 (英語版 ) に臨んだ[ 12] 。2014シーズン (英語) に機構改革を受け、イングランドのクラブは3地域に分類され、6クラブが選ばれる。3地域それぞれの優勝チームと得失点差で次点のクラブは、ノックアウト方式の準決勝戦へ進んだ[ 13] 。続く2015シーズン から、WSLコンチネンタル・カップの開催カレンダーはリーグシーズンと並行して開かれている。
FA 評議会は審理の結果、2017–18シーズンからリーグ再編ならびにライセンス要件の改定を実施すると2017年9月に公表、プロフェッショナル・チーム対象の1部は参加枠を8から14クラブへ、セミプロ対象の2部として同じく12クラブを出場させるとした[ 14] 。2年目の2018–19シーズンには、参加条件をプロフェッショナル・クラブにしぼり込んだ[ 15] 。
所属クラブ
2024-25シーズン は以下の12チームが出場する。
チーム
ホームタウン
本拠地
収容人数
2023–24シーズン
アーセナル
ホロウェイ (英語版 )
エミレーツ・スタジアム
60,704
3位
アストン・ヴィラ
アストン (英語版 )
ヴィラ・パーク
42,640
7位
ブライトン&ホーヴ・アルビオン
クローリー
ブロードフィールド・スタジアム (英語版 )
6,134
9位
チェルシー
キングストン・アポン・テムズ
キングスメドウ (英語版 )
4,850
1位
クリスタル・パレス
サットン
ガンダー・グリーン・レーン (英語版 )
5,032
12 女子選手権 1位
エヴァートン
リバプール
ウォルトン・ホール・パーク (英語版 )
2,200
8位
レスター・シティ
レスター
キング・パワー・スタジアム
32,212
10位
リヴァプール
セント・ヘレンズ
トータリー・ウィキッド・スタジアム (英語版 )
18,000
4位
マンチェスター・シティ
マンチェスター
アカデミー・スタジアム
7,000
2位
マンチェスター・ユナイテッド
リー (英語版 )
リー・スポーツ・ビレッジ (英語版 )
12,000
5位
トッテナム・ホットスパー
レイトン (英語版 )
ブリスベン・ロード (英語版 )
9,271
6位
ウェストハム・ユナイテッド
ダゲナム
ヴィクトリア・ロード (英語版 )
6,078
11位
歴代優勝クラブ
WSL優勝トロフィー(左、エレン・ホワイト /右、ステフ・ホートン)
トロフィー。機構改革を経て2018–19シーズンから採用。
シーズン
FA女子カップ でダブル を達成したクラブは太字 で示した。FA女子カップとFA女子リーグカップ のトレブル を達成したクラブは太字 と斜体 で表す。
シーズン
優勝
2位
3位
チーム数
試合数
2011
アーセナル
バーミンガム・シティ
エヴァートン
8
14
2012
アーセナル
バーミンガム・シティ
エヴァートン
8
14
2013
リヴァプール
ブリストル・アカデミー
アーセナル
8
14
2014
リヴァプール
チェルシー
バーミンガム・シティ
8
14
2015
チェルシー
マンチェスター・シティ
アーセナル
8
14
2016
マンチェスター・シティ
チェルシー
アーセナル
9
16
2017 (スプリングシリーズ)[ 注 1]
チェルシー
マンチェスター・シティ
アーセナル
9
8
2017-18
チェルシー
マンチェスター・シティ
アーセナル
10
18
2018-19
アーセナル
マンチェスター・シティ
チェルシー
11
20
2019-20
チェルシー
マンチェスター・シティ
アーセナル
12
2020-21
チェルシー
マンチェスター・シティ
アーセナル
12
22
2021-22
チェルシー
アーセナル
マンチェスター・シティ
12
22
2022-23
チェルシー
マンチェスター・ユナイテッド
アーセナル
12
22
2023-24
チェルシー
マンチェスター・シティ
アーセナル
12
22
^ シーズンを通してプレーされていないため、正式なタイトルとして認められていない[ 16] 。
クラブ別優勝回数
^ a b シーズンを通してプレーされていないため、正式なタイトルとして認められていない[ 16] 。
歴代得点王
各種の記録
2024年5月18日現在 。WSL在籍選手はすべて太字 で表示されています。
凡例:
※ シーズンのリンク先は英語版。
最多出場選手
最多得点選手
観客動員数
それぞれ1試合当たりの記録を示す(2024年5月18日時点)。
殿堂入り
WSLは2021年9月、バークレイズFA WSLの初代殿堂入り選手を発表し、イングランドの女子サッカーならびにWSLに顕著な貢献をした人々を顕彰した[ 41] 。
スポンサー
WSLはイギリスの国際金融グループバークレイズ と2019年3月時点で多額のスポンサー契約を結ぶと、2019–20シーズンから3年の約束で後援を受けている。総額1千万イギリスポンド とも言われ、リーグ優勝チームの賞金は初めて総額50万ポンドの大台に載った。FA側はこのスポンサー契約に関して、「特定のブランドによるイギリスの女子スポーツに寄せられた最大の投資」と評価した[ 45] 。
これまで、2012年から2019年の時期はコンチネンタル・タイヤが筆頭スポンサーを務め、FAが経済的効果を図った事業として、2014年から2018年の期間にWSLとともにサッカーイングランド女子代表チーム 、FAウィメンズカップ ならびにFA WSLコンチネンタル・カップ の運営経費に当てている[ 46] [ 47] 。2011シーズンコンチネンタルとスポンサー権を持ち合ったのは、ヨークシャー建築協会 (英語) である[ 48] [ 10] 。
世界の放送・配信界からWSLに引き合いがかかり、「フットボールマネージャー 」という監督ロールプレイングゲーム 、あるいは女子サッカーリーグをテーマとしたコンテンツが開発されており、公開時期はまだ決まっていない(2021年10月 (2021-10 ) 現在[update] )。
放送と配信
イギリス並びにアイルランドでは試合のテレビ放映権ならびにウェブ配信権は2020年12月年現在[update] 、FAプレイヤー、Sky Sports およびBBC (イギリス国内限定) にライセンスされている。国外では特定の試合に関して12ヵ国以上で放送されており (以下ABC順)、アメリカのほかオーストラリア、カナダ、デンマーク、ドミニカ、フィンランド、ドイツ、イタリア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデンが含まれる。
イギリスとアイルランド
外国の放送
放送権のない国では、WSLの全試合がYouTube で試聴できる[ 49] 。
脚注
注釈
出典
^ a b “Women's Professional Leagues Limited complete takeover of Barclays WSL and Championship ” (英語). OneFootball (2024年8月15日). 2024年8月15日 閲覧。
^ "FA WSL - 2014 SEASON EXPANSION" . 公式サイト (Press release) (英語). The FA WSL. 30 October 2013. 2018年1月30日閲覧 。
^ "FA WSL 2 PROMOTION ANNOUNCEMENT" . 公式サイト (Press release). The FA WSL. 2 December 2014. 2018年1月30日閲覧 。
^ "FA Women's Super League to move to new calendar in 2017" . 公式サイト (Press release). The FA WSL. 12 July 2016. 2018年1月30日閲覧 。
^ “Women's Super League 2017-18: New calendar, new names and new goal notifications ”. BBC.com (2017年9月21日). 2018年1月30日 閲覧。
^ “FA WOMEN'S SUPER LEAGUE AND FA WOMEN'S CHAMPIONSHIP CONSTITUTION ”. The FA (2018年7月24日). 2018年9月21日 閲覧。
^ “NEW BRAND IDENTITY REVEALED FOR FA WOMEN'S LEAGUES ”. The FA (2018年6月6日). 2018年9月21日 閲覧。
^ “Barclays Women's Super League rebranded ” (英語). www.mancity.com (2022年6月10日). 2022年9月21日 閲覧。
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外部リンク