第69回安田記念は、2019年6月2日に東京競馬場で施行された競馬の競走である。インディチャンプが優勝した。
レース施行前の状況
馬場状態
2019年5月31日正午の時点での芝コースの状態は、第3コーナーから第4コーナーの内柵沿いに傷みが出始めたものの、全体的に大きな傷みは無く概ね良好な状態[1]であった。Cコースを使用し、芝の草丈は野芝約10から12cm、洋芝約14から18cmに整備され[1]、含水率は8時半の時点で、ゴール前12.9%、第4コーナー13.0%となっていた[1]。
出走馬
本競走最大の焦点は、アーモンドアイとダノンプレミアムの両4歳馬の直接対決であった[2]。前年に牝馬三冠、第38回ジャパンカップを制した年度代表馬のアーモンドアイは、始動戦のドバイターフを優勝した後凱旋門賞への遠征プランを取りやめ、4歳春の集大成にジャパンカップと同じ東京コースの安田記念を選んだ。2歳王者のダノンプレミアムは、朝日杯フューチュリティステークス以外のGIタイトルには手が届かないまま長期休養に入ったが、休み明けに金鯱賞・マイラーズカップとGIIを連勝し勢いに乗っての参戦。単勝オッズでもこの2頭が1.7倍、3.2倍と抜けた人気に落ち着いた。
尤も3番人気以下にも実力馬が揃い、安田記念連覇を狙うモズアスコットや安田記念と同コースのGI(NHKマイルカップ1着・ヴィクトリアマイル5着)で実績のあるアエロリット、前年のマイルチャンピオンシップ1・2着馬ステルヴィオとペルシアンナイトにケイアイノーテックを加えた7頭のGI勝利馬が名を連ねた。またその他の出走馬では、サングレーザーや冬の上がり馬インディチャンプなどが人気を集めた。
出走馬と枠順
- 2019年6月2日 第3回東京競馬第2日目 第11競走
- 天気:曇、馬場状態:良、発走時刻:15時40分
[3][4]
パドック
レース結果
レース展開
ステルヴィオ、ダノンプレミアムが立ち遅れて後方からの競馬。さらにロジクライが発走直後に内側へ斜行し、ダノンプレミアム、アーモンドアイ、ペルシアンナイト、ロードクエストの4頭の進路が狭くなった。前方では、グァンチャーレが飛び出しハナを主張するが、内からアエロリットが押してハナを奪った。その先頭争いの後方は2馬身開いて、ロジクライ、サングレーザーが位置し、斜行の不利を受けた各馬はさらに2馬身から5馬身離されて追走した。
先頭のアエロリットは前半800m通過は45秒8でややゆったりした流れで逃げ[5]第4コーナーでは、リードを2馬身とっていた。2番手はグァンチャーレ。3馬身差の3番手にロジクライ。インディチャンプは5番手に下がり、脚を溜めた。その後ろはかなり馬群がかたまり、アーモンドアイとダノンプレミアムはほぼ並んでカーブし、最後の直線に入っていった。
残り400mでもアエロリットが逃げ粘り、グァンチャーレが外から並び、後続にはまだ2馬身以上の差があった。残り200m地点で2頭の外からインディチャンプが鋭く伸び、さらにその大外からアーモンドアイが追い上げを見せた。先に抜け出したインディチャンプが内で粘ったアエロリットを振り切り1着でゴール、上がり最速の足を繰り出したアーモンドアイは大外を回されたことも響き3着。ダノンプレミアムは終始伸びを欠いて最後方での入線となった。
レース着順
着順
|
枠番
|
馬番
|
競走馬名
|
タイム
|
着差
|
上がり3ハロン
|
1着
|
3
|
5
|
インディチャンプ
|
1:30.9
|
|
32.9
|
2着
|
1
|
2
|
アエロリット
|
1:30.9
|
クビ
|
33.9
|
3着
|
7
|
14
|
アーモンドアイ
|
1:30.9
|
ハナ
|
32.4
|
4着
|
3
|
6
|
グァンチャーレ
|
1:31.1
|
1馬身1/2
|
33.9
|
5着
|
2
|
4
|
サングレーザー
|
1:31.1
|
ハナ
|
32.9
|
6着
|
4
|
7
|
モズアスコット
|
1:31.2
|
クビ
|
33.1
|
7着
|
1
|
1
|
ケイアイノーテック
|
1:31.3
|
1/2馬身
|
32.7
|
8着
|
4
|
8
|
ステルヴィオ
|
1:31.3
|
ハナ
|
32.6
|
9着
|
8
|
16
|
ロジクライ
|
1:31.4
|
1/2馬身
|
33.8
|
10着
|
7
|
13
|
ペルシアンナイト
|
1:31.8
|
2馬身1/2
|
32.7
|
11着
|
2
|
3
|
サクラアンプルール
|
1:31.9
|
1/2馬身
|
33.3
|
12着
|
6
|
12
|
ロードクエスト
|
1:31.9
|
ハナ
|
34.1
|
13着
|
5
|
9
|
スマートオーディン
|
1:32.0
|
3/4馬身
|
33.4
|
14着
|
5
|
10
|
フィアーノロマーノ
|
1:32.1
|
1/2馬身
|
33.7
|
15着
|
6
|
11
|
エントシャイデン
|
1:32.2
|
1/2馬身
|
34.0
|
16着
|
8
|
15
|
ダノンプレミアム
|
1:32.9
|
4馬身
|
34.5
|
データ
ハロンタイム
|
12.2 - 10.9 - 11.4 - 11.3 - 11.2 - 11.1 - 11.2 - 11.6
|
600m通過タイム
|
34.5秒(アエロリット)
|
優勝馬上がり3ハロン
|
32.9秒
|
上がり最速
|
32.4秒(アーモンドアイ)
|
払戻
単勝
|
5
|
1920円
|
複勝
|
5
|
290円
|
2
|
240円
|
14
|
110円
|
枠連
|
1-3
|
4010円
|
馬連
|
2-5
|
5670円
|
馬単
|
5-2
|
13660円
|
3連複
|
2 - 5 - 14
|
3690円
|
3連単
|
5 - 2 - 14
|
43720円
|
エピソード
脚注
注釈
出典
- ^ a b c “【馬場情報】東京競馬場 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2019年8月31日閲覧。
- ^ “【安田記念】アーモンドアイVSダノンプレミアム!/JRAレースの見どころ | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2019年8月30日閲覧。
- ^ “安田記念(G1) オッズ | 2019/06/02 東京11R レース情報(JRA) - netkeiba.com”. race.netkeiba.com. 2019年8月30日閲覧。
- ^ “安田記念(G1) レース結果 | 2019/06/02 東京11R レース情報(JRA) - netkeiba.com”. race.netkeiba.com. 2019年8月30日閲覧。
- ^ “第69回 安田記念 レース結果回顧・払戻|GⅠ特集|競馬予想・競馬情報ならJRA-VAN”. jra-van.jp. 2019年8月30日閲覧。
- ^ 2019年春の東京のGIヴィクトリアマイル、オークス、日本ダービーに続くレースレコード。
- ^ この競走では他にステルヴィオ・ケイアイノーテック・ペルシアンナイトも上がり3Fタイムを更新
- ^ a b “【安田記念】2強倒した!インディチャンプ大金星|競馬ニュース|競馬予想のウマニティ! - サンスポ&ニッポン放送公認SNS”. 競馬予想のウマニティ! - サンスポ&ニッポン放送公認SNS. 2019年8月30日閲覧。
- ^ 他にアーモンドアイが敗れた競走の優勝馬はニシノウララ・リスグラシュー・グランアレグリアと、いずれも牝馬であったため
- ^ “武豊騎手に1日間の騎乗停止 安田記念の発走直後にロジクライが斜行”. www.sponichi.co.jp. 2019年8月30日閲覧。
- ^ “【安田記念】武豊「迷惑をかけてしまった」ロジクライはスタートで大きくヨレるアクシデント(競馬のおはなし)”. Yahoo!ニュース. 2019年8月30日閲覧。
- ^ “【安田記念】ダノンプレミアム最下位…レース後に下馬も 中内田師「スタートが全て」”. netkeiba.com. 2019年8月31日閲覧。
- ^ “ダノンプレミアムJRAは異常なしと発表/安田記念|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 2019年8月31日閲覧。
- ^ a b “【安田記念】売上は204億円で前年比大幅増”. netkeiba.com. 2019年8月30日閲覧。
- ^ “両雄並び立たずという格言は。 | 競馬が好きだ! | ラジオNIKKEI”. www.radionikkei.jp. 2022年3月21日閲覧。